韓国:国際金融センターの寝られない夜 | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバーフェスタ2024(12/25) ・レイバーネットTV(11/13) ・映画アンケート募集中 ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班(フェスタ投句先) ・ブッククラブ(2025/1/11) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第96回(2024/11/15) ●〔週刊 本の発見〕第368回(2024/11/21) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/11/28) ●川柳「笑い茸」NO.158(2024/10/26) ●フランス発・グローバルニュース第14回(2024/10/20) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第96回(2024/12/5) ●「美術館めぐり」第5回(2024/11/25) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
国際金融センターの寝られない夜[イーランド香港通信](10)遠征闘争団最終日の話
オ・ドヨプ(作家)/
2008年05月08日17時40分
簡単に寝つけない夜だ。証券取引所前のロウソクの火も消えた。寝袋の中に身 を埋めたが寒い。地面からは冷たい冷気が上がってくる。 誰が彼らを寝つかせないのか。何が彼らを寝つかせないようにするのか。香港 の道端、空いた腹、ちらちらする精神、腫れた足、大騒ぎの車の声。違う。 腹がすいている。70年に全泰壹もそうだった。病院で最後の息をひきとる前、 お母さんの李小仙(イ・ソソン)に、お腹がすいているといった。喉から血があ ふれながら「私の死を無駄にするな」という要請とともに、腹がへったと話し ながら息をひきとった。 全泰壹の空腹は、勤労基準法を焼き、自身のからだに火を付けなければならな かったような、最低限の権利も無視される社会への空腹だ。ニューコア・イー ランド労働者の空腹は、非正規労働者を保護できず道端に追い出した非正規職 法が強要した空腹だ。 ▲簡単に寝つけない夜だ。証券取引所前のロウソクの火も消えた。寝袋の中に身を埋めたが寒い。 キム・エス組合員は深夜12時を過ぎても、国際金融センターの周辺をぐるぐる 回り続けている。ぼんやりと道路を見下ろして、明かりが消えたビルをながめ る。24時間、明かりが消えないマクドナルドをながめたりもする。そして寝つ いた同僚の顔を痛ましいそうに見下ろす。寝ている京畿本部のクォン・ミジョン 氏の乱れた毛布を整えてやる。 イ・ソナ民主労働党党員は風邪気味だと言って、全身を毛布でぐるぐると巻い て横になって寝た。もちろん寝つけなかった。小金色のあかりの下で本を読ん でいる。 ハン・ヨンヒ組合員も寝つけないのは同じだ。なぜ寝られないのかと聞くと、 私が寝る姿を撮られるのが恐ろしくて、といって笑う。地下鉄で居眠りをする 姿を撮って記事にしたのを見たようだ。憎らしいと、カメラを向けると手で遮 る。午前2時、寝袋の中に入る。顔を隠して横になった。もちろん寝ついた姿を 撮った。毛布の間から見えた顔を撮った。 早く寝たソ・ガンボン副本部長は、午前1時に目を開いた。腹がすいていて寝ら れないという。宿舎にあるカップラーメンが思い出され、豚肉をぶつぶつと切っ て煮込んだキムチチゲがぐつぐつ沸いて寝られないという。 サービス連盟のパク・ドンシク局長は「みんなが寝ついたら、こっそりとコン ビニに行って何か食べようかと思ったのに、寝つかないカメラが恐ろしくて行 くことができない」と冗談を言う。遠征闘争団の生活を担当しているので、病 気の人がでないかと心労焦燥だ。 キム・ソグォン組合員は香港労総の活動家と話すのに忙しい。断食をしていて もエネルギーがあふれ出る。もちろん寝袋に体を隠すやいなや、彼は騒がしい オーケストラを演奏した。情熱は寝ついてもいびきにつながる。 海外同胞のチャン・デオプ氏は一睡もせず夜を明かす。あるいは寝ている間に 遠征闘争団に何かが起きるのではないかと思って守っているという。ノートを 取り出して、何か書き続けている。日記を書いているのか、怒りを書いている のか。 ダイアナをはじめとする香港の活動家も寝られないのは同じだ。今は連帯を越 えて、遠征闘争団と長い間の友のように近づいた。香港活動家との連帯の情は、 別の記事で書く予定だ。 7日の明け方4時半。寝床から起きた。組に分かれて顔を洗い、座込み場に敷い た寝床を整理した。出勤時間。手にはチラシを持って国際金融センターを行き 来する。香港の市民に一枚でも多く渡したくて焦るイ・ナムシン首席副委員長 の姿が目に映る。 香港の市民にも、遠征闘争団の野宿断食は放送と新聞で広く知られた。遠征闘 争団の成果はすでに半分は達成した。冷淡だった金融街の人々もまた別の注目 で遠征闘争団に話しかける。 パク・ドンシク局長は「何が得られるのかと恐かったが、香港に到着した瞬間、 変わった。物理的に上場を阻止するのが目的ではなかったので、遠征闘争団の 活動は最低限以上の成果を上げたのではないか」と評価をする。 ハン・ヨンヒ組合員は「国内では見ることもできない言論の熱い関心に驚いた。 もっと多くの組合員が一緒に来れたら良かったのに」という。 ▲出国の知らせを聞いた記者が駆け付けた。 7日、イーランドチャイナの一般公募最終日だ。5月16日が上場だが、今日まで の公募の結果が重要だ。十人の遠征闘争団は、上場を物理的に阻止するために きたのではない。イーランドの不道徳性を知らせ、善良な投資家の被害を防ぐ ことが大きな目的だ。労働者を弾圧する企業は、どこの国にも足を踏み入れな いようにすることが目的だ。 出国するという知らせ聞いた記者が駆け付けた。香港の活動家と共に記者会見 をした。また香港に遠征闘争団が来た理由と、これまでの活動、そして成果を 説明した。言論でイーランド・ニューコア労働者の声を重く扱ってくれたこと への感謝の言葉も忘れなかった。 最後まで連帯した香港活動家との離別の場面はとうてい文章では表現できない。 労働者は一つだ。この言葉でも足りない。共に歌った『あなたのための行進曲』 は、飛行機に乗り、香港の地から飛び上がった後も耳に響く。 ▲最後まで連帯した香港活動家との離別場面はとうてい文で表現できない。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2008-05-15 08:43:19 / Last modified on 2008-05-15 08:43:21 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |