本文の先頭へ
LNJ Logo デモクラシー・ナウ!情報:パリ国連気候変動会議(COP21)をどうみるか
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1450312802516st...
Status: published
View


☆今週のOverview (12/07〜12/11)

二週間にわたるパリ国連気候変動会議(COP21)は、パリ合意を採択して閉会しまし
た。地球温暖化を1.5℃以内に食い止めるという目標で各国が合意したことは画期的
だともてはやされる一方、切実な被害を受けている国々からは強制力のない協定では
不十分だとの批判が上がっています。また、ジェンダー問題への言及がなく、影響を
受けやすい国への財政支援は後退し、排出削減の具体的スケジュールは省かれ、軍事
関連の膨大なエネルギー消費の問題にも言及していません。パリに集まった気候科学
者の意見はおおむね悲観的で、もう一刻も無駄にできない時間との闘いになっていま
す。週末の12日には非常事態宣言によるデモの禁止に挑戦をつきつける形で、気候活
動家たちがパリで抗議行動を敢行しました。一方、気候会議の合間を縫って欧州の難
民問題にもスポットがあてられています。DNの取材班はフランス北部の港町カレーの
郊外にあるフランス最大の難民キャンプを取材しました。仮設小屋やテントが密集し
た迷路のようなキャンプは、難民たちの出身国に従って区分けされており、アフガニ
スタン、イラク、シリア、スーダンと、まるで米国の空爆の歴史を凝縮したように並
んでいます(12・09)。自然環境の破壊と欧米の空爆が難民問題の大きな要因だとし
て、難民危機への人道的な対応を訴える英国労働党党首ジェレミー・コービンに、米
国のメディアとして初めての単独インタビューを行いました(12・08)。





新着ストリーミング ********************************************

今週の新着動画はありません

********************************************

 

*************************************************

今週のトピックス(英語のみ)

*************************************************

○「沈黙の中で死にたくない」 国連気候会議の合意文書案が採択 先住民が権利を要
求

http://www.democracynow.org/2015/12/7/we_do_not_want_to_die

国連気候会議(COP21)の参加国195カ国からなる交渉団は温室効果ガスの排出削減に
関する合意文書の草案を採択しました。今週末までに合意を成立させたい考えです。
懸案事項の中には先住民族の権利を文書に盛り込むかどうかがあります。世界中から
集まった先住民族の人々が12月6日、環境と権利の保護を水上で訴えました。「私た
ちは先住民の権利と人権の問題がパリ合意文書案の付属書類にされてしまったことに
大きな懸念を抱いています。それは、この問題を来週以降に持ち越すという意味で
す」とクリー族の活動家クレイトン・トーマス=ミュラーは述べます。



○気候変動交渉への企業の影響を抗議した活動家たち展示会場から排除される

http://www.democracynow.org/2015/12/7/activists_criticize_climate_summits_co
rporate_sponsors

開催中の国連気候会議(COP21)のスポンサー企業の数は50社以上に上り、かつてな
い規模となっていることが注目されています。その中には活動家の間で世界最悪の汚
染企業と呼ばれる企業も含まれています。活動家たちは12月4日、パリ市内の「グラ
ン・パレ」で開催中のイベント「COP21ソリューションズ」展に集まりました。展示
イベントでは企業家たちが、企業および民営化による気候変動への対応を推進してい
ます。イベント会場は厳重な警備が敷かれており、何人かの活動家が建物から退去さ
せられました。



○シリア空爆は罠 元ISIS人質ニコラス・ヘニンが警告

http://www.democracynow.org/2015/12/7/airstrikes_against_syria_are_a_trap

オバマ大統領は6日、異例のテレビ演説を執務室から行い、自称「イスラム国」が新
しい段階に入ったと述べ、米国の対「イスラム国」戦争を擁護しました。オバマ大統
領は死者14人を出したカリフォルニア州サンバーナディーノの銃乱射事件にふれ、同
事件は「無実の人々を殺すことを意図したテロ行為」とし、軍事力使用への承認の継
続を議会に求めるとともに、イラク、シリア内で自称「イスラム国」が制圧する地域
に爆撃を続ける計画を示しました。10カ月間シリア国内でISISに人質として拘束さ
れ、地下牢に監禁されていた仏ジャーナリストのニコラス・ヘニンに話しを聞きま
す。彼は後に斬首された米国人記者ジェームズ・フォーリーとスティーブン・ソトロ
フと共に拘束されました。二人の斬首を撮影したビデオ映像は世界中で視聴されまし
た。ヘニンは人質として拘束されていた間、米国人の救援活動家ケイラ・ミューラー
とも短時間会ったことがあります。ミューラーは拘束中に、米国主導の空爆で死亡し
たとみられます。フランス人ジャーナリスト3人と共に2014年4月に解放されたヘニン
は、シリア爆撃への反対を切々と訴えました。「これらの爆撃はすべて悲惨な影響を
及ぼします。シリアの人々をISISの手中に追いやっているのです」。



