韓国:元に戻せない『電気民営化』 | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバーフェスタ2024(12/25) ・レイバーネットTV(11/13) ・映画アンケート募集中 ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班(フェスタ投句先) ・ブッククラブ(2025/1/11) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第96回(2024/11/15) ●〔週刊 本の発見〕第368回(2024/11/21) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/11/28) ●川柳「笑い茸」NO.158(2024/10/26) ●フランス発・グローバルニュース第14回(2024/10/20) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第96回(2024/12/5) ●「美術館めぐり」第5回(2024/11/25) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
元に戻せない『電気民営化』、住民だけ心配舎堂洞ウソン・アパート住民、「また韓電から電気の供給を受けたい」
ユン・ジヨン記者 2010.12.17 16:57
10月、区域電気事業(CES)地域である新堂洞のウソン、新東亜、極東アパートが 断電直前の事態になった。破産直前の危機に陥った電気供給業者のケノテクが 韓電に電気料金を払わず、韓電が電気供給中断の方針を明らかにしたためだ。 幸い、韓電は電気供給中断の方針を撤回したが、該当地域の住民は時宜外れの 断電の威嚇で不安に震えなければならなかった。 だが、断電事態から2か月。地域の住民たちは相変らず『電気』との闘いを続け ている。初めて業者が入ってきた2004年からの戦いは、もう6年の日時を経てい る。公共サービス財の電気を安定して供給されるために、住民がこれほど奮闘 する理由は何だろうか? ▲去る10月、区域電気事業(CES)地域の新堂洞ウソン、新東亜、極東アパートが断電直前の事態になった。[出処:チャムセサン資料写真] 区域電気事業地域の住民、「われわれは韓電から供給を受けたい」テスト的な電気民営化事業の一環である区域電気事業は、知識経済部の許可に より、韓電ではなく私企業が地域に電気を供給する政策だ。2004年から全国11 の地域で実施されている。舎堂洞のウソン・アパートも2004年からケノテクと いう業者から電気と暖房を供給されてきた。 だが舎堂洞一帯の区域電気事業は草創期から業者と住民の対立でふらついた。 特に業者の経営難が深刻になり、ケノテクは自主的に電気生産を中断して韓電 から電気を購入し、住民に再販売してきた。ついに10月には韓電に支払う1億 7千万ウォンの電気料金を会社が納めず、初めての地域断電の危機に処した。 『電気』への不安が高まるほど住民たちは韓電から安定的に供給を受けること を望んだ。 だからウソン3団地の婦女会と入居者代表会議は、2009年から今年まで10回にわ たり、知識経済部に区域電気事業の解止要請をしてきた。ケノテクでから供給 を受けている電気を、韓電から供給を受けることを望むという文書だった。 ▲知識経済部は12月13日、ウソン3団地の住民に回答した文書 これに対して知識経済部側は11月と12月、計二回の回答を送ってきた。11月24日 に回答された知識経済部の文書には、住民の区域電気事業解止要請に対して 「第112次電気委員会(2010. 11. 25)の案件に上程した」という回答があった。 続いて12月13日に送られた文書では電気委員会の審議結果の内容を通知した。 知識経済部は文書で「(株)ケノテクの供給区域変更許可申請の件だけを検討す るより(株)ケノテクの舎堂地域全体の事業に対する総合的な検討が必要と判断 される」とし「舎堂地域全体の事業に対する総合的な検討作業に着手した」と 書かれていた。つまり舎堂洞ウソン・アパート3団地だけ事業を解約するのでは なく、舎堂洞一帯の区域電気事業の再検討を実施するということだ。だがこれ に対して住民は「結局、知識経済部のあいまいな回答は韓電には移せないとい う言葉でないか」と憤激を放った。 知識経済部、「許可取り消し要件がない」 VS 住民「許可取り消し要件は充分」一方、舎堂地域全体の事業に対する総合的な検討作業に着手したという知識経 済部は、事実調査をすると同時に電気事業法改正も念頭にしている。知識経済 部電気委員会のある関係者は「供給が中断されたら許可を取り消すが、現在、 ケノテクの許可取消にぴったり合う要件がない」とし「そのため事実調査をし ながら段階的に法改正までする方向で検討している」と明らかにした。 だが、ウソン3団地の住民の主張は違う。すでにケノテクは10月12日、事業変更 許可を申請したが、知識経済部がこれを回避しているという。キム・ヨンヨン ウソン3団地入居者代表会議幹事は「韓電は、ケノテクがエネルギー変更許可を 受ければ韓電に移せると何度も話した」とし「だが知識経済部はケノテクが変 更許可を申請したのに、全体的な検討をすると弁解し続けている」と説明した。 知識経済部が強調し続けてきた『法的根拠がない』という釈明も批判の対象に なった。電気事業法12条によれば、電気委員会は『偽りやその他の不正な方法 で許可または変更許可を受けた場合』を審議し、これに伴い知識経済部長官が 許可を取り消せる。 2004年にケノテクが入ってから、当時の入居者代表が談合して区域電気事業の 随意契約を結んだといううわさがあった。また住民の83.85%の同意も所有主と 居住者を区分せず、居住者だけを集計するなどの問題が表面化した。これに伴 い、ウソン3団地入居者代表会議は2005年、執権法に基づいて、契約自体が無効 とケノテクに供給中断を要請し、ケノテクは住民に損害賠償訴訟を提起した。 当時の訴訟でソウル中央地方法院は住民の手をあげた。法院は判決で「居住者 から同意を受けた結果、83.85%が賛成したが、アパートに住所がない所有者を 相手にした郵便同意書を入れると70.29%の賛成だった」とし「結局70.29%だ けが賛成して、共用部分変更に関する事項は区分所要者および議決権各4分の3 以上の集会の決議で同意を得るという執権法決議要件を満たさない」と明らか にした。だからキム・ヨンヨン監査は「最初に不法な方法でケノテクが入って きたのだから、電気事業法により知識経済部が許可を取り消せるのに逃げ続け ている」と主張した。 知識経済部、「韓電でも、他の業者でもケノテクでさえなければいいのではないか」こうした状況で、住民がまた韓電から電気の供給を受けることが出来るかどう かは未知数だ。知識経済部で総合的な独自調査によりケノテクの許可を取り消 すにしても、他の業者に事業権が譲渡されると、地域の住民たちはまた民間の 業者から電気を供給されることになる。電気委員会の関係者は「もしケノテク の許可が取り消されても、他の業者に事業権を譲渡すれば該当業者に問題がな い限り、電気委員会は承認をする」と明らかにした。 また住民たちは『韓電から電気の供給を受ける』として区域電気事業の問題を 指摘しているが、知識経済部は区域電気事業自体は問題がないという立場だ。 電気委員会の関係者は「(区域電気事業が)電気料金を割高にしているわけでも なく、地域暖房をして不利な点もないのではないか」とし「今、住民たちも、 韓電から(電気を)受けても、他の業者から受けても、ケノテクでさえなければ 関係ない状況」と説明した。 続いて彼は「知識経済部が事業許可権を渡せば業者が地域で事業する権利が生 じる」とし「電気供給が断絶するような被害がない状況で(住民が)民間業者か ら受けたくないと無条件に韓電に移すことはできない」と説明した。 だが業者との長い対立と断電の威嚇を経験した住民たちは、もう電気の不安に 苦しみたくないと誰もが話す。キム・ヨンヨン監査は「電気料金もちゃんと払っ ているのに、なぜ住民が気をもまなければならないのか。何より韓電から安定 して電気を供給されたい」と吐露した。 区域電気事業自体が現在の古いアパートの状況に適用するには無理があるとい う指摘もある。キム・ヨンヨン監査は「現在暖房は供給されていないが、暖房 も供給するためには古くなって錆ついた暖房管を交換しなければならず、交換 費用は60〜70億かかる」とし「個人ボイラーを設置すれば10億程度しかかから ないのに、何がさらに効率的か。暖房管交換費用を知識経済部が支給するわけ でもないではないか」と反問した。 政府、電気民営化拡大方針...『電気』争いも広がるか電気委員会の関係者は「国会でも舎堂洞問題が議論になったので、法を改正し ても許可された業者が本来の業務を遂行しなければ取り消すことができる方案 を用意する計画」と明らかにした。だが区域電気事業の根本的な解決なく、業 者だけに責任を転嫁すると、舎堂洞断電事態のような該当地域の住民は被害に 露され続けるしかない。 ▲2004年ケノテクとの契約の時、利益の85%を住民に分配するという内容が入った契約書. 特に知識経済部は業者への許可権を打ち出すだけで、業者と住民間の契約関係 や紛争には傍観し続けてきた。2004年に区域電気事業を実施した時、政府と業 者は『独自で生産する電気を安く供給される』という甘言利説で住民の同意を 引き出した。ケノテクは収益金の85%を住民に分配するという破格の条件も掲げ た。だが経営難で独自生産が中断し、結局韓電から購入した電気を住民に再販 売する状況に至った。また収益の85%分配条件は一度も守られなかった。それで も知識経済部は『許可を取り消す法的根拠がない』という立場を押し通して、 住民と業者間の紛争は6年間続いた。 特に知識経済部と韓国電力によれば、区域電気事業に飛び込んだ31の業者のう ち、15の業者が事業を放棄したことが明らかになった。発電燃料価格が急騰し、 発電機を回せない境遇に置かれたためだ。したがって生き残った企業もケノテ クのように韓電から安い価格で補完電力の供給を受け、住民に再販売する方式 を選んでいる。また業者が事業を放棄した場合、その設備はすべて韓電が抱え 込むので韓電と消費者の負担も増える。 区域電気事業は政府の総合的な電気民営化方針の一部分で、低い程度のテスト 的な民営化の事例だ。だがこの事業は住民と業者の対立に始まり、住民と知識 経済部の戦いにまで拡大する様相を見せている。ウソン3団地アパートのキム・ スンニョ婦女会長は「知識経済部はずっとこの問題について『事業許可を取り 消す権限がない』と言い逃れ、今になって総合的な検討をするという。結局、 韓電に移すと確答しないまま、形だけ出した返事でないか」と非難した。 続いて「現在、電気区域事業業者31社のうち15社が財政などの問題で事業をや めるというが、知識経済部はこれを解決しようとせず、ただ引き込むばかりだ」 とし「これは結局、知識経済部が国民の利益団体ではなく、住民の血税で莫大 な被害をもたらす集団だということがあらわれた」と強く非難した。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2010-12-18 03:16:21 / Last modified on 2010-12-18 03:16:24 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |