速報：名古屋市教委、「歴史・公民」中学教科書採択で「育鵬社」を採択せず！

 速報:名古屋市教委、本日、「歴史・公民」中学教科書採択で「育鵬社」・「自由社」・
「令和書籍」を採択せず！

2024年8月1日 名古屋市中学教科書採択会議報告（小野）

小野です。

名古屋は、38度を超える暑い午後です。

名古屋の街路樹は季節ごとに街路樹が変わり、今は、百日紅（さるすべり）と木槿（ムク
ゲ・ムグンファ）が咲き誇っています。


◆速報:名古屋市教委、本日、「歴史・公民」中学教科書採択で「育鵬社」・「自由社」
・「令和書籍」を採択せず！


 なお、この報告は、私的メモによるものであり、不十分なものであることを予めお断り
しておきます。

本年9月以降、名古屋市教委が「教科書採択会議議事録」を公開してから、議事録に基づ
いて、より正確で詳細な報告が出来ると思います。

◆さて、本日、8月1日（金曜）3
時から名古屋市役所で行われた、「歴史・公民」の中学教科書採択会議で、名古屋市では
、「歴史・公民」中学教科書採択で河村名古屋市長の推す、「育鵬社」・自由社・「令和
書籍」
を採択できませんでした。

◆歴史は「教育出版」、公民は「東京書籍」、地理は「東京書籍」（現在は「教育出版」
）に決定しました。

地図は「帝国」、技術は「東書」、家庭は、「東書」で、現在使用中と同じ出版社でした
。

◆教科書展示会の「市民の声」は、歴史が607通、公民が182通、地理が5通、地図はゼロ
、技術は１通、家庭は9通でした。

◆「市民の声」とともに、全国各地からのメール・FAXが多数あったとの報告も事務局か
らありました。

（１）採択会議の内容に入る前に。

①本日の採択会議は、会場が名古屋市役所会議室で、午後3時から始まり、他の議題は非
公開で、採択会議は、5時前に終了しました。

②傍聴席は、前回の名古屋市役所会議室で、前回の50名でのより増えて78席。今回は、
106名での抽選でした。前回の傍聴申し込みは67名で抽選でした。

③教科書会社関係が20弱、その他の傍聴者57名余は、「育鵬社」・「自由社」・「令和書
籍」の教科書の不採択を求める市民でした。

④前回は記者席は1名。今回は、テレビ局が1社（CBC；代表撮影かも？）、新聞・テレビ
局が8名、フリージャーナリストが1名、合計9名でした。

⑤採択会議の傍聴者と一緒に来た子ども2名の椅子席を用意するように市教委事務局に要
求し実現しました。

⑥採択会議の傍聴席が、50名から78名に増えたとはいえ、抽選に外れた28名も傍聴できな
かったことに対して、名古屋市教委に対して抗議も行いました。



（２）本日の採択会議について

①議長（坪田教育長）より、メディア冒頭撮影のお願いがあり、テレビ撮影がありました
。

②審議に入る前に、請願が口頭陳述も含めて１提出されていて、「育鵬社」等の採択賛成
・運動派は、
「口頭陳述」で、＜「育鵬社」を採択してください。天皇は国民を慈しみ、国民は天皇を
敬いました。
戦争する国にしなければなりません。自虐史観士官が市民の一部にまだ残っています。正
しい歴史を知らない若者は、国際社会では軽蔑されます。真実の「育鵬社」教科書を採択
してください。・・・＞と口頭陳述しました。

会場からはあちこちから驚きと失笑の声が上がりました。

③各教科の審議では、各教科の指導主事から、「教科用図書専門委員会」の『報告書』、
教科用図書調査会（現場教員の意見＝「学校票」）の『報告書』、「市民の意見」と各地
・各段来・個人からの「要請書」の「ファイル」は6名の教育委員に渡され、各教科のポ
イントが発表されました。

④その後、教育委員から、事務局報告への質問と応答があり、さまざまな意見が出されま
した。

⑤教育委員の意見は、
戦争肯定・人権より義務重視の「育鵬社」・「自由社」・「令和書籍」歴史教科書、「育
鵬社」・「自由社」公民教科書に関するものはほとんどありませんでした。審議過程での
詳しい意見の詳細は、
本年9月以降、名古屋市教委が「教科書採択会議議事録」を公開してから、議事録に基づ
いて、より正確で詳細な報告が出来ると思います。

⑥ただ、4年前の採択会議で、「育鵬社」を強く推した「うどんのサガミ」鎌田会長は、
「令和書籍」の教科書は、『国史』というものであり、国際的観点からも相応しくない、
文部科学省はなぜ
「令和書籍」の教科書を検定合格させたのか分からないなどと述べました。

⑦教育委員全員の意見を聞いた後、各教科の最後に、議長＝坪田教育長より、「○○」は
「○○」採択でよろしいですねと提案があり、異議なしでに決定し、
歴史は「教育出版」、公民は「東京書籍」、地理は「東京書籍」（現在は「教育出版」）
、
地図は「帝国」、技術は「東書」、家庭は、「東書」で、現在使用中と同じ出版社でした
。


⑧今回は、誰が投票したかが判別できない、4年前のような「無記名投票」はありません
でした。


◇この間、「この夏、名古屋の中学教科書採択がアブナイ！」とさまざまな場所で何度も
訴えてきました。

採択の最終段階になり、名古屋・愛知はもちろん、全国から、保護者・市民・教員・退職
教員・学者・研究者などの個人・団体・労組が、思想・政治的立場・組織などを超えて、
幅広い皆さんから、戦争肯定・人権より義務重視の「育鵬社」・「自由社」・「令和書籍
」歴史教科書、「育鵬社」・「自由社」公民教科書を採択しないで下さいという多くの要
請書・要望書・意見書などが、
FAX・メールなどで名古屋市教委に対して送られました。

7月29日には名古屋市教委にFAXが送れないほど集中したとの報告もあり、またFAX
・電話・メールなどが300通を超えたとの情報もありました（情報開示後、詳細は報告）
。

また、若い友人たちは、ネット署名を集めたり、SNS等でアピールしたり、さまざまな場
所で訴えました。


◆採択会議後、採択会議会場外の廊下で、傍聴できなかった方も含めて簡単なまとめの集
会を行い、以下に述べるような報告と大きな勝利を参加者で確認しました。

◆今回、
戦争肯定・人権より義務重視の「育鵬社」・「自由社」・「令和書籍」歴史教科書、「育
鵬社」・「自由社」公民教科書が採択されなかったのは、第1に、学校現場の教員による
、
「教科用図書専門委員会」の『報告書』、教科用図書調査会（現場教員の意見＝「学校票
」）の『報告書』で、
「育鵬社」・「自由社」・「令和書籍」歴史教科書、「育鵬社」・「自由社」公民教科書
が上位に挙げられなかったこと、第2に、教科書展示会での
「市民の意見」が、歴史で607通、公民で182通もあり、そのほとんどが
「育鵬社」・「自由社」・「令和書籍」歴史教科書、「育鵬社」・「自由社」公民教科書
を採択しないでくださいというものであったということ、第3に、全国
各地・各団体・個人からの「要請書」が相当多くあり（事務局報告）、（300本以上と思
われる）、教育員会事務局と教育委員は教員の声、市民・保護者の声の多さに圧倒されて
、4年前に「育鵬社」を採択寸前まで持っていった教育委員を含めて、誰一人、
「育鵬社」・「自由社」・「令和書籍」歴史教科書、「育鵬社」・「自由社」公民教科書
の採択を推すことができなかったということが重要な要因だろうと私は思っています。



◇本日の採択会議で、名古屋市の中学生に「育鵬社」歴史・公民教科書を渡さないことに
なり、名古屋市での「育鵬社」・「自由社」・「令和書籍」歴史・「育鵬社」・「自由社
」公民教科書不採択によって、「育鵬社」・「自由社」・「令和書籍」の教科書不採択の
大きな流れに勢いをつけ、今後採択が行われる全国各地での採択で、「育鵬社」歴史・公
民教科書不採択の大きな流れを作ることができたと思っています。

◆今回の名古屋市中学教科書採択にあたり、2025年4月からの4年間、名古屋市の2万人近
い中学生に（4
年間使われる）教科書に、「育鵬社」歴史・公民教科書を渡さないために、さまざまな形
で、ご協力、ご支援いただいた皆さん、ほんとうに有難うございました。

重ね重ねお礼を申し上げます。

以上、不十分ながら、私個人のメモによる本日の名古屋市教育委員会教科書採択会議の報
告とします。

「夜の闇の中を歩くとき、支えになるのは友の足音だ」（ヴェルター・ベンヤミン）

「はじめ道はない。歩く人が多くなれば、そこに道ができる」（魯迅）

これから採択が行われる全国各地の皆さんに名古屋の地から心からの連帯とご健闘を祈っ
ています。

猛暑が続きます。

熱中症、コロナにくれぐれもご注意ください。

お元気で。再見。