韓国:テトラパック・コリア、「渡り鳥」で物議 | |||||||
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紙パック生産企業テトラパック・コリア、「渡り鳥」で物議テトラパック労組、工場閉鎖撤回を要求して闘争中 チェ・イニ記者 flyhigh@jinbo.net / 2007年05月07日17時43分 韓国に進出して数年間、莫大な利益を出した後、ある日突然一方的に撤収する 外国企業の「渡り鳥」の姿勢が社会的に問題になっているが、また一つの企業 が「渡り鳥」を敢行、労働者が通りに居座ることになった。 問題の企業は、飲食品の紙パックを生産するテトラパックで、スウェーデンに 本社をおき、ロッテ飲料、毎日乳業、南陽乳業、ソウル牛乳、チョン食品など、 韓国有数の飲料業者に牛乳やジュースの容器を納品している。昨年スウェーデ ンで「尊敬される10大企業」の2位に選ばれるなど、国際的に有名な企業でも ある。 テトラパック労組組合員20余人はソウル市漢南洞のテトラパックコリア・ソウル事務所前でテント座り込みをしている。 「尊敬される企業」テトラパック、年1200億ウォンの黒字にもかかわらず突然の撤収? 驪州に工場をおくテトラパック・コリアは1988年に韓国に進出した後、21年間 黒字を出し、去る3月、突然工場閉鎖を通知してきた。会社側の一方的な工場 閉鎖の通知にほとんどの労働者は辞職せざるをえなかったが、残りのテトラパック 労働組合組合員20余人はソウル市漢南洞にあるテトラパックコリア本社前で 闘争を続けている。 会社側は組合員を解雇する過程で、機械に手が巻き込まれて4本の指を折り、 入院している組合員まで訪ねて、補償どころか解雇通知書を差し出すなど物議 をかもしている。脅迫に勝てずに退社した他の労働者も、まだ就職できない 状態だ。 解雇通知を受け取った組合員20余人は、これまでスウェーデン大使館とソウル 事務所で1人デモを行い、抗議面談を要求してきたが、会社側からは特に反応 がない状態だ。去る4月30日には驪州工場から機械を搬出しようとしているの が発見され、組合員はこれを防いで工場で監視態勢に入っている。 テトラパック労組のキム・ジャンシク組織部長は「普通、製造業は売り上げの 10-20%が賃金になるが、私たちの会社の賃金は3.5%」と語り、「12年間、基本 給が百万ウォン程度で、あれこれ差し引くといつもマイナスだ」と説明した。 組合員がテトラパックで生産する紙パックを利用して造形物を作った。 こうした事情にもかかわらず、一部の保守言論はテトラパックの工場撤収につ いて「強固路線の労組が無理な賃金引き上げ要求し、外国資本が撤収している」 と報道、組合員の怒りを買っている。テトラパック労組のチョン・ジャンフン 委員長は「病気になっても休めず、年間1200億ウォンの黒字を出しながら働い てきたのに、一方的に会社が工場閉鎖を通知した。それなのに朝鮮日報は『強 固路線労組』云々と書いている」と憤激をぶちまけ、「こんな不道徳で悪質な 渡り鳥資本に対し、10年でも20年でも戦うつもりだ」と話した。 労働者を搾取し、利益をあげて逃げ出す多国籍企業 こうした外国資本の「渡り鳥」の態度が続くことについては、韓国政府の責任 も大きいという声が高い。テトラパックの場合、「品質に問題がある」という 理由で工場閉鎖を決めたという。だが、実状はほとんどの労働者が長期勤続で 賃金の負担が重くなり、営業網だけを残す形で利益をあげる胸算用だと指摘さ れる。長期間熟練した労働で利潤の創出に貢献してきた韓国の労働者の生存権 はあずかり知るところではないという処置だ。 キム・ジャンシク組織部長は「外国資本が韓国に入り、10-20年ほどたてば営 業網が確立する。その後は工場を撤収して営業網だけ残すようになる」とし、 「韓国では紙パックの販売だけをして雇用創出はなくなる」と話した。キム・ ジャンシク組織部長は「渡り鳥企業は絶対になくさなければならない。政府が 解決方案を用意しなければならない」と主張した。 「渡り鳥企業」テトラパックの不当さを暴露する車両宣伝戦 全国37の人権団体により構成された人権団体連席会議も、去る4日にテトラパッ クコリア前で記者会見を行い、こうした問題点を指摘した。国際民主連帯のナ・ ヒョンピル常任活動家は「多くの多国籍企業が労働者を思い切りこき使い、 ある日突然出ていくケースが多いが、韓国でも同じだ」とし「アフリカ援助活動 でスウェーデンでは尊敬される企業であるテトラパックが韓国でしている 処置が情けない」と反応した。 「韓国政府の無関心が『渡り鳥』を招く」 ナ・ヒョンピル活動家によれば、法的な強制事項ではなくてもOECDのガイドラ インとILO批准など、国際的に守られるべきさまざまな基準があるのに、英米 圏と比較して、さらにこれらをよく守っていると言われるヨーロッパ企業が 「渡り鳥」をするのは、韓国政府の責任放棄が大きな理由だと指摘する。この ような国際的な基準によれば、韓国政府は外国企業が団体協約を尊重して雇用 に影響を与える生産施設の移転を禁じる条項を遵守しているのかどうかを調べ る義務がある。 ナ・ヒョンピル活動家は「明らかに義務事項を知っていても、政府は完全に外 国企業の韓国労働者無視を放置しているため、テトラパックがこのように傍若 無人な態度に出る」とし「なぜ韓国では多国籍企業がこれほどまでに労働者の 人権を無視できるのか、政府はよく反省しなければならない」と話した。国際 民主連帯は、アジア各国が集まる労働人権会議でテトラパックの実状を知らせ、 連帯を要請する予定だ。 解雇予定日を二日前にしてテトラパック労組の組合員たちは、現在もソウル市 漢南洞のテトラパックコリア事務所前で工場再稼働を要求するテント座り込み を展開しており、要求が受け入れられないときはスウェーデンへの遠征闘争や 不買運動も辞さない覚悟だ。上級団体の全国民主化学繊維連盟は8日午後3時、 この場所で「テトラパック資本撤収糾弾、工場再稼働要求決意大会」を開催する 計画だ。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2007-05-24 08:41:18 / Last modified on 2007-05-24 08:41:20 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |