セウォル号家族、野党圏、社会団体すべて与党推薦委員に強く反対

「特別調査委対立助長、世論分裂の意図」...新政治連合、調査委員選定を完了

キム・ヨンウク記者 2014.12.16 19:10

12月11日、セウォル号家族対策委とセヌリ党のセウォル号惨事特別調査委員会の調査委員推薦に続き、 16日に新政治連合も調査委員推薦を終えた。これで12月中に特別調査委が構成される可能性が高まった。だがすでにセヌリ党推薦委員の非適格性が問題になり、野党圏と家族対策委が強く反発していて特別調査委構成の段階から難航する可能性は排除できなくなった。

セウォル号家族対策委と野党圏はセヌリ党が発表したセウォル号特別調査委調査委員推薦リストに対して強く批判し、全面交換を要求している。

▲チャムセサン資料写真

セウォル号家族対策委は12月16日午前11時に国会記者会見場で記者会見を行って「セヌリ党は独立的に徹底して真相究明ができる調査委員を選定しろ」と要求した。

セヌリ党はサムスン裏金疑惑特別検事補だったチョ・デファン法務法人のハ・ウリム代表弁護士を常任委員に、放送文化振興院のコ・ヨンジュ監事と法務法人テホのソク・ドンヒョン顧問弁護士、幸福な社会のための弁護士の会のチャ・ギファン代表、韓国教総のファン・ジョノン元報道担当者を非常任委員に選定した。

家族対策委は記者会見文で「セヌリ党は5人の調査委員を選定することにより、自分たちを信じてほしいと強弁した独立性と真相究明意志の原則と基準に正面から違反した」とし「大統領をはじめとするすべての政治家がセウォル号惨事の責任は大統領と政府にあるといったのに、これを正面から否定するような人々を調査委員として選定し、真相究明に対する国民すべての熱望を破った」と非難した。

家族対策委、与党推薦委員5人にセウォル号関連の立場を要求

続いて「セヌリ党は上の5人をどんな基準で、何を目的に選定したのか具体的に明らかにしろ」とし「セヌリ党の答にわれわれ家族と国民が納得できなければ、セヌリ党は大韓民国与党としての責任感と良心により、調査委員を新しい人物に交替しなければならない」と要求した。

推薦された与党の調査委員には「自分たちがセウォル号惨事に関して行った言動について明確に釈明しろ」とし「自分たちが考えるセウォル号惨事の原因、政府の対応、真相究明の方向、徹底した真相究明と安全な大韓民国建設のための自分たちの役割、抱負などを具体的に明らかにしろ」と要求した。

家族対策委はまた「法院行政処は相変らず二人の調査委員を選定もしていない」とし「政府与党からの独立性と徹底した真相究明意志を確かに備えた調査委員を直ちに選定しろ」と要求した。

家族対策委は特別調査委員長を引き受ける常任委員に大韓弁協人権委員長、民主弁護士会会長を歴任したイ・ソクテ弁護士を推薦し、非常任委員にはチャン・ワンイク弁護士とイ・ホジュン教授を推薦した。

12月15日にはセウォル号国民対策会議が汝矣島セヌリ党舎前で記者会見を行い「与党が常任委員に推薦したチョ・デファン弁護士は、特別調査委員会副委員長兼事務局長として委員会の事務を総括することになる」とし「チョ・デファン弁護士は朴槿恵大統領候補時期にシンクタンクの国家未来研究院の発起人で、朴大統領と政治的活動と動きを共にした人物だ。こうした人物が独立性と客観性を維持できると考えるセヌリ党の判断は驚くほどだ」と指摘した。

また対策会議は「非常任委員に推薦されたコ・ヨンジュ弁護士は、檀園高校学生全員救助の誤報など、MBC報道に対するイ・ジンスク報道本部長の釈明を要求する放文振理事会で、政府の肩を持つ発言をして問題になった人物」とし「政府を調査するべき調査委員が偏向した認識を示し、委員会の業務の独立性と客観性を維持できるのか疑問」と指摘した。

非常任委員に推薦されたチャ・ギファン弁護士には「ツイッターで極右サイト『イルベ』の掲示物をリツイートし、セウォル号遺族のセウォル号特別法制定関連要求に強く反対した人物」と明らかにした。ソク・ドンヒョン弁護士とファン・ジョノン前報道担当者に対しては、国会議員立候補を準備した前歴などでセヌリ党の党員である可能性を提起した。

