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「セクハラ加害者の警官が被害者の女性労働者を告訴」

検察、被害者キリュン電子組合員不拘束起訴

カン・ジョンジュ(金属労組) 2011.01.13 11:46

女性労働者をセクハラした警官が、逆に被害者を告訴して、検察が被害女性を 不拘束起訴するというとんでもない事件が発生した。民主労総と女性団体は 「基本的な道徳意識もない、反人権、反女性的態度」と糾弾し、強硬な対応に 出る計画だと明らかにした。

昨年12月31日、ソウル地方検察庁は金属労組キリュン電子分会のパク某組合員 を出版物による名誉毀損と情報通信網利用促進および情報保護などに関する法 律違反の疑いで不拘束起訴した。検察はパク組合員がソウル銅雀警察署の金某 刑事にセクハラされたと虚偽の事実を流布し、名誉を傷つけたと控訴理由を明 らかにした。

▲2010年4月14日金属労組は14日キリュン電子非正規職女性労働者にセクハラを行った銅雀警察署を人権委に告発した。人権委陳情書の提出に先立ちキリュン電子分会組合員と連帯団体会員が記者会見を行った。[出処:金属労働者]

起訴当日、朝鮮日報と毎日経済などのマスコミは、「民主労総組合員虚偽事実 流布、警察のセクハラは実は嘘」などの記事を送りだした。これにキム・ソヨン キリュン電子分会長は「起訴された日、当事者が起訴事実を通知される前に すでに言論で、民主労総組合員が意図的に事件を操作したと報道した」とし、 「当事者も知らない控訴内容で悪意の報道をした」と説明した。記事の内容は キム刑事の一方的な主張だけで、警察が認めた事実さえ歪曲しているという。

去年4月6日、キリュン電子分会組合員が会社の前で出勤集会をしている途中、 代表理事と使用者側管理者による暴行が行われ、分会と使用者側が双方を告訴 した。警察署に移動した後、状況を撮影していたパク組合員と使用者側管理者 の間で摩擦が発生し、パク組合員は現行犯で逮捕され、警察署の中で調査を受 けた。調査の過程でパク組合員が用を足すために刑事掛の中のトイレに入り、 この時にキム某刑事がノックもせずトイレのドアをあけるセクハラが行われた。 当時、被害者は羞恥を感じてけいれんを起こし、失神するほどの衝撃を受けた。

「トイレのドアを開けた」と認めておいて今になって虚偽事実うんぬん

事件発生後、分会はソウル地方警察庁に陳情書を提出した。ソウル地方警察庁 は去年7月30日、請願処理の結果回答文書で「女性が使用中のトイレのドアを捉 えて引くなど浅はかな行動により、関連者の方に不便をおかけした点が認めら れ、担当警察官に警告措置した」と知らせた。

これは、警察官が女性が入っているトイレのドアを強制的に開けたことを認め るもので、女性のからだを視覚的に見たということまで推定される。ソウル地 方警察庁は上の文書で『セクハラ事実は発見できなかったが』という但し書を 付けたが、女性の意思に反して女性が使用するトイレを見る行為は社会通念上 『性暴力』に当たるとクォン・ドゥソプ民主労総法律院長は説明する。

続いて権法律院長は「女性被害者に性的羞恥心を誘発した警察官には警告とい う形式的な懲戒に終わり、これを社会的に提起した女性労働者を名誉毀損で起 訴したのは国家権限の乱用」と今回の起訴の不当さを批判した。

金属労組は昨年4月14日、国家人権委員会にも銅雀警察署のセクハラ事実につい ての陳情書を提出した。国家人権委員会は昨年11月30日、この事件の棄却決定 をしたが、その理由は国家人権委員会法第39条第1項第3号ですでに被害回復が 形成されるなどで別途の救済措置が必要でないと認められケースだと明らかに した。チョン・ユリム労組女性部長は「人権委の決定は、キム刑事のセクハラ 事実が人権侵害や差別行為に当たらないということではなく、ソウル地方警察 庁の『警告』措置を被害回復と認めたと見られる」と説明した。

それでも検察は「被告人は調査されて不満を抱き、誹謗する目的でセクハラさ れたという虚偽事実を情報を提供し、被害者の名誉を傷つけることに決心した」 とし「開いているトイレの出入口から、被告人にトイレから出ろという言葉を いっただけで、化粧室のドアを強制的に開いて裸を見て、性的羞恥心を起こさ せた事実はない」と、キム某刑事の主張に基づいてパク組合員を起訴した。そ の上、検察は当日、パク組合員がけいれんを起こして病院に運ばれた事実に対 し「精神的衝撃と性的羞恥心のためではない」と否定した。

起訴事実についてキム・ソヨン キリュン電子分会長は「居直りもほどがある」 とし「警察が基本的な人権意識もないとことを示すもので、むしろこうした態 度を問題提起した人を起訴するのはとんでもない行為」と声を高めた。

民主労総女性委員会も「性暴力行為は双方の主張が交錯して証拠を確保できな い場合が多いが、加害者の陳述だけを採択して控訴状を作成したのは捜査義務 をきちんと履行していない」と検察の控訴事実を糾弾した。民主労総は、女性 団体と人権団体などと同じく来る18日ソウル地方検察庁の前で記者会見を行い、 起訴撤回と該当警察官への重懲戒を要求する記者会見を行う予定だ。(提携=金属労働者)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-01-14 14:33:11 / Last modified on 2011-01-14 14:33:13 Copyright: Default

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