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朴槿恵政権、雇用率に執着して「悪い雇用」を量産

10年間100万増えた時間制勤労、2017年までにさらに93万増加

ユン・ジヨン記者 2013.10.01 17:47

低賃金、不平等雇用に代表される「時間制雇用」が大幅に増えそうだ。大統領選挙戦の時から雇用率70%達成を断言してきた朴槿恵政権が時間制雇用の拡充で雇用を増やす措置を強制しているためだ。

労働界は、良質の雇用の拡充を強調してきた政府が結局、非正規職を拡大して、 不平等を深めようとしていると批判を提起している。既存の低賃金、不平等が 蔓延する時間制労働の構造を変えない限り、労働市場の二極化の拡大と不平等 の深化は必然的だ。

朴槿恵政権、「時間制雇用」拡大...2017年までに93万創出

現在の朴槿恵政権の「雇用率70%達成」の核心は「時間制雇用」の拡充だ。政府 は雇用率を達成するために、2017年までに238万の雇用(年47.6万)を創り出す 方針だが、そのうち時間制雇用は約40%で93万に達する。

実際に、雇用労働部と企財部、安行部は、時間制雇用拡大事業の措置を進めて いる。企財部は、2017年までに公共機関に7万余人を新規採用し、そのうち純粋 な増員2万6千人を除き、残りの人員再配置、賃金ピーク制、代替人員採用、 選択型雇用で埋めることを決めた状態だ。

これにより企財部は、公共機関の増員計画に時間制勤労採用の割当を強制して いる。2014年に5%、2015年に7%、2016年に10%、2017年に15%まで採用割合割当 を上げる計画だ。

安行部は9月17日、時間選択制公務員制度の導入を骨子とする公務員任用令改正 案を立法予告した。週20時間働く7級以下の時間選択制公務員を採用するという ことだ。特に政府は「強制割当」制度で新規採用時に一定の人員を無条件に時間 選択制で採用する方針だ。

改正案によれば、時間制選択制労働者は新規採用手順を踏まない限り、全日制 への転換ができない。その上、時間選択制公務員の賃金は全日制公務員の半分 に過ぎないという。また、昇進期間も2倍程度必要で、事実上差別と格差が深刻 になるという批判に直面している。

時間制勤労、10年間に102万増加...劣悪な労働条件の「悪い雇用」

だが政府がわざわざ拡大政策を行わなくても、時間制勤労はほぼ10年間、幾何 級数的に増加してきた。その上、時間制勤労のほとんどは労働条件が劣悪な 「悪い雇用」で、結局政府が劣悪な雇用を増やすだけだという非難が続いている。

10月1日午後、民主労総で開かれた「時間制雇用拡大の問題点と雇用の質の向上 方案摸索政策討論会」でも、政府の時間制雇用拡大政策を批判する声が高かった。

韓国労働社会研究所のキム・ユソン専任研究委員は、「時間制勤労は2002年8月 の81万人から2012年8月には183万人と、10年で102万人が増加した」とし「この うち92.3%が臨時職か日雇い、時間制で働いている」と説明した。

統計庁経済活動人口調査付加調査によれば、時間制勤労者の月賃金の総額は、 2001年の45万ウォンから2013年には65万ウォンと、20万ウォン程度増加した。 だが正規職との賃金格差の割合は2001年の26.7%から2013年には24%へと低下し、 賃金格差が3.7%拡大した。また昨年の統計庁調査によれば、時間制労働者の 社会保険加入率は12〜15%で、退職金と賞与金適用率は10〜13%だった。労組の 組織率はせいぜい0.3%程度だ。

キム・ユソン研究委員は「勤続年数の平均は1.4年で、勤続年数が1年未満の 短期勤続者は66〜69%」とし「これは、時間制勤労者の労働条件が非常に劣悪で、 ほとんど非公式雇用であることを語る」と説明した。

その上、法定最低賃金未達者も、2002年の15.8%から2012年には28.5%まで増加 している。未組織非正規戦略本部のキム・ギョンラン室長は、「また、時間制 労働者の場合、非自発的な理由による雇用の選択が2012年基準56.0%に達し、 OECD国家の平均値13.1%(2011年基準)を大きく上回る」と強調した。

雇用率70%に執着する政権、非正規職を拡大するか

このような条件で、朴槿恵政権の時間制雇用拡大政策が施行されると雇用の 不平等と雇用の質の低下など、深刻な副作用がもたらされる可能性が高い。

キム・ユソン研究委員は「『パートタイム=臨時職』である既存の雇用慣行を変 える努力が前提にならなければ、そうでなくても臨時職が多い状態で非自発的 パートタイムだけが増える結果を招く」と指摘した。

韓国労働研究院のキム・ギソン副研究委員も「良質の時間制雇用に対する政府 の認識は基礎的な水準に留まっており、結局『良質』のない『時間制勤労』の 拡大を持たらすだけ」と予想した。

国会立法調査処のハン・インサン法学博士は「雇用率70%達成という雇用の量に 執着した政策は危険だ」とし「雇用安定性の担保、自発的な選択と転換の可能性、 差別禁止など勤労条件の同一待遇原則が保障されなければならない」と強調した。

民主労総は、雇用率70%を達成するには新自由主義柔軟化を中心にする雇用政策 の根本的な変化が必要だと要求した。キム・ギョンラン室長は「時間制雇用の 質の向上についての方案と共に、直接雇用、正規職雇用慣行確立、非正規職 労働権の保障、賃金と勤労条件の差別を改善する労働市場構造改革が雇用率 70%とともに推進されなければならない」と説明した。

また民主労総は、雇用の質向上の方案として、△最低賃金水準の改善および5人 未満の事業場と短時間労働者にも勤基法適用拡大、△労働時間短縮によるワー クシェア、△青年義務雇用制実施と社会サービス雇用の質的水準の向上、 △非正規職の労働権全面的保障などを提示した。

キム室長は、「現在推進される時間制雇用は良質の雇用とは違い、実績中心の 強制割当に行っている」とし「業務の特性や雇用の質は考慮せず、時間制雇用 だけ作れば良いという発想は、労働市場の二極化を拡大し、不平等を深めて、 時間制労働者を量産する非正規職拡大策に帰結する可能性が高い」と説明した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-10-02 22:06:00 / Last modified on 2013-10-02 22:06:00 Copyright: Default

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