韓国:女性労働者の現実を変えなければ労働運動の未来は変わらない | |||||||
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女性労働者の現実を変えなければ労働運動の未来は変わらない[企画連載]女性労働者の現実診断(1)
バン・ミンフィ(社会進歩連帯) 2010.11.23 16:41
[編集者注]非正規職と低賃金層のほとんどが女性という現実、不安定な雇用 とともに人格的にも尊重されない現実を打ち破るために今、女性労働者が労働 組合の主人になろうとしている。女性が労働者で堂々と暮せる世の中、全労働 者が一つに団結できる世の中のための変化を模索するため、ソウル地域の女性 労働者が集まるソウル女性組合員大会が準備されている。12月11日土曜、ソウ ル女性組合員大会を準備するにあたり、現在、女性が直面する現実についての 企画記事を連載する。 景気低迷が不安定に続き、低出産高齢社会に進入するという危機感の中で、政 府と資本は全労働市場の再編と女性、青年など脆弱階層人材を活用し、危機を 克服しようと忙しい。各種法、制度改編により、労働時間と賃金をさらに不安 定にして、これを妨害する労働組合の闘争を抹殺しようと血眼になっている。 また『仕事・家庭の両立』政策で、働きやすい条件を作るというが、その実状 は働きながら家事もしっかりやれということと違わない。政府と資本の忙しさ により多くの女性労働者は不安定な雇用と低賃金に苦しみ、労働者の権利を勝 ち取るために闘争でもすれば、直ちに無慈悲な弾圧を受けるようになる。だが これに対抗する女性労働者の闘争も屈することなく続いている。 絶望を希望に変える力を持った女性労働者の闘争「開始があれば終わりがあります。それを信じて走り続けてきました。こうし て結局私たちが望むのは、100%ではなくても結論を出しました。生きながら本 当に良い人々が多いなと感じました。私がもしこうして闘争していなければ、 こんな人々に会えたでしょうか。世の中には、競争し、奪い、傷付けあう人し かいないと思って暮していたこともあります。連帯を学びました。私たちが勝 てたのは、まさにその連帯の力でした。今後も進むべき道があります。相変ら ず、非正規職、派遣職で苦しむ労働者がいます。もっと多くの非正規職労働者 と共にすることが連帯の恩返しです。九老工業団地の労働者と、さらに多くの 非正規職の闘争に連帯して、人間らしく暮せる世の中を作りましょう」-キリュン電子 キム・ソヨン分会長、闘争勝利報告大会で 不法派遣正規職化に対抗し、1895日もの時間を闘ってきたキリュン電子の仲間 たちの闘争勝利は、女性の70%が非正規職のこの時代に希望の知らせだ。『女性 労働者の現実は全労働者の未来だ』という言葉のように、結婚と家事労働の一 次的な責任があるということを口実に、女性労働者に加えられてきた劣悪な労 働条件、常時的な威嚇が、今は全労働者の現実になっている。こうした状況で 女性労働者の闘争は、単に女性労働者ばかりでなく全労働者の労働条件を変え る闘争になっている。 キリュン電子分会がそうだったように、KEC支会は労組を破壊しようとする資本 と政権に対抗し、民主労組を死守するためのストライキを6か月間続けている。 また、低賃金で労働者性も認められない才能学習誌教師が団体交渉と解雇者の 復職を要求して、労組弾圧と戦い始めてから3年たった。労働者の権利の主張が 法と公権力に遮られ、踏みにじられている暗たんたる状況の中でも、闘争の手 綱を置かない女性労働者たちの闘争は今も現在進行形だ。絶望の中でもしつこ く希望を話す女性労働者たちは、それ自体が希望だ。 労働の権利を取り戻すことは、人間としての尊厳を取り戻すこと「この歳で闘わなければならないのかと考えるけれども、事実それは違います。 女性たちも労働組合に堂々と加入して自分の役割を果たさなければなりません。 また女性が労働運動の主体になることを負担に思い嫌って、家族と遠ざかると 思うとすれば、その考えはやめなければならないと思います。