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「MBC映像取材組織廃止は『絵』を好きに管理するという意図」

報道局に分散配置、編集権も取り上げる…副作用続出、契約職カメラ記者の事故も頻繁

イ・ジェジン記者 | jinpress@mediatoday.co.kr

MBCが報道映像部門組織を廃止するという組織改編を強行し、現場で混線が起き ている。映像取材記者が足りない報道局の現実を全く考慮していないためだ。

MBCは8月17日午後、映像取材1部、2部、示唆映像部の3つの組織を廃止し、 カメラ記者を報道局に所属する取材部署に投入した。

これまで、映像取材1部のカメラ記者32人は政治部、経済部、文化部などに配属 され、映像取材2部のカメラ記者23人は社会部などに発令された。新設された コンテンツ・マルチユース・センターには時事映像部長、副局長など4人が異動 した。

問題はすでに混乱が起きており、放送事故の可能性が高まっている点だ。 これまでカメラ記者は、映像取材1部と2部のデスクの指示を受けて取材現場に 配置されてきた。取材現場が多く、映像取材の人員を適切に配置するなどの コントロールタワー機能を遂行していたのだ。

だが今回の組織改編で、むしろ非効率な状況が発生している。一例として映像 取材2部が廃止され、14人が配分された社会2部はアイテム現場をまとめている が、政治部と経済部など映像取材人員が足りない状況になり、これまでと違い、 他の取材部署長が要請によって派遣勤務に行く状況がよく発生しているようだ。

映像取材1、2部がコントロールタワーの機能を持ち、映像取材人員を効率的に 配分するシステムだったとすれば、今回の組織改編案はコントロールタワーの 機能が消え、取材部署長の業務協力の手続きが追加で生じたわけだ。

あるカメラ記者は「不合理で非効率な状況が予想される。社会部のカメラ記者 は、その部署のアイテムだけをするべきなのか、他の部署から要請がくればそ のたびに部署長の許しを受けて派遣勤務をするのかなど、とても難しい問題」 と指摘した。

MBC映像記者会とMBC記者会所属記者が20日朝MBC社屋ロビーでピケッティングをした。(c)MBC映像記者会

今回の組織改編案で、映像取材物の編集権が完全に報道局所属になった点も 注目すべき点だ。

今回の改編案には報道局が撮影したすべての取材映像を管理してきたNPS室所属 のカメラ記者2人をコンテンツ・マルチユースセンターに転出する内容も含まれ ている。NPS室は実際にニュース画面に放送される映像取材物を管理して編集す るのはもちろん、映像取材物の保存と削除権も持っている。

MBC映像記者会はNPS室からカメラ記者の業務を排除したのは「画面」の公正性 の問題をあらかじめ遮断し、政権に偏向したニュース画面を放送する事前作業 だと疑っている。

ヤン・ドンアム映像記者会長は「NPS室はネットワーク化によりMBCのすべての 映像取材物を管理する所で、コントロールタワーのような所」とし「報道映像 専門家のカメラ記者の接近を防いだのは、『絵』を自分たちの好きなように 管理するということ」だと指摘した。

組織改編案と共に「取材PD」を追加採用する計画も伝えられ、この機会にカメ ラ記者を非正規職化し、報道映像を無力化しようとしているのではないかという 疑いも大きくなっている。

MBCは先日のストライキ期間中、13人の「取材PD」を採用した。取材PDは、PDと いう名前を持ってはいるが、6mmカメラを持って現場でカメラ記者のような役を する職群で、契約職で採用された。MBCは近い将来、5〜10人の取材PD契約職を 追加で採用する計画だ。契約職を採用し、今後カメラ記者の人員需要を満たす 可能性が高まったわけだ。

だが取材PDの業務力量が落ちていることを示す事故が起き、ニュース画面の質 が下がるという憂慮も高まっている。

カメラ記者によれば8月20日午前1時20分頃、京義線加佐駅地下4階の工事現場で 高圧ケーブルを積んで加佐駅方向に向かっていた貨物用客車が、先行の客車に 追突する事故が発生した。現場で作業をしていた40代の男性1人が死亡し、8人 が負傷する事件を20日9時のニュースデスクで、リポートする予定だった。だが この日、夜勤をしていた『取材PD』が照明装備を持たずに現場に出動したため 他の放送局の照明装備を使って、やっと画面を撮ってきた。だが結局ニュース 画面に使えないという不可判定を受け、午前5時頃、またカメラ記者が現場に行っ て撮影してこなければならなかった。

昨年、ソウル駅路上生活者の退去措置の後に路上生活者がどう生活しているか を見せるアイテムを企画したが、取材PDが撮ってきた画面は結局使えなかった。

あるカメラ記者は「路上生活者ニュースは記事の価値より絵になるかどうかが 重要な要素だったが、取材PDが目に見えるものしか撮って来なかった」とし、 「ストーリーになるようなものを撮って来なければならないのに、ニュースの 訓練ができていないために起きた。映像の理解が低く、基本的な撮影の力量も 疑われる状況が行われている」と伝えた。

MBC労組は、経営陣が映像記者組織を廃止して映像取材部門に代替人員を採用し ていることについて「今回のストライキ期間に強い結束力を誇示して、誠実に ストライキ活動に参加したカメラ記者を狙ったあくらつな腹いせで、公正放送 の最後の見張りであるカメラ記者を無力化するという陰湿で凶悪な胸算用」と 非難し、「全組合員の知恵を集め、今回の暴挙を白紙化して報道映像部門を 原状回復し、正常化する闘争を展開する」と明らかにした。

組織改編の直後、MBC映像記者会に所属する約30人は削髪をしてMBC記者会所属 の記者と共に、出勤時間ピケッティングに突入し、反発が強まりそうだ。

入力:2012-08-20 13:48:33 公開:2012.08.20 13:51:21

原文(メディア・オヌル)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作権:この記事の原著作権は、韓国のインターネット新聞メディアオヌルが保有しています。この記事はメディアオヌルの許可を得て翻訳・掲載したものです。本記事および文中の写真・図表の利用や転載などについてのお問い合わせはメディアオヌル宛にご連絡ください。


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