本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:「民主主義守護」では朴槿恵政権と戦えない
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1386081305993St...
Status: published
View


どんな反政府闘争か?

[寄稿]「民主主義守護」では朴槿恵政権と戦えない

ソ・チャンホ(人権運動連帯) 2013.12.02 18:20

朴槿恵(パク・クネ)政権9か月で政権退陣のスローガンが上がっている。社会的事実や現象が十分に熟しなければ、政治的発言を慎む宗教界からだ。振り返ってみると朴槿恵政権創出の最大の原動力は、経済民主化と生涯周期別連携型福祉だった。これを政治争点にして、李明博(イ・ミョンバク)政権の政治と差別化した。これに留まらず、保守勢力の結集と無能な民主党のおかげで、李明博政権の政治的な失敗にもかかわらず、大統領選挙で当選した。

しかし大統領選挙自体が偽りだったことを、当選の一番の貢献者だった公約も 偽りだったことが天下にあらわれた。朴槿恵政権は無返答を続けているが、 不正選挙の確実な証拠が続々とあらわれている。国家情報院の大統領選挙介入を 隠そうとする工作政治の典型であるNLL対話録も公開した。続いて国家情報院の 捜査を指示した検察総長もクビにした。

だが、真実はおのずと表れるものだ。国家情報院選挙関連コメントは120万を 越えるという事実がわかった。続々と出てくる真実と、この真実を消そうと する卑劣なふるまいが相次いで出てきている。いわゆる「国家情報院の政治」 が韓国の社会に横行している。

それだけではない。虚しい公約が列を作って実体を表わしている。候補の時に 一番朴槿恵政権を支持した老年層への福祉公約である基礎年金の拡大支給さえ 修正した。四大重症疾患の治療費100%保障、経済民主化、106の地域事業公約、 鉄道民営化推進反対など、約束は守るという朴槿恵政権、自分の口で語った 公約も破棄している。

結局、朴槿恵政権は恩恵授与的な福祉公約と経済民主化政策の基調を放棄した。 そして新自由主義政策、つまり公共部門民営化(私有化)政策、経済民主化政策 の破棄を越え、露骨な親企業政策へと続き、統合進歩党の弾圧、全教組、 公務員労組など抵抗する社会運動陣営に従北の烙印を押して弾圧している。

[出処:資料写真]

問題は「どんな」反政府闘争か?

今や朴槿恵政権と李明博政権の差別性は消えた。この政権の反動的な性格の方が 率直だ。大衆の幻想と期待感が消え、そこには傲慢な姿で財閥と共生する反動的 で反民衆的な朴槿恵政権だけが残っている。だから宗教界を筆頭に反政府闘争が 闘争の大勢を作っている。

それでも労働者民衆と社会運動勢力の闘争は容易ではない。怒りは企画できず 個別化しており、国民の怒りにまで拡張できずにいる。軍事独裁の時には国民 が民主化運動を強く支持したが、政治的な民主主義がある程度確保された今、 民主主義は一般国民にとって重要な議題として感じられない。民主主義の手続 きが壊されたのは事実だが、時局大会が中心に置く「民主主義守護」は国民に とって見慣れない何かだ。

近代以後、社会の機能的な分化に関して、代議体系を構成する選挙の重要性が 増大してきたという主張を大幅に受け入れたとしても、それが選挙と大衆の 「自己支配の実現」という民主主義同一化を認めるものではないことをはっき りさせる必要がある。選挙は民主主義の手段の一つだ。そのため、選挙を民主 主義そのものと見る発想は、その認識、認定とは無関係に進歩と無関係な保守 政治の元祖、シュンペーターの主張と一脈通じる。

反朴槿恵、つまり反政府闘争は、階級的主体と政治的観点と目的により変わる。 民主党のように民主主義の花である選挙を汚したとして、国家情報院と朴槿恵 政権を糾弾するのは、選挙主義と合法主義政治の観点だ。朴槿恵政権の公安弾圧、 民主主義破壊は、直接には自分を当選させた不正選挙事実を隠し、危機を逃れる ためだが、根本的には極右反動の長期政権のための戦略だ。同時にこれを通じ、 新自由主義体制を守ろうとする国家権力の対応だ。

民主主義の毀損と新自由主義の狂風の中で、大衆が直面しているのは基本的に 「生存」だ。生存の崖で彼らが持たざるをえない欲望は単純だ。それは権力が 何であれ、自分の生活の改善だ。彼らは自分が努力しても、その素朴な夢をか なえることはできないということをよく知っている。だから彼らは自分ではなく、 自分よりさらに強い、実際にその夢を実行できる誰かへの欲望を自分の欲望と 同一化することで、自分の欲望を実現しようと思う。それが過去「自分の力で 一家を成した」社長、李明博政権の背後だとすれば、「70年代高度成長」時期 の朴正煕軍事政権への郷愁が朴槿恵政権の背後ではないのだろうか?

したがって、資本主義は決して民主主義と似合わない。正確には、常に複数で 存在するしかない民主主義の中で、彼らが民主主義と呼ぶものと照応するだけだ。 その理由は資本主義の生産現場ではもちろん、多様な領域で再生産される 非対称的な社会関係を媒介として他者を収奪、搾取、抑圧、排除することで 存在するためだ。今の新自由主義の特徴、つまり権力と富を独占した1%と、 そうではない99%の緊張と対立は、こうした事実を克明に示すものではないか?

[出処:資料写真]

生存権的な要求と政権退陣要求を結合させよう

大衆が望むことは、与えられた現実を承認することではない。すでに大衆は 「従北」という社会的イデオロギーを再生産する朴槿恵政権に疲れつつある。 ひたすら従北アリバイにより政権を確認するだけだ。では朴槿恵政権には何が できるのか? 労働者民衆に対する日常的な恐怖政治と、抵抗する勢力の弾圧だ けだ。大衆の支持を失い、力だけに頼る権威主義は、政治的指導力もなく、 社会的な混乱を加重させる。

だが労働者民衆は、政府と資本に対する闘争に点火しようとしている。全教組 は政府の規約是正命令をきっぱりと拒否した。鉄道民営化に対する鉄道労働者 の闘争と多くの国民の絶対的な支持がある。私たちだけが闘争するのではなく、 政権と資本に怒った労働者民衆が闘争の戦線に飛び出している。朴槿恵政権は すでに揺らいでいる。

「工場」のストライキを韓国社会を構成する政権の問題に拡張しよう。過去の 全労協闘争を思い出そう。日常的な賃上げ闘争が政権の性格を表わし、反政府 的な要求が闘争の課題になった。2013年の双竜車労働者の闘争が、密陽が、 そして全教組、鉄道民営化阻止闘争がそうだ。新自由主義恐怖政治の闘争は、 日常的な領域の闘争を反正権闘争に押し上げる。戦いの勝敗は、ただ私たちが さらに大胆に攻勢の手綱を握れるかどうかにかかっている。

大衆には新しい闘争の勢いが必要だ。社会運動陣営の闘争を拡張させながら、 健康な確信を吹き込まなければならない。労働者民衆の闘争が人生を変え、 国家権力が責任を持つべき生存の問題は、ぜひとも執拗に責任を取らせなければ ならない。それで労働者民衆の人生に基づいた闘争が世の中を変えることができ、 国家権力の属性を天下に表わして民主主義の問題と相対する問題であることを 「自ら」確認しよう。それでこそ、生存権的な闘争は政治化されて権力の心臓を 狙えるようになる。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-12-03 23:35:05 / Last modified on 2013-12-03 23:35:06 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について