娘の未来のため にも内部の闘争も続けなければなりません。女性が悟れば口に出さなければな りません。その力が大きいのです。」-イ・ギョンオク サービス連盟事務局長 社会問題を討論し、そんな問題の先頭に立って政治に参加することは男性には 慣れているが、女性は前に出ず、家庭に忠実で、誰かの世話をすることに慣れ ている。しかし生まれつきではなく、そう育てられてきたのだ。『女が...』、 『女が強い』など、『労働組合活動をして、一番変わった良い点は、年齢の高 い男の班長が放言しても、切られるかと思ってじっと我慢しましたが、今は誰々 さんと呼んでくれて、雑に応対しません』というある清掃労働者の告白のよう に、女性に与えられた劣悪な労働条件は、非人間的な待遇にも連結する。 低い賃金で非正規職で働いても、人間以下の接待を受け、人格的に冒とくされ てもかまわなかったり、性暴力まで甘んじることは決してない。また女性だと いう理由だけで、そんな現実に耐えなければならないのではない。しかし雇用 の不安定はこうした問題提起も大きな決断を必要とする。残念なことに、多く の女性労働者は労働の価値を認められず、同時に人間的にも待遇を受けられず にいる。特に中高齢の女性労働者がする労働は、ほとんどが家事労働、ケア労 働の延長にあり、家でしている仕事なのに何が難しいのかという認識で、低賃 金が当然視され、それでも稼がなければならないので班長や社長から放言を聞 いても我慢するしかない。 ある地下鉄の駅で清掃をする中年の女性労働者が用役業者管理者から日常的な 性暴力を受けても、子供が知るのではないかと恐ろしくて話もできず、問題を 暴露しても返ってくるのは名誉毀損という反撃と解雇だから、耐えに耐えるほ かはないのが現実だ。こうした状況で、個人の傷と冒とくに耐えずにいようと すれば、不正義で非人格的な労働条件を変えようとするなら、女性労働者の集 団的な力が必要だ。労働現場での雇用安定、労働への価値を認められ、労働者 としての待遇を受けることは、人間として、女性としての尊厳を取り戻すことだ。 今、『女性』労働者の権利を語る時多くの女性労働者が劣悪な労働条件に対し、人間としての尊厳を取り戻すため に、民主労組を死守するために闘っているが、女性労働者を取り巻く現実は簡 単には変わらない。労働運動が本当に勝利するためには、女性労働者が直面す る条件と現実をさらに綿密に見て、変化のための実践をしなければならない。 そしてわれわれ女性労働者がそんな実践の先頭に立たなければならない。 女性に『適した』雇用を増やすというが、実際にそうした仕事は家の仕事だと して低評価と低賃金を当然視する資本と政府の態度をきっぱりと拒否しよう。 そして、こう質問しなければならない。なぜ家事の一次的責任が女性にあるの か、なぜ女性に適しているという仕事をそんなに低く評価するのか、なぜ日常 的な性暴力の威嚇から抜け出すことが難しく、人間的な待遇を受けることも難 しい現実があるのかということだ。一方、こうした質問に答えることはは労働 運動をする私たちにとっても必要だ。 相変らず希望の女性労働者の闘争が、女性労働者の現実を変えられる闘争から さらに一歩踏み出すためには、また団結し、もっと多く連帯し、何よりも疲れ ることなく戦わければならない。その始まりになるために、ソウル女性組合員 大会では多様な職種で働く女性労働者が出会い、力を固める場として企画され ている。互いの仕事を理解して、困難に対して励まし、またこれから女性労働 者が行くべき闘争の道を共同で描く場。初の出発では全てを完成できないが、 しっかりした飛び石を置く企画で今後の女性労働者の間の連帯を育てたい。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2010-11-24 02:49:38 / Last modified on 2010-11-24 02:49:42 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |