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「忘れえぬロシヤ展」を観て(斎藤洋太郎) | ||||||
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渋谷・文化村の忘れえぬロシヤ展の初日を見た。表題は、クラムスコイの名 画・忘れえぬひとを取ったもの。 http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/09_tretyakov/index.html アジアを愛し、日本にも来て、日露戦で亡くなり、平民新聞にも追悼記事の出 たヴェレシャーギンを見られる。キルギス・ウダイプール・デリーの光景を描い た極彩色。彼については、下記の論文。(ロシヤ文学者・ニコライ院長の昇が、 内村鑑三の弟子というのを知った) http://www.art-russian.org/vere/vere05.html 他者を知るには、言葉から。文化村の表記は、結構。たとえば、ヴェレシャー ギンの原語ロシヤ語を英語であらわすと、Vereshagin。最近のつづり方は、ロシ ヤ語に限らず欧米語のvとbをバ行であらわしているが、vとbは区別したほうが便 利だ。また、ロシヤ語のシャーはシャー(ш)と、シシャー(щ)というような音の 二つがあるところ、従来は後者をシチャーというような現実にない音で表記して いた。(上記論文も、そう) 絵のほうは、雪ないし雪山の描写が多様で見事。貧しい子供や女坑夫を題材に して、前にも言ったように、画家が堂々と社会に対して発言している。藝術を手 段とするのでなく、藝術そのものが社会と切り結ぶ。 ゲーのトルストイ像もある。この反戦の流れが、レーニンにつながる。国同士 の戦争というのは、労働者同士を戦わせるものであって、労働者と資本家が内戦 することはあっても、労働者同士があいたたかう戦争というものは廃絶すべき だ、というのがレーニンの社会主義である。 Created by staff01. Last modified on 2009-04-05 12:31:21 Copyright: Default |