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重い病気にかかる体育振興公団発券労働者...96.4%が疾患に苦しむ

重い病気にストレスまで...「顧客のセクハラが『顧客満足』ですか?」

ユン・ジヨン記者 2011.03.03 19:09

国家公認の賭博場である競輪、競艇場にも労働者たちはいる。特にここで発券 を担当する女性非正規職は筋骨格系疾患と共に、激しいストレスに苦しんでいる。

一般的な人の観点では、発券を主業務とする彼女らの労働は、あまり苦しくな いと考えるかもしれない。ある組合員は、競輪団長との個別面談で彼が発売員 に「犬や牛にもできる発売がたいしたか?」と話したエピソードを打ち明けた。 それだけ単純労働の価値は私たちの社会で極度に低く見られている。

だが彼女らの労働は、労働者たちに筋骨格系疾患と激しいストレスを誘発させ ている。激しい労働強度と劣悪な勤務環境、勤務過程での悪口とセクハラなど は、彼女たちに職業病を抱かせた。競輪・競艇発券労働者の96.4%が筋骨格系の 疾患に苦しんでいるという統計はその深刻性を証明している。

発券労働者96.4%筋骨格系疾患、その73.3%が治療を要望

3月3日午後、民主労総教育院では公共運輸労組(準)国民体育振興公団非正規支部 が主催する女性労働権フォーラムが開かれた。国民体育公団の競輪競艇場で発売 労働者として働く女性非正規職労働者の筋骨格系疾患およびストレスなどの深刻 さを明らかにする場だった。

筋骨格系疾患の深刻性は、政府も実感していた。政府はすでに2003年から産業 安全保健法を改正し、筋骨格系疾患予防のための法的根拠を用意した。だが、 専門家たちは筋骨格系疾患で苦しむ労働者の数が正確に集計されていないと 指摘する。労災死でない以上,労災事故はいくらでも事業場で隠されるからだ。

そのため仁川大学校労働科学研究所のキム・チョロン教授は、自主的に首都圏 の12地点で195人の発売労働者の筋骨格系疾患とストレスの調査を実施した。そ の結果、1部位以上に痛みを訴える割合は96.4%と集計された。3部位以上も 76.4%に達した。

特に肩の痛みを訴える人は90.8%で最も多かった。その次には首(74.4%)の部位 で、それに続いて、手首と指の痛みを訴える人(70.8%)も相当いた。キム・チョ ロン教授は「多様な産業別で筋骨格系疾患者の割合を調べた時、発券労働者が 筋骨格系疾患を抱える割合は一番高い割合を記録する法院速記院(97.4%)とほぼ 同じ96.4%になった」と明らかにした。

またキム教授は「特に発券労働者10人中7人、73.3%は医学的検診を要する状況」 と伝えた。このような発券労働者の有所見者率は国内産業界平均40〜50%をはる かに上回る数値だ。

彼女たちが筋骨格系疾患に苦しむ最大の理由は、つらい労働と生体に合わない 勤務環境のためだった。回答者の77.6%が全般的な労働強度に『つらい』または 『とてもつらい』と打ち明け、66.5%は3年前より労働強度が上がったと明らか にした。実際に公団は発券労働者の人員削減を実施し続け、7年後に30%の人員 削減に成功した。労働者が消えた場には無人販売機が置かれた。だが不便で慣 れない無人販売機は発売労働者のつらい労働を減らすことができなかった。

これにより、発売労働者が発売と払戻しの処理件数は一日1000件をはるかに上 回る。88.4%もの労働者たちが1000件をはるかに越える発売と払戻し労働に苦し む。特に身体を考慮しない現場は、筋骨格系疾患をさらに大きくした。労働者 の72.7%が高い作業台の不便さを吐露し、77.7%が窓口との距離を指摘した。

顧客のセクハラは会社の『顧客満足』?

筋骨格系疾患に苦しむばかりか、あらゆる悪口やセクハラに対応できない事業 場があるということが信じられるだろうか? だが競輪競艇発売労働者たちは、 その信じられない現実にいる。ストレスも深刻にならざるをえない。

国民体育公団非正規支部のキム・ソングム事務局長は結局涙を流した。彼女は 女性として体験すべきではないあまりに多くの事件を経験した。彼女は「顧客が 紙に男性の性器を描いて窓口に入れて行ったり、ある顧客は昨日受け取った還付金 が少ないと大声で悪口を言い、お前の首を刎ねるといった」と打ち明けた。

また金事務局長は「発券が締め切られ、発券が受けられない顧客は『この豚の ような女のおかげで票を買えなかった』と人身攻撃をした」とし「女の手を触 れば今日勝てると、露骨に手を触る顧客もいた」と明らかにした。

実際にアンケート調査の結果、回答者の96.4%が顧客から人格冒とくを経験した と明らかにした。顧客からのセクハラも71.4%が経験があると答え、94.9%もの 回答者が顧客からの威嚇を経験していた。

だがこうした問題に対し、会社は何の措置も取らない。82.3%の労働者は会社の 措置がなかったと伝えた。金事務局長は「会社はむしろ顧客の前で挨拶をしろ という」とし「私たちが挨拶をすれば顧客は私たちを点数で評価し、容貌を評 価して人格を冒とくする。だが会社は『顧客満足』と言ってこんなことを私た ちに要求し続ける」と吐露した。

これに対してキム・チョロン教授は「発券労働者は国内平均50.59点のストレス 指数より30%も高い64.27点のストレス指数を示す」とし「作業場の構造改善、 労働強度、ストレス相談などの迅速な措置が要求される状況」と強調した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-03-04 05:27:14 / Last modified on 2011-03-04 05:27:16 Copyright: Default

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