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立憲民主党の枝野幸男前代表が9月の代表選に出馬する意向を固め、水面下で多数派工作を行っています。枝野氏には民主党政権当時、官房長官として東電福島原発「事故」（2011・3・11）の放射能汚染隠ぺいはじめ数々の黒い経歴がありますが、先月（7月）7日の暴言はあまり知られていないのではないでしょうか。
朝日新聞デジタル（7月7日付、写真左も）が「発言録」として掲載した枝野氏の発言（カッコ含めそのまま全文）は以下の通りです（太字は私）。
＜ 私的な意見だが、沖縄基地問題の大部分は（米軍の）海兵隊の問題だ。海兵隊機能は自衛隊が持つべきだというのが持論だ。米国が中国と正面から戦争するリスクは低いが、その時に米国は日本を守る。だけど、万が一のリスクが一番高いのは、中国と日本の小競り合いだ。米軍が日本のために直接、協力してくれるかどうか、100%信用してはいけない。実際に、ウクライナに兵隊を出していない。
沖縄の様々な島を一時的に占拠された時に取り戻す機能は海兵隊だ。米国依存でいいのか。沖縄の海兵隊が米軍ではなく自衛隊になった瞬間、米軍の基地問題ではなくなる。いま（自衛隊には）小さな海兵隊的な部隊があるが、米国の海兵隊に代わりうるようなものをつくりうるのか、まず研究から始めなくてはならない。
起こるリスクの高い紛争が何かを考えたときには、むしろ米軍に依存しない海兵隊的な能力が重要だ。そういったところから、米軍依存からの脱却をしていかないといけない。米国にどんどん従属している今の自民党は、むしろ安全保障に対するリアリティーがないと思う。（兵庫県宝塚市の講演で）＞
この枝野発言に対し、座安あきの（ジャーナリスト）（7月16日 投稿）、阿部藹（琉球大学客員研究員）（7月17日 投稿）両氏のコメントが朝日新聞デジタルに掲載されました。抜粋します。
座安あきの氏のコメント
「「立憲」を掲げる党で、しかも党首に返り咲こうという野心のある方が米軍に代わって「海兵隊機能を持つべきだ」と堂々と持論を吐露するお粗末さ。「沖縄基地問題の大部分は海兵隊の問題だ」「自衛隊になった瞬間、米軍の基地問題ではなくなる」とは、沖縄の状況を慮った上での発言なのだろうか。直近の性暴力事件の容疑者は空軍兵だし、オスプレイは米空軍の特殊輸送機だし、そもそも、基地が沖縄に過度に集中しすぎていることが問題であり、それを「海兵隊」に矮小化するというのはよっぽど沖縄の基地問題の意味が理解できて来なかったのか、よっぽど関心なく、便利な集票機能としてのみ選挙の都度、都合よく向き合ってきただけなのか、訝（いぶか）りたくなります。立憲民主党が国民・沖縄県民の期待を裏切り続ける要因、限界をはっきりと見た気がします」
阿部藹氏のコメント
「去年12月に16歳未満の少女に性的暴行をした罪に問われているブレノン・ワシントン被告は嘉手納基地に所属する空軍兵だ。沖縄県で多くの方が今不安を抱えているPFAS汚染は、海兵隊普天間基地だけでなく空軍の嘉手納基地周辺で高濃度の汚染が確認され、それらの基地に由来すると考えられている。沖縄の基地問題を海兵隊の問題に矮小化することは、現実を反映していない。
沖縄の人々が訴えているのは「軍事化」による負担だ。それは米軍による軍事化であっても、自衛隊による「軍事化」であっても同じことだ。負担を沖縄に押し付ける構造に目を向けることなく「安全保障に対するリアリティ」を語るのは、「本土」政治家の傲慢ではないか」
両氏の批判は的確です。枝野暴言の問題点をまとめれば次のようになるでしょう。
�｜羚颪箸寮鐐茵甓�縄の戦場化を前提にした軍備拡張論�◆嵎瞳海隆霖鰐簑蝓廚悗涼很薪�な認識不足。それによる米軍擁護��焦点になっている自衛隊拡張の一層の推進�ぜ�衛隊増強による日米軍事同盟（安保条約）の一層の深化
問題は、これが枝野氏の稚拙さを示すだけではないことです。立憲党内には「枝野氏に「リベラルの旗印」として期待する声」（7月30日付朝日新聞デジタル）があります。上記のような持論の枝野氏が「リベラルの旗印」とされ、党首になり、今また代表に返り咲くかもしれないのが立憲民主党という政党なのです。
こんな党が「野党第1党」として「政権交代」を口にし、日本共産党も「共闘」を追求してやまない（写真右）。ここに日本政治の絶望的状況の一面があります。