![]() |
モザンビークの農民は訴える〜JICAの農業開発にNO! | ||||||
Menu
おしらせ
・レイバーフェスタ2024(報告) ・レイバーネットTV ・あるくラジオ(2/23) ・川柳班(2/28句会) ・ブッククラブ(3/20) ・シネクラブ(2/2) ・ねりまの会(1/31) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第98回(2025/1/10) ●〔週刊 本の発見〕第376回(2025/2/7) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2025/2/4) ●川柳「笑い茸」NO.159(2025/1/27) ●フランス発・グローバルニュース番外編(2025/2/2) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第97回(2024/12/30) ●「美術館めぐり」第7回(2025/1/27) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
モザンビークの農民は訴える〜JICAの農業開発にNO!*訴えるモザンビークの農民 11月20日から22日の30日間、「3カ国民衆会議2018ー危機の21世紀を超えて、つながりあい、食の幸せを未来に手渡すために」が開かれた。この民衆会議はJICA(国際協力機構)が推し進める モザンビークでの農業開発が、もともと土地に根付いてきた小規模農業を破壊し 、土地の収奪を起こし、食の安全を脅かすとして、反対の声をあげようと開かれたもの。 3カ国とは、モザンビーク、ブラジル、日本。中心となったのは、日本国際ボランティア センターや多くの日本のNGO。また、モザンビークからは当事者である農家の方々や弁護 士など、ブラジルからも支援者、NGOなどが参加した。 ブラジルでは1970年代から90年代に日本のODAによって「セラード農業開発協力事業」 が農業支援をうたい文句に行なわれ、農民から土地を奪い、生態系などの環境破壊を起こ している。JICAは「ブラジルの緑の革命」「不毛の大地を穀倉地に変えた奇跡」などと 称賛しているが、セラードは不毛の大地ではなく世界でもっとも生物多様性に富んだ地域 だった。開発は小規模農家や先住民の人権は無視し、経済成長のみが重視された。
JICAは「モザンビークでは土地が農地として活用されず農業開発が進まず、小規模農 家が伝統的で簡素な農業技術に依存しており、土地生産性も低い状況」として、セラード 開発を手本に、2011年4月から、「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サ バンナ農業開発プログラムプロサバンナ(ProSAVANA-JBM)」をスタートさせた。これに は「小規模農家の貧困削減、食糧安全保障の確保、民間投資を活用した経済発展に寄与す る熱帯サバンナ地域の農業開発を目指す」とあるが、地域の小規模農家を全く無視するや り方であった。また、「地域の小規模農家と農業開発に参入する投資家が共存できるモデ ルの構築を目指しています」などという文言は、絵空事というか、資本と労働力の2局分 化を生むだけで、農民は土地を失う可能性があるのではないか。JICAはモザンビークで コンサルタントを雇い、プロジェクトに賛成する農家と反対する農家を色別にして報告さ せ、公聴会には賛成する者しか参加させないなどの分断を引き起こしている。この分断こ そ、陽気で明るいモザンビークの人々の大きな心の痛手となっている。 今月20日、国連総会第3委員会で「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言( 小農の権利宣言)」を119カ国の賛成で採択したが、日本は棄権した。この宣言は12月の国連総 会で決議される。基本はボリビアが中心となって提案した「家族農家業の10年」を見据えた 。これにより家族経営などの小規模農業の価値や権利が明記され、食の安全や安定生産、 種子の確保や協同組合への支援も期待できる。 日本の農業も本来、家族農業が基本だった。いまでは高齢化し、田畑を手放す農家も増え 、大規模な単一種による畑が各地にみられるようになった。しかし、まだまだ日本は小 規模農業が基本だ。農村の伝統や文化も残していきたい。守ることで、日本の食の安全に つながる。モザンビークでも同じではないのか。彼らは大規模プランテーションの労働者 にはなりたくないのだ。 今年9月には、モザンビーク・マプート市の行政裁判所から、「プロサバンナ事業によ って影響を受けるコミュニティの土地・食料安全保障・栄養に関する情報の全面開示を命 じる。期間は10日以内」という判決が出た。しかし、日本の外務省もJICA もいまのとこ ろ情報は開示していない。
22日には、衆議院議員会館にて3カ国民衆会議の一環として、緊急報告会「日本とODA/投資:モ ザンビーク北部で何が起きているのか〜プロサバンナ事業とナカラ回廊開発に抗う農民 たち〜」が開かれ、農業家や支援者のほか、外務省や JICAからも職員が参加した。彼ら は中味のない美辞麗句を並べるが、情報開示をすることも約束しないし、使われた予算の 中身に関しても自ら答えず、日本のNGOから数字が出るという始末だ。彼らにモザンビー クの農民の気持ちが理解できるのかはわからない。モザンビークでは事業に反対する農民 などに対して嫌がらせや脅迫が続いている。そういうことがないように日本政府から図っ てほしいという声に、あいまいにうなづく職員の顔に誠実さはない。 会場のある人からは、「モザンビークの人口の8割が農民であるなら、なぜ日本から農業 支援が必要なのか」という質問があった。確かに農業生産高がひどく落ち込んでいる日本こ そが支援されるべきだ。その資金を日本国内農業の拡大につなげばどんなに有意義だろう 。こんな事業がはたしてモザンビークに必要なのだろうか。モザンビークから来た農民の 方々は、「私たちは人間だ。それなのに、日本政府は私たちを動物のようにしか考えてい ない」。そして「JICAがこんな事業を持ってこなければ、私たちは分断されることもな かったし、こんなに苦しむことはなかった」と悔しそうに言った。〔根岸恵子〕 Created by staff01 and tomo. Last modified on 2018-12-04 11:14:14 Copyright: Default |