本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:11月18日、釜山を抵抗の都市に
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1132301725343St...
Status: published
View


[論評] 11月18日、釜山を抵抗の都市に

チョンヨンプム、オチュオク二人の 農民烈士が復活する日

チャムセサン

18日の午後2時から4時まで、第1次APEC首脳会議がプサン 展示コンベンションセンターベクスコ(BEXCO)2階会議室で開かれる。 第1次首脳会議は「貿易自由化の進展」という議題でWTO DDA支援、 ボゴール目標達成努力、FTAおよびRTA(地域貿易協定)拡散と対応、 経済協力および二極化解消方案などが議論される。

19日午前の第2次首脳会議は「安全で透明なアジア太平洋地域」を議題に ヌリマルAPECハウスで開かれる。 この日は対テロ対応、鳥インフルエンザなどの移動性伝染病共同対応、 災難共同対応、エネルギー安保、反腐敗のための協力方案などが議論される。

APEC会員国首脳は初日に『千年の約束』を友に乾杯し、二日目には韓国の 伝統衣装を着て記念撮影をする。 首脳たちは記念撮影と共に、自由貿易を崇拝する内容が詰まった 特別声明を採択し、『釜山ロードマップ』を承認する。 釜山ロードマップは△ドーハ開発アジェンダ(DDA)交渉などの多者貿易体制支 援△会員国の個別行動計画強化△高い水準の地域貿易協定(RTA)と自由貿易協 定(FTA)追求△貿易円滑化および企業投資環境改善△戦略的能力培養追求など で構成されている。

韓国は、盧武鉉大統領は自由貿易主義、市場主義の化身で歴史に記録されるだろう。 11月18日は自由貿易主義、市場主義を記念するもう一つの記念日で記憶されるだろう。 この日は6月3日、済州に集まった21か国の貿易相会合で合意された内容の ほとんどが確認される日でもある。 6月3日、済州コンベンションセンターで発表された内容がベクスコから ヌリマルに席だけ移したまま、また宣言される。 済州で発表された済州宣言文は、没落する多者交渉の終わりで落ち着かない 米帝国主義と超国籍資本に一筋の曙光を照らした。 5ケ月が過ぎた今、APEC特別声明と名前を変えて、8万発の花火と共に 派手な姿で戻ってきた。

こうして政府と官僚と支配者たちがAPECの準備に血眼になっている間、 韓国で生涯土に触って生きてきた農民二人が命を絶った。 コメ市場開放に反対して、服毒したオチュオク氏が17日、ついに亡くなった。 チョンヨンプム氏が11日に命を絶って一週間もたっていなかった。 『輸入開放に反対する、韓国の農民は皆死ぬ』という遺書を残して運命を別にした。 二人の農民の死は農民全体の死だ。 明らかに「多者貿易体制支援」、「高い水準の自由貿易協定」、そして 「貿易円滑化」を試みるAPECが、二人の農民を、そして農民全体を 死に追いやったのだ。

まさに彼ら、戦争を起こした米帝国主義とブッシュ、戦争狂を推仰する 日本帝国主義と小泉、そして彼らの戦争に喜んで参加した盧武鉉大統領と 『霊魂と精神まで売り飛ばす』金ヒョンジォン、パンギムンのような官僚たち である。 彼らが私たちの社会の最も重要な社会構成員たちを絶望に、死に、奈落に 追いやってしまった。

APECは成功するかもしれない。 『人間安保』を語り『テロ清算』を語り『DDA交渉進展』を語る彼らの希望が 形成されるかも知れない。 あるいは「開かれた共同体で共に発展するAPEC」が繰り広げられるかも知れない。 ただし、それは明らかに一つの条件を要求するだろう。 今日の開放化市場化と競争力だけが出来るという資本の論理をすべての 社会構成員が受け入れられる条件、また土地と種子、食糧、知識に対する権利、 そして医療・教育・エネルギー・文化・水などの必須サービスを享受する権利 をすべての社会構成員が放棄する条件だ。 したがって、彼らの希望はたとえ形成されたとしても、一時的だろう。 派手ではあるが、そのうち消えてしまう花火のように。

希望は、ありふれたみずぼらしいところから芽が萌え出ていた。 APEC首脳会議の一日前の17日、APEC反対国民行動と釜山市民行動と国際民衆 フォーラムの参加者は、彼らとは違う世の中を、彼らとは違う希望を、 彼らとは違う宣言を出した。

釜山国際民衆フォーラムは、APEC反対ブッシュ反対国民大会に参加する平凡な人々だ。 釜山国際民衆フォーラムは言論の関心の外にあった。 ワークショップが開かれた教室は暖房もなかった。 海外の活動家は入国する過程で人権弾圧を受けなければならなかった。

参加者の数もいくらにもならなかった。 全てが取るに足りなかった。 ところがまさにそこで『釜山民衆宣言文』が出された。 参加者は「貧困と戦争の世界化を拡大しようとするAPEC首脳会議に対抗して、 平等と平和に向かった美しい抵抗を繰り広げる」と決意した。 参加者は「APEC首脳会議が消えていくDDAの火種を生かそうと地団駄を踏んで いるが、戦争もなく、貧困と差別もない世の中を建設する私たちの進む力強い 歩みは防げない」と断言した。 彼らが理性を失い、利潤と競争の論理が詰まった特別声明を作成している時、 釜山国際民衆フォーラムの参加者は抵抗と闘争の未来を開くという美しい精神を 『釜山民衆宣言文』に込めた。

今日、11月18日は皆に記憶されるだろう。 自由貿易主義を信奉する支配者は、この日を2010年、2020年のバラ色の未来を 持たらす予言の日として記憶するだろう。 しかし、新自由主義世界化と差別と抑圧、貧困と人権弾圧、そして公権力の日 常的な威嚇の中で押さえ付けられてきたわれわれの社会のすべての民衆は、 この日を抵抗と闘争の日として記憶するだろう。 11月18日はチョンヨンプム、オチュオク二人の農民烈士が復活する日だ。 信じて疑わない。 11月18日はAPECとヌリマルの釜山ではなく、抵抗の都市釜山として、 特別声明でなく釜山民衆宣言文として記憶されるだろう。

2005年11月18日4時03分

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2005-11-18 17:15:25 / Last modified on 2005-11-18 17:15:25 Copyright: Default

関連記事キーワード


釜山APEC/香港WTO関連記事
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について