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大法院の上に君臨する「労働委員会」

[現場手紙]全北労働委、現代車全州不法派遣を一部不認定...最高裁判決を縮小

パク・ジョンギュ(非正規職ない世の中作り) 2012.03.09 14:18

3月7日夜、全羅北道全州市内には一日のつらい仕事を終えた人々が一人二人と 集まり始め、すぐに周辺道路をぎっしり埋めました。警察の保護を受けている 労働部のビルの前に立っているテント前には『座り込み98日目』と記されてい ました。

7〜8日は全北地方労働委員会で、現代車全州工場社内下請労働者の不当解雇と 懲戒に対する救済申請審判会議がある日です。大法院判決を履行しろとして、 2010年11月15日に始まった残業拒否とストライキにより解雇された14人と停職 を受けた9人の計23人に対する判定です。

全州工場だけでも200人以上の組合員が集まり、起亜車光州と華城工場、韓国 GM、現代ハイスコ、現代重工業、大宇造船、キリュン電子など、多くの所から 非正規職労働者が参加しました。

[出処:パク・ジョンギュ]

労働部テント座り込み100日

2月23日、2年以上の現代車社内下請労働者は正規職だという大法院の最終判決 の後に初めて開かれる労働委員会の審判会議には関心が高く、100日近く続けて きた座り込みに連帯する心が集まりました。

何よりも、大法院判決は単に現代車非正規職だけの問題ではなく、共に戦って こそ皆が正規職になれるというので、遠くから非正規職労働者たちは全州まで 私費をはたいて駆け付けました。

全州工場はバスと中大型トラックを作っています。3500人の正規職労働者と、 千人の社内下請労働者が共に働いています。組立、塗装、車体など、ベルトコ ンベアで直接生産活動をする労働者だけでなく、部品供給、設備保全、実験、 修正、物流、出荷、船積み業務を行う労働者がいます。もちろん清掃、食堂、 警備、施設などの労働者たちも共に生活しています。

大法院判決に対する期待

組合員たちは、国内最大の現代車財閥のロビーと圧力に対する心配もありまし たが、2.23大法院最終判決があったので、地方労働委員会は不法派遣と不当解雇 を認めると期待していました。

しかし8日夜、全州にかかってきた電話はひどいものでした。労働委員会は12の 業者、23人のうち、6つの業者14人に対してのみ不法派遣と不当解雇を認めて、 設備保全、物流、出庫(PDI)、シート装着の下請業者は合法請負と判定しました。

労働委員会は2005年7月1日以後の入社者は、新しい派遣法の『雇用義務』条項 により不当解雇ではないとし、さらにとんでもないのは不法派遣の正規職化を 要求して解雇され、2005年7月1日以後に復職した労働者も不当解雇ではないと 判定したことです。

労働委員会の判定結果を聞いた労組の幹部たちは怒りに包まれました。大法院 の判決を歪曲し、極度に狭く判断し、不法派遣の対象を最小化した判定に怒り ました。労働部と労働委員会公益委員に対する糾弾が続きました。

一部署がなくなっただけで自動車の生産は中断

大法院は「自動車の組み立て生産作業は、ほとんどがベルトコンベアを利用した 流れ作業方式で進められた」ということを前提として、現代車の施設と部品を使い、 現代車が社内下請労働者の作業配置と変更、労働および休憩時間を決めるので、 現代車から直接労務指揮を受ける勤労者派遣関係にあると判決しました。

したがって、組立、塗装、車体工程ばかりか部品供給、設備保全、実験、修正、 物流、出荷、船積みなどの業務もベルトコンベアを利用した流れ作業方式で 自動車の組み立てと生産作業が行われるので、当然不法派遣の対象です。

自動車工場は、生産管理や品質管理など、一つの部署が消えれば自動車の生産は できません。全ての部署が流れ作業で組み合わされ、車を生産しているからです。

これについて現代車牙山工場社内下請労働者は現代車の正規職だとする 『勤労者地位確認訴訟』で、ソウル高等法院はサブラインで働く労働者も 不法派遣に該当すると判決しました。

艤装工場内のドアラインで働き、エンジンのサブライン最終確認工程で働いた キム・ギシク組合員と、テスン企業車体工場で働き、トランク端子調整工程に 移動して働いたキム・ジュンギュ組合員は2年過ぎたので現代車正規職としました。

[出処:パク・ジョンギュ]

『直接雇用義務』が正規職雇用でなければ?

2005年7月1日以後の入社者に適用される派遣法の雇用義務条項では「該当派遣 勤労者を直接雇用しなければならない」と明示されています。労働者たちは、 雇用されたと見なされた『雇用擬制』条項が改悪された法案だと言いましたが、 当時、政府と国会は『3年以下の懲役または2千万ウォン以下の罰金』を『勤労者 派遣の役務を提起された者』に拡大したので、強化だと主張しました。

『直接雇用しなければならない』という文字の意味は、当然正規職として雇用 するという意味です。それでも労働委員会は、不当解雇を認めませんでした。 正規職でなければ、どこに『直接』雇用するということでしょうか?

8年前の2004年10月21日、労働部は現代車全州工場の12の業者に対して不法派遣 を認めました。その後、現代車全州非正規職支会は工場を占拠してストライキ を行い、この過程で解雇され復職したキム・ヒョチャン支会長は新しい派遣法 が適用されるとし、正規職対象ではないといいました。あきれ返ります。

大法院判決を無視する準司法機関の労働委員会

労働委員会が大法院の判決を無視し、不法派遣の対象を歪曲、縮小し、非正規職 労働者を絶望させたのは、一二度ではありません。2.23大法院判決の当事者の チェ・ビョンスン組合員も、釜山地労委と中労委でどちらも合法請負だと主張 しました。

昨年12月18日、釜山地方労働委員会の判定はさらにひどいものでした。釜山地労委は 同じように働いても、第1、第3工場だけ不法派遣と不当解雇を認め、第2、第4工場と エンジン変速機・シート工場に対しては不法派遣を認めませんでした。

中央労働委員会も、2010年7月22日の大法院判決にもかかわらず、現代車社内下請 労働者は現代車の職員ではないとし、争議調整申請を棄却しました。準司法機関の 労働委員会が、大法院の判決を否定して縮小歪曲したのは昨日今日のことでは ありません。

大法院判決の当事者である現代車蔚山工場チェ・ビョンスン組合員は「最高裁 判決の核心は、コンベヤーとその連動作業は請負に出せないということ」とし 「自動車では一部署が欠けても車が完成しない」とツイッターに上げました。

大法院判決の歪曲と穴

大法院判決を逃れる穴がどんどん開いているという憂慮が現実として現れたの です。(記事参照:現代車不法派遣最高裁判決に対する五つの考え)

不法労働を根絶するのは簡単です。連日非正規職差別解消と正規職化を騒ぐ 与党と労働部が動けば良いのです。鄭夢九会長を勤労者派遣法違反で告訴し、 『3年以下の懲役』にすれば良いのです。

それよりはるかに簡単なことがあります。『派遣勤労者保護などに関する法律』 第19条の閉鎖措置により、下請業者を閉鎖すれば良いのです。1業者を閉鎖した だけで、自動車の生産はすぐ中断します。しかし大法院判決を先頭に立って歪曲 し、個人の判決だと縮小する李明博政権の労働部がそうするはずがありません。 結局、労働者が動くしかありません。非正規職労働者がいなければ一台の車両も 生産できないことを見せなければなりません。

現代車非正規職労働者は16日、鄭夢九会長が456億ウォンという最大の配当金を 持っていく現代車株主総会で、『すべての社内下請労働者を正規職化しろ』と 要求し、17日には現代車蔚山工場に集まって財閥の貪欲と戦います。

現代車非正規職労働者が先頭に立ち、正規職が連帯して共に戦わなければなり ません。2.23大法院判決を見て、正規職化の夢と希望を見る全国の非正規職 労働者が見守っています。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-03-10 01:12:02 / Last modified on 2012-03-10 01:12:04 Copyright: Default

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