派遣法・全労連ニュース～弁護士や法学者などが緊急集会

【転送歓迎】　　国会論議を聞いていて、ふつふつと怒りがわいてきました。派遣労働者の深刻な実態、雇用破壊の深刻さを突きつけ、「派遣労働者は救われない」という大きな世論喚起が必要です。　派遣切り等にあったみなさんの感想を求めています。手記や訴えなどに活用します。ニュースでも紹介したいと思いますので、ご協力ください。

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労働法制中央連絡会メールニュース　　2010．4．17　　全労連事務局

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どうなってるの民主党政権!?　派遣法改正案を斬る

弁護士や法学者などが緊急集会　　4/16 非正規労働全国会議

　学者や弁護士などが中心になって昨年結成された「非正規労働者の権利実現全国会議」が16日夜、緊急集会「どうなっているの民主党政権!?　派遣法改正案を斬る」を開催。約100名が参加しました。

　集会では冒頭、日弁連の宇都宮健児会長が来賓あいさつし、14日に公表した会長声明の内容を紹介しつつ、日弁連も行動すると約束されました。脇田滋・龍谷大学教授が「労働者派遣法『改正』案の問題点と抜本改正の課題」と題して講演。脇田氏は、政府法案の問題点をわかりやすく解説するとともに、現行派遣法は「法的虚構・欺瞞の集合体」、世界水準とかい離した日本的労働者派遣法の問題点の克服の必要性を力説されました。続いて、弁護士さんらがコントで、改正法の問題点を演じました。

　その後の当事者報告では、①日産で派遣切りにあったＵさん（専門業務偽装と事前面接、期間制限違反。首都圏青年ユニオン）、②横川電機で派遣切りにあった小竹さん（専門業務偽装と期間制限違反。JMIU）、③シングルマザー派遣労働者の3名が発言。小竹さんは「横川電機で4年働いたが、派遣切りされた。最初は貿易関係の書類をつくる11号業務だったが、私の部署は貿易関係とは全く関係ないところだった。指摘すると、今度は5号、6号、8号、10号のてんこ盛り契約になったが、おかしいと東京労働局に申し立て、専門業務でないと認められ、会社は是正を求められたが、指導の3ヶ月後に雇止めにあった。今回の改正では26業務は手つかず、さらに直接雇用の申し込み義務さえなくそうということは改正したくないこと。こんな制度を子どもたちに残すわけにはいかない。変な改正に終わらせず、きちんと改正してほしい」と、切々と訴えました。

　集会は最後に、派遣労働の固定化を認める改悪は許せない、「派遣労働者の権利がきちんと擁護される派遣労働法の真の意味での改正を早期に実現することを強く求める」とした「声明」が参加者の総意で確認されました。

衆院本会議で審議入り　4/16 各党質問の大要

実態からかけ離れた内容に、派遣労働者から怒りの声

　衆院本会議では4月16日、労働者派遣法の趣旨説明と、各党代表による質問がおこなわれ、政府法案がいよいよ審議入りしました。与党議員からは「政権交代したから規制強化の方向に180度転換」と、政府案を持ち上げる質問が出されたい一方、前政権与党の自公からは「規制を強化したら経済は悪化。かえって雇用が失われる」と、大穴政府案さえ攻撃する発言が続きました。インターネットで中継を見た派遣労働者からは「実態を見ない勝手な議論で腹がった。私たちを安くこき使い切り捨ててきた反省が少しもない」と怒りの声が寄せられています。

　以下に、各議員の質問の概要を紹介します。　　注：議事録ではなく簡単メモ。不正確な部分あり

政権交代したから規制強化・雇用安定に180度転換

民主・岡本英子議員　　

　行き過ぎた規制緩和を是正し、雇用と生活を安定させることが重要だ。対象業務を拡大し、自由化され、製造業務にも解禁された。規制緩和が派遣切りを生んできた。政府案は、登録型派遣の「原則禁止」など、規制緩和の流れを180度転換し、規制を強化するものだ。雇用の安定をはかる措置を盛り込んでいるが、政権が交代したからこそできた。コストや効率でとらえず、技術の継承を損ないかねない派遣を抜本的に見なおす意義を持つものだ。

　製造業務の派遣解禁は間違っていた。技能継承と雇用の安定が重要だ。製造業務だけが問題なのか。事業主が解雇したりするような不安定な派遣は禁止すべき。賃金カーブ低く、賃金や待遇に格差がある。格差は是正させるべき。

　派遣活用が増え、違法が増えている。法の規制を逃れる偽装請負が社会的問題になった。まじめな事業主が迷惑をこうむる、安心して働くことができない。迅速に厳しく対応することが急務だ。民間のみならず、地方自治体でも多数ある。違法派遣はあってはならない。みなし雇用申し込み制度を設けたが、地方自治体は任用行為であり、そのまま適用できないが、民間と同様の保護を与えていくべきだ。

　「原則禁止」などの規制強化で、臨時的・一時的業務に限定され、必要な時に人を集めることができなくなるという、雇用の選択肢が狭まるという。仕事を求める人のニーズをどのように結びつけていくのか。「ぎりぎりの合意だ」と聞いているが、雇用の安定では共通していたから、改正案が実を結んだ。より安定した雇用としていくための第一歩だ。労働者の保護、雇用の安定に全力でとりくんでほしい。

鳩山首相　これまでの規制緩和は行き過ぎたものだった。製造業務派遣では、派遣労働者が大量に解雇されてしまう派遣切りが多発し、命が軽んじられてしまうことになった。技術力の伝承を損ないかねない事態。適正化して、生活の安定をはかることが重要。政権交代の結果、改正案ができた。行き過ぎた規制緩和を修正する。働く選択肢は大事にして、派遣労働者の保護をはかる。「原則禁止」など今までにない内容が盛り込まれ、「抜本改正」といえる内容だ。

長妻厚労大臣　派遣切りが多発し、雇用の不安定さが指摘された。雇用の不安定さ、技能伝承からも問題と指摘され、原則禁止にした。常時雇用、1年の見込みがあれば安定していると考えられるので、例外としている。登録型も派遣切り多発し、仕事のある時だけ雇用されるので原則禁止すべき。派遣元事業主に常時雇用なら雇用は比較的安定している。

　派遣先労働者との均衡配慮義務を設けた。賃金、福利厚生の改善をすすめる。マージン率の情報公開、派遣料金の明示義務をいれた。よりよい事業所を選択できる。違法派遣の場合、労働契約を申し込んだとみなす制度を設けた。悪質派遣先については指導、助言から即座に勧告公表をはかることとした。国、地方自治体であっても、民間でのみなしと同様の措置となる。常時雇用や短期事業は禁止されておらず、企業のニーズに結びつけていく。

登録型禁止すれば、廃業増え、失業が増える

自民・棚橋泰文議員　　

　政府案で、派遣で働いている人の職を守り、待遇を改善することが実現するのか。職も減らない、待遇が下がることもないと、明言できるか。サラリーマンは年収1千万というが、国民は先行きに不安。税収より国債発行が多い予算……。このような状況下で登録型が禁止されれば、企業は廃業に追い込まれ、また、海外に移転してしまう。禁止対象の派遣労働者は、失業するなどで、さらに不利な条件の仕事になる。禁止対象の44万人のうち、何人が正社員になり、常時雇用になるのか。シュミレーションしているはずだ。多くが失業することを認めるか。

　労働条件改善のためにも、雇用の安定のためにも、経済成長が大事だ。経済成長のために政府としてすることを示すべき。再質問もする。

鳩山　雇用、待遇への影響については、影響が生じないよう、職業紹介の充実につとめる。賃金決定に派遣先との均衡を考慮するとしており、待遇改善はかれると認識している。

　中小零細の廃業、海外移転について、禁止の対照とならない常時雇用を増やし、ニーズに答えるようにしているので、支障をきたすことにはならない。ものづくり、製造派遣については、常時雇用への転換によって対応が可能だ。海外に移転することにはならない。職を失うことあってはならない。施行は３年後。常時雇用、短期職業紹介の充実をはかる。

　登録型禁止で正社員常時雇用になるかは正確な値として出しているわけでないが、派遣先の労働力需要がなくなるわけでないので、安定雇用への移行が期待される。助成制度によって環境整備につとめる。実態を調査し、問題が少なくニーズもある業務については適用を猶予する。景気は持ち直しているが、自立性に乏しい。緊急経済対策、予算背策を推進し、回復を確かなものにしていく。

棚橋　職業紹介だけで可能なのか。パイが広がらないのにできるのか。常時雇用に期待したいというが、期待だけではだめだ。　（以降の答弁、再質問は略）

公労使三者の答申修正は政略、あまりに乱暴

公明・古屋範子議員　　

　公労使の三者構成の答申に対し、事前面接解禁を見送る修正がされた。政略には反発の声が出ている。あまりにも乱暴な対応だ。三者構成の答申を軽視するのが政治主導か。国民が見せつけられたのは、内閣不一致の混乱だ。機能不全に陥っているのではないか。首相は「重く受け止める」というが、今後このようなことがないように強く求める。

　不安定雇用の問題、キャリアアップが背景にあるが、政府案で課題が解決されるのか、疑問だ。日雇い派遣の原則禁止などは、中小企業の経営を圧迫し、悪質な環境に移行させる。雇用が失われることになっては、かえって労働者を苦しめる。海外移転を促すのではないか。需要喚起は見えない。事業規制強化で中小企業は打撃うける、中小企業に対する労働力確保の支援をすべき。残業の増加が起きれば、問題を転嫁しただけになる。中小企業への配慮をおこなうため、期間、措置を考慮することを銘記せよ。

　派遣から請負への移行がすすみ、同様の業務に従事することになる。請負では発注先と会話できず、異様な雰囲気となる。労働者を自己調達しないといけない。派遣法では保護の仕組みがあったが、保護はなくなり、下請け切りになるだけではないか。偽装請負が台頭してくるのではないか。請負などの法整備が必要。

　政府案では能力開発、キャリアアップが見えてこない。不安定雇用の固定化につながるのではないか。学生が家計補助として働いている。規制強化で女性の働く場が減るのではないか。多様な働き方を選択できることが重要で、一方的な規制は、雇用を不安にさせるだけだ。

　派遣業は一時的需要調整としてはじまった。生計をたてている人への支援が必要だ。派遣元に対して無期雇用への転換を努力義務としているが、常用雇用を求めるのは制度的矛盾だ。正規雇用への移行をすすめるべき。アンケート結果では、反対67%、失職する33％、よくなると思う16％、思わない39％など、改正案は派遣労働者がのぞまない内容になっている。誰のための改正なのか、現場の意見を聞くべきだ。事業規制を強化すれば労働者が守られるという、安易な発想ではいけない。

鳩山　答申は、審議会で労使がぎりぎりの線で合意したもの。一部を変更したことで懸念が表明されたが、異存は出なかった。必要な最小限の修正をおこなったものだ。三者合意は今後とも尊重していきたい。事業規制強化にともない、労働力確保ができないことがあってはならない。職業紹介事業の充実など明記している。最長5年の猶予期間がある。それまでに確保の仕組みつくっていきたい。職を失い、多様な働き方を奪うことあってはならない。不安的な雇用のみを禁止し、待遇確保を求めている。職業紹介事業の充実などを講じる。アンケート調査は全面禁止を問う内容だった。常時雇用以外の不安定派遣禁止を前提にしたものではない。

長妻　今回禁止対象となる業務に従事する者が44万人いるが、常時雇用に移行していくようバックアップしていく。できる限り直接雇用に移行させ、雇用の安定化をはかる。そのため、助成制度を設けている。請負は派遣のように指揮命令が異なってわけではない。現行法の範囲で指導を徹底する。有期労働契約研究会で議論している。夏までの報告書を取りまとめる。派遣労働者の能力開発、技術向上をすすめる。無期へ転換に努める義務を課している。均衡を考慮する配慮義務や職業訓練の機会確保につとめる義務なども設ける。無期雇用の推進については、希望する場合に限っている。希望無視して無期化はかるものではない。

二つの大穴　派遣労働「原則容認」法案

共産・高橋ちづ子議員　　

　労働者派遣法が成立して四半世紀。職安法44条は労働者供給事業、いわゆる人貸し業を明確に禁止している。にもかかわらず、派遣事業を例外として認め、労働者派遣法が制定され、財界の求めに応じて規制緩和が続けられてきた。非正規雇用は2倍に拡大し、今や労働者の3人に1人、若者と女性の2人に1人にまで広がった。原則自由化後の10年間で派遣労働者は107万人から399万人へ急増し、年収200万円未満の給与所得者は17.9％から23.2％へと増加した｡｢多様で自由な働き方」などといいながら、企業にとって安上がりで使い捨て自由の雇用が拡大され、大量のワーキングプアを生み出した。リーマン・ショックを引き金に、大企業が先頭に立って25万人もの「派遣切り」「非正規切り」をすすめた。派遣という働き方を抜本的に改め、「正社員が当たり前」のルールを確立することが今求められている。政府案は、製造業派遣、登録型派遣の「原則禁止」をいいながら、例外という形で「二つの大穴」をあけており、派遣労働「原則容認」法案といわざるを得ない。

　二つの大穴の一つが、製造業派遣を禁止するといいながら「常時雇用する労働者」の派遣を認めていること。厚生労働省は、1年以上の雇用見込みがあれば「日々雇用」や「数カ月の短期雇用を繰り返している人」も含まれると述べてきたが、その定義は変わるのか。製造業で働く派遣労働者55万人のうち、64％が常用型。派遣契約の中途解除で解雇された派遣労働者の8割は「常用型」。どうして常時雇用が「雇用の安定性が比較的高い」といえるのか。名だたる大企業が次々と派遣切りをおこなった、問題の多い製造業派遣はキッパリ禁止すべきだ。

　第二の大穴は、登録型派遣を原則禁止するとしながら、専門業務を例外としていること。専門業務がなぜ「雇用の安定等の観点から問題が少ない」といえるのか。現在、専門26業務に100万人の派遣労働者が働いている。最も多いのが45万人を占める事務用機器操作業務。実際には電話の応対やお茶くみ、コピー取りなどの仕事をさせるなど、まさに「名ばかり専門業務」がまかり通っている。専門業務を偽る違法行為を許さないため、専門業務を厳格に絞り込むべきだ。厚労省政策会議では、専門業務を拡大すべきとの発言があったが、とんでもない。

　現行では専門業務に新たに労働者を雇い入れる場合、3年を超えている派遣労働者に優先的に直接雇用を申し込む義務がある。しかし法案は、この雇用申し込み義務を廃止するとしている。政府は、わずかに残されていた正社員への道すら奪っても構わないと考えているのか。

　次に、施行期日の問題。登録型派遣と製造業派遣の原則禁止の施行期日を3年も先送りしたのはなぜか。登録型派遣のうち、「問題が少ない」とされた業務は5年も猶予される。使い捨て自由の派遣労働を本気で規制する気があるのか、疑念を持たざるをえない。

　ほかにも、重大な改悪や後退した内容がある。「雇用申し込みみなし」制度を盛り込んだが、極めて不十分。派遣先が「違法であることを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった」場合は適用されないとしているが、派遣先が違法を「知らなかった」といえばすまされてしまうのか。派遣先の故意・過失要件は削除すべきだ。また、直接雇用になっても労働条件は以前と同じになること。これでは違法派遣で犠牲とされた派遣労働者を守ることはできない。期間の定めなく雇用される制度にすべきだ。

　グループ企業内での派遣は、親会社が本来直接雇用すべき労働者を子会社である派遣会社に転籍させ、派遣労働者として活用するものだ。禁止されている「専ら派遣」そのものであり、「第二人事部」と批判されてきた。グループ企業内派遣は厳しく規制すべきだ。

　派遣先企業の責任逃れを許さず、派遣労働者の雇用と権利を守るためには、「均等待遇の確保」「派遣先の団体交渉応諾義務」「育児休業を理由とした不利益取り扱い禁止」「性別を理由とする差別的取り扱いの禁止」などの規定が盛り込まれるべき。昨年、民主党など野党三党が提出した法案にはあったこれらの規定がなぜなくなったのか。

　連立政権の一員である福島大臣にも、このような法案をどうして認めたのか、聞きたい。

　今の労政審は、自公政権時代のメンバーがそのまま残っており、本法案は基本的に前政権の案を踏襲するものとして作成された。政府がたった一点、事前面接の解禁を法案から削除する修正をおこなっただけで、労政審が答申の尊重を求める意見書を出すという異例の事態となった。大臣は労政審に「二度とこういうことがないようにする」と謝罪したというが事実か。答申を一つも変えてはならないというなら、国会審議の意味がなくなる。大臣の行為は、派遣法抜本改正を期待している国民に対する裏切りにほかならない。国民にこそ謝罪すべきだ。

　法案には数多くの問題点がある。国会審議にあたっては、「派遣切り」にあった当事者をはじめ、国民の声を十分に汲みあげるべき。日本共産党は徹底した審議を通じて、本法案の抜本的な修正をめざして奮闘する。

鳩山　ゆきすぎた規制緩和を適正化して、生活の安定はかることが大事。同時に、多様な働き方を選択できるようにすることも重要。いずれも派遣労働者の保護強化の抜本的な改正だ。原則禁止の例外について、派遣労働にニーズが存在する、職を失うことあってはならない。原則ということで、いたずらに職を失うことないようにした。派遣切りは製造業に多発し、技能伝承から問題があるので、原則禁止とした。常時雇用は例外として認めることにした。26業務については、専門的な知識経験を有し、問題ない業務であり、例外とした。3年優先申し込みは、無期雇用ですでに雇用の安定はかられているのに、無期に限って除外することにした。施行期日を3年後としたのは、すぐに職を失うことがあってはならないから、一定の期間が必要。最長3年であり、途中で施行できる。問題の生じていない業務は施行を延期すると労使が判断したので、経過措置を設けた。

長妻　常時雇用の定義については、期間定めなしと反復継続で1年を超えて雇用が見こまれる労働者。常時雇用の定義を変更しないことで労使一致している。製造業派遣は日々雇用、2ヶ月以下は禁止となる。常時雇用の雇用安定性については、世界的大不況は特別な状況、平時では中途解除された場合、確保できた割合が比較的高い。中途解除にあたり、就業機会確保などの措置を講じないといけない。26業務については2月に適正化通達を出した。指導監督を実施している。随時、見直しはおこなわれるべきであり、議論を踏まえて対応していく。故意・過失要件は削除すべきというが、みなしが発動しないためには、知らなかったことに過失が必要。違法派遣を受け入れたことへのペナルティを課すのだから、過失がない場合まで対象とするのは難しい。労働契約の内容は、違法派遣のあった条件と同一となる。反復更新は3ヶ月に2回更新の契約であればそうなる。無期雇用とすべきというが、派遣先に高いものを課すことになるので適当でない。グループ企業内派遣はすべてを否定しないが、需給調整はかるもので、第二人事部的なものは変質であり、適当でないので、8割以下とした。均等待遇確保がなぜ盛り込まれていないのかについては、同種の業務についていればバランス、均衡考慮を義務づけたということだ。団交応諾義務など派遣先責任の強化については、労政審の議論の過程で賛否が出て、引き続き検討していくことになった。付則で速やかに検討する規定を置いた。審議会で検討していくことになる。審議会から遺憾である意見書を受けた。三者構成が不可欠であり、重く受け止め、趣旨を踏まえてとりくんでいきたいと答えた。保護のために今までにない内容が含まれており、国民の期待にこたえるためにしっかりとりくんでいきたい。

福島　問題は自民政権下で規制緩和されてきたことにある。雇用の再建、法律で規制していくことが重要であり、その一歩として改正案をまとめた。政治主導を果たすべきだと議論し、事前面接は削除した。派遣先に供給するのを派遣先が面接することは、派遣の構造にあわない。今回の改正案は規制強化に本質があるが、事前面接解禁は規制緩和するものであり、改正案にそぐわないと考え、削除し、閣議決定した上で、国会に提出した。まだまだ歩みを止めるわけにはいかない。引き続き法整備につなげていく必要がある。附則にも、検討が書かれた。期間のある雇用、パート、均等法など、規制し、生活を再建することをしっかりやっていく。

二つの大穴　派遣労働「原則容認」法案

社民・服部良一議員　　

　規制緩和で格差が広がり、ワーキングプアが社会問題になり、怒りの爆発が政権交代につながった。貧困労働を拡大してきた労働者派遣法の抜本改正が必要だ。改正案は労働者保護が明確となった改革の大きな第一歩。同時に、三党合意より後退したことは残念であり、さらなる法整備を検討していかなければならない。

　常用雇用について、短期契約を繰り返す有期保護を担保するのか、名ばかり常用雇用をはびこらせてはならない。事前面接解禁を除外したことは評価する。問題点として、26業務は、事務用機器操作やファイリングなどが悪用されている実態がある。例外が広がる危険性があり、そうならない担保はあるのか。派遣先責任強化として、労組法上の団交応諾義務などが必要だ。審議会委員が替わっておらず、指定席であり、公正、公平な人選といえるのか、見なおすべきだ。みんながメシ食えることが基本。命を大切にされる政治にむけ、同一価値労働、均等待遇の決意を、不安定雇用で苦しむ格差社会の解決にとりくむ決意を求める。

鳩山　みんながメシ食える世の中にしないといけない、一緒にとりくんでいきたい。ゆきすぎた規制緩和を適正化して、生活を確保する。新成長戦略、子育てビジョン、男女共同参画、同一価値労働に向けて、均等・均衡待遇にとりくんでいく。派遣法改正は保護強化するものであり、雇用の安定、社会全体の改革に資するものだ。早期成立をお願いしたい。

長妻　常時雇用については、派遣先から契約解除されても、他の派遣先に派遣されるので、例外とした。無期とすれば過大な規制を課すことになり、失業につながる怖れもある。雇用安定には無期雇用が望ましいので、促進するための努力義務を課している。事前面接を認めると派遣先が採用に介入することになるので、原則禁止とした。専門26業務は認めることとしている。専門性がない業務を偽って派遣されているとの指摘があり、事務用機器操作などの解釈を明確化し、指導監督の徹底を通知した。周知監督の徹底はかり、範囲が適切化どうか随時見直しされるべきで審議会で見直し行われる。団交応諾義務については、派遣先責任強化の議論で様々な意見が出され、引き続き検討することとなった。施行後、速やかに議論していく。審議会委員は政権交代でも変化するものではない。昨年末の答申でも、制度の見直しは必要であるとの答申を受けた。審議会メンバーの交替が問題ではない、ＯＢは任命しない方向で考えている。

◎派遣法共同行動：4・20院内集会「どこまで使える派遣法改正案」

日時：４月２０日（火）11：00～13：00（10：30開場）

場所：衆議院第一議員会館第２会議室

◎ 4・21国会行動集中日、派遣法院内集会

11：00～　厚生労働省前要求行動でスタート

12：15～　昼の国会前行動、国会議員要請行動、議員会館前宣伝・厚生労働委員会傍聴

15：00～　「これでは救われない、派遣切りもなくならない　審議をつくし、労働者派遣法の抜本改正を求める院内集会」　　第二議員会館第3会議室