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オーストラリア『二つの扉』上映推進牧師、カン・スザンナを脅迫したのか?

政府「オーストラリア警察が脅迫事案と判断」 VS 海外同胞「普段付き合いのあるA領事に映画のチケットを売りに行った」

チョン・ウニ記者 2012.10.21 19:01

10月19日、チャムセサンの「カン・スザンナ オーストラリア領事、『二つの扉』 上映推進海外同胞捜査要請」報道後、外交通商部と法務部がいっせいに報道釈明 資料を出した。しかしカン・スザンナ領事のオーストラリア連邦警察(AFP)への 申告と、オーストラリア海外同胞の脅迫の有無などをめぐり、オーストラリア同胞 と政府の立場は交錯している。

チャムセサンは政府の釈明により、オーストラリア連邦警察に調査を受けたチ・ ソンス牧師と調査に同席した海外同胞に、もう一度事実関係を確認した。海外 同胞は政府機関の釈明が事実と異なると反論した。

▲オーストラリア、シドニーの「二つの扉」映画チケット(左)と広告(右)

法務部は10月19日、言論報道釈明資料で「10月9日、オーストラリア海外同胞チ 某氏が駐シドニー総領事館を訪問し、領事として派遣勤務しているカン・スザ ンナ領事に対し『カン領事の通勤経路はすべて把握している。映画(『二つの扉』) を上映する頃にカン領事に対して良くないことが起きるかもしれないので、 よく考えて備えろ』という趣旨の発言をした」と明らかにした。

法務部はまた「シドニー総領事館は、カン領事の身辺保護方案についてオース トラリア連邦警察と協議した。オーストラリア連邦警察は外交官への脅迫事案 と判断し、チ某氏に対して経緯を確認した事実がある」と付け加えた。

外交通商部も19日「オーストラリア連邦警察は、チ某氏に対して本人の言及は 外交官に対する『危害告知』であり処罰対象だと説明した後、1次警告して追加 の脅迫や危害があれば正式に事件化するという立場を通知した」と付け加えた。

外交部はまた「この件は韓国の外交官の安全に関する事項だというという点で、 いかなる不祥事も発生しないように注意を続け、必要な時は関連措置を検討 する計画」と明らかにした。

シドニー総領事館も20日に報道資料で「カン・スザンナ領事は『二つの扉』の 映画に対する公開の招請書簡を受け取ったり告知された事実は全くなく、オー ストラリア連邦警察のチ某氏に対する調査は『二つの扉』の上映に関しての ものではなく、チ某氏の脅迫性発言に対するもの」と明らかにした。

議論の中心に立ったカン・スザンナ領事は19日、聯合ニュースのインタビュー で、「正式に(オーストラリア連邦警察に)申告をしたのではなく、身辺の威嚇 を感じたため、普段親しく付き合っているオーストラリアの検事に相談をした のであり、事案が重大だと判断したオーストラリア領事がオーストラリア連邦 警察に知らせ、チ牧師を召還調査した」と話した。

カン領事、申告ではなく協議しただけ?

海外同胞を保護すべき領事が、批判的な映画の上映を推進した海外同胞を逆に 脅迫容疑でオーストラリア連邦警察に捜査を依頼したのは不適切だという論議 がおきたことで、カン領事と政府は迅速に釈明したが、各機関の釈明の内容と 事実関係は微妙に交錯している。

カン・スザンナ領事は、親密な関係にあるオーストラリア領事と相談したとこ ろ、その領事が直接オーストラリア連邦警察に知らせたため、召還調査が行わ れたと言っているが、法務部と外交部は総領事館がオーストラリア連邦警察と 協議して、彼らが自主的に判断、調査を始めたという。

総領事館とカン領事はどちらも捜査依頼ではなく、オーストラリア側と協議を しただけだという点と、チ牧師を脅迫事案と判断して調査したのはオーストラ リア側だと言った部分は立場が同じだ。しかしカン領事が個人的に付き合いの あるオーストラリア検事に相談したのか、あるいは総領事館が公式にオースト ラリア警察に協議したのかという差がある。

また、政府とカン・スザンナ領事の釈明について、チ・ソンス牧師をはじめと するオーストラリア連邦警察との面談に同席した海外同胞に確認した事実関係 も違っている。

▲2009年10月12日、竜山惨事裁判現場検証に出たカン・スザンナ検事[チャムセサン資料写真]

「オーストラリア連邦警察はカン領事が調査を要求したといった」

『二つの扉』の上映会を推進したシドニー海外同胞は、カン・スザンナ領事が オーストラリア連邦警察にチ牧師を外交官脅迫の容疑で申告したのではないか という疑問を示した。こうした疑問を持つのは、オーストラリア連邦警察の 発言があったためだ。

12日午前、オーストラリア連邦警察はチ・ソンス牧師に電話で連絡し、チ牧師 が可能な時間と都合のいい場所で会おうと言ったため、オーストラリア海外同胞 のパク・ウンドク弁護士の事務室で面談調査が行われた。

同席した海外同胞コ・ジンマン(オーストラリア建設労組オルグ)氏は、オース トラリア連邦警察が召喚状なくチ牧師と会う理由を尋ねたところ、オーストラ リア連邦警察は「今日は正式な調査(interrogation or investigation)ではな い。召喚状(subpoena)もその他の関係令状(writ)もない状態だが、カン・スザ ンナ領事が自分の身辺をチ牧師が脅したと容疑(allegation of threat and assault)を主張したため」と話した。

調査に同席したパク・ウンドク弁護士は、「『カン・スザンナ領事は、チ牧師 に対する調査を要求したのか(Did Ms. Kang request you to meet Mr. Ji)』と 二回尋ねたが、オーストラリア連邦警察は『そうだ(Yes)』と答えた」とし、 「この部分についての韓国法務部と外交通商部の表現は正確ではない」と述べた。

これに対し、民主社会のための弁護士の会(民弁)のパク・チュミン弁護士は、 「申告は決まった形式があるのではなく、捜査機関に情報を伝えることが本質 なので、警察と具体的に話をしたとすれば申告と見なければならない」と指摘した。

チ・ソンス牧師、「総領事館に行きもせず、脅迫もしていない」

今回の議論の一番核心的な争点は、シドニー総領事館と外務通信部が明らかに した通り、チ・ソンス牧師がカン・スザンナ領事を脅迫したかどうかだ。

政府は、チ牧師がカン領事に対し「カン領事の通勤経路はすべて把握していて 映画(『二つの扉』)を上映する頃にカン領事に対して良くないことが起きるか もしれないので、よく考えて備えろ』という趣旨の発言をした」と明らかにし た。

まずチ・ソンス牧師が9日に領事館に訪問したという部分から、領事館とチ牧師 の主張は交錯する。

チャムセサンは19日付の記事で「カン・スザンナ領事に公開招請書簡を発送し た」と報道したが、チ牧師は普段から付き合いのあるA領事に『二つの扉』映画 のチケットを売りながら、さまざまな憂慮を伝えたことが確認された。

これに関して駐シドニー総領事は20日の報道資料で「カン・スザンナ領事は 『二つの扉』映画に対する公開招請書簡を受け取ったり告知された事実は全く なく、オーストラリア連邦警察のチ某氏に対する調査は『二つの扉』上映に関 して行われたのではなく、チ某氏の脅迫性の発言に対するもの」と明らかにした。

だがシドニー総領事館の釈明も事実関係が合わない。チ・ソンス牧師は領事館 を訪問して脅迫したのでもなく、普段付き合いのあるA領事に映画のチケットを 売るために行ったという立場だ。

チ・ソンス牧師は20日、チャムセサンとの通話で「その日、領事館に行ったの ではなく、『二つの扉』映画のチケットを売るために領事館が入居するビルの 喫茶店でA領事と会った」と明らかにした。

『二つの扉』シドニー上映会の主催側は、9月19日から映画チケットを販売してきた。

チ牧師は「A領事と会った9日に同胞が密集し、領事館もあるシドニー都心地域 のSydney CBDで『二つの扉』のチケットを売った。領事館の人々にも売るため に、2年間、北朝鮮宣教や韓国人映画の製作事業などでよく会っていたA領事と 喫茶店で会った。A領事は映画チケット2枚を買った」と明らかにした。

駐シドニー領事館はシドニーのエリザベスストリート111番地の20階建てビルの 13階にあり、チ牧師はA領事とこのビル1階の喫茶店で会った。このようにA領事 が映画のチケットまで買った状況で、一部の発言を脅迫と見て申告したのは 理解し難いポイントだ。

チ・ソンス牧師が脅迫したという政府の主張についてもチ牧師は「脅迫とは 全くおかしい」と釘をさした。

彼は「カン・スザンナ領事の話をしたのは事実だが、『映画の上映後、映画を みた人々が領事館に何かの意思表現をするかもしれない』とか『韓国から招請 された人々がくれば、ぜひカン・スザンナ領事と会いたいと思うだろうから、 領事館側は賢明に対応したほうが良い』と話した」と明らかにした。

映画上映後に起きかねないさまざまな議論について、領事館側に好意で あらかじめ知らせたことを脅迫と見たということだ。

パク・ウンドク弁護士は、オーストラリア連邦警察との面談調査で、チ牧師が 脅迫の容疑をすべて否認し、オーストラリア連邦警察が外交官保護に関する法 を説明して誤解を呼びかねない言葉は用語の選択に慎重を期するよう忠告した と伝えた。

今回の議論をめぐり、民弁のパク・チュミン弁護士は「意思表現行為は非常に 広範囲で、パフォーマンスを含むが、これを過度に敏感に受け入れたのではな いか」と明らかにした。

彼はまた「カン・スザンナ領事が担当した龍山事件で途方もない批判を受けた ので、敏感に受け止めたようだ」とし「領事としての義務と職務からみて、 理性的で落ち着いた対応ではなかった」と指摘した。

パク・ウンドク弁護士は今回の議論について「政府が私たちの意図と違い、 非本質的な部分を問題にしている」とし「海外同胞は二つの扉という映画と 竜山惨事の真実を見たいだけ」と伝えた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-10-21 22:49:33 / Last modified on 2012-10-21 22:49:34 Copyright: Default

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