対策会議は「セウォル号特別法11条は委員の欠格事由として『政党の党員』が入っている」とし「5人の候補者がセヌリ党党員かどうかをまず明らかにすべきだ。彼らが党員なら当然委員に任命されない」と釘をさした。

「調査委の力比べに追いやり世論分裂を意図」

この日、新政治連合の朴完柱(パク・ワンジュ)院内報道担当者も懸案ブリーフィングで「セヌリ党推薦委員の面々は真相究明をしようとしているのか、真相調査を妨害しようしているのかわからないという批判まで出てきている」とし「セヌリ党は政治的中立性が担保されない推薦委員を撤回するよう丁重に要求する」と明らかにした。また「セウォル号真相調査の意志が弱いという点が明らかになっただけに、推薦委員自身が去就を考え、辞任することを強く要求する」と付け加えた。

統合進歩党の金在妍(キム・ジェヨン)報道担当者も「推薦委員の面々を見れば、セヌリ党はセウォル号惨事を真相究明する意志ではなく、隠す意志を発表したようなもの」とし「調査委を力比べに追いやり、世論を分裂させて、自分たちの意図のとおりに終わせるという宣言だ」と非難した。

また「朴槿恵大統領が候補だった時にシンクタンクの発起人のチョ・デファン、放送文化振興院監事と委員として朴槿恵政権の言論手なづけに先頭で役割を果たしたコ・ヨンジュ、チャ・ギファン、国会議員選挙でセヌリ党の公認を受けようとして落ちたソク・ドンヒョン、ファン・ジョノン。彼らのうち、誰が青瓦台からの独立性を維持することができるか」と反問した。

続いて「こうした委員で構成された調査委の対立と分裂は、国民世論の痛い視線を受けるようになる」とし「セヌリ党が調査委員会の分裂と対立が狙っているのでなければ、セヌリ党はいますぐ推薦委員全員を撤回しろ」と要求した。

新政治連合、家族対策委と協議5人を推薦

なお新政治民主連合は「セウォル号惨事特別調査委員会」に推薦する野党枠の5人の委員を選定した。新政治連合はこれまでセウォル号家族対策委と共に5人協議体を構成し、調査委員選定を議論してきた。新政治連合側の白在鉉(ペク・チェヒョン)政策委議長、安圭佰(アン・ギュベク)首席副代表、全海澈(チョン・ヘチョル)セウォル号特別法TF委員と、遺族側のチョン・ミョンソン委員長、パク・チュミン民主弁護士会弁護士が参加する5人協議体は、 12月16日に国会ブリーフィングルームで記者会見を行い、調査委員選定結果を発表した。

5人協議体が発表した調査委員は、クォン・ヨンビン弁護士(法務法人ハンギョル、内谷洞特検特別捜査官歴任)、イ・ウィインソウル市災難安全審議委員(06年NSC事務次長歴任)、キム・ソジュン民教協共同議長(民言連共同代表歴任)、チェ・イルスク弁護士(民主弁護士会副会長歴任)、キム・ジン弁護士(民主弁護士会事務次長歴任)で、クォン・ヨンビン弁護士が真相究明小委員会小委員長を引き受ける常任委員に決定した。

セウォル号惨事特別調査委員会は、セウォル号特別法によって常任委員5人と非常任委員12人で構成され、セヌリ党5人、新政治連合5人、大法院2人、大韓弁協2人、セウォル号遺族3人を推薦する。

白在鉉政策委議長は調査委員の選定基準について「セウォル号惨事の真相をきちんと明らかにして、安全社会を建設するための力量と専門性を考慮して、特別調査委員会の活動に忍耐と天命意識で全力を尽くして臨んで下さる方」とし「最終的に推薦する方々は、犠牲者家族のそばで家族と同じ気持ちで最善を尽くす方で、それぞれ自分の人生を通じて選定基準を十分に立証された方々」と感謝の気持ちを伝えた。

全海澈委員は「今日発表する方々は人権と公益、何よりもセウォル号惨事の真相究明意志と安全社会を作る代案に確実な役割を約束してくれた」と伝えた。

家族対策委のチョン・ミョンソン委員長も「推戴された方々の略歴や動きを見れば、国民的共感を得るのに充分で、対策委の立場としても十分に安全社会建設の最初の一歩になると考える」と説明した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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