○元ISIS人質ニコラス・ヘニン:難民受け入れがISISへの最善策

http://www.democracynow.org/2015/12/7/former_isis_hostage_nicolas_henin_welc
oming

ISISの人質となったフランス人ジャーナリストで著者のニコラス・ヘニンは、モハメ
ド・エムワジによって10カ月間、拘束された経験を持っています。西欧諸国が難民受
け入れの門戸を閉ざす動きについてヘニンに話を聞きます。「難民を歓迎すること
は、私たちの国に対するテロの脅迫ではありません。難民受け入れがテロから我々を
守るワクチンのようなものになるのです。社会、コミュニティ間での相互作用があれ
ばあるほど緊張は弱まるからです」とヘニンは言います。「『イスラム国』は世界の
対立を信じています。彼らの最終目的は私たちの国の内戦、少なくとも大きな社会的
混乱です。中東では大規模な戦争です。彼らが戦っているのはその為です。私たちは
彼らの物語を封じ、難民を実際に受け入れなければなりません。彼らの物語を完全に
壊すことが必要です」。



○「平和的な世界を求める」:独占インタビューで英国労働党党首ジェレミー・コー
ビンが語るシリア空爆への反対 

http://www.democracynow.org/2015/12/8/i_want_a_world_of_peace

3ヶ月前の2015年9月、ジェレミー・コービンが英国の最大野党である労働党の党首に
なり世界に衝撃を与えました。彼は同党の社会主義の根源に立ち戻ることを表明、公
共交通機関の再国有化、大学授業料の無料化、家賃統制、高所得者の給与を制限する
ための国家的最高賃金を推進すると公言しています。コービンは長年の反戦活動家
で、かつては「英国戦争反対同盟」(Stop the War Coalition)の代表でした。彼は
12月第1週、デービッド・キャメロン首相がシリア空爆開始を許可することに反対票
を投じました。この投票の前日キャメロンは、空爆に反対するのはテロリストに共感
しているからだとしてコービンを非難しました。パリの国連気候会議から、エイ
ミー・グッドマンがジェレミー・コービンに話を聞きます。これは彼が労働党党首に
選出されてから初めての米国のテレビ・ラジオのインタビューです。コービンに、彼
がシリア空爆に反対する理由、彼が首相なら核爆弾投下を世界から根絶させるという
主張、そしてイスラム国(ISIL)に誰が資金提供しているかを見つけ出そうという彼
の訴えについて話を聞きます。



○「法のブラックホール」:ジェレミー・コービンがグアンタナモの閉鎖を要請、
シェイカー・アーマーの釈放を歓迎

http://www.democracynow.org/2015/12/8/a_legal_black_hole_jeremy_corbyn

英国労働党党首に選出されてから初めての米国のテレビ/ラジオのインタビューの中
で、ジェレミー・コービンはグアンタナモ米軍基地の閉鎖を求めています。「罪状も
裁判も訴訟手続きも人身保護令状もないままで、今や14年間もグアンタナモ基地に人
を閉じ込めておくなんて、一体全体私たちはどうしてしまったというんでしょう? 
法のブラックホールです」と、コービンは言います。「あの場所は閉鎖されるべきで
す」。彼は最近、グアンタナモから釈放された最後の英国人シェイカー・アーマーを
英国議会で迎え入れました。



○ジェレミー・コービンが関連付ける西欧諸国の空爆作戦と難民危機:因果応報

http://www.democracynow.org/2015/12/8/jeremy_corbyn_connects_western_bombing
_campaigns

3ヶ月前の2015年9月に英国労働党党首に選出されてから初めての米国のテレビインタ
ビューで、ジェレミー・コービンが難民危機について語ります。「我々は、もっと多
くのシリア難民に門戸を広げ、受け入れるべきだと思います。そしてまた、絶望的な
難民キャンプで暮らしている人々も受け入れるべきだと思います。なぜならそうした
キャンプは人道的ではないからです。」と、コービンは言います。「国境に金網や電
子監視システムを置くことで世界の将来を保証することはできませんよ。世界の絶望
的な不平等を何とかして、世界中で起きているで環境変化がもたらす不均衡な影響に
取り組むことで初めて、世界の将来を保証できるのです。」



