本文の先頭へ
LNJ Logo 渡部通信(7/22、7/25) :「君が代」強制に「あらがう母子」の登場/第三次大戦に向かう世界と私たち
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1721629666819st...
Status: published
View


●渡部通信(7/22) : 明けない夜はない(266)
<若者を再び戦場に送るな!(16)「君が代」強制に
「あらがう母子」の登場>

============================= 7月21日、大阪で「第14回『日の丸・君が代』問題等全国学習・交流集会」(実行委員会 主催)が開かれ、オンライン参加を含め123名が参加した。 最初に、関西大学法学部教授の高作正博さん(憲法学)の <内心の監視・規制と戦時体制――不起立処分が招いた日本社会の現在> と題する記念講演が行われた。詳しくは紹介できないが、 レジュメにもとづいて大まかな骨子を紹介する ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 序ー日本社会の現状 (1)自民党の改憲論が孕む「暴力性」 (2)日本社会における「異論」の否定 (3)日本社会における「共生」の否定 1思想の監視と人権の浸食 (1)不起立訴訟における最高裁判決 (2)テロ等準備罪と「君が代」暗記調査の影響 2 岸田政権による憲法破毀(はき)の現在 (1)日本の軍拡 (2)「日米共同声明」(2024年4月10日) 結—米国等と共に「戦争をする国」へ (1)思想調査・身辺調査の日常化 (2)「国民の敵」を国内に作る;権力者+多数派 vs. 少数派 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 高作さんは、力強くこれらの項目について具体例をあげ説明してくれた。 そして、最後にある「権力者+多数派 vs. 少数派」について、 この「少数派」を多数派にする努力が必要だ、と述べられた。 次に、パネル報告・討論が、 *パネラー:根津公子さん(東京)、横塚志乃さん(熊本大学准教授)、 水谷麻里子キャロラインさん(京都市・保護者)、高作正博さん *コーディネーター:寺本勉さん(「ひのきみ」大阪ネット) で行われた。最初にそれぞれのこれまでの闘いを報告してもらい、 次にそこで明らかになったこと、最後に今後の展望について語って貰う ような形で進められた。 そのなかで、今回特に「水谷麻里子キャロラインさん(京都市・保護者)」 の報告が印象的だった。彼女の娘が小学校の卒業式の際に「君が代」起立斉唱を拒否する と 教員と管理職から40分間も説得されたこと(それでも拒否した)や 中学校の入学式での代表あいさつ文を書き換えられたことなどを報告、 さらに親子で文科省に申し入れをしたことも報告された。 これらについては「はらっぱ」の記事、「週刊金曜日」の記事を添付する。 その中でも、「はらっぱ」に載っている娘さん(田花結希子(たばなゆきこ)アイリーン) の文章はとても素晴らしい。是非読んでいただきたい。 そのなかには「このことですぐに助けてくれたのが、大阪で君が代や日の丸に反対したこ とで 処分を受けて裁判をしている先生たちでした。何十年も、人生を懸けて闘っている 先生たちは素敵でした」などという文もあった。 こうしたなかで母子は多くのバッシングに会い、 「日本の先生も社会も、問題をよくわからないままに同調圧力でお上に従っている、 しかし、先生などと話していくと、わかってくれる先生も出てきた」と述べていた。 また「娘は福島原発事故で京都に避難して来て、 原発問題をなかなか口に出せないでいた生徒とも友人になった」 とも述べていた。 彼女の発言はストレートで、明朗快活そのものだった。 集会はその後、<特別報告>として、 〇東京「君が代」裁判五次訴訟と新たな攻撃—時間講師不合格問題について Webで(五次訴訟原告・川村佐和さん) 〇7月5日についた最高裁上告棄却を受けて (「君が代」不起立被処分者・奥野泰孝さん) の報告があった。前者では君が代」被処分者は、教員不足のなかでも、 時間講師にも雇われない(生徒の教育権よりも「君が代」が大事)ことへの怒りが、 後者では「原告の訴えを知ろうとしないで判決を書いた、 と私には見える」最高裁への怒りが語られた。 次に「各地からの報告」として *大阪「君が代」調教裁判と今後の取り組み(松田幹雄さん) *大阪・吹田市「君が代暗記調査」等(梅原聡さん) *神奈川からの報告(「教育と個人情報保護を考える会」外山喜久男さん) *千葉からの報告(千葉高教組 石井泉さん) *広島からの報告 Webで(「教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま」岸直人さ ん) *愛知からの報告(小野政美さん) *神奈川・川崎市音声データ裁判勝訴 資料で(近藤順一さん) *福岡からの報告 資料で (木田悦英さん) この中では、「広島からの報告」(Web)が特に印象深かった。 現在、被爆地ヒロシマで、いかに平和教育が破壊されつつあるか、 また「核抑止」を正当化するような教育が行われつつあるか、 その中で今年の原爆の日が迎えられようとしていることの危険性、 が報告された。 次に 「連帯報告」として *教科書検定と中学校教科書採択をめぐる闘い(伊賀正浩さん) *自衛隊員募集と個人情報・高槻市等における取り組み(山本博樹さん) *久保校長処分と大阪市教育行政(「ガッツせんべい応援団」久保敬さん) *奈良教育大附属小学校問題(「奈良教育大学附属小を守る会〜みんなのねがいで つくる学校応援団」事務局 山崎洋介さん) *万博への学校行事による子ども動員反対(夢洲カジノの会 八木正行さん) *「軍学共同」・学術会議等問題(「軍学共同反対連絡会」事務局長 小寺隆幸さん) の報告がなされた。 ご覧のようにここでは、現在教育関係の諸問題で闘っている仲間たちが その実態を報告してくれた。いずれも困難な闘いを展開しているが、 しかし、どちらが道理があるかははっきりしている。 教科書問題にしろ、奈良教育大附属小の問題にせよ、 万博への子ども動員にせよ、すべて一部の支配層による ファシズム的な戦前回帰型国家主義教育の具体化であり、 それに対する民主的・科学的な教育の復権を求める 教育関係者や学者・勤労市民の闘いである。 以上のように、今回の「全国学習・交流集会」は、 その幅広さ豊かさにおいて、大きな成果を上げることができたといえる。 そうした中でも、明朗快活に「君が代」強制にあがらう母子の登場は、 多くの参加者を改めて目覚めさせ、励ますことになったといえよう。 何度でもいうが、主権在民の日本社会で、 「君が代」(その意味は、天皇主権の世の中が長く長く続きますように、である)、 を主権者の民に強制することなどはあってはならないことである。 もし為政者がそうしたことをするなら、 自覚した民は立ち上がってそうした為政者を代えなければならない。 そして、同調圧力に屈し精神的奴隷となっている主権者の民を解放しなければならない。 今回の「君が代」強制にあらがう母子の登場は、 私たちにその事を語っているのではないだろうか。 ********************************************************* ●渡部通信(7/25) : 明けない夜はない(267)<若者を再び戦場に送るな!(17)ひたすら第三次大戦に向かう世界と私たち> 現在、世界中で軍拡と軍事訓練が段階を画して進行しつつある。 <戦争放棄>の「平和憲法」をもつ日本も例外ではない。 とりわけ岸田首相になって以降急ピッチである。 2022年12月に安保三文書を閣議だけで決定し、 国会に報告する前に訪米、バイデンから高く評価された。 これには防衛費倍増、仮想敵国、敵基地攻撃能力の保有が明記された。 その後南西諸島や全国各地へのミサイル配置や 弾薬庫・シェルターなどの建設が行われている。 また、今年(2024年)4月には再訪米し、日米グローバルパートナーシップを確認、 指揮系統の連携強化による「統合作戦司令部」を新設することまで決めた。 これにより自衛隊は米軍指揮下で世界中の戦争に参加する軍隊となった。 そして、日・英・伊での戦闘機の共同開発、また武器輸出も決め、 戦争前提の経済安保体制まで作りつつある。 しかも、絶えず日米欧による合同軍事訓練が繰り返されている。 海上自衛隊がそれを行っていることは知られているが 7月19日から25日にかけては、 航空自衛隊がドイツ・スペインの戦闘機と 北海道周辺で共同訓練を行っている。 また8月6日から3日間はイタリア・アメリカと共に三沢基地周辺で 「ライジング・サン24」という共同訓練が行われる。 さらに、米海軍主催の世界最大規模の多国間海上演習 「環太平洋合同演習(リムパック)」が 6月27日から8月1日まで日本を含む29か国参加で行われている。 中国やロシアは排除される一方、なんとイスラエル海軍が参加している。 そのイスラエルのネタニヤフ首相がアメリカを訪問、連邦議会で演説した’7月24日)。 彼は、イスラエルが勝利することはアメリカが勝利することだと述べ、 共和党やトランプ前大統領に感謝の意を表明した。 (彼はイスラエルは中東で最大のアメリカの同盟国だとも述べている) また彼は、現在ガザで起きている戦争は 「文明間の対立ではなく文明と野蛮の対立だ」と述べた。 この「文明」とは欧米日などの先進資本主義国を指しているのだろう。 「野蛮」とはそれに反対する勢力を指しているのだろう。 ところで、そのイスラエルのガザ侵攻をすぐに支持したのが ウクライナのゼレンスキー大統領だった。 こうして、現在東欧と中東で戦争が起きているが、 いずれも欧米日の先進資本主義国(現代の帝国主義国)は ウクライナとイスラエルを支援している。 残るは東アジアの「台湾有事」である。 欧米日のほとんどの国はく一つの中国>を承認し、 台湾を国としては承認していない。 (台湾を国として承認しているのはわずか12か国のみで、 ヨーロッパではバチカンのみである) しかし、アメリカは「対中包囲網形成」の為に 執拗に台湾に軍事援助をし、米軍まで派遣している。 また日本には「台湾有事」を煽り、 勇ましく「戦う覚悟が必要だ」などといったりする政治家がいる。 国交がないのに大挙して訪問している国会議員たちもいる。 そしてこの7月18日には、海上保安庁と台湾海巡署(海保に相当)が、 千葉・房総半島沖に互いの巡視船を出動させ、合同訓練を実施した。 これは、1972年の日本・台湾断交後初めてである。 口先では「法の支配」などと言うが、 やっていることは他国の主権をないがしろにする行為である。 内政干渉ともいえる。 要するに欧米日は国交のない「台湾」を露骨に支援しているのである。 したがって、こうした行為がさらにエスカレートすれば、 必ずや軍事衝突になるだろう。 かつての満州事変のようなことが起きないとは限らない。 そうなれば欧州+中東+東アジアでの戦争となり、 世界は第三次世界大戦に突入することになるだろう。 ところで、突入すればまっ先に犠牲になるのは 前線に配置される自衛隊員であり、 彼らは直接死の危険にさらされることになる。 だから、この間自衛隊員募集をしても集まらない状況が続いている。。 2023年度の自衛官の採用計画の達成率は、過去最低の51%となっている。 また、中途退職も増えている。 7月2日の「赤旗電子版」によると、 「2022年度の自衛官の中途退職者が前年度より432人増え、 直近15年間で最多の6174人に達したことがわかりました。」 ということである。つまり、毎日17人位がやめているのである! これで残された隊員たちの任務はさらに拡大・過重になる。 とても、戦争などやれる状態ではないだろう。 なのに、急ピッチで戦争準備を強いられる。 だから「とりわけ顕著なのが中堅層の退職です。 3尉以上の「幹部」は前年度比で41人増、 現場の中核を担う「曹」に至っては319人も増加しています。 このため、部隊そのものが成り立たない事態も相次いでいます。」 ということになっている。 それなのに、自公政権はもとより、野党の多くまで含め、 自分たちは戦場に動員されることはないだろうと思って、 「台湾有事」や「中・露・朝の脅威」などを 煽り、戦争準備に血道を上げている。無責任なことである。 また大企業の経営者らも戦争景気を当て込んで賛成している。 隊員不足の自衛隊員の多くは日々疲弊し、戦争の犠牲になるだけだろう。 私たちは「台湾有事」「中・露・朝の脅威」などに騙されてはならない。 若者たちにも現在起きている危険なことを知らせ、 東アジアでの戦争と第三次大戦に反対しなければならない。 社会的に「無知」にされている若者を再び戦場に送らないために。 一緒に、大軍拡・大増税・改憲反対!!戦争反対!! の声を「草の根」から上げて行こう。 ********************************************************* 「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス http://houinet.blogspot.jp/ 千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ http://hinokimitcb.web.fc2.com/ 「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト http://hinokimi.web.fc2.com/

Created by staff01. Last modified on 2024-07-25 16:40:13 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について