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体育振興公団女性非正規職、セクハラ・解雇で二度泣く

非正規職女性労働者の解雇、『断食』で最後を見届けなければならないのか

ユン・ジヨン記者 2011.03.03 15:24

3月8日は国際女性デーだが、相変らず労働の死角地帯に置かれた女性労働者た ちは、涙でハンストに突入する。女性だから、または女性非正規職だからと、 彼女たちに加えられる抑圧は今日もなかなか改善されない。

3月3日、民主労総公共運輸労組(準)国民体育振興公団非正規支部の解雇組合員 は、記者会見で無期限ハンストに突入すると宣言した。すでに120日間のテント 座り込みをしている彼女らに公団は弾圧を続けてきたためだ。

性暴力、セクハラが日常になった人々

公団が競輪競艇の女性発売員への弾圧を始めた時期は2007年に遡る。非正規職 労働者を中心に民主労組が建設されたためだ。2007年12月26日、労組が公共労組に 加入した後の同年12月30日、公団は労組指導部を含む8人を解雇した。

民主労組への弾圧の事例は数え切れないほど多いが、特に彼女たちへの弾圧は 女性の基本権も守らないという公団の宣布そのものだった。彼女たちが労組を 結成した理由は珍しくも『挨拶』を減らしてくれという要求だったためだ。

「労組を作った契機は挨拶のためでした。2007年の 当時は一日18回のレースがありました。本来は朝晩二回、お客さんに挨拶をし ていました。ところが突然、レースの前と後に挨拶をしろというのです。お金 を失った人々の前で『こんにちは、ありがとうございます』と挨拶をするので、 人々は『からかっているのか』という反応でしょう。悪口も激しかったです。 特に私たちがお金を受け取って清算する時、とても気をつかいます。計算が違っ ていたりお客さんが払ったお金が足りず、しらんふりをすると、そのお金を私 たちがみんな埋めて入れなければなりません。それで挨拶を減らせと労組を作っ たのですが、公団はこれさえ聞き入れられないとして、解雇をし始めたのです」。

2003年に公団で働き始めたキム・ソングム非正規支部事務局長は、セクハラと 悪口、性暴力を赤裸々に経験した。ガラスで遮られた発売処に座り、業務をす る女性労働者たちは、いつも性暴力に苦しむが、公団は彼らを保護する最低の 措置も取らなかった。労組はセクハラと悪口、性暴力をする客に対して適切な 措置を取るよう要求したが、公団はこれを無視し続けてきた。

「あらゆる悪口を皆聞きました。容貌の卑下から 性的な発言まで、体験したことがない人はわからないでしょう。動物園の猿に なった気分でした。発売するとお客さんが手を直ちに握ります。ガラスの壁の 中では、そんなセクハラにあい、トイレに行ったり間食を買いにガラスから出 ると、性暴力はさらに積極的に起きます。お客さんはほとんどが男でしょう。 通るとお尻を触り、足を触り... それで常習的な顧客の隔離措置を取ってくれ と職員に要請すると、たいしたことではないという無関心な反応です。

騒ぎになると事務職の職員は事務室から逃げ出しま す。制裁措置する人は結局、女性労働者や秩序維持員、管理員だけですが、彼 らはみんな非正規職です。お客さんを制裁してケガでもさせれば、私たちの責 任です。会社では責任を負いません。それで秩序維持員も積極的に防ぐことが できません。結局私たちがそっくりかぶることになります」。

最低賃金、高労働、生命の威嚇まで感じる

非正規職の女性労働者のほとんどがそうであるように、彼女たちも最低賃金の 限界から抜け出せない。食費と交通費を合わせても週5日勤務者は100万ウォン ほど、週3日勤務者は60万ウォンほどの低賃金だ。

特に公団は、人材を減らし続けたので、彼女たちが負担する労働強度はますま す上がる。キム・ソングム事務局長は「2006年に約1000人だった労働者が、今 では30%減った」とし「会社はその代わりに無人販売機を400台以上入れました が、人々は不便なのであまり無人販売機を使わないので、私たちの労働強度は さらに強まりました」と説明した。そればかりか、無人販売機の導入は発売員 の雇用を不安定にし、1人当り10万ウォンの購買上限額を守るのが難しい無人販 売機は射幸性をさらに強めた。

労働者の勤務環境が劣悪なのは同じだ。労組は「1日15レースのスケジュールに 合わせると、発売員の休憩時間が確保できない」とし「労組が要求し続けたの に、2010年の国政監査で問題になるまでたった30分の昼休みもなく、キップ売 場に立って食事することもあった」と明らかにした。

仕事をしながら生命の威嚇を感じる状況もある。たくさんお金を失った人が騒 ぎを起こしたりもするためだ。キム・ソングム事務局長は「お金を失った人が 騒ぎを起こしたり騒ぎの兆しがあれば、何時間も退勤するなという指示が降り てくる」とし「もし外に出て脅迫的な状況になるかもしれないからだが、そん なことがあるたびにとても恐くて生命の威嚇まで感じる」と吐露した。

女性非正規職の解雇、『断食』で最後を見届けなければならないのか

セクハラ、悪口、劣悪な勤務環境に置かれた競輪競艇発売労働者たちは労組を 作り、こうした環境を改善しようと試みた。だが公団は指導部に対し、解雇の メスを入れ、労組を認めなかった。2007年の8人の解雇は2008年になると9人の 解雇につながった。2007年の解雇者は2009年末、中労委の不当懲戒判定で復職 したが、公団は行政法院に上告し、また彼女らを解雇した。

また公団は、当時内部にあった正規職労組と韓国労総の一般労組を理由に複数 労組法に反すると非正規職労組を認めなかった。交渉を回避し続けてきた公団 は、2009年12月、大法院の交渉相手認定判定の後、交渉に参加したが、相変ら ず誠実交渉は後まわしだった。労組は「御用労組の合意内容を強要し、交渉に 誠実さを見せなかった」とし「また2007年に解雇されて復職した労働者たちの 再解雇、以後、復職議論そのものを拒否している」と説明した。

実際に、国民体育振興公団のチョン・ジョンテク理事長は、自分の任期中には 非正規職発売員とは話さないという主張を曲げないという。そのため解雇され た15人の組合員は120日間、公団前の道路でテント座り込みを続ける状況に置か れた。座り込みの過程でも日常的な暴力は続いた。労組は「公団は用役チンピ ラを動員し、座り込みを物理的に妨害して口にできない悪口と暴力で女性発売 員を弾圧している」とし「その上、韓国体育大の若い学生を用役で動員して、 組合員に暴力をふるうようそそのかした」と明らかにした。

結局彼女たちが選択せざるをえなかったのは、無期限ハンストだった。リレー 無期限ハンストに突入した国民体育振興公団非正規支部のキム・ウェジャ副支 部長は「理事長は私たちが棺桶を組んでひっくり返るまでこの戦いを続けるつ もりだ」とし「それで事態が解決されれば喜んでそうする。次に仲間たちがこ のハンストを続けないように、断食の先頭から最後まで行く」と決意を明らか にした。

一方、記者会見団は「公団は不当に解雇された非正規職発売労働者たちを即刻 原職復帰させ、労組との交渉に応じろ」とし「ここは私たちが働く職場なので、 われわれは諦めることなく最後まで闘う」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-03-04 05:16:35 / Last modified on 2011-03-04 05:16:40 Copyright: Default

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