○戦争と気候変動:ジェレミー・コービンが語る野蛮な石油探索と持続可能な惑星と
なる必要性

http://www.democracynow.org/2015/12/8/war_climate_change_jeremy_corbyn_on

英国労働党党首のジェレミー・コービンはパリで12月7日、労働、労働組合、気候変
動の関係について演説しました。番組では彼にさらに、戦争、石油掘削、気候の関係
性について話を聞きました。「未開拓の石油資源を開発しようと急ぐ動きは、ある程
度減少しましたが、確実にまた戻ってきます」と、コービンは言います。「その野蛮
なことと言ったら。ラテンアメリカ諸国などの多くの国でおこなわれた石油掘削の野
蛮なこと。そして、中東や他の場所では石油への渇望が見られます。私たちは持続可
能な惑星にならなければいけません。我々には持続可能な未来が必要です。我々には
持続可能なエネルギー資源が必要なのです。このままを続けることはないのです。」



○気候専門の第一人者:危機は我々の想像以上に深刻で、科学者たちは自己検閲し危
険を控えめに見ている 

http://www.democracynow.org/2015/12/8/top_climate_expert_crisis_is_worse

フランス、パリでの国連気候変動会議に先立って、180カ国以上が二酸化炭素ガスの
自発的削減を誓約しましたが、多くの気候正義団体は、地球温暖化を食い止めるため
には、はるかに多くのことがなされるべきだと言います。気候危機は多くの科学者た
ちが認めているより、はるかに深刻という衝撃的なメッセージと共にパリ会議に参加
した気候科学者の世界的な第一人者の1人に話を聞きます。ケビン・アンダーソン
は、「チンダル気候変動リサーチ・センター」(Tyndall Centre for Climate
Change Research)の代表で、イギリスのマンチェスター大学のエネルギーと気候変
動学の教授です。彼は多くの科学者たちは自分たちの仕事を自己検閲し、気候変動の
深刻さを控えめに言っていると言います。



○「損失補償」:米国が国連気候会議の気候変動による損害への補償要求を妨害

http://www.democracynow.org/2015/12/8/loss_and_damage_us_stymies_push

ツバルのエネレ・ソポアガ首相は12月7日、世界の首脳陣はセ氏1.5度あるいは華氏2.
7度以上の温暖化を阻止しなければならないと述べました。気候変動の原因にはほと
んど寄与していないながら、気候変動によって多大な影響を受けている多くの国が、
国連の気候合意に「損失補償」(Loss and Damage)として知られる、気候変動の被
害を調整する補償を含むことを求めています。しかし、本日のゲストが入手した文書
は、米国がこうした国々に対し、そうした権利を諦めるよう圧力をかけていることを
明らかにしています。ニチン・セシはインドのビジネス・スタンダード誌のシニア編
集者です。彼の最近の記事のタイトルは、US and EU want Loss and Damage as a
toothless tiger in Paris agreement(「米国とEUはパリ合意で損失補償条項を牙の
ない虎にしたい」)です。



○ますます多くの都市が異常気象に直面する中、インド首相が関連付ける100年で最
悪の洪水と気候変動

http://www.democracynow.org/2015/12/8/indian_pm_links_worst_floods_in

インドでは南部の都市チェンナイでの壊滅的な洪水で少なくとも269人が死亡し、陸
軍と空軍による救助作業が続く中、300万人以上がライフラインを絶たれています。
この洪水は、ここ100年以来最悪と言われています。ナレンドラ・モディ首相は、こ
の洪水は気候変動のせいだとしています。「あの地域で、今回のような規模の降雨量
があったことはありません」と、インドのビジネス・スタンダード誌のシニア編集者
ニチン・セシは言います。「明らかに降雨系が変化している傾向が見えています。そ
して都市部はこうした種類の異常気象に適合することができません。それで、インド
のような発展途上国は、これ以上状況が悪化することがないよう、より良い新しい都
市を築くための資金と技術が自分達には必要だと言っているのだと思います」。



○「死にたくない。この戦争は私の戦争ではない」: シリア人が主張 フランス国
内最大の難民キャンプで

http://www.democracynow.org/2015/12/9/i_dont_want_to_die_this

フランスのパリから中継放送中のデモクラシー・ナウ!は、パリから北へ1時間半の
カレー市にあるフランス国内最大の難民キャンプを訪れています。6000〜7000人が一
時しのぎのテントでキャンプ生活をしています。彼らの最終目的地はイギリスで、毎
晩、キャンプの住人たちは英仏海峡トンネルへ向かうハイウェイに沿って出発し、ト
ラックや貨物自動車に飛び乗ってイギリスへの国境を越えようとします。キャンプに
足止めされている21歳のシリア人、マジドに話を聞きます。マジドは最近、スーダン
人の男性ジョセフがハイウェイで車にひかれて亡くなったようすを説明します。12月
5日にキャンプの住民たちは、ジョセフの死亡事故を起こした車の運転手を警察が止
めなかったことに抗議し、「私たちは人間だ、犬ではない」「戦争を生き延びた人間
が平和に生きるためにはどうしたらいいのか?」などと書いたプラカードを掲げまし
た。今回の難民の流出規模は第二次世界大戦以降最大です。12月7日、国際連合は現
状の資金拠出では「必要最低限の最重要な保護と救命援助すら提供不可能」として、
200億ドルの追加支援を呼びかけました。国連関係者は、シリア、アフガニスタン、
イラク、イエメン、南スーダンにおける戦争が世界中で6000万人近い人々が避難を余
儀なくされている主因のひとつだと述べました。避難民を最も多く出しているのはシ
リアで、現在も進行中の紛争により難民400万人が国外脱出に追い込まれました。



○戦争を生き延びた人間が平和に生きるためにはどうしたらいいのか?フランス国内
最大の難民キャンプからの声 
http://www.democracynow.org/2015/12/9/what_do_survivors_of_war_have

フランス北部の港町カレーの郊外に設置された国内最大の難民キャンプの住民たち
は、このキャンプを「ジャングル」と呼びます。吹きさらしで、破れたテントと泥道
で出来た迷路の中で、住民たちはそれぞれの母国に従って区分けされた場所を非公式
な住居にしています。キャンプ内を歩くと、まるで米国の空爆対象国を地図でたどっ
ているかのようです。イラク、シリア、スーダン、言うまでもなく、アフガニスタン
もあります。キャンプ内で群を抜いて大きいのは、米軍によって14年間続く戦争から
逃れてきたアフガニスタン人のコミュニティです。デモクラシー・ナウ!はキャンプ
場のアフガニスタン区域を訪ね、米国史上最長の戦争を生き抜いた人々に話を聞きま
す。この秋、オバマ大統領はアフガニスタンのアメリカ軍駐留を無期限に延長しまし
た。



○ナオミ・クライン 気候政策は非常に危険だと非難: フランス政府のデモ禁止令
への抵抗を支持 151209-3(8)

http://www.democracynow.org/2015/12/9/naomi_klein_decries_climate_deal_as

130人の死者を出した11月13日のパリ攻撃の後、フランス政府がデモ禁止を発令して
いる中、パリの気候活動家たちは12月12日に大規模な抗議行動を予定しています。
「街頭で抗議することで、私たちは、行進、抗議行動、デモ隊に対するオランド政権
の厳重でご都合主義な禁止令を断固として拒否します」 とナオミ・クラインは述べ
ました。クラインはThis Changes Everything: Capitalism vs. The Climate(『こ
れがすべてを変える:資本主義と気候の対決』)の著者です。国連気候会議における
クラインの重要な演説の一部を紹介します。



○「これでは不十分」:新たな支援を約束したにも関わらず 気候危機の責任を問わ
れる米国

http://www.democracynow.org/2015/12/9/naomi_klein_decries_climate_deal_as

ジョン・ケリー米国務長官は12月9日の国連気候会議で演説を行い、米国は途上国が
気候変動の影響に備えるための気候支援資金を2020年までに年間8億ドルに倍増する
と発表しました。一方、ガーディアン紙はアメリカ、ヨーロッパ諸国および、アフリ
カ、カリブ海、太平洋諸国の79カ国が団結して新たな交渉圏を結成したことを明らか
にしました。米国の気候交渉担当責任者のトッド・スターンが「野心高き連合」と呼
ぶこのグループは、6カ月前に秘密裡に初会合を開いたと報じられていますが、中国
とインドは含まれていません。ロンドンの「国際環境開発研究所(the
International Institute for Environment and Development)」とバングラデシュ
の「気候変動・開発国際センター(the International Center for Climate Change
and Development)」の気象学者でバングラデシュ人のサリーマル・ハクに話を聞き
ます。



○メアリー・ロビンソン世界人権デーに語る 気候変動は現在最も重要な人権問題

http://www.democracynow.org/2015/12/10/mary_robinson_on_intl_human_rights

本日12月10日は世界人権デーです。これは国連総会が1948年に「世界人権宣言」を採
択したことを記念して設定されました。パリで開催されている国連気候変動枠組み条
約第21回締約国会議(COP21)会場からお送りする本日の放送では、人権問題として
の気候変動を取り上げます。交渉担当者らは「パリ合意」の中でどのように人権問題
に触れるかを議論してきました。米国、ノルウェイ、そしてサウジアラビアは、合意
文書から重要な人権問題への言及を削除させようとしていると批判されています。元
アイルランド大統領、そして元国連人権高等弁務官のメアリー・ロビンソンに話を聞
きます。ロビンソンは2010年、「メアリー・ロビンソン気候正義基金」(Mary
Robinson Foundation-Climate Justice)を設立しました。「私にとって(気候変動
は)世界最重要の人権問題なのです」とロビンソンは言います。



○COP21の条約草案にはジェンダー平等への言及なし 気候変動で最大の影響を受け
ているのは女性なのに 

http://www.democracynow.org/2015/12/10/cop21_treaty_draft_excludes_gender_eq
uality

国連気候変動枠組条約の草案には、今のところジェンダー平等について言及されてい
ません。またCOP21では指導層に女性がいないことも非難されています。元アイルラ
ンド大統領のメアリー・ロビンソンは、気候変動が各ジェンダーに与える影響につい
ても取り上げるべきだと主張します。「貧困層の暮らしが損なわれた時、その尻拭い
は誰がすると思いますか? 家族のための食べ物を手に入れるのは誰でしょう? 干
ばつで薪が調達できないため、より遠方まで探しに行くのは誰だと思いますか?」と
ロビンソンは問います。「発展途上国で農業に従事する人々の大半は女性なので
す」。 ロビンソンは現在「メアリー・ロビンソン気候正義基金」(Mary Robinson
Foundation-Climate Justice)の理事長ですが、1990年から97年までアイルランド大
統領を、そして97年から2002年まで国連人権高等弁務官を歴任しました。



○元アイルランド大統領メアリー・ロビンソン:「多くの難民が命を落とし、多くが
過酷な状況で暮らすのは情けない」

http://www.democracynow.org/2015/12/10/fmr_irish_pres_on_refugees_its

戦火の国々を逃れた数十万人が現在、ヨーロッパの難民キャンプで暮らす問題につい
て、元アイルランド大統領メアリー・ロビンソンに話を聞きます。ロビンソンは、難
民が避難する途上で、そして到着後の収容先となる難民キャンプで直面する状態を非
難します。より良い待遇を受ける権利は国連により保障されているにも関わらず無視
されてきた、とロビンソンは語ります。



○地球が燃え上がる」: COP21の条約草案は「受け入れ難い」と数百人がデモ

http://www.democracynow.org/2015/12/10/its_going_to_burn_our_planet

COP21では、200カ国近くの代表が最終日の12月11日までに新たな枠組みの最終合意
をまとめるために最後の交渉を重ねています。12月9日に公開された草案文書では、
未解決の相違点が100点近く残っており、それには気候変動の被害に直面する脆弱な
国々を支援するための、発展途上国の中でも比較的裕福な新興諸国の役割についての
問題も含まれています。同会議に参加する市民団体は、9日に発表された草案に対し
怒りの抗議を行い、壊滅的な地球温暖化を阻止するには不充分だと主張しています。
数百人が座り込みやデモ行進を行い、COP21会議内で最大の抗議活動となりました。
「これは全く受け入れ難いものです」と「フレンド・オブ・ジ・アース・インターナ
ショナル」のディプティ・バトナガーは草案について語ります。「これでは地球が燃
えてしまう。太平洋にある諸島は海に沈んでしまいます」



○気候アパルトヘイト: グリーンピース事務局長 最も貧しい国々が富裕国の被害
者

http://www.democracynow.org/2015/12/10/climate_apartheid_greenpeace_chief_sa
ys_poorest

パリで行われる国連気候変動会議では、およぼ200カ国の代表が11日までに最終合意
をまとめるために最後の交渉を重ねています。現在の草案には、未解決の相違点が
100点近く残っています。論議の的となっている問題のひとつが、気候変動の被害に
対して脆弱な国々を支援するための、発展途上国の中でも比較的裕福な新興諸国の役
割についてです。「あまりこういうことは言いたくありませんが、発展途上国が現在
直面しているような状態が、ロンドン、パリ、ワシントン、ブリュッセルで起こって
いたとしたら、2050年までに100パーセント再生可能エネルギーを達成するという
ゴールへの合意もこれほどまで困難ではなかっただろうという気がします」とグリー
ンピース・インターナショナルのクミ・ナイドゥー事務局長は言います。ナイドゥー
事務局長が言うところの「気候アパルトヘイト」について話を聞きます。



○オバマ大統領 気候変動における米の責任逃れで 発展途上国に「毒の聖杯」を授
けたと非難される

http://www.democracynow.org/2015/12/10/obama_accused_of_giving_poor_nations

12月9日、ジョン・ケリー米国務長官は、米国の発展途上国への気候変動対応用への
予算を現在の2倍となる年間約8億000万ドルに引き上げることを発表しました。「フ
レンド・オブ・ジ・アース・インターナショナル」のアサド・レーマン事務局長を含
む批判派は、米国の目的は富裕国の連携を維持して法的ルールを書き変えることだと
主張します。「気候変動問題におけるオバマ大統領の功績を多くの人が口にします」
とレーマン事務局長は言います。「残念ながらその功績というのは、貧しき者に毒の
聖杯を授け、気候変動の影響のツケを払わせるというものなのです。私から見れば現
在の米国は、2009年のコペンハーゲン会議(COP15)時代と変わりありません」



