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なぜ日本で政治家をめざすのか〜ドキュメンタリー映画『選挙に出たい』が公開
12/1(土)より東京・ポレポレ東中野でドキュメンタリー映画『選挙に出たい』が公開されます。"歌舞伎町案内人”の異名をもつ李小牧さんの新宿区議選の舞台裏に追ったドキュメンタリー。監督は2004年に交換留学生として来日し、2006年の大学院留学による再来日以後、日本の制作会社で勤めるなど10年以上日本に滞在した中国人女性・邢菲(ケイヒ)で、長編初監督作品です。日本初上映となった2017年山形国際ドキュメンタリー映画祭や今年2月の座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルでは反響を呼び、入管難民法改正案など外国人労働問題にも関心が集まる中、いよいよ劇場公開となります。公開初日〜3日目はケイヒ監督、李小牧さんなど関係者による舞台挨拶、また2週目以降にはゲストトークイベントも予定しております。李さんや監督の映像を通して見えてくる日本社会を、ぜひスクリーンでご覧下さい。(きろくびと/中山) 詳細

「ストする」ことの解放感!〜『ストする中国』日本語版に寄せて
中国で頻発するストライキの内情を、ストに参加した労働者への聞き取りから明らかにする『ストする中国』(郝仁 編 レイバーネット日本国際部訳編 石井知章 解説、彩流社)を、ある研究会で買い求め、ようやく読了できました。本書に登場するのは、ストした中国人労働者たちの生々しい経験であり、それについての飾りのない語りです。読み進むうち、聞き取りに同行しているような気持ちにさえなってきます。農村から都市にやってきた労働者の身分的不安定、長時間労働や安全衛生に不備など過酷な労働とご飯が炊けていなかったり麺に虫が入っていたりといった生活環境、罵倒や高い罰金など乱暴な労務管理、突然の賃下げ。彼女、彼らが、初期に「ストする動機」は、人としてやむにやまれぬ怒りです。(北健一) 全文 *写真=2010年、中国ホンダ労働者のストライキ

〔週刊 本の発見〕先人達と平和の軌跡を辿る旅〜『戦争・核に抗った忘れえぬ人たち』
本書の冒頭において、戦後日本の最大規模の社会運動は平和運動であり、反戦・反核の平和運動があったからこそ、日本は戦争に巻き込まれることもなく平和を続けてくることができたのであろうと筆者である岩垂氏は述べている。日本のメディアが伝えようとしない、反核運動・平和運動に尽力された方々を、この本は端的に且つ的確に紹介している。著者の岩垂氏は元新聞記者であり、自身のジャーナリストとしての関わり方からか、取材を通しての具体的記述も多く盛り込まれている。本の目次を見ると「平和に執念を燃やした前衛俳句の巨匠・金子兜太、『デモ屋』と呼ばれた数学者・福富節男、愛称は『革命の寅さん』・樋口篤三・・・」と多彩な30名が紹介されている。掲載されている人物はいずれも故人ではあるが、今まさに活躍中の人物かと思うほどのリアリティーを感じることができる。(杜 海樹) 続き

ひどすぎる!怒りとため息〜「入管法改定」強行採決に反対する国会前行動
11月27日、外国人労働者受け入れ拡大に途を開く「入管法改定案」が法務委員会強行採決の危機を迎えている。データ改ざんと隠蔽に加え、安倍首相の外遊スケジュールにあわせてまともな審議時間もとらず強行するやり方に、国会前では「ひどすぎる」「恥ずかしい」「これでいいのか」と怒りとため息が広がっていた。昼の「拙速な入管難民法改正案の撤回を求める緊急国会行動」には労働組合を中心に180人が集まった。法務委員の藤野保史議員(共産)・柚木道義議員(無所属)が現状を報告。藤野議員は「問題ある技能実習生制度もそのままで、新制度はブローカー規制もない。外国人を雇用の調整弁として使おうとしている」と憤る。柚木議員は「法務委員の私にも資料を全部見せてくれない。とんでもない。みんなの力でこの外国人奴隷労働法案を阻止しよう」と訴えた。国会前では「入管改定法案を撤回せよ」「法務委員会はまともな審議を」「外国人労働者への人権侵害をなくせ」のコールが続いた。27日中にも衆院通過と言われている。(M) 写真速報時事通信NHKニュース

