根津公子の都教委傍聴記:都立中学校教科書採択/今回も育鵬社・自由社教科書は不採択 | |||||||
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●根津公子の都教委傍聴記(2024年7月25日) 都立中学校教科書採択〜今回も育鵬社・自由社教科書は不採択7〜8月は全国で来年度使用の中学校教科書の採択が行なわれています。今日の定例会はこの議題がメインでした。まずは、都教委の歴史、公民教科書の採択を振り返ってみます。歴史の事実を歪曲した扶桑社歴史教科書及び公民教科書が出版される(新しい歴史教科書をつくる会 2001年)と、都教委は都立養護学校中学部の教科書採択で扶桑社教科書を採択し、都立中学校・中高一貫校前期課程が発足すると、そこでも扶桑社教科書を採択。扶桑社の内紛により育鵬社と自由社に分裂後は、都教委は養護学校(特別支援学校)には育鵬社、自由社を、中学校・中高一貫校には育鵬社教科書を採択し、使用させてきました。 しかし、2020年の採択では、育鵬社・自由社は不採択になりました。中学校・中高一貫校の歴史教科書は10校全てが山川出版(1回目の投票では過半数の票が得られない学校が多く、最終投票で山川4、育鵬社2に)、公民教科書は教育出版が9校、日本文教出版が1校となりました。特別支援学校の歴史教科書は東京書籍、公民教科書は日本文教出版になりました。「過半数の投票があった教科書を採択する。過半数を確保できない場合は上位2社の教科書で決選投票して採択する」と決められており、傍聴者は皆、ドキドキハラハラしてその行方を見、最後には歓声をあげたい気持ちでした。 さて、今日の採決では筆者は、文科省が検定を合格させたことには企みがあるのではないかと思わせる令和書籍(武田恒泰社長)の歴史教科書が採択される可能性は当然のこと「0」、育鵬社、自由社が採択されることもまずないと想像していました。結果はそのとおりでした。どの議題でも、都教委事務方の提案に反対したり留意を促す発言はしない教育委員たちですが、石原都知事時代の右翼的な教育委員とは違う、育鵬社、自由社の教科書には投票しないと見ていました。 ところが、育鵬社公民教科書に投票した人が延べ2名(白鷗高校附属中学校と三鷹中等学校に)いました。無記名投票なので、同一人物かどうかはわかりません。白鷗高校附属中学校は学校の教育課程の基本方針に「日本の伝統文化理解教育」を掲げているのでそれが理由なのかと思いますが、三鷹中等学校の基本方針にそれはありません。 教育委員が配布された用紙に投票している間、投票行為が見えないようついたてを立て、4、5人の職員をそこに立たせました。傍聴者がついたてを乗り越えるはずもないのに、実に仰々しい有様でした。 また、「静謐な環境」ということで、教育委員は推薦するあるいはしない理由を述べないのですが、都の教育に責任を持つならば、自身の意見を都民(子どもを含む)に周知すべきです。 最後に投票結果を示します。 もう一つの公開議題は、立川緑高校の設置について。立川緑高校は来年度開校予定のチャレンジスクール(午前部・午後部・夜間部の定時制課程)です。都教委は、夜間定時制課程の存続を求める人たちに対し、代替としてチャレンジスクール増設を言い、立川高校夜間定時制課程の募集を昨年で打ち切り、今年度の入学生が卒業した時点で廃校を決めています。 この提案に北村教育委員から「チャレンジスクールは人気が高いから全員が入学できるわけではないが…」(要旨)と発言がありました。だったら、夜間定時制の代替にはならないではないか、と言いたい。無責任な発言です。 Created by staff01. Last modified on 2024-07-25 22:22:33 Copyright: Default |