本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:最高裁判事と労働者
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1342517976497St...
Status: published
View


最高裁判事と労働者

[コラム]最高裁判事の候補者たちには法の魂も精神もない

チョン・ビョンギ(嶺南大) 2012.07.16 09:43

聖域がない捜査を大言した検察が権力と財閥の前に力なくひざまずいた記憶が 鮮明だ。これを反映するかのように最高裁判事の人事聴聞会でも財閥と権力の 前に限りなく弱い候補者の真相があらわれた。先週の金曜に終わった最高裁判事 の人事聴聞会は、不正の祭りといわれる政府高位職の人事聴聞会と同じだった。 最高裁判事の候補者たちには法の魂がない。

保守マスコミと一部セヌリ党議員さえ最高裁判事候補者の道徳的中立性のよう な基本的な資質を批判した。候補者の資質不足が深刻で、人事聴聞会は専門性 などの職務適合性をしっかり確かめることもできなかった。最高裁判事候補者 人事聴聞会を導入して以来、国会の承認を受けられない史上初の出来事になる 可能性が高い。

多くの報道機関と政界で一番問題視されている候補者は、民主統合党が自主的 な辞退を要求した金炳和(キム・ビョンファ)候補者だ。キム候補者は偽装転入、 ダウン契約書作成および脱税、息子の釈然としない公益勤務要員選抜に続き、 議政府地検長だった時にロビーを受けて第一貯蓄銀行の不法融資捜査を小さく したと疑われているためだ。しかし他の候補者も金炳和候補より疑惑の種類は 少ないが、その質的な面では絶対に引けをとらない。

コ・ヨンハン候補は、泰安油流出事件の損害賠償判決の不当性と偽装転入の疑 いを受けており、キム・チャンソク候補はサムスンSDS新株引受権付き社債 (BW)の安値発行事件を軽い処罰したことで有名だ。キム・シン候補者はさらに 見苦しい。司法府裁判を宗教裁判と混同したのか、宗教裁判に郷愁があったのか。 彼は法廷で原告と被告に祈祷を要求して、著書に『地震は神の警告だ。地震が 発生したインドのグジャラートでは、キリスト教の福音を伝えるのを禁じている』 と書いた事実が伝えられ、宗教偏向で問題になった。彼が考える司法の正義は 果たして何なのか訊ねたい。

その上、キム・シン候補は韓進重工業問題を解決するために、高空クレーンで 座り込みをしたキム・ジンスク指導委員の退去と立入禁止仮処分申請の一日後、 これを認めて100万ウォンの履行強制金を賦課した。当事者のキム・ジンスク 指導委員が出席した場で、彼は高空籠城場所がキム・ジュイク支会長が自殺した 所だったことを知っていたのに履行強制金の賦課を座り込み早期撤収のための 正当な心理的圧迫だと強弁し、セヌリ党議員まで難色を表明した。

保守報道機関と政界がこの点をあまり重く扱わなかったことも深刻な問題だ。 民主統合党は金炳和候補の基本的な資質を一番重要な問題と感じていて、主要 保守言論の社説は、キム・ジンスク指導委員への履行強制金の問題には言及も しなかった。労働者を排除した正義は民主社会の正しい価値ではない。したがっ て彼らはしっかり正義を守るという法の精神を持てない。

「本当にこの国で崇められるべきイエスは誰なのか、苦難を受ける人が誰なの か、捨てられた人が誰なのか、暖かい目で振り返ってほしい」というキム・ジ ンスク指導委員の言葉に、むしろ本当の法の魂が染みている。正義という、法 の魂を正しく守ることが司法精神なら、法の魂がない最高裁判事候補には司法 の精神もありえない。キム・ジンスク指導委員と韓進重工業労働者の座り込み を解決したのは、司法府の強制履行金賦課ではなく、彼らの闘争とこれを支援 した大衆の力だったという事実が新しく響く。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-07-17 18:39:39 / Last modified on 2012-07-17 18:40:33 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について