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LNJ Logo 原発推進映画『パンドラの約束』にだまされないために
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News Item 1401064057832st...
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*レイバーネットMLより
紅林進です。 
  
CO2による温暖化の防止のためと称して原発を推進するための 
新たな宣伝ツールとして使われはじめた映画『パンドラの約束』 
が日本でも現在、上映されています。 
  
「米国のサンダンス映画祭2013で上映されて、観客の75%が原子力 
反対者であったにもかかわらず、映画終了時にはその8割が原子力 
支持に変わった」という前宣伝がされていたこの映画であるが、私も 
この映画を観たが、そのような衝撃的な内容ではまったくなかった。 
あまりにもつまらない内容に途中、少し眠ってしまった。(したがって、 
いくつかのシーンは見逃しているが・・・) 
  
福島原発事故に触れながら、現地を訪れるシーンもはさみながら、 
その被害は過小評価している。被害の実相は映さない。 
  
チェルノブイリもいまや安全で、「戻ってきた人達も誰一人も癌や病気 
で亡くなっていない」と地元の教会司祭なる人物に語らせている。 
  
再生可能エネルギーは、不安定で頼りない、高コストのエネルギー 
だと描き出す。 
  
そしてCO2削減、温暖化防止のためには、原発は必要だと、5人の 
原発反対から賛成に転じた人々を描くことによって、原発の必要性を 
印象付けようとする。 
  
何の証明や論拠も実現可能性も示さぬまま、「一体型高速炉」(IFR) 
などの「第4世代原発」なるものの開発に希望を託す。その燃料に 
核廃棄物を使って「核のゴミ」の問題を解決できると主張する。 
日本の「もんじゅ」を始め、「核燃料サイクル」は世界中どこでも成功 
したためしはなく、日本以外の他国ではすでに手を引いている現実 
も見ない。米国で、「一体型高速炉」(IFR)の計画が頓挫したのは、 
党利党略に巻き込まれたからのように描き出す。 
  
映画館で販売していた、この映画のパンフレット(カタログ)も、桜井よしこ、 
澤田哲生(東京工業大学原子力高額研究所助教)、田中伸男(前国際 
エネルギー機関(IEA)事務局長、日本エネルギー経済研究所特別顧問) 
などの原発推進派の人たちに、原発の必要性やこの映画の宣伝をさせ 
ている。 
  
観るに耐えない映画ではあるが、この映画が原発推進の宣伝に使われ 
るならば、それを批判し、人々がこの映画にだまされないように、自分達 
でもこの映画を観て批判することも必要だと思います。 
  
しかし福島原発事故の実情を知っている(政府やマスコミにより、被害隠し、 
被害の過小評価が行われているとは言え)日本の人々にとっては、この 
映画の宣伝文句にいうように、75%の原発反対の人々を、8割が賛成に 
変えてしまった(それ自身、本当かどうかもわからないが)というような、 
米国におけるような観客への影響力やインパクトは持ち得ないのでは 
ないかと思います。 
  
ところで、私は新宿の別の映画館で、この映画を観て、そこでの上映 
はすでに終わっているのですが、先週5月24日(土)より、東京・渋谷 
の映画館「UPLINK」で、この『パンドラの約束』と原発を批判するドキュ 
メンタリー映画『100,000年後の安全』などとの2本立ての組み合わせで 
上映を始めているとのことです。 
  
この「UPLINK」という映画館は、チェルノブイリや福島の原発事故に 
関するドキュメンタリーなども数多く上映してきた映画館でもあり、 
2作品を観た後、観客の意見が原発賛成・原発反対のどちらに 
傾いたかを書ける「意見表明ボード」を劇場ロビーに設置するとの 
ことです。 
  
東京・渋谷の映画館「UPLINK」(地図) 
http://www.uplink.co.jp/info/map/ 
  
  
(以下、案内の転載) 
  
『パンドラの約束』+日替わり作品2本立て上映 

公開より物議を呼んでいた原発推進のドキュメンタリー『パンドラの約束』と、 
日替わりで『100,000年後の安全』と『核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝』を 
2本立て上映致します。2作品をご覧いただいた後、皆様のご意見が原発賛成 
・原発反対のどちらに傾いたかを、劇場ロビーにボードを用意しますので、ぜひ 
表明してください。 

現在アップリンクでは、つくば大学に在学する11人の学生たちが「福島の人々 
の声を世界に」を合言葉に、真摯なまなざしで福島の今を捉えた『いわきノート 
FUKUSHIMA VOICE』が上映中。 
  
6/7(土)からは、二人のフォトジャーナリストが2011年3月12日から3年にわたり、 
福島のその土地の人々とともに過ごした日々を記録し続けたドキュメンタリー 
映画『遺言  原発さえなければ』が上映されます。 
  
