タグボート・スト長期化の先頭に立つ労働部

［蔚山労働ニュース］蔚山労働支庁長「労働部の質問回答は法的効力ない」と認定

「タグボート船長は使用者に該当すると言える」という労働部の質問回答を理 由に、「船長が労組を脱退しなければ交渉に応じられない」という立場を固守 している曳船社のために8日間続くタグボートストライキが解決の糸口を見つけ られずにいる。

曳船社のこうした態度が労働部の質問回答のためだと判断した運輸労組港湾曳 船支部蔚山支会は、8月11日から13日まで三日間、蔚山労働支庁でイ・ジョンジョ 労働支庁長の面談を要求したが、イ庁長が不在で無駄足になった。

14日になってイ・ジョンジョ蔚山労働支庁長と労組の面談が実現した。

この日の午前11時、南区オク洞の蔚山労働支庁1階会議室で、イ・ジョンジョ蔚 山労働支庁長と労働支庁の関係者2人、民主労総前首席副委員長出身のオ・ギル ソン労働部交渉協力官とキム・ジュチョル民主労総蔚山本部長、キムフンシク 運輸労組空港港湾運送本部事務局長、ユン・チャングァン港湾曳船支部蔚山支 会長、チョン・サンヨン船長代表が初めて席に向かい合って座った。

労組「船長がどうして使用者か?」

労働側は、曳船社が労働部の質問回答を根拠に船長の労組脱退を強要し、これ を前提に交渉に応じずストライキが長期化しているとし、その口実を提供した 労働部が事態解決の責任を取れと要求した。

労組は労働部の質問回答が、船長も労働者だという大法院の判例と、全南地方 労働委員会の判定を無視して曳船社側が提示した一方的な資料と主張だけを根 拠に客観性を失っていると指摘した。

また船長たちがこれまでの出退勤などすべての業務指示を曳船社側から受けて おり、労使協議会で労働側代表として参加してきたのに、なぜ使用者と見られ るのかと問い詰めた。

また労働部の回答のとおりなら、労組に加入する蔚山タグボート船長25人と船 長代行航海士36人を合わせて、51人が大量解雇されるとし、労働部が積極的に 問題の解決をしろと要求した。

イ・ジョンジョ蔚山労働支庁長「労働部の質問回答は法的な根拠はない」

イ・ジョンジョ蔚山労働支庁長は労働部長官が質問回答した内容を下部組織の 労働支庁が正しいかどうかの判断はできないとし、労組が不当労働行為で使用 者側を陳情すれば調査すると答えた。

イ・ジョンジョ庁長は、労働部の質問回答に法的な根拠があるかという質問に 「法的根拠はない」と明確に答えた。

しかしその内容を文書に作成して労使双方に文書として送り、携帯メールで船 長の労組脱退を強要する使用者側の不当労働行為を中断させるようにという労 組の要求には回答を回避した。

イ庁長「船長が労組脱退すればどうか?」面談の途中で退場

むしろイ庁長は障害になっている船長が労組を脱退して交渉を再開してはどう かと提案し、労組の激しい反発を呼んだ。

労組はイ庁長の発言に対して「障害は誰が提供したのか? 労働部が提供してお いて、今になって労組に白旗投降しろと言うのか?」と激しく抗議した。

また「支会長が船長なのに、支会長が脱退すれば労組が瓦解する」とし「使用 者側は、代理船長も含み51人に労組を脱退しろということで、麗水でも船長に 労組脱退を強要するだろうが、それでは労働部が責任を取れるのか?」と問い詰 めた。

これに対してイ・ジョンジョ蔚山労働支庁長は「解雇はそんなに容易ではない。 たとえ解雇されても法的に行けば良い」と話した。

ユン・チャングァン支会長は「使用者側は必ず解雇するだろう。法的に行くの は苦しい。労働部がそのあらゆる事にすべて責任を取るのか?」と抗議した。

労組は労働部の質問回答に法的な拘束力がなく、使用者の労組脱退強要が不当 労働行為になり得るという公文書を蔚山労働支庁が労使双方に発送することを 繰り返し要求した。

イ・ジョンジョ労働支庁長は「労使問題は労使で解決するのが原則」とし、 「これ以上対話にならない」と言って一人で立ち上がり、会議室を出た。

労組「蔚山労働支庁の抗議集会を続ける」

労組はイ・ジョンジョ労働支庁長の態度に怒り、来週月曜日から毎日蔚山労働 支庁前の抗議集会でもしなければならないと話した。

ストライキ8日目をむかえたタグボート労働者たちは、ストライキ中のタグボー ト26隻が停泊しているメアム埠頭にテントを張り現場死守闘争を続けている。

蔚山港湾公社はメアム埠頭から労組員が引き払うよう二度通知した。

労組は強制的に撤去されるまで、メアム埠頭で現場死守闘争を続けると述べた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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