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脇目もふらず邁進することが必要な時代、ゼネストで局面を開く[2015ゼネスト](4) 29日先に迫ったゼネスト、労働者の選択は?
ユン・ジヨン記者 2015.03.27 20:46
[記者の言葉]よくサッカーを見に行っていた時期、感服できない選手がいた。 ファンから「ガラスの体」と皮肉られていた選手であった。 不思議にも出場すると怪我をして、リハビリと負傷は日常茶飯事だった。 相手側の守備の強いタックルで転ぶ姿を見て、球団に彼の放出を強く要求する抗議書簡を渡したい心境だった。 だが彼はリハビリが終わると待っていたとばかりにグラウンドに飛び出して、人々を失望させた。 いつも怪我をして非難されながらも、なぜ必死に競技で走るのだろうか? 理由は簡単だった。彼はサッカー選手であり、ストライカーであった。 サッカー選手は、粥になっても飯になっても、競技に出なければならない存在だ。 怪我を恐れて決定的なシュートのチャンスで保身を図れば、 ストライカーでも何でもない。 彼が怪我をせず、悪口も言われないための方法はたった一つしかない。 「サッカー選手」というタイトルを果敢に捨てることだ。 ゼネストの取材で多くの人々の話を聞いた。 ゼネストに期待する人もいたし、「やれば出来る」と意志を燃やす人もいた。 数ある中には「空気半分、声半分」で発声するように、ため息混じりの憂慮をならべる人もいた。 そんな多くの声が集まって「民主労働組合総連盟」という所ができたのだから、それだけ貴重な言葉だ。 だがあまりにも大きな愛情が労働組合にあるからか。 多くの人々は労組が怪我をするのではないかと心労焦燥していた。 もっと大きな労働組合が先に立ってくれれば、強固なブラインドがあれば、という願望を表わした。 今回、現代起亜車はストライキするといってますか? 鉄道、地下鉄もストライキができない状況ではないでしょうか? これでは私たちだけが割りを食うのではありませんか? 今度失敗すれば、民主労総は果てしなく墜落するでしょう。 様々な心配をならべつつも、「民主労総」というタイトルを捨てようとする人はいなかった。 戦うべきは戦わなければならないが、周辺に元気な同僚が見えず、怖がって迷っているようだった。 決定的なシュートのチャンスを控えて、相手側の守備選手は群れになって集まってくるのに、 攻撃転換の速度が遅いわがチームの選手たちは、まだハーフラインも超えていない状況。 「ガラスの体」であるうえに、いつもボテると非難される孤独なストライカーは、いったいどんな選択をするべきなのだろうか。 「大工場はストライキをするのですか? 公務員は? 公共もですか?」3月20日、俗離山の近隣で開かれた民主労総単位事業場代表者決意大会。 当時、民主労総関係者のA氏は心配混じりの憂慮をならべた。 大工場労組の現代起亜車がまだストライキを決議できず、鉄道、地下鉄のように規模が大きな公共部門労組もストライキが難しく、 全般的に元気がないというのが話の要旨であった。 彼は「金属労組の小規模事業場をすべて合わせても現代車支部一つの規模にもならないのが事実ではないか。 実質的なゼネストのためには現代起亜車のストライキが重要なのは事実」とし 「今回も嘘っぱちストライキになれば、民主労総の指導力や内部の闘争力に深刻な打撃を受けることになるのではないかと心配している」と話した。 [出処:労働と世界ピョン・ベクソン記者] 金属労組所属事業場の代表者らが集まった産別労組の決意の時間。 全般的な雰囲気は「現代起亜車のストライキ突入とは無関係にわれわれはストライキをする」という声に集められた。 そこで会った自動車部品メーカー労組幹部のB氏は「大工場のストライキが関心事ではある。 ただし大工場がストライキに突入すれば、私たちも簡単にできるし、 ストライキをしなければ少し難しくなるという程度の差」とし 「蔚山にある6つの部品メーカーの労組約2500人が現代起亜車ストライキとは無関係にストライキに突入することにした」と明らかにした。 決意大会の間、ずっと「他の事業場を疑わず、顔色を見ずにストライキを決意しよう」という呼び掛けが続いた。 だがまさにストライキを決意すべき労働者としては、どこの事業場がストライキに突入するのか、 規模はどの程度になるのかが最大の関心事だ。 では大工場に依存しないゼネストはいつも「嘘っぱちストライキ」に終わるほかはないのだろうか? 民主労総関係者のC氏は 「大工場が参加しないゼネストは威力的になれない」と断言した。 