奴隷労働は変わらず〜アマゾン「時給15ドル引き上げ」の背景
アマゾン社は増大する組織化攻勢と政治的圧力を受けて、アメリカ本国の労働者の最低賃金を時給15ドルに引き上げ、英国の労働者の賃金も引き上げることを10月初めに発表した。この決定の数か月前からアマゾン批判が高まっていた。米国では大勢の労働者がアマゾンでの作業スピードが厳しく、労働災害も多く、倉庫では奴隷労働のようだと、声を上げ始めていた。英国のジャーナリストはアマゾンに潜入して働きその結果を本に書き、労働者たちがペットボトルに排尿することを強いられ、うつ病の発生率が異常に高いことを暴露していた。ドイツ、ポーランド、スペインのアマゾン労働者は劣悪な労働条件に抗議して、アマゾン最大のセールス日の6月にストライキを打った。バーニー・サンダース上院議員はアマゾンの賃金があまりに低いので、その労働者の多くが食料、住宅、医療などの生活保護を受けていると批判していた。さらに最賃15ドルを求めるファイト・フォー・フィフティーン運動もマクドナルドなどの企業への賃上げ攻勢を派手に展開していた。(レイバーネット国際部・記事) 全文

「首都圏も人が住めなくなる恐怖」〜レイバーネットTV第136号レポート
11月21日のレイバーネットTVの特集は、「オンボロ原発を動かすな!〜首都圏『東海第二原発』」だった。午後6時半、いつものように「スペースたんぽぽ」での放送準備が着々と進み、特集の司会者の遠藤大輔さん(『恐怖のカウントダウン』制作者・写真左)とゲストの鴨下祐也さん(福島避難者・右)、総合司会の堀切さとみさんとの打ち合わせがはじまる。まもなく「芸人ジャーナリスト」おしどりマコさんケンさんがやってきた。この企画は、福島避難者でもあり、毎回のTV放送を裏方として支えている鴨下さんの強い願いで実現した。さて、放送は今月のホットなニュースが尾澤邦子さんの司会ではじまった。見逃せない話題がてんこ盛りで、充実した10分間だった。トップは住友商事の系列会社スミフルジャパンが経営するバナナ農園でのデモ弾圧殺人事件への抗議。農園で正規雇用を求めたストで組合員が殺害され、たくさんの負傷者が出た。それに対しての抗議が新宿本社前で行われた。(笠原眞弓) 続きアーカイブ録画(84分)

モザンビークの農民は訴える〜JAICAの農業開発にNO!
11月20日から22日の3日間、「−危機の21世紀を超えて、つながりあい、食の幸せを未来に手渡すための―3カ国民衆会議2018」が開かれた。この民衆会議はJAICA(ジャイカ 国際協力機構)が押し進めるモザンビークでの農業開発が、もともと土地に根付いてきた小規模農業を破壊し、土地の収奪を起こし、食の安全を脅かすとして、反対の声をあげようと開かれたもの。3カ国とは、モザンビーク、ブラジル、日本。中心となったのは、日本国際ボランティアセンターや多くの日本のNGO。また、モザンビークからは当事者である農家の方々や弁護士など、ブラジルからも支援者、NGOなどが参加した。ブラジルでは1970年代から90年代に日本のODAによって「セラード農業開発協力事業」が農業支援をうたい文句に行なわれ、農民から土地を奪い、生態系などの環境破壊を起こしている。(根岸恵子) 続き *写真=訴えるモザンビークの農民

抗議声明 : 異様な逮捕劇、関西生コン支部への根こそぎ弾圧に強く抗議する
11月21日、大阪府警が、関西地区生コン支部の武建一委員長、武洋一書記長ら4人を不当逮捕した。昨年12月輸送ゼネストの一環として実施した、宇部三菱 大阪港SS(セメント出荷貯蔵基地)と中央大阪生コンの2カ所における威力業務妨害事件を被疑事実とするものである。これはきわめて異様な逮捕劇である。なぜなら、大阪府警はこの2カ所における行動に関しては、今年3月に大々的な 家宅捜索が組合事務所やのちに逮捕された組合役員たちの自宅で強行され、それから半年も経った9月18日になってから、前者の宇部三菱大阪港SS事件で現場にいた16人全員を根こそぎ逮捕したものである。後者の中央大阪生コン事件についても翌10月9日、現場にいた8人を逮捕(うち5人は宇部三菱大阪SSで逮捕されていた役員らの再逮捕)しており、すでに両事件で起訴されたのべ13人の第1 回公判期日が来年2月に指定されているからである。すでに裁判に移った事件でなにをいまさら捜査するというのか。(全日建連帯労組) 続き *写真=大阪府警前の抗議行動(10月)

〔週刊 本の発見〕すべては企業のために〜『崩壊するアメリカの公教育』
子どもの頃からテストが嫌いだった。点数で序列をつけられることがイヤだったから。そもそも教育が人間に優劣をつけていいのかという問題だ。いま、大阪市の吉村洋文市長は、学力テストの点数で教員の給与や学校予算を決める方針を打ち出している。生徒の序列化だけでなく、教員や学校まで点数で格付けしようとしているのだ。実は、この方針のお手本は、アメリカにあった。気鋭の教育学研究者による本書は、新自由主義がアメリカの公教育をどう変質させていったか、その驚きの事実を詳細に語っている。「今日、アメリカの公教育は、テストや補助教材、データシステム、チャータースクールなど、教育のあらゆる面で民営化が進み、いつしか1兆円規模の巨大なビジネスの土壌と化してしまった」と著者は書く。そもそもの始まりは、1983年レーガン政権下の学校選択性だった。ここで学校は競争原理に支配されるようになる。(佐々木有美) 続き

歪んだ移民政策からまっとうな移民政策へ〜「審議入りの日」300人が声上げる
「外国人労働者受け入れ拡大」の入管難民法の実質審議がはじまった11月21日昼、参院議員会館講堂に約300人が集まり声を上げた。主催の移住連代表の鳥井一平さんは「まず当事者の実習生の声を聞くべき。これまでデタラメをやってきた歪んだ移民政策からまっとうな移民政策に転換すべきで、事実に向き合った正面からの議論をしてほしい」と国会審議に求めた。集会では、残酷な労働条件を問題にした中国人実習生が、雇い主と警備員によって「強制帰国」させられる成田空港ロビーの生々しい映像が流された。自由人権協会の旗手明さんは「じつはきのうベトナム人女性実習生から電話相談を受けた。本人が妊娠したことを受け入れ機関に話したら『堕ろすか帰国しろ』と迫られ悩んでいるという。これが実習生の現実だ」。指宿昭一弁護士もスイス作家の「労働力を呼んだら来たのは人間だった」という言葉を引いて、「一定期間就労した外国人労働者については、家族の帯同を認め定住化への途を開くべきである」と強く訴えた。会場には全国から20人近くの外国人労働者も参加していた。(M) 写真速報

レイバーネットTV(11/21)放送 : オンボロ原発を動かすな!〜首都圏「東海第二原発」
11月21日(水)のレイバーネットTV。ニュースコーナーではいま国会で大問題の「外国人労働者受け入れ新制度」の問題点を指宿昭一弁護士が鋭く解説します。また特集は「オンボロ原発を動かすな!」で、27日に40年を迎える「東海第二原発」を取り上げます。40年たてば廃炉のはずが、最長20年運転を延長することを国は決定しました。フクシマの解決も出来ないのに、超老朽原発の再稼働とはとんでもないことです。しかも東海第二は首都圏にある唯一の原発で、30キロ圏内には90万人が暮らしています。番組では、茨城現地の最新映像とレポート、村上達也・前東海村長の電話出演、そして「芸人ジャーナリスト」おしどりマコさん、福島避難者の鴨下祐也さんをゲストに「オンボロ原発・東海第二」の大問題に迫ります。放送場所は、反原発運動の拠点「スペースたんぽぽ」。ギャラリー参加も大歓迎です。(レイバーネットTVプロジェクト) 番宣 *写真=再稼働に反対する現地の看板