○気候変動で湾岸諸国が居住不可能になる可能性があるにも関わらず サウジアラビ
アがCOP21合意を弱体化させようとする理由

http://www.democracynow.org/2015/12/10/why_is_saudi_arabia_undermining_cop21

「『自国が崩壊するかもしれない交渉をどうやるつもりなのか?』パリで開催されて
いるCOP21でのサウジアラビアの役割を考えるときに、まず浮かぶのはこの疑問で
しょう」と、ニューズウィーク誌に掲載された最新記事で、ジャーナリストのアント
ニア・ユハスは問いかけます。「簡単に言うとサウジアラビアがしているのは、崩壊
を止めるための交渉には参加せず、代わりにその交渉と目標をできるだけ弱体化させ
妨害するよう努力するという、自殺的行為なのです」



○気候正義運動はCOP 21の新条約草案に「進化なし」で「大きく失望」

http://www.democracynow.org/2015/12/11/climate_justice_movement_extremely_di
sappointed_in

パリで行われている国連気候サミッは、約 200 カ国の代表が世界的な合意に達する
ために協議日程が週末まで延長されました。新草案は、地球温暖化を産業革命以前の
レベルから摂氏 1.5 度(華氏 2.7 度)の上昇までに制限する自主目標を含んでいま
す。摂氏1.5 度の 目標を盛り込むことは、低地で影響を受けやすい国々の重要な要
求を満たします。しかし環境保護専門家や市民団体は、その達成が自発的な行動に委
ねられていることを批判しています。また男女同権を盛り込んでいないこと、影響を
受けやすい国に対する財政支援の後退、炭素排出削減の具体的な期日の省略、軍事的
な炭素排出を問題としていないことなども批判しています。米軍だけで、年間 200
億ドルのエネルギーを消費します。これは米国の他のどの部門よりも大きな消費で
す。最新の条約草案の内容と、そこに盛り込まれなかった項目について、女性討論会
で検討します。マレーシアに本部を置くサー ド・ワールド・ネットワーク(Third
World Network)の法律顧問チー・ヨク・リン、ケニヤの環境政治学者ルース・ニャ
ンブラ、米国ノース・ダコタ州の先住民活動家で先住民環境ネットワーク
(Indigenous Environmental Network)を取りまとめるカンディ・モセットを迎えて
います。「沈む船から脱出したいのに、米国のような国々が救命ボートを引き留めて
いま す」とニャンブラは話します。



○私達は「犠牲地帯」 先住民リーダー ノース・ダコタ州の有毒水圧破砕が女性へ
の暴力を煽ると語る

http://www.democracynow.org/2015/12/11/we_are_sacrifice_zones_native_leader

「私達は、無数の傷を負わされて死んでいく運命と向き合っています」と、ノー
ス・ダコタ州の先住民リーダー、カンディ・ モセットは、同州で活況を呈する水圧
破砕と石油採掘事業の影響を語ります。 「女 性への暴力が 168 パーセント増加し
ました。特にレイプです。14 〜 16 才 の女の子が石油労働者のキャンプに体を売り
に出かけるのです」。モセットは石油採掘に由来する有毒物質の影響が本格的に出現
するのは 20 年後だと言 います。「何が心配かというと、今回の COP21では、 2 才
半になる私の娘は発言権がありません。でも、彼女が一番ひどい影響を受けるので
す。 21 回も締結国会議を積み重ね、いまだに私達は社会の中の犠 牲地帯だと思わ
れてるなんて、とうてい理解できません」と話します。



○COP21 で米国は「気候賠償」を容認 ただし米国が支払わない場合に限る

http://www.democracynow.org/2015/12/11/at_cop21_us_allows_mention_of

米国は、パリ条約に「損失と損害」という文言を盛り込むことを認める用意はあるも
のの、その場合は米国に支払い義務が発生しないという合意が条件だとしています。
「損失と損害」は、先進工業国が引き起こした気候変動による影響を被る国への補償
を意味します。この問題をめぐる、米国と中国、その他の主要国のCOP21 における役
割について話します。同時にまたREDDという、インドネシアなどにおける森林破壊を
回避するプロジェクトにつていも話します。「アフリカ環境フェミニストの会」
(the African Ecofeminist Collective)に所属するケニアの環境保護論者ルース・
ニャンブラは、「REDD は、気候危機への解決策と呼ばれていますが、これにより、
先進国の中の汚染を続ける国や企業は、『南にある途上国の森林回復に金を払う限
り、汚染を続けられる』と主張することが可能になっています」と指摘します。



○元世界銀行主任エコノミスト COP21は「 後世の歴史家が転換期と見るものになっ
てほしい」

http://www.democracynow.org/2015/12/11/former_world_bank_chief_economist_on

著名な英国の気候経済学者で元世界銀行主任エコノミストのニコラス・スターン卿
は、2006 年に「気候変動の経済学に関するスターン報告書」という先駆的な報告書
を発表しました。700 ページ近い報告書の発表から約 10 年経ちますが、スターン卿
に世界の現況と COP21 でどんな結果を期待するか聞いてみます。「後世の歴史家か
ら大きな転換点とみなされ、世界が結束して低炭素社会に向けて方向転換する、未来
に向けた壮大な出来事だったと評価されるようになることを願います。これが、安全
な成長を可能にする道、クリーンな成長のできる方法です」とスターンは語ります。



○「端的な誤り」 英国の気候経済学者がドナルド・トランプの気候変動否定をばっ
さり

http://www.democracynow.org/2015/12/11/straight_wrong_british_climate_econom
ist_responds

国連気候サミットに参加している著名な英国の気候経済学者で元世界銀行主任エコノ
ミストのニコラス・スターン卿が、米国共和党の大統領候補ドナルド・トランプが気
候変動への人類の影響を否定していることについて、「はなはだしい間違い」とばっ
さり切り捨てました。「200 年間にわたる科学研究と膨大な科学文献をひっくり返す
ような科学的研究成果を持ってるなら、彼はそれを発表するのが当然でしょうし、科
学専門誌は彼の論文を喜んで審査すると思いますよ」とスターンは言います。



○「自主的な目標では不十分」 氷河学者 法的拘束力のない排出削減策では減らな
いと語る

http://www.democracynow.org/2015/12/11/voluntary_pledges_arent_enough_glacio
logist_says 

気候変動の最も壊滅的な影響を回避するために200 カ国が合意をめざすCOP21 は、交
渉の最 終段階にあります。地球温暖化が最も間近に迫るグリーンランドの大陸氷河
を、過去20年間にわたり追跡した科学者に話を聞きます。 ジェイソン・ボックスは
2008〜 2012 年の間、米 国海洋大気庁の年次気候変動報告のグリーンランド部門の
筆頭著者を務めました。ボッ クスは、グリーンランド全土で 10 年以内に表面溶解
が起 こると2012 年に警告した科学者の一人です。この予測は科学界の多くの人々か
ら冷笑されましたが、そ のわずか数カ月後に溶解が始まりました。ボックスは 2011
年に ホワイトハウス前で行われた大規模抗議など、気候変動の抗議活動にも参加し
ています。彼の最近の寄稿 は、ナオミ・クラインと共にニューヨーカー誌に掲載し
た「な ぜ気候条約は平和への一番の希望なのか」です。



○「悪徳企業」第一級の氷河学者がエクソンの気候変動隠蔽について語る

http://www.democracynow.org/2015/12/11/a_rogue_company_leading_glaciologist_
on

第一級の氷河学者ジェイソン・ボックスは、巨大石油企業エクソンモービルを裁く
COP 21 の模擬法廷に参考人として呼ばれました。同社が、化石燃料は地球温暖化を
引き起こし、気候変動と北極圏の氷河融解を招くという、1970年代に遡る自社の発見
を隠匿したことを検証する模擬裁判です。「エクソンは世間に向けては、自社の発見
に反する立場を取り、結果的に、自社の製品を売り続けるために一般社会に嘘をつき
ました。そのおかげで、私たちは20年間を無駄にしました。もしも彼らが正直に事実
に直面し、エネルギー企業としての自らの立場を認めていたならば、我々と一緒にク
リーンなエネルギーへの転換を推進し、存続可能な企業でありつづけることもできた
の です。でも今や、エクソンは悪徳企業です」とボックスは言いま す。



○先住民グループ 6000 マイル離れたアマゾンから「命のカヌー」を運びパリで気候
行動を呼びかける

http://www.democracynow.org/2015/12/11/indigenous_group_brings_canoe_of_life

8日火曜日パリの朝方、エクアドルのアマゾン地帯にあるサラヤクの先住民グループ
が、ヴィレット運河沿 いを手作りの木製カヌーで漕ぎだしました。サラヤクのケ
チュア人は長年にわたり、自分たちの土地での石油開発と闘っています。2012年に彼
らは米州人権判所で、彼らの土地で石油採掘を許可したエクアドル政府を相手取った
裁判に勝ちました。アマゾンから6000マイルの旅をして来たサ ラヤクの人たちのカ
ヌー 進水式に、デモクラシーナウのホアン・カルロス・ダヴィラとエイミー・リト
ルフィールドが参加しました。「今、交渉してる人達は、気候変動がもたらす結果が
身に及ぶことがないかもしれません。でも、私はそれを耐え忍んでいかなければなら
ないのです。私の将来や私の姉妹の将来、私の子供達の将来を決めるどんな権利が、
この人たちにあるのでしょうか?」と、COP 21 の交渉に関してサラヤクから来たケ
チュア人の活動家ニナ・グアリンガが話します。





****** 掲示板 ********************************************

東京の杉原浩司です。[転送・転載歓迎/重複失礼]



いよいよ本格的かつ継続的な武器輸出反対運動が動き出します。恥ずべき

「死の商人国家」への道を食い止めるために、ぜひご注目とご参加、ご賛

同をよろしくお願いします。17日、18日の連日行動にぜひご参加ください。



----------------------------------



◆オーストラリアに潜水艦を売るな!

「武器輸出反対ネットワーク」発足記者会見&官邸前アクション



ターンブル豪首相が12月17日ないしは18日にも来日する見込みです。予定

されている日豪首脳会談では、自衛隊と豪軍による共同軍事演習の促進に

つながる「訪問部隊地位協定」の締結問題などに加えて、懸案となってい

る豪州への潜水艦輸出の問題も話し合われます。



潜水艦輸出は総事業費4兆円を超えるビッグプロジェクト(最大12隻を共

同開発・生産)であり、日本はドイツ、フランスという武器輸出大国と受

注を争っています。大型武器を丸ごと輸出(共同開発・生産)する初のケ

ースであり、受注競争の行方は今後の日本の武器輸出政策に大きく影響す

ることは必至です。



これに対して、この間準備を進めてきた「武器輸出反対ネットワーク」を

発足させると同時に、潜水艦輸出に反対する記者会見と連日の官邸前行動

を行います。記者会見にご注目ください。官邸前行動にぜひご参加くださ

い。そして、お知り合いにも広めてください。



◆オーストラリアに潜水艦を売るな!

「武器輸出反対ネットワーク」発足記者会見

12月17日(木) 14時30分〜16時

衆議院第2議員会館第6会議室(国会議事堂前駅、永田町駅)

<出席者>

並木麻衣(日本国際ボランティアセンター・パレスチナ事業担当)

井筒高雄(元陸自レンジャー隊員)

志葉玲(フリージャーナリスト)

奈良本英佑(法政大学名誉教授)

杉原浩司(集団的自衛権問題研究会)

※オーストラリアからのメッセージ

【Ustream中継あり】IWJチャンネル4  ※ぜひご覧ください。

http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4



<連日の官邸前行動>

「オーストラリアに潜水艦を売るな!」「太平洋を平和の海に!」

「死の商人にはなりたくない!」(英文も)等の横断幕を掲げてアピールします。



◆首脳会談前夜!オーストラリアに潜水艦を売るな!12.17官邸前アクション

12月17日(木) 18時30分〜20時

首相官邸前(国会議事堂前駅)

【Ustream中継あり】IWJチャンネル4

http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4



◆オーストラリアに潜水艦を売るな!12.18官邸前アクション

12月18日(金) 午前10時〜11時

首相官邸前(国会議事堂前駅)



【問合せ先】 090-6185-4407



呼びかけ:武器輸出反対ネットワーク

Twitter https://twitter.com/AntiArmsNAJAT

Facebookページ https://www.facebook.com/AntiArmsNAJAT/

★池内了さん、志葉玲さん、雨宮処凛さんらの賛同メッセージを掲載して

います。今後も続々とアップしていきます。ぜひご覧ください。フォローと

「いいね」もよろしくお願いします。



----------------------------------



【参考情報】

最初は中国でなく日本に…豪新首相、18日来日(12月14日、読売)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20151213-OYT1T50010.html



豪首相、17日に就任後初来日へ 安保強化へ新協定目指す(12月5日、共同)

http://this.kiji.is/45812849729978374?c=39546741839462401



豪に潜水艦計画提出 日本、独仏と受注競争(12月1日、東京)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201512/CK2015120102000137.ht
ml



[FT]独仏、日本より優勢か 白熱する豪の潜水艦受注合戦

(10月7日、日経電子版/英フィナンシャル・タイムズ紙 10月6日付)

http://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXMZO92517970W5A0
01C1000000&uah=DF151020154908



*******************************************

デモクラシー・ナウ!は皆さんの協力で支えられています。あなたもぜひ、ご参加く
ださい。

メルマガ登録はこちらのページから → http://democracynow.jp/ (右コラム最上
段)

ツイッター(http://twitter.com/democracynowjp) やフェイスブック
(http://ow.ly/6qMaU )でもお知らせしています。

Created by staff01. Last modified on 2015-12-17 09:40:02 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について