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小倉です。

以下、自分のブログの記事を転載します。ケニアの民衆議会がどのよ
うなグループかほとんど知られていないとおもうので、参考までに。

http://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/modules/wordpress/
先に書いたように、ケニアのナイロビで開催された世界社会フォーラムはこれま
でになく厳しい批判にさらされた。現地の運動体としてもっとも精力的に批判を
展開したBunge La Mwananchi(People’s Parliament、民衆議会)の活動家が閉
会後逮捕されたことを前に書いたが、その後この逮捕された人は釈放をかちとっ
たようだ。

以下、民衆議会がフォーラムで配布していたチラシを紹介する。このグループ
は、多くのアフリカの団体が、先進国の援助に頼るNGO型の運動をとることが多
いのにたいして、専従も事務所も構えずに15年にわたって活動してきた。すべて
の活動資金は現地の人々のカンパだという。実は、先進国の大きなNGO(たとえ
ば、オックスファムやクリスチャン・エイドなどなど)を通じて第三世界のNGO
に対してなされる助成金に頼って活動するやりかた自体が、政府や世銀の資金に
頼るわけではないとしても、第三世界の運動の自立をさまたげ、ドナーの意向を
反映した現地組織となる結果になりやすくなるのではないかという批判がいわゆ
る「市民社会」のなかからもある。こうした構造があるために、多国籍企業も先
進国政府もさまざまな「市民社会」のチャンネルを通じて第三世界現地のNGOを
抱き込もうと画策する傾向を生み出すことにもなる。この「市民社会」それ自体
の従属構造--この表現それじたいは「市民社会」という概念とは語義矛盾だろう
が--に対して民衆議会の運動はある意味で新しい可能性をもっているし、だから
こそフォーラムへの批判も提起できたというべきだろう。

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民衆議会(Bunge La Mwananchi)

民衆議会とはどのような団体か?
貧しい者、周辺化された者、不利益を被っている者、持たざる者、弱者などなど
の声である。

何を支援しているのか?
人々の生活、食糧、住居、土地、尊厳、安全、平等、正義の実現を支援している。

なぜこうした活動が必要なのか?
いかに貧しくともだれもが権利を持ち、だれもが人間として扱われるべきだから。

あなたはケニアの現実を知っていますか?
・ケニアの富の80パーセントはケニアの人口の10パーセントが握っている。
・ケニアの人々の60パーセントは一日1ドル以下、貧困ライン以下の生活を送っ
ている。
・平均的なケニアの家族は一日3食の食事が得られない。
・ケニアの利用可能な土地の80パーセントが人口の5%によって所有されている。
・ケニアの議会のメンバー全員が貧困層の窮状を理解できない金持である。
・先進国が私達の商品を買うときに、その商品の値段は彼らが決めている。
・多国籍企業はわたしたちが餓死しても私達から巨額の利益を得ている。
・このようなことはあってはならず、<あなたたち>はこうした状況を変える助
けとなりうる。
・世界社会フォーラムは世界の全ての人々の諸権利、とりわけ貧しい者たちに敬
意を払うような社会に積極的に変えていくためのプロセスである。

Bunge La Mwananchiのホワイト・リボン・キャンペーン
2003年以降、ケニアの食糧、燃料、交通費は100%以上も値上がりした。たとえ
ば、大部分のケニアの貧しい人々の主食であるトウモロコシ(Maize)粉の値段
は2003年に27シリングから60シリングに値上がりした。砂糖や灯油の値段は
150%以上も値上がりした。

同時に、低賃金労働者の賃金はたった12%しか上昇していない。しかも賃金は増
税によっても大幅に侵蝕されてきた。加えて、多くの労働者は、「利潤最大化」
のための人員削減、「効率性の創出」のための解雇、「援助する側が課す義務を
政府が果たすための」経費削減のあおりをうけて失業している。

こうしたことから、Bungle la Mwananchi(民衆議会)は、食糧価格の引き下げ、
特にトウモロコシ粉の価格引き下げを訴える「UNGA FOR 30 SHILLING
CAMPAIGN」を開始した。このキャンペーン期間中、民衆議会は人々のよりよい生
活条件の平和的な闘争のシンボルとしてホワイト・リボンを採用した。このほか
Bungle la Mwananchi(民衆議会)は次のようなキャンペーンに取り組んでいる。
・NILE水利キャンペーン 
われわれの植民地支配者によって署名された条約の結果として、洪水や旱魃の管
理でケニアの人々に課された不公正な規制に関する関心の喚起。
・MAGADI SODAキャンペーン
英国の王族に所有されているMAGADI SODA会社によるケニアの自然資源の違法な
採掘問題への関心の喚起。この会社に対して抗議した100人以上のマサイの人々
が逮捕・投獄されている。
・土地キャンペーン
この国の食糧安全保障を押し進めるためにも、土地をもたないケニアの人々が不
在地主に所有されている遊休地にアクセスすることを認めるよう土地政策の改善
を要求するキャンペーン。
・憲法キャンペーン
人々にたいして、すべてのケニアの人々の人権が尊重されるということを保証す
る憲法が必要であるということを教育すること。民衆議会はこれまでも憲法見直
しプロセスで積極的な役割をになってきている。
・警察官賃金と住宅
2003年によりよい住宅と警察官の賃上げを訴えてデモを組織した。警察官の賃金
はたったの月3000シリングにしかならない。
・OLE SISINAキャンペーン
貧しいKWSの職員を血も涙もなく殺した金持の農民を司法長官は告訴しないとす
る決定に抗議するキャンペーン。一年後、この同じ金持の農民は別の人を殺して
いる!

民衆議会はこれ以外にも多くのキャンペーンに参加している。このチラシにふく
まれているものも含めて、私達のキャンペーンのユニークな点は、人々によって
主導され、人々のカンパによって組織と資金を維持し活動は100%すべてボラン
ティアによって担われているということである。これは、わたしたちが15年以上
にわたって事務所もなくドナーによる援助もなく続けられてきた積極的に変革を
求めるプロセスのなかにみられる活動的な参加精神によるものだ。これこそが私
達の存在理由でもある。

私達は以下のように考えている。

・世界中の人々皆の必要を満たすのに十分な資源地球上には存在するということ。
・ほとんど全ての土地と資源をごくわずかな人々が支配し、大多数の人々が基本
的な必要を満たし得ていない。
・持続的積極的な変革は、不利益を被っている者、持たざる者、土地を持たな
い者、野宿者、虐げられた者によって主導されねばならない。
・世界の貧しい者たちは自らの生活を変える能力を持っている。
・もしわたしたちがお互いを支え合い、ともに働き、私達自身のイニシアティブ
を発展させれば、積極的な変革は可能である。
・わたしたちは、必要ないかなる手段によってでもこうした変革をもたらす権利
をもっている。
・世界社会フォーラムはそのための良き出発点となる。

Created by staff01. Last modified on 2007-02-08 11:08:27 Copyright: Default

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