「金持ちのための大統領」に不満爆発〜フランスの「黄色いベスト運動」
11月17日のアクションは、全国で内務省発表では2034か所で道路やスーパーの入口などの封鎖、集会・デモが行なわれ、29万人近く(おそらくもっと多かった)が参加した。封鎖を破ろうとした車に轢かれて参加者の1人が死亡、警察との衝突も含めて409人の負傷者と157人の逮捕者が出たが、圧倒的多数は平和的に行動した。組合や政党などがオーガナイズせずに、これだけの人数が自主的に行動を起こしたこと自体、注目に値する。それを可能にしたのはソーシャルメディアだが、ふだんデモなどで意思表示しない人々を路上に繰り出させたほど、マクロン政権と国民との溝は深いといえるだろう。17日のアクション直前の世論調査では74%が「黄色いベスト」運動を支持し、低所得層ほど支持率が高かった。実際、参加者の声からは「共稼ぎだが生活は苦しい」、「年金だけでは月末の食費を削らなくてはやっていけないのに、増税された」など、ガソリン・軽油増税による購買力の低下だけにとどまらない、日常の苦悩が語られた。(飛幡祐規 パリの窓から) 全文

差別の実態ぶつける!〜メトロコマース「非正規差別なくせ裁判」が結審
晴れ晴れとした4人の笑顔が印象的だった。11月19日、東京東部労組メトロコマース支部の労働契約法20条に基づく「非正規差別なくせ裁判」の控訴審が結審を迎えた。裁判の始まる2時間前の11時半、裁判所前には、支援者ら約100人が集まりアピール行動を行った。支部のメンバーは、「どんな判決が出ようと、非正規差別と闘う運動を続けていく」と決意を表明。中でも疋田節子さんは、「人前でしゃべれなかった私が、大勢の前で話せるようになった。自分をほめてあげたい。今日は赤飯を炊いてきた」と話し、参加者を和ませた。午後1時半、いよいよ裁判が始まった。弁護士陳述のあと、4人の原告が意見陳述をした。瀬沼京子さんは一番切実な問題として「骨折で4か月休んだ年は、手取り10万のボーナスが4割しか出なかった。給料の出ない上にボーナスを減額されて、まるで懲罰のような扱いを受けた」と訴えた。(佐々木有美) 写真速報報告(東京東部労組)動画(55分) *写真=メラメラハットを手にする瀬沼さん

とにかくスケールの大きさにびっくり〜韓国「全国労働者大会」参加報告
11月9〜12日、韓国へ行ってきた。長年交流を続けている仁川地域の労働者や、一昨年来日し日本本社に対して解雇撤回を求めて闘った韓国サンケン労組と交流し、民主労総の全国労働者大会に参加した。また、来年の3.1朝鮮独立運動100周年に関するDVD制作の映像撮影も開始した。ムンジェイン政権になって変わったことは、今まで行けなかった青瓦台(大統領官邸)の近くまで行けるようになったことだと韓国の友人が言っていた。10日午後3時から「2018全国労働者大会」が始まった。とにかくスケールの大きさにびっくりする。メインステージにはクレーンで吊り上げた18個のスピーカーとドデカいスクリーン。集会場の要所要所には、ステージの様子を伝える音響とスクリーンが大きなトラックに据え付けられている。音響の凄さが身体の中に響いてきた。ステージで歌う文化宣伝隊約50人は一人一人マイクを持つ。モニターの数も半端ではなかった。(尾澤邦子) 全文

三菱電機タイ工場で組合つぶしの解雇〜「国際労働基準」求めるキャンペーン始まる
2020年東京オリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナーである三菱電機がタイの工場で労働組合員を解雇した。そして他の組合員たちを下劣で屈辱的に扱っている。会社は24人の一般労働組合員と労働組合指導者を解雇し、残りの労働者に組合を告発するよう強制した。再雇用の前に「規律と秩序」を学ぶために4日間の軍のキャンプに参加するよう強いている。この意図的侮蔑にもかかわらず、48名以上が職場から放逐された。三菱は20年前から工場で活動する労働組合を解体することをねらって、集団契約(ユニオンショップ制)から個人契約(オープンショップ制)に変更しようとした。世界的な労働組合インダストリオールは、三菱に対して大規模な全世界的なキャンペーンを開始した。すなわち、国際的な労働基準を尊重しろ、ただちに、24名の解雇された組合指導者と組合員を再雇用し、職場から放逐された48名を復職させろ、三菱は、根本的な労働組合の権利を無視することをやめろ。 続き国際署名サイト *写真=現地の抗議集会

非暴力の精神とデモの文化〜韓国キャンドル集会とは何だったのか
9月14日の『ハンギョレ新聞』は、キャンドル集会が本格化する直前の2016年10月、当時の大統領国家保安室が「希望計画」という名の戒厳令宣布を検討していたと報じた。すでに大統領府は、軍の防諜部隊である「国軍機務司令部」が17年2月に作成した戒厳令文書の存在を明らかにしている。戒厳令文書には、ソウルの光化門広場への4800人の武装兵力投入、戦車・装甲車280台配備をはじめ、国会・マスコミ統制案などの、キャンドル集会鎮圧計画が含まれていた。文在寅大統領は「戒厳令文書の真実を明らかにする」との指示をだし、すでに捜査は本格化している。世界に類のない、大規模な非暴力積極行動だったキャンドル集会を、朴槿恵政権と軍はどのように鎮圧しようとしたのか。その詳細が明らかになれば、民衆の反政府抗議行動について考える材料の一つとして、それは貴重なものとなるはずだ。朴槿恵大統領を退陣に追い込んだキャンドル集会は、毎週土曜日、市民みずからが運営する自律的な運動だった。(小林たかし) 続き

〔週刊 本の発見〕復活した道徳教育にどう立ち向かうか〜『道徳教育と愛国心』
道徳と聞くと顔をしかめる人もいるかもしれないが、道徳あるいはモラルは大事なものだ。著者の大森直樹は、本書冒頭で自分は道徳不要論ではない、「人々が生活と仕事の中で育んできた道徳」、つまり「生活のなかの道徳」は大切だと書いている。同感だ。ところが明治政府以後、第二次大戦に至るまで、日本は、国家が道徳を「修身」の名で強制した。敗戦後も教育の場で「道徳」復活を狙ってきた。道徳と聞いて顔をしかめるのはこの歴史があるからだろう。そして、今年度からは小学校で、来年度からは中学校で「道徳」の検定教科書が登場し、ついに評価もわれることになった。本書は道徳教育を、戦前の「修身」にまで遡って捉え、続いて戦後の権力による復活工作とこれと対決する教育労働運動のせめぎ合いの歴史を描き、今どうするかを問う。たいへんな労作であり、問題提起に富む本である。(志真秀弘) 続き

韓国 : 2018全国労働者大会に6万人〜文政権の反労働政策にゼネスト宣言
「全泰壹(チョン・テイル)烈士精神継承2018全国労働者大会」が11月10日、光化門交差点で開かれた。大会に参加した全国の労働者6万人が光化門交差点から市庁南側の通りを埋め尽くした。労働者たちは文在寅政府の親企業・反労働政策に怒った。最近の政府と国会の弾力勤労制拡大推進、最低賃金法改悪、公共部門子会社拡大、全教組法外労組維持、公務員解職者復職拒否などを糾弾した。彼らは来る21日、民主労総のゼネストで社会の大改革をすると宣言した。民主労総のキム・ミョンファン委員長は「政府と国会は労働の要求を執行する義務とは反対に、資本家の要求である弾力勤労制拡大を押し通そうとしている」とし「民主労総の11月ゼネストは文在寅政府と国会に対し、すべての労働者の団結、交渉、ストライキの権利のために ILO中核的協約を批准して、労働関係法の改革に着手しろという峻厳な命令」と明らかにした。(チャムセサン報道) 記事フォト

外国人技能実習生が働く現場で何が起きているのか?〜クリーニング・除染など実態報告
衆議院で出入国管理法改正案の審議が11月13日から始まるのを前にして、「外国人技能実習生の実態を知って!」と訴える集会が11月11日、東京で開かれ た。外国人技能実習生権利ネットワークが、総会後の記念講演として開催した 「技能実習のリアル〜いま、現場で何がおこっているのか」である。はじめに同ネットワークの共同代表である大脇雅子弁護士(元国会議員)が「送り出し機関での借金、日本の管理団体の搾取、まったく人道に反する扱いである。公的な職業安定機関が労働者の権利が守られるよう紹介すべきで、12カ月以上の外国人居住者を移住者として保護する国際ルールも知らない人がつくろうとする制度は、技能実習生制度の問題を拡大するだけである」とあいさつし、改正案を批判した。その後、クリーニング業界の外国人技能実習生の実態などの報告が続いた。(伊藤彰信) 続き

原発ゼロ基本法案を審議せよ!〜11.11国会前集会レポート
11月11日日曜日、快晴。反原連は毎週金曜日に行っていた反原発抗議行動を、この日に代えて国会前での集会を催した。今回の行動は、前国会で自民党と公明党によって見送られた、立憲民主党など野党が共同提出した「原発ゼロ基本法案」の審議を要求することが柱の抗議集会だった。最初に「福島ボトムズ」というバンドが、福島の思いを「悲しくてやりきれない」という歌に託して歌ったあと、主催者のミサオ・レッドウルフさん(写真)があいさつした。彼女によると「現在原発は9基稼働しているが’電力エネルギーのわずか2%にすぎず、もう原発はなくてもいい」と訴えた。二番手に立った中野晃一さんは、「すべての運動はこの原発反対の運動が原点である」と話した。集会には、吉良よし子、福島みずほら政治家をはじめ、古賀茂明、香山リカ、武藤類子さんら、多くの識者が壇上にのぼった。(木下昌明) 続き動画(8分半)

米軍医師の眼を通して沖縄を追体験〜演劇『太陽の棘(トゲ)』を観て
11月9日の公演を見た。戦後間もない沖縄の米軍病院に戦争経験のない若い精神科医が着任する。そこには戦争で精神を深く病んだ米軍の兵士達がいた。若き軍医は沖縄の絵描きたちと交流する。やがて絵描きたちとともに怒りともに泣き、やがてある事件を起こしてアメリカ本国に強制帰還させられる。70年前の実話を基にした原田マハの同名の小説の戯曲化だ。若き軍医の沖縄との出会いが実に率直で自然で、この米軍医師の眼を通して私たちもまた沖縄を追体験することになる。舞台の展開にグイグイ引き込まれていく。10分間の休憩時間も後半が楽しみで待ちきれない。エンディングがいい。原作の力と脚本、演出の力が相まって素晴らしい時間を味わった。出口で知り合いの女性が「お芝居を見てこんなに涙が出たのは初めて」とハンカチを握りしめていた。私は黙ってうなずいた。何か口にするときっと声が震えてしまうと思ったから。(甲斐淳二) 全文

老いる両親のリアル〜信友直子監督『ぼけますから、よろしくお願いします。』
信友直子監督の『ぼけますから、よろしくお願いします。』は、老いの生活がどんなものか、ありありと映し出されて、観客は自らの老後に対し、心構えのようなものができてくる映画である。それは、広島県呉市に住む信友監督の両親の日々に光を当てたドキュメンタリー。それも時折帰郷する彼女自身が撮り続けたもので、アルツハイマー型認知症と診断された87歳の母、体力の衰えた95歳の父を中心に浮かび上がらせている。撮影は「よう物を忘れる」という2年前の母から始まるが、次第に買い物さえままならなくなって父が代わるようになる。監督である娘は東京でテレビの仕事をしていて、両親の老いが気がかりで、父に「帰ろうか?」と問うても「帰らんでええ、あんたの道を進んだらええ」と断られる。(木下昌明) 続き映画公式サイト

世界に影響を及ぼす、米国のいくつもの貌〜太田昌国のコラム
このしばらくの米国の政治・社会の状況からは、目が離せない。 日ごろから、選挙に過大な期待を寄せることはない。昨今の日本の選挙のように、社会を構成している人間の中で、その政治的・社会的・思想的識見から見ても、品性・人格から見ても、最悪の人物をわざわざ選んでいるのではないか――と思えるような事態が続いていて、国会にそれが如実に反映している現実を日々見せつけられていると、選挙に基づく代議制への不信は増すばかりとなる。私たちの心に忍び寄るシニシズム(冷笑主義)は、その直接的な結果だ。にもかかわらず、選挙が持つその限界性の中にも、一筋の光を見出すことも稀にある。今回の米国の中間選挙の結果は、その一例といえようか。民主党が勝ったとか、上下院の議員構成が「ねじれ」になったとかに注目しているのではない。(太田昌国) 続き *写真=選出された民主党の女性新議員たち

中国人技能実習生裁判で一部勝訴〜「時給300円・セクハラ・人権侵害」の解消が先
「協同組合つばさ」で働いていた中国人技能実習生・女性Aさん(現在32歳)が、元雇用主に対して「賃金未払い・セクハラ」などを訴えた事件で11月7日、水戸地裁は雇用主に残業代など約200万円の支払いを命じる判決を出した。その他の請求は棄却した。会見で指宿昭一弁護士(写真左)は「残業代支払いがあり一部勝訴だが、セクハラなどが認められないのは遺憾として」控訴する方針。Aさんの仕事は農業で大葉の収穫・出荷作業だった。時給に換算すると300円(裁判所認定は400円)、そのうえ胸や尻を触られるなど日常的にセクハラ被害を受けていた。指宿弁護士は「時給300円・400円は労基法に完全に違反している。日本人なら文句が言えるが技能実習生は声を上げられない。いま外国人労働者受入れ拡大が言われているが、こうした人権侵害を絶対に繰り返さないことを前提にすべきだ。でもそういう議論になっていない。つばさ事件も氷山の一角に過ぎない」と厳しい表情で語った。(M)報告会見動画(5分半)関連記事毎日新聞テレビ東京

フィリピンのバナナ農園労働者を殺すな!〜スミフル本社前で連帯行動
10月31日、住友系「スミフル・フィリピン」の関係農園の労働者が銃で殺される事件が起きた。この事件を受けて11月8日、PARC(アジア太平洋資料センター)が中心となって、東京・新宿のスミフルジャパン本社前でスミフル農園労働者との連帯行動を行った。事件の被害者はダニー・ボーイ・バウティスタ、31歳。バウティスタさんはスパヤ農園労働組合(NAMASUFA)に所属し、職の確保と正規職を求めて精神的に組合活動を行ってきた。バナナの梱包工場で働く1日の賃金はわずか396ペソ(790円)だ。今回の暴力の背景には、ドゥテルテ政権による新自由主義政策下の外国資本への便宜があるのではないか。フィリピンでは労働運動が外国資本を遠ざけるとして、労働運動への弾圧が続いている。(根岸恵子) 報告

行動することで社会は変わる!〜マイケル・ムーア監督『華氏119』
マイケル・ムーア監督の最新作『華氏119』を観た。全編に渡り、絶望を突き付けられる。自然と脳内で、アメリカが日本に、トランプが安倍晋三に、水質汚染に苦しむミシガン州フリントの子どもたちが、福島の子どもたちに置き換わる。しかし、映画は絶望だけでは終わらない。行動することで社会は変わることを見せてくれる。公立学校の教員や給食調理員、スクールバスの運転手たちが、組合執行部の生ぬるい妥結に業を煮やし、賃上げを求めストライキに突入する。生徒や保護者、市民がそれを後押しする。アメリカでも公務員のストライキは違法だ。執行部は教員の賃上げで事を収めようとしたが組合員は納得せず、「そんなことは受け入れたくない!受け入れるなんて嫌だ!もうこれ以上そんなことは受け入れないんだ!」と歌いながらストライキを継続。給食調理員やスクールバスの運転手の賃上げにも合意するまでストライキで闘い続け、最後には要求を勝ち取った。(大椿裕子) 続き

〔週刊 本の発見〕新しい切り口と新鮮な驚き〜『貧困を救えない国 日本』
対談本の妙は、対談者が互いの尊敬の念をベースに、違いを認め、刺激し合い、単独では表出しないコメントを出す事だろう。その点では本書はかなり成功の域に達している。阿部彩氏は子どもの貧困を取り上げ、研究者の立場から貧困問題を社会問題にまで押し上げた「功労者」。片や鈴木大介氏は特に若い女性に焦点を絞り、現代の若者の貧困のありようを丹念に取材したライターだ。研究者と在野のライターが同じテーマで語り合い、1冊の書籍を上梓するというのは、あるようでなかった企画だ。対談のテーマ設定が興味深い。これまでの「貧困問題」本は、「誰の貧困であるか」が大事だった。(今でも大事だが。)「男性か、若者か、高齢者か」等々と言ったように。(渡辺照子) 続き

米中間選挙 : 「民主主義的社会主義者」オカシオコルテスさんが圧勝!
米中間選挙・下院ニューヨーク州14区で、DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)のメンバーであるアレクサンドリア・オカシオコルテスさん(29歳)が共和党候補らを大差で破り、史上最年少の女性下院議員として連邦議会に躍り出ることになりました。『ニューヨークタイムズ』の開票速報(日本時間2時半現在)によると、開票率97%でオカシオコルテスさんは9万8925票(78・5%)とまさに圧勝です。同選挙区は「堅固な民主党地盤」ですから、この勝利は6月の民主党予備選で彼女が10期連続当選の大物議員を打ち負かした時点で決まっていたともいえます。『ハフィントンポスト』はオカシオコルテスさんの勝利スピーチを次のように伝えています。(浅井健治) 続きDSAの声明 *写真=TV報道から