メディアが報じない福島の住民の方々の声が皆様に届き、また、原発再稼働 
問題を改めて考える機会になることを願います。 

皆様のご来場を心よりお待ちしております。(支配人・桑原) 

◇UPLINK公式サイト http://www.uplink.co.jp/ 
  
『パンドラの約束』(2013年/87分)+日替わり作品2本立て上映 
5/24(土)〜
 
監督・脚本:ロバート・ストーン
日替わり上映作品 

『100,000年後の安全』 
公式サイトhttp://www.uplink.co.jp/100000/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&ut
m_campaign=20140523
(2009年/デンマーク、フィンランド、スウェーデン、イタリア/79分)
監督・脚本:マイケル・マドセン
  
『核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝』 
公式サイトhttp://www.uplink.co.jp/kakunokizu/?utm_source=mailmag&utm_medium=emai
l&utm_campaign=20140523
(2006年/フランス/英語・日本語/53分)
監督・脚本・撮影・録音:マーク・プティジャン
『311以降を生きる:肥田舜太郎医師講演より』(2012年/日本/27分) 
  
『パンドラの約束』(2013年/87分) 
監督・脚本:ロバート・ストーン
  
なぜ彼らは原発を肯定するのか?
地球環境保護論者たちの視点とは?
ロバート・ストーン監督は本作の中で、原発推進派へ"転換"した元・反原発主義者 
たちを力強く描写し、環境保護論者によくある議論の弱点を追求する。この映画こそ、 
環境保護を考える際に陥りがちな感情面が優先した賛否論を、合理的・科学的な 
議論へと転換するための金字塔となるはずである。 
  
アップリンクでは、今回、本作において言及が巧妙に避けられている原子力の負の 
部分について考えるためにも、高レベル放射性廃棄物の問題を描いた『100,000年 
後の安全』、内部被曝の影響を訴え続ける肥田舜太郎医師を追った『核の傷:肥田 
舜太郎医師と内部被曝』+『311以降を生きる:肥田舜太郎医師講演より』を本作と 
2本立てで上映する。 

★劇場ロビーに意見表明ボードを設置! 

ご鑑賞後、本作を見た上で原発賛成か反対か、あるいは別の考えを持つに至ったか 
意見を募集します。ぜひご参加ください!『パンドラの約束』+日替わり作品2本立て 
上映公開より物議を呼んでいた原発推進のドキュメンタリー『パンドラの約束』と、 
日替わりで『100,000年後の安全』と『核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝』を2本立て 
上映致します。2作品をご覧いただいた後、皆様のご意見が原発賛成・原発反対の 
どちらに傾いたかを、劇場ロビーにボードを用意しますので、ぜひ表明してください。  
  
  
チェルノブイリや福島の原発事故に関するドキュメンタリーを数多く上映してきた 
アップリンクで、5/24(土)から原発推進のドキュメンタリー『パンドラの約束』を 
上映します。この映画では、かつてヒッピー世代のバイブルだった『ホール・アース 
・カタログ』の編集者スチュアート・ブランドなどの環境運動家が、原発推進派へと 
転向していった経緯を映し出します。日本政府は原発推進を日本だけではなく、 
世界に営業をかけて行っています。原発推進派が多数を占める日本で、彼ら 
のロジックを知る事も重要だと思い上映を決めました。

また、本作では、原発の負の部分をきちんと描くことを巧妙に避けているので、 
これを観ただけで原発推進を是とするには危険だと思いました。そこで、高レベル 
放射性廃棄物の問題を描いた『100,000年後の安全』と、内部被曝の影響を訴え 
続ける肥田舜太郎医師を追った『核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝』を、日替 
わりで『パンドラの約束』と2本立て上映することにしました。
2作品をご覧いただいた後、皆様のご意見が原発賛成・原発反対のどちらに傾い 
たかを、劇場ロビーのボードを用意しますので、ぜひ表明してください。   
  
                                  浅井隆(アッ
プリンク社長) 
  
上映日程・時間 

5月26日(月)
13:30〜15:07『パンドラの約束』、 
15:20〜16:40『核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝』+『311以降を生きる:肥田舜太郎医
師講演より』
5月27日(火)
13:30〜15:07『パンドラの約束』、 
15:20〜16:39『100,000年後の安全』
5月28日(水)
13:30〜15:07『パンドラの約束』、 
15:20〜16:40『核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝』+『311以降を生きる:肥田舜太郎医
師講演より』
5月29日(木)
13:30〜15:07『パンドラの約束』、 
15:20〜16:39『100,000年後の安全』
5月30日(金)
13:30〜15:07『パンドラの約束』、 
15:20〜16:40『核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝』+『311以降を生きる:肥田舜太郎医
師講演より』


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