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現代自動車が呪いの対象になった理由

[非正規職希望バス](2)また立ち上がる非正規職、正規職の連帯を呼び掛ける

キム・ヒョンウ(金属労組) 2011.07.18 10:00

私は現代自動車に通っている。現代自動車全州工場でトラックを作っている。 だが現代自動車に通い、自動車を作る人すべてが現代自動車の職員ではない。 現代自動車は私が現代自動車を作っていても、彼らとは全く関係がないと言う。

現代自動車には直営と呼ばれる人がいて、下請と呼ばれる人がいる。すなわち 正規職と非正規職が共存する工場が現代自動車だ。どちらも同じように現代の 自動車を作っている。だが処遇は全く違う。

働いている時は誰にもわからない。全く同じ仕事をしているので、誰が直営 なのか、下請なのかが分からない。だが給料日になると互いに表情が違う。 非正規職の月給明細は正規職労働者の半分だからだ。

非正規職には現代車の福利厚生が適用されない。正規職労働者には子供の大学 の学費全額が会社から支援される。しかし非正規職は一銭も出ない。私の上の 子供は行きたい大学をあきらめ、登録金が安い地方の国立大学に進学しなけれ ばならなかった。

学資金と同時に、一番悲しく涙が出るのが医療費だ。正規職労働者の家族は、 病気になると2千万ウォンまで支援を受けられるが、非正規職は自己負担だ。 三人の子供を育て、病気になっても病院にやれない現実の前に血の涙を飲んだ。

初めて工場に入った日

[出処:チャムセサン資料写真]

初めて現代自動車に入った日を私は今も覚えている。業者の管理者に作業場の 片隅に呼ばれた、私はみすぼらしいキャビネットに散っていた誰かが履いていた 安全靴を選んで履かなければならなかった。臭いを避けて左右を揃えて選び、 履いた。作業服も人が着古した古着だった。

業者管理者がにっこり笑いながら、言った話がこうだ。 「こうして着るとやっと作業者になったようだ」。

下請業者の社長は非正規職労働者が使う手袋、貴栓、腕ぬきなど、細かい物品も きちんと数量を支給せず、10ウォンでも節約しようと目を皿のようにしていた。

工場に通い、多くの差別と悲しみを体験し、正規職労働者の前で卑屈に暮らす 同僚を見た。作業服を正規職からもらって着た同僚、業者の組班長の罵声に何 も言い返せず、目つきに出て翌日出てくるなと言われれば、即時消えた同僚...

なぜこのように暮らさなければならないのか? 全く同じ人なのに、いや同じよ うに働いているのに何が違うのだろうか? 非正規職の悲しみをどう話せるだろ うか? こうした非正規職労働者の悲しみは、どこから始まったのか? こうした 疑問が続いた。

怪物になった現代自動車

非正規職労働者の涙の原因は、現代自動車だ。現代自動車は不法を行っている。 製造業への派遣は厳格に禁止されているが、これに違反して派遣労働者を使っ ている。正規職として雇用すべき労働者を非正規職として雇用する不法を行っ ているのだ。

わかりやすく喩えれば、自分の欲望を満たそうと不倫をして、子供が産まれて も「私とは無関係の子供」と言い張るようなものだ。

昨年7月22日、大法院で2年以上勤めた社内下請労働者は現代車正規職という判決 があったが、現代自動車は一言の謝罪もない。

現代自動車は今この時間にも経済危機を理由に、新車生産を理由に、自動化を 理由に、正規職を非正規職の位置に投入する最も非人間的な方法で非正規職を 工場から追い出している。

現代自動車8千人が不法派遣社内下請

現代自動車は2011年現在、生産職労働者の20.11%にあたる7650人の非正規職 社内下請労働者を不法に使っていて、2〜3次下請と清掃、食堂労働者を加えると 非正規職労働者は12,587人に達する。

2008年の秋に始まった世界経済危機で、2009年に自動車産業に危機が訪れたが、 李明博政権は廃車補助金の名で国民の税金を投入した。これで2009年も、高い 売上と利益を上げ、2010年には経済危機から脱出し、売上と利益はさらに高い 割合で増えた。

現代車は売上15%、利益は何と78%も上がったが、従業員は153人、0.27%の増加 にとどまった。当然正規職として採用すべき位置に非正規職社内下請労働者を 不法に使って搾取したためだ。起亜車も売上は26%、利益は55%上がったが従業員 は逆に25人減った。結局国民の税金はそっくり財閥一家の倉庫の中に積み上げられた。

現代車のこうした強引な企業運営は、利益に目がくらんだ賎民資本以上でも 以下でもない。一年の当期純利益が5兆ウォンを越える現代自動車の会長、 鄭夢九は株主総会を通じて数百億の配当金を持っていく。

鄭夢九会長の9百億の専用機には、正規職労働者はもちろん、非正規職労働者の 血と汗がボルトとナットになって刺さっている。鄭夢九会長だけだろうか? 鄭夢九 会長が父親の鄭周永会長から単に息子だという理由だけで途方も無い富を譲り受 けたように、鄭夢九会長の息子チョン・ウィソンもグロービスという会社を30億 で設立し、持ち株配分の操作で数千億資産の途方もない会社になった。

不当世襲、不法派遣、不当労働行為、違法、脱税など、到底話せない不正と不法が 現代自動車で起きているのだ。

25日間の蔚山第1工場占拠ストライキの記憶

では現代自動車のこのような蛮行に近い不法と、非正規職労働者のみじめな 生活は止められないのだろうか? 絶対にそうではない。

搾取と差別に苦しんできた非正規職労働者は、2003年から労働組合を作って絶えず 抵抗してきた。その過程で2004年に労働部から不法派遣という判定も引き出し、 それによるストライキと闘争を粘り強くしてきた。結局、昨年7月22日には大法院が 現代自動車で2年以上働いた社内下請労働者は正規職だという判決を引き出した。

▲昨年冬25日間、現代車蔚山第1工場占拠ストライキをした現代車非正規職労働者[出処:資料写真]

これまでの差別に怒った非正規職労働者は、あっという間に労働組合に団結し、 闘争が始まった。現代車第1工場占拠ストライキを中心に1月15日から始まった この戦いは、大韓民国の非正規職労働者の現実を世の中に知らせ、正規職労働者 の連帯が試験台に上がる契機になった。

25日間のストライキの間、献身的に連帯した正規職活動家、間食を集めて送り、 皆が少しずつ持ち寄って集めた金を送る正規職労働者の感動的な連帯も続いた。 非正規職労働者はとても元気付けられ、今度こそ「どうしても正規職社員証を 受け取って降りてくる」という決意は天を衝いていた。

だが残念ながら労組内部の連帯はうまくいかず、はなはだしくはストライキを 破壊する動きまであった。こうした内部の分裂と連帯の弱さで、意気揚揚とし ていた現代自動車非正規職のストライキは25日で中断してしまった。

また立ち上がる非正規職労働者

それから7か月が流れた。出てくる時に約束した2次闘争は言葉だけで、実現が できなかった。蔚山の非正規職労組執行部は出所のない組合費流用で辞任し、 全州と牙山非正規職労組も意見の差を確認しただけで、全く闘争を組織できず 時間だけが流れた。

蔚山は非常対策委員会を構成したものの、執行部を作れず、きちんとした戦い も作れないまま無気力な姿を見せていた。執行部の構成をめぐる活動家の泥仕合は、 組合員に失望を抱かせ、組織力の後退につながった。

幸い最近、現代自動車蔚山非正規職労働者が新しい執行部を決めた。現場で 信頼される幹部を中心として早いうちに支会長選挙を行い、労働組合を正常化 して、2次不法派遣正規職化闘争を始める展望だ。

金属労組と非正規職闘争本部は、不法派遣正規職化の火種を復活させるため、 大法院判決1周年にあたる7月18日に『非正規職ない工場作り希望バス』を 出発させた。

代表的な正規職0人工場である現代モービス工場の前での記者会見を始め、不法 派遣の代名詞である現代自動車などの不法派遣事業場、そして非正規職工場を 巡回して、非正規職正規職化の決意を新たにする。

▲13日現代車非正規職3支会が共同集会を開いた。[出処:蔚山労働ニュース]

正規職に連帯を訴える

7月18日から23日までの6日間の巡回闘争は、現代自動車を中心に全国の事業場 からまんべんなく非正規職労働者が参加する。特に金属労組現代自動車支部 からは、非正規職担当代議員が21日から23日までの3日間参加すると決めた。

今回の巡回闘争に先立ち、現代車非正規職労働者は3工場巡回闘争をした。牙山 と全州を経て、蔚山まで共同闘争をし、組合員の雰囲気も大幅に上がっている。 2次不法派遣闘争は現代自動車非正規職が先鋒に立つが、現代自動車だけの闘争 にしてはいけない。現代自動車を越えた全ての不法派遣事業場の非正規職労働者が 火のように立ち上がらなければならない。

該当事業場の正規職労組の連帯、金属労組の支持と援護、国民の関心と応援が あれば、不法派遣闘争は勝利するだろう。特に現代車支部と金属労組は昨年の 闘争の敗北を教訓として、非正規職労働者にとって実質的な力になるように 積極的な連帯を組織しなければならない。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-07-20 09:18:20 / Last modified on 2011-07-20 09:18:23 Copyright: Default


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