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セクハラ加害者が働く地下鉄9号線

被害女性労働者は潜伏、加害者は別の会社で同じ仕事

キム・ドヨン記者 2010.12.16 15:12

ある地下鉄の清掃班長が女性清掃員にセクハラしても処罰されず、逆に問題 提起をした労組の支部長を名誉毀損で告訴するという事件が発生した。

5月、9号線の開化駅で働くある女性清掃清掃員がセクハラを受けた。一緒に働 いている清掃班長が横になって休んでいる女性清掃員の股に触ったのだ。被害 女性労働者の抗議にも煮え切らない対応をした清掃用役業者『エフエムテック』 は、9号線の運営会社で働く被害者の親戚まで出た後、6月になってやむをえず 清掃班長を勧告辞職させた。

だが加害者の清掃班長は7月1日、別の清掃用役業者『(株)YGCUM』が主管する 9号線の他の駅に移転し、現在も夜間班の班長として堂々と働いている。被害者 が辞表を出して隠れたのとは正反対の姿だ。しかも被害者は女性家長だった。

これに対して労組(民主労総女性連盟9号線支部)は、8月から集会などで性暴力 事件の真相調査と処罰なく加害者が働いていることの問題を提起し、清掃用役 業者の(株)YGCUM(旧『ヨンガ』)に真相調査と再発防止対策を要求した。

だが(株)YGCUM側はセクハラが「他社(エフエムテック)での事」とこれを握りつ ぶしており、むしろ「労組は8月にセクハラ班長の真相調査と再発防止対策を要 求する集会を開き、会社の名誉を失墜させた」として女性連盟9号線支部長Y氏 を告訴した。

支部長を告訴したのは(株)YGCUMだけではない。最近民主労総から脱退した『9 号線労働組合』の委員長と、さらにセクハラ加害者の清掃班長も支部長を名誉 毀損で告訴した。支部長は「今日午後2時にも西部警察署でセクハラ加害者との 対面尋問がある。三件も告訴され、いつも警察署に呼ばれるので眠れないほど 精神的な苦痛がひどい。いったい私がどんな悪いことをしたのか分からない」 「それでも次世代に美しい世の中を見せられれば、セクハラ告訴事件の無罪を 明らかにして、堂々と出る」と話した。

これに民主労総女性連盟と全国非正規職女性労組は12月16日にソウル市議会前 で記者会見を行い、9号線セクハラ事件解決のためにソウル市が立ち上がるよう 要求した。彼らは清掃用役業者のエフエムテックと(株)YGCUMが9号線との再契約 ができないようソウル市が制限することを要請した。

パク・スンヒ民主労総女性委員長は「セクハラされた被害者は会社をやめて、 加害者は相変らず通っている。むしろセクハラの問題を提起した労組支部長を 告訴するというひどい事件だ」とし「特に、雇用不安定に苦しむ清掃女性労働 者や多くの非正規職女性労働者が今もセクハラに露されて我慢している状況に 置かれている。民主労総女性委員会はこうした全般的なセクハラ実態を調査し、 最も悪質な事業場の処罰と対策を立てると共に、こうした事業場とは請負契約 をしないように労働部、ソウル市に強く要求する」と話した。

ミン・べスク女性労働法律支援センター事務局長は「1999年に職場内セクハラ を法制化したのは、セクハラが被害者、加害者の問題ではなく勤労者が人権を 侵害されることなく健康に労働できるように、会社が責任を持って保護すると いう趣旨で、会社はセクハラ加害者に勧告辞職したから何の責任もないとは言 えないオプ」、「用役業者を管理監督すべきソウル市も女性労働者全体の人権 のために、用役業者選定基準をどうすべきかをもう一度考えて責任を持て」と 話した。

彼らは「ソウル市議会では、9号線は公企業ではなく私鉄だから、責任が持てな いというが、9号線運営の80%はソウル市の予算、つまり税金」で「9号線がソウ ル市の予算を使うのなら、次の入札ではソウル市がこのような不法で不道徳な 業者には入札資格を制限しなければならない」と主張した。

地下鉄9号線と(株)YGCUMの契約期間は2011年1月21日までだ。彼らは「来年1月 21日の契約期間が満了すれば、集会に行ったことで整理解雇されるのは明らか だ」と「こうした非正規職女性労働者の劣悪な現実にソウル市議会が乗り出せ」 と主張した。

彼らはまた「私鉄として運営される地下鉄9号線が別の公企業で運営される1〜 8号線の地下鉄より清掃用役入札契約が低い価格で締結され、低賃金、人員不足、 長時間労働など、女性労働者だけが犠牲になっている」とし「非正規職女性労 働者の犠牲を前提とする民営化を中断して公企業に転換しろ」と主張した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-12-17 14:28:44 / Last modified on 2010-12-17 14:29:09 Copyright: Default

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