『ストする中国−非正規労働者の闘いと証言』発刊〜レイバーネット国際部 訳編
官製労働組合しか認められておらず、「スト権」や結社の自由が保障されていない名ばかりの社会主義国・中国で、非正規労働者たちが下から求める集団的・「合法的」なストライキをした! 底辺においやられた労働者たちが次々に展開した抗議行動を、労働者自身の言葉で語った貴重な本。支援者たちによるていねいな聞き取りを通し、ストの原因、状況、結果、そして影響をあきらかにする。広東省のホンダ部品工場など、日本に関わりの深い企業も含む労働の実態と闘いをつぶさに見ていく。中国の現代史における労働運動の位置づけも詳しく解説している。<著者・郝仁(ハオレン)のプロフィール> 大学卒業後、2009 年に広東省の NGO に勤務。退職後、工場労働者になり、活動家のネットワークを作って一連のストの聞き取りを始める。(レイバーネット国際部) 詳細

けん責処分、配転命令、解雇処分を受けた3人の元創価学会員に聞く
創価学会本部から受けた解雇処分のきっかけとなったけん責処分により精神的苦痛を負ったとして賠償をもとめて闘っている3人(小平秀一さん、滝川清志さん、野口裕介さん)の元創価学会本部職員、元創価学会員に話を聞いた。彼らは、この裁判の前に解雇は無効と訴えた裁判をおこしたが、「2000回を優に超える電話(不当な扱いを受けている創価学会員の救済と対話を求めた:原告主張)」が上司職員に与えた被害は甚大だとする被告(創価学会本部)の主張を裁判所は全面的に認め敗訴が確定していた。しかし、3人は裁判確定以降も「電話の内容に目を向けることなく解雇を容認する判決は、不当」と一連の処分の撤回と創価学会本部の変革を訴え続けてきた。現在行われている損害賠償請求裁判も、その一環である。(湯本雅典) 記事動画(15分52秒)

「改憲よりも核兵器禁止条約の批准を」〜川崎哲さん ノーベル賞メダルを手に訴える
11月3日、憲法公布記念日の国会前には18000人が集まり「改憲発議反対」の声を上げた。ピースボート共同代表の川崎哲さん(写真)は、核兵器廃絶国際キャンペーン (ICAN)が受賞したノーベル平和賞のメダルを手に熱く語った。聴衆の眼がメダルに釘付けになるなか、川崎氏はこう述べる。「核兵器廃絶と9条に通じる不戦の誓いの2つは、第二次大戦からの教訓である。それが戦後日本の平和を形づくってきた。私は一昨日ニューヨークから帰ってきたが、1日の国連総会では『核兵器禁止条約の署名・批准を広げようという決議』が出されたが、なんと日本は反対した。政府は、国の安全保障のためには核の抑止力は不可欠だと弁解している。政府の憲法解釈によれば、9条のもとでも核兵器の保有・使用も自衛の範囲内であれば憲法に抵触しないと言っている。こんなことが許せるのか」と政府の危険な動きを痛烈に批判した。(M) 続き動画(5分半)全収録動画(87分)shinyaの写真報告

レイバーフェスタ2018プログラム決定!〜3分ビデオ・川柳大募集
ことしもレイバーフェスタの季節がやってきました。2002年にスタートして以来、ことしで17回目です。当初のスローガンは<「労働」を観よう・聴こう・話そう>でした。固いイメージで取っつきにくい労働問題を文化を通して身近なものとして広げていきたいという思いです。レイバーネットの「情報ネットワーク」としての活動は、労働問題をベースにしながらも「反戦・反原発・反アベ・人権」など社会的テーマにも果敢に取り組んでいます。レイバーフェスタをつくるのはあなたです。ことしも「3分ビデオ」「川柳」を大募集します。あなたのたたかいのレポート、言いたいことを表現してみませんか。レイバーフェスタ2018 は12月22 日(土)、田町交通ビル 6F ホールで開催します。メイン映画は、できたてホヤホヤのドキュメンタリー映画『最後の一滴まで〜ヨーロッパの隠された水戦争』です。また映画『子どものころ光る砂であそんだ』は、これまで知られてこなかった埼玉のアスベスト問題に光をあてています。詳細プログラムをご覧ください。 詳細 *チラシ配布協力者募集中


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