自動車部品メーカー労働者のD氏も 「民主労総の組織状態を見れば、大工場が参加しないゼネストは不可能だ」と話した。 ある現場の活動家E氏は 「質問自体が正規職-非正規職を分断する資本の論理と何が違うのか。 大工場の正規職が足を引っ張ると言う前に、彼らをまた組織する方案が必要だ」と声を高めることもした。 最近、公務員年金改悪に関する情勢が急激に変わり、公務員労組が4.24ゼネストに動く可能性が高まった。 全教組も年次休暇闘争を決め、建設機械とプラント労組、学校非正規職なども民主労総のゼネストに服務する方針だ。 そしていつも労働者たちの耳目を集める現代起亜車労組は、3月31日にゼネストへの参加を決定する投票を進める。 彼らは昨年、民主労総の2.25国民ストライキの時にストライキ賛否投票を否決させた前例がある。 だから労働界では「現代、起亜車は投票の結果を見なければ分からない」という疑いが出てくることになる。 3月26日、民主労総のハン・サンギュン委員長と金属労組のチョン・ギュソク委員長、そして金属労組役員と事務局活動家たちは、 ゼネスト現場巡回で光州の起亜自動車工場を訪問した。 ゼネストをめぐる起亜車の現場の雰囲気はどうだったのだろうか? 起亜車光州工場代議員のF氏は 「まだ現場ではあまり雰囲気は盛り上がっていないが、それでも(投票)可決になるだろう」と予測し 「年次によって反応が少しずつ違う。 年次が低い人たちはゼネストに関心がないように見えるが、話をしてみるとストライキをしなければならないという反応が多い。 しかし年次が高い先輩たちの中には『政治ストライキ』だと言って否定的に見ている人もいる」と説明した。 労組次元のゼネスト宣伝と広報、組合員教育などを積極的にするべきだという声もあった。 代議員のG氏は「まだ現場では雰囲気が盛り上がっていない」とし 「委員長の現場巡回が終われば、また元気のない現場に戻るようになる。 執行部が意欲的にゼネストを組織しなければならない」と明らかにした。 別の代議員Hの氏は 「ぜひとも必要な時だけ(大工場に)助けを要請しているのではないか。 事実、4.24ゼネストがピンとこない。 労組でなぜゼネストをしなければならないのかわかるように、広報をしなければならない」と注文した。 金属労組関係者のI氏は 「現代、起亜車労組の雰囲気は昨年と違っているのは明らかだ」とし 「企業労組でゼネストの雰囲気が遅れているのは事実だが、 投票は否決されないと思う」と明らかにした。 「『規模』の大きさが闘争のバロメーターになった」公務員と全教組をはじめ、現代・起亜車など完成車メーカーの大工場の動きに期待が高まっているが、それでも何かすっきりしない。 「意志」というものと「依存」というものは似てはいるが明らかに違う。 この前、D氏から携帯メッセージがきた。 いつも冗談をやり取りする間だが、その日はかなり真剣な内容の長い文を送ってきた。 「民主労総がゼネストをする最大の理由は労働権剥奪の問題だが、これでは国民にとって自分の問題と感じられません」。 ずいぶん悩んでいるようだった。 彼は「大工場の現代・起亜車が4時間ストライキを突入するということは、それ以上の意味でも以下でもないだろう。 正規職が4時間ストライキしたというマスコミの報道の他に威力を発揮できるのか」とし 「われわれは25年間、激しく闘争して勝ち取ってきた。 しかし自分たちのものだけを勝ち取り、後世のことを考えなかった。 大衆と共にする闘争が一番切実だ」と打ち明けた。 「規模」という現実的な問題にぶつかると、内容よりも結果の方が評価の基準になる。 熱心に闘争に立ち上がった切迫した事業場の努力は関心の外に押し出され、敗北感で動力は低下する。 ストライキを準備しているある事業場の幹部J氏は 「多くの事業場が大工場労組への被害意識があるようだ。 それでもその当事者がストライキにすぐ立ち上がるわけでもない」と指摘した。 「現代・起亜車を言い訳はもうやめてほしいです。 できる組織から動いたら、その力と雰囲気で彼ら(大工場)も動けるのではないでしょうか? なぜ先に動かず、思い込みばかりしているのでしょうか?」 民主労総役員出身のK氏。 彼も慣性化した組織化の方式についての悩みを持っていた。 「戦うのであれば、内部ではどこはできて、どこはできないという内容だけが評価のバロメーターのように話されます。 闘争の過程は共有される戦いにならなければならないのですが、あまりにも結果だけに執着する運動をしています」。 明らかに組織化の過程で、さまざまな成果が現れるだろうし、これは今後の闘争の強固な基盤になる。 だが模範事例はいつも「規模の論争」に押されて低評価される。 ある地域本部の活動家L氏も 「あまりにも完成車ストライキの有無だけに視線を向けすぎている」と口を開いた。 「4.24ゼネストが『総力闘争』水準にとどまるかもしれません。 しかしこれもやはりゼネストを準備する踏み石ではないでしょうか。 私たちの地域には3千人程度のかなり大きな事業場があります。 そこは自分たち賃金団体協議についてもストライキが出来ない所です。 しかし最近、執行部がその気になってゼネスト関連の準備に取り組みました。 多分、今回の4.24ゼネストへの合流は不可能でしょう。 それでも現場の雰囲気は確かに違っています。 彼らにとっての4.24ゼネストは、今後の闘争のためのウォーミングアップなのではないでしょうか」。 今回のゼネスト組織化の過程を労働組合の「体質改善」の機会にしなければならないという話も聞いた。ある製造業下請労組の幹部M氏は 「これまで金属労組の組合員たちも大工場の顔色を見る方式から、ますます変わってきた。 だが今回は労組幹部の水準でも『今度しっかり戦えなければ危険だろう』という不安感も共存する」とし 「これまでの慣性と情勢的な条件がぶつかっているだけに、むしろ今が機会ではないかと思う。 大工場の影響を重視することから抜け出して、他の気風を作ることで体質を改善する機会」だと強調した。 事業場別のモデルケースを発掘して伝え、シナジー効果を引き出す過程も必要な点としてあげた。 脇目もふらず邁進することが必要な時代、「ゼネスト」で局面を打開できればいくらチームプレーとはいえ、選手たちが見さかいもなく押しかけててばかりいれば百戦百敗だ。 時には得点につながらない有効シュート一発が雰囲気を反転させるかもしれない。 同じように、規模の戦いではなく、社会的な波紋を作り出す戦いが重要な時もある。 ある青年活動家N氏は「『4月ゼネストが威力的で経済が停滞した』という内容が報道資料の核心だとは考えない」と話した。 彼は実際、4月ゼネストを左右するのは「規模」ではなく「力」だと強調した。 「正規職労組ではない非正規職労働者たちに『何をするのか』と聞かなければなりません。 今は生産現場を止めるストライキが威力的ではないかもしれません。 しかし4月ゼネストは完結ではなく、気化する点になるかもしれません。 4月ゼネストは非正規職問題と労働市場構造改悪にどうブレーキをかけるのかという希望と展望を開く闘争にならなければなりません。 健康な労働組合と非正規職が民主労総の問いに応えられるようにするべきです」。 [出処:労働と世界ピョン・ベクソン記者]
では4月ゼネストを11月の「民衆総決起闘争」の発火地点にするために一番必要なことは何だろうか? L氏は「空間」をあげた。 集会とデモが形式に縛られて、自らを統制し抑圧する面があるという指摘だ。 「少なくとも労働者たちが自分の怒りを表出できる空間を開いてやらなければなりません。 バスに乗っても降りるときに、次の闘争に対する期待があることで、今後もフィードバックが可能です」。 製造業社内下請労働者のO氏も市民の怒りとぶつかる空間を開けと注文した。 彼は「最近、自発的に朴槿恵政権退陣ビラがまかれている現象も、 庶民の怒りを反証しているのだと思う」とし 「民主労総だけのストライキにしないためにも、民衆の要求を込め、今後の朴槿恵退陣闘争のための空間を開く闘争にしなければならない」と説明した。 N氏も「場を開くことができるか」が核心になると予想した。 彼は「政権が一番恐れているのは鉄道ストライキの時、道に飛び出した多くの人々がまた街に出て来ることができる場が開かれるかどうかだ」とし 「決まった通りのストライキ集会マニュアルを越える方式を検討しなければならない」と強調した。 製造業正規職労働者のD氏も、元民主労総幹部のK氏も、そして記事で取り上げられなかった多くの労働者と活動家も、 民主労総の4.24ゼネストが国民との「出会い」になることを望んでいた。 たとえゴールにつながらなくても、ストライカーのシュートはゲームの流れを反転させる。 せめてコーナーキックでも勝ち取れば、チームプレーでまた相手のゴールを威嚇することもできる。 29日先に迫った4.24ゼネスト、攻撃の機会を持つことになった労働者たちは、 どんな選択をすることになるのだろうか。(終わり) 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2015-03-29 03:20:22 / Last modified on 2015-03-29 03:20:23 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |