やはり『黄色い封筒』

双龍車の金氏夫婦、「行く道は行かなければ」

［出処:メディア忠清］

やはり解雇通知書は『黄色い封筒』だ。

98年の現代自動車大量の整理解雇リスト通知も。11年たった双竜自動車の整理 解雇リスト通知も。

6月3日から、双龍車の労働者たちはもれなく解雇通知書を受けている。相当数 の労働者が郵便物を受け取らずに送りかえした。

『経営上の理由による解雇通知および希望退職勧告』通知は「経営上の理由に よる解雇を施行」するとし「解雇施行日前に最終的な希望退職を実施する」と 記されている。

次のページには「頭を下げて謝罪を申し上げ、皆さんの勇断をお願いします」 という題の広報物が入っている。広報物には「これ以上退く所がない会社も、 生存のためには既存の原則と日程を必ず固守するほかはない絶体絶命の状況で あることを理解いただきたい」と書いている。

最後には希望退職を『配慮』するとし、図表で希望退職と解雇時の賃金比較予 想額を付け加えた。退職金も含み、差額は職級により、希望退職の時は1200万 ウォンから3900万ウォン程多かった。

［出処:メディア忠清］

頭を下げて謝罪?「見ていません」

金氏は午前11時頃に家で解雇通知書を受け取り、ストライキに参加して正門を 守っている夫に持ってきた後、家族対策委に結合した。インターホンで郵便配 達の姿が見えると「ああ、来たなあ」と思ったという。

だが金氏と夫のチョン氏はどちらも「ただ淡々としている」と言う。解雇通知 を受けた後、夫が言った始めての言葉は「まだ終わってない」だったと言う。 夫婦は解雇通知を受け取ると予想していたという。金氏は会社が管理職を含み、 1500人以上の人が希望退職しても1000人以上の人を整理解雇するのを見て、 『当然夫も入るだろう』と思った。『無差別な整理解雇』だから...

夫のチョン氏は「よく労組活動をしてきたので解雇されると予想していた」と 話した。それでも解雇通知に気分が良くはなかっただろうと聞くと「その瞬間、 複雑で息苦しかった。妻の前で弱い姿を見せてはいけませんから」と付け加え ながらも、しっかりしたようすだった。

解雇通知書を見せてくれと言うと、夫と同じようにしっかりしたチョン氏はし わだらけになって入っていた通知書をポケットから出して見せてくれた。そし て一言付け加えた。「何がそんなに急で、午前から通知を。そして頭を下げて 謝罪するだって? そんなの見ていませんよ。」

貯金を引き出し、保険解約。「その上にマイナス通帳がなくて...」

金氏は姑が心配になるという。子供を心配する方で、昨日は昼食も食べられな かったという。解雇リストにないと話したが事実を知れば、病気になりそうで 心配だ。そして解雇通知より心配なのは、警察兵力の投入だと伝えた。「お願 いだから怪我をしないで...」

2つの心配の他に、しっかりした金氏は生活苦も他人よりはいいという。今年の 2月から50万ウォン、60万ウォンと、いやいやながらなんとか出てきた賃金が、 5月にはまったく出なかった。貯蓄を解約し、保険を解約して生活しているとい う。19か月の子供は他の子供よりあまり体重が増えず、24か月まで粉ミルクを 飲ませようと思ったが、費用がかかるので近い将来粉ミルクをやめてご飯を食 べさせる予定なんだという。

それでも金氏は同僚よりいいと言って、むしろ同僚たち心配をした。その理由 は23坪のアパートを持っていて、マイナス通帳がないということだけ。

▲正門を守る金氏［出処:メディア忠清］

「まだ終わっていません。これから始まりです」

会社の管理者、用役、警察兵力から自らを守るために、正門を守るチョン氏は 解雇通知を受けてもがんばって闘う。忙しいチョン氏を後にして足を返すと、 またチョン氏が強調した。

「まだ終わっていません。戦いはこれから始まりでしょう。労組執行部の言葉 を信じていれば勝利するでしょう。希望退職した人々が憎いけれど、その人た ちの気持は分かります。それでも行く道は行かなければ。」(チョン・ジェウン 記者)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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