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「民主労総は性暴力勧告に従わない全教組を監督しろ」

性暴力評価討論会で民主労総、全教組、被害者を支持する会の対立が爆発

キム・ヨンウク記者 2010.09.19 06:49

来る10月5日、民主労総が代議員大会で採択する予定の2008年12月5日に発生し た金某性暴力事件の評価報告書と組織的課題を実践するための討論が開かれた が、評価報告書の内容の合意でこれまでの対立が表われた。民主労総を危機に 陥れた性暴力事件の評価報告書の作成にも合意せず、対立を続ける理由は、全 教組が性暴力真相調査特別委の勧告事項を全面的に否定した事について、民主 労総がはっきり解決できないことに起因するという指摘が起きている。

7月9日、全教組の『性暴力懲戒再審委員会(再審委)』は、真相調査特別委が懲 戒を勧告した全教組内の組織的隠蔽助長行為をした2次加害者3人の懲戒再審で、 「この事件を組織的に公論化を妨害する意図的な行為は確認できず、事件を組 織的に縮小・隠蔽する企ての事実も確認できなかった」と明らかにした。全教 組の再審委は当時、「組織的な隠蔽助長行為はなかった」と決めた。これは、 民主労総の最高議決機構である代議員大会が採択した真相究明特別委の結論に 反していた。だが民主労総は代議員大会の決定事項をひっくり返した全教組に 何も後続措置を取らなかった。その上、全教組が真相究明特別委の決定事項を 問題にし続け、評価書採択をめぐる雑音は収まらない。

こうした状況で9月17日に民主労総は13階の大会議室で、『民主労総金某性暴力 事件評価討論会』を開いて、この事件の組織的な課題を導出するためにさまざ まな意見を聞いた。この日の討論会は、異例のキム・ヨンフン民主労総委員長 をはじめ、事務総長、首席副委員長と副委員長などの役員が最初から最後まで 席につき、重みを示した。しかし討論会は、民主労総中執と代議員大会にどの ような方式で評価報告書(案)を提出するかをめぐり、被害者を支持する会と民 主労総常執、全教組本部の間で鋭い立場の差を示した。

特に討論会の最後には、キム・ヨンフン民主労総委員長と性暴力被害者を支持 する会のイ・ヒャンウォン代表が評価報告書の採択方式をめぐって舌戦を繰り 広げた。この過程で民主労総の傘下連盟への指導力の問題があらわれた。二人 の舌戦は、すでに最高議決機構である代議員大会で公式に採択された性暴力真 相調査報告書の勧告事項を、傘下連盟である全教組が全面的にひっくり返した もので、民主労総がこれを監督できないことを見せた後、報告書の採択過程も 順調ではないことを予告した。

民主労総は、評価報告書の草案を検討し、報告書に合意できなければ民主労総 の常執が報告書の後に異論を貼付する形で代議員大会に提出することにした。 評価で一番合意できなかった部分は、金某性暴力事件に組織的な隠蔽助長行為 の有無の部分、全教組の2次加害者が2次加害者かどうかの解釈の部分だ。民主 労総のノ・ウジョン副委員長は、「共通の内容と争点別の各組織の意見を貼付 する形にし、代議員大会にこうした評価報告書を提出する単位は常執になる」 と明らかにした。

支持する会、「民主労総が全教組を指導監督しろ」
キム・ヨンフン委員長、「民主労総は成人誌水準でしかない、告白するしかない」

支持する会のイ・ヒャンウォン代表は討論会の最後に「民主労総指導部が討論 会の最後までいてくれて感謝するが、今回の民主労総評価報告書には問題が多 いという事実がわかる。民主労総が代議員大会で採択した金某性暴力事件の2次 真相調査特別委の勧告結果を採用しなかった全教組に指導をせず、この評価報 告書を9月28日の民主労総中央執行委と代議員大会に出すのか。全教組の意見書 を貼付する形で報告書が採択されるのか」と強く尋ねた。

これに対してキム・ヨンフン委員長は「評価書は昨年4月1日の大会で採択され た2次真相調査特別委報告書に基づいて、民主労総と連盟の勧告事項履行の有無 を評価し、誤りを改善する課題を作る作業だと思う。私にとって唯一の判断の 根拠は、当時採択された特別委の報告書だ」と述べた。金委員長は「全教組の 意見は全教組の意見でしかなく、評価草案への全教組の異論でしかない。各主 体が合意できなければ異論以上でも以下でもない」と強調した。また、「報告 書がそのまま処理する通過儀礼でなければ、来年1月の定期大会で意見の差を埋 めたいが、それができなければ私たちの水準はこの程度でしかないと告白する しかない。民主労総の成人誌的観点や内部での異論調整の脆弱性を告白し、そ の改善対策に取り組む。ただし被害者中心主義に立脚して、最終的に被害者の 先生がどう思うのかを討論する機会を差し上げる。約束する。今日、色々な話 を聞いた。常執で討論の結果を十分に検討する」と述べた。

こうした金委員長の返事は、一面、民主労総大会の決定事項をひっくり返した 全教組に問題があることに同意しつつ、別の結論を要求できない民主労総の無 力感を吐露したものといえる。特に『成人誌的観点不足と民主労総水準』をあ げたのは、全教組の異論で提出を拒否できないことを暗示する。しかし、金委 員長が評価報告書(案)に被害者の立場を最大限反映する余地があることも暗示 し、以後、常執の評価報告書(案)がどれくらい変わるのか注目される。

しかしイ・ヒャンウォン代表は「2次特別委報告書を採用すると言うが、全教組 の立場は2次特別委報告書を採用しないということだ。その部分を指導しなけれ ばならない。異論が代議員大会に入れば被害者中心主義ではない」と強調した。

キム・ヨンフン委員長は「私が全教組チョン・ジヌ委員長と会って『あなたが 委員長なのだから、あなたの考えを変えろ、さもなくば懲戒する』と指導する のが正しいのか? 受け入れない当事者に、受け入れさせるにはどうするかとい う問題だ。私の立場は伝えた。間違った評価は書面で謝罪し、評価チームを正 常化した。その他にさらに組織的によく指導する問題は、私たちの実力がこの 程度だと言うことだ。異論は全教組執行部の意見でしかない」と一蹴した。

イ・ヒャンウォン代表は再度「意見書を貼付すれば全教組の異論が反映される」 と声を高め、キム・ヨンフン委員長も「民主労総報告書に含まれない全教組の 意見でしかない」と声を高めた。そのためイ・ヒャンウォン代表は「民主労総 は指導監督を放棄」と再度声を高めて正面から返した。この日の二人の舌戦で わかるように、民主労総評価報告書採択の重要な争点は、昨年4月1日の民主労 総代議員大会で公式に採択された2次真相特別委報告書の核心内容を全教組が認 めないことによる。しかし全教組は不動の姿勢だった。

全教組が提起した2次加害、組織的隠蔽議論などにあい昧な民主労総評価報告書

討論会は民主労総のノ・ウジョン副委員長による『金某性暴力事件評価報告書』 基調発表と、全教組のキム・ヒョンジュ首席副委員長の『金某性暴力事件評価 書のための提言』、被害者を支持する会所属のファン・ミソン代理人の『組織 論理で失踪した被害者中心主義』、韓国性暴力相談所のポッチャン氏の『組織 保衛論に対する民主労総内部の合意水準が必要』という討論文の発表に続いた。

基調発表文として民主労総常執が提出した評価報告書について、全教組と被害 者を支持する会が提出したそれぞれの立場が衝突する最大の争点は組織保衛論 による組織的な隠蔽の助長と2次加害という部分だった。

ノ・ウジョン副委員長は評価報告書の問題提起で、2次加害議論について「真相 究明特別委が懲戒対象者を2次加害者と呼ばなかったのは、前民主労総委員長の 手配保衛過程で起きた複雑な問題が全て個人の問題のためだけと言うことはで きず、これまで組織のためという名分で運動社会で性暴力に敏感でなかった雰 囲気に対する総体的な反省への悩みの中で出てきた。これはあるいは2次加害と は何かという質問よりはるかに重く難しい問題かもしれない」と叙述した。全 教組が提起した2次加害概念の議論を評価した部分だが、やはり二次加害と明確 にすることができなかった。

組織的な隠蔽助長行為については「今回の事件では露骨な形の組織的隠蔽行為 はなかったと見られる。それでも組織的隠蔽助長行為と命名したのは指導部が 被害者の前で組織の名前をあげたり、事件の処理過程が遅れ、はっきり解決で きなかったり、事件申告の受付と処理の過程が透明に公開されないなど、色々 な問題が発生したため」と評価した。また「こうした未熟な事件処理は被害者 の苦痛を増したばかりか、被害者に組織への不信感を加重させた。今回の事件 と処理の過程は、組織内で露骨な形の組織的隠蔽行為が発生しなかったとして も、被害者の立場では十分に組織的隠蔽を助長しているという疑われる情況が 多かったと見る」と規定した。

民主労総は、「今回の事件の多くの争点の一つは、2次真相究明特別委員会で規 定した『組織的隠蔽助長行為』に対する解釈」とし「ここで言う組織的隠蔽助 長行為とは、性暴力事件を隠すために組織的に共謀したという一般的な意味よ り、民主労総の中心の幹部たちが今回の事件の事態の把握と迅速な解決をせず、 組織的な公論化を遮ることで結果として組織的隠蔽助長行為をしたという疑い を与える」と特別委報告書の内容を再確認した。

全教組、民主労総が採択した真相究明特別委報告書を問題に

しかし全教組は民主労総評価報告書(案)の主な議論に同意しなかった。全教組 はまず、2次真相調査特別委が真相調査報告書を民主労総中央執行委で先に議論 せずに記者会見をして、内容がマスコミに公開されたことを問題にした。

全教組を代表して出たキム・ヒョンジュ全教組首席副委員長は討論文で「記者 会見文の内容が、全教組に関する性暴力隠蔽助長行為を中心に叙述され、全教 組は二次加害集団または性暴力を組織的に隠した最大の加害組織と烙印されて、 その後のすべての矢は全教組に向けられる結果を生んだ」と強調した。キム・ ヒョンジュ首席は「民主労総指導部の辞任以後、この問題の解決に責任を取る ために入った非常対策委は、この事態の全責任を全教組に向け、総連盟を保衛 するために全教組を前に出したもうひとつの組織保衛の態度だった」と特別委 の記者会見を問題にした。

全教組は組織的隠蔽助長という文言にも強く反発する姿を見せた。キム・ヒョ ンジュ首席は組織的隠蔽、組織的隠蔽助長などの用語の混乱を2次真相究明特別 委が作ったと強調した。また特別委が組織的という単語だけを使用して解散し、 混乱をさらに加えたと主張した。

キム・ヒョンジュ首席は「性暴力を認知した時点も異なり、認知した後に当事 者たちがそのためにどんな組織的な議論をしたのかも把握できない状況で、実 際に言及された当事者の行為と『組織的』という表現の程度が果たして適当だっ たのかは問題」と強調した。続いて「被害者の立場や組織の責任をもっとはっ きり認識させる意図であれば、もっと正確な用語を選ぶべきだった」とし「以 後(組織的隠蔽助長)用語で保守言論の集中攻撃はともかく、状況についての情 報が遮断されている組合員と全教組が受け入れるのは過度な表現」とくやしさ を強調した。続いて「真相究明委が提示した『組織的隠蔽』と『組織的隠蔽助 長』の意味の違いは最初きちんと区分されずに組織的隠蔽に統一されて使われ た」とし「性暴力事件の組織的隠蔽が前提になって、全教組の1次性暴力懲戒委 は除名を決めた。またそれを前提として委員長辞任の要求まで受けた」と特別 委報告書を批判した

金首席は2次加害の問題にも「特別委は数人の関連者の行為に懲戒勧告をしても、 特に2次加害と規定していない」とし「2次加害の正しい認識を再考する機会を 組織に与えようとした2次真相調査特別委の意図はきちんと伝わらず、懲戒勧告 を受けた人々だけが2次加害を間違って理解しているというように誤解する状況 を作った」と再度特別委を問題にした。

被害者を支持する会、「露骨でない組織的隠蔽は受け入れてもいいのか?」

だが被害者を支持する会は、真相調査特別委の意味と限界について民主労総の 今後の役割を再度喚起した。支持する会のファン・ミソン被害者代理人は、 「09年4月1日の臨時大会で民主労総が報告書を採択した後の責任は、特別委を 構成して報告書を採択した民主労総にある」とし、民主労総評価報告書(案)で 『真相報告書が積極的な方向の提示と意味の解釈をせず、問題意識を投じただ け』という評価に反論した。ファン・ミソン代理人は「特別委報告書で具体的 な執行経路を提出しなかったのは、組織内外で構成された特別委の役割でなく、 そこで議論が発生したのならそれは何か、それについての民主労総の立場は何 かを明らかにするのが民主労総の役割だ。特別委に責任を転嫁してはいけない」 と指摘した。

性暴力事件の責任として、指導部が総辞職してできた非常対策委が、特別委報 告書の後続措置をきちんと執行できなかったとも評価した。ファン・ミソン代 理人は「特別委報告書の勧告事項を傘下連盟がきちんと執行したかどうかを確 認したり指導する役割を果たせず、事件関連の評価チームを作り評価書を提出 する努力はしたが、合意の形で提出しようとしたため中執の重要成員である全 教組の合意がえられず評価書提出は結局失敗した」と限界を明らかにした。

ファン・ミソン代理人は続いて全教組の組織的隠蔽と組織的隠蔽助長の行為を 区分しようとする試みと、これを受け入れた民主労総評価報告書(案)を批判し た。ファン・ミソン代理人は「 2次真相特別委の報告書は、初め懲戒対象者が 組織的隠蔽行為を行ったと記述したが、全教組の問題提起で彼らの誤りは組織 的隠蔽助長行為だと言い換えて命名した」と指摘した。また「民主労総は評価 書で組織的隠蔽行為の一般的な意味は、事件処理にあたった責任者や指導部が 性暴力事件の事実関係を歪曲したり、被害者に性暴力事件を縮小・隠蔽するこ とを強要することだという。そして今回の事件では、露骨な形の組織的隠蔽行 為はなかったと記述している」とし「露骨な行為の基準はいったい何なのか、 誰のために必要なのか?」と反問した。

ファン・ミソン代理人は「性暴力事件の解決に取り組むべき指導部が、事件の 解決より委員長手配保衛の最小化のためだけに被害者に圧力をかけた点、手配 保衛の最小化のために熱心に対策会議をした人々が、性暴力事件を知っても黙っ ていた点、被害事実を語る被害者に組織の名を出すなどの行為が被害者にどん な苦痛と圧迫を感じさせたのかが一次的な基準でなければならない。『露骨』 かどうかを釈明しても被害者には何の意味もない」と説明した。

続いて「露骨な表面化した組織的隠蔽だけが非難されるべきなのか? 露骨では ない組織的隠蔽は受け入れてもいいという意味なのかを問いたい」とし「評価 書になぜ露骨とそうではない隠蔽行為を分けるのか? こうした区分が、責任逃 れの論理に使われているのではないのか、その行為が誰の利害を代弁するのか は疑問で、これらの行為はやはり組織を保衛する論理だと思う」と非難した。

全教組が提起した二次加害の議論にも「全教組は特別委報告書で2次加害者とは 命名しなかったと主張するが、全教組の性暴力予防規定には加害者に同調した り、事件の縮小・隠蔽・歪曲、被害者を陰湿に攻撃する言語や行動、和解の推 奨などで被害者を困らせるケースなどが含まれ、この規定によれば全教組の懲 戒対象者は2次加害者といえる」と規定した。

ファン代理人は続いて全教組の意見を批判した。全教組が「『組織的隠蔽』は 組織がしたことで、『組織的隠蔽助長』は、組織が迅速かつ正確な解決をでき なくした個人の行為」としたことと、「被害者から見れば、組織のさまざまな 業務を遂行する多くが関連し、組織的に自分の被害を隠そうとしたと誤解する かもしれない」と言ったことに「被害者を誤解する人だと言うようなもの」と 批判した。ファン代理人は「全教組は2次特別委の結果を否定する言葉をはばか らない。特別委の結果を受け入れなかったことによる議論と混乱を作ったのは、 まさに全教組の指導部だ」とし「議論の方向が用語の解釈と懲戒の軽重に進め た混乱は、まさに全教組が作った」と強調した。

「被害者の要求を評価報告書に反映しろ」

ファン・ミソン代理人は民主労総評価報告書(案)について「真相究明特別委が 提示した一番基本的な措置もきちんと履行せず、むしろ勧告事項の履行の過程 で2次加害者たちと民主労総と傘下連盟は、きちんと責任を取る態度を見せなかっ た点、被害者中心主義に立脚した事件解決の基本的な措置が履行されなかった ため、被害生存者はまた苦しめられた点は、必ず評価されなければならない」 とし「この過程で被害者と支持する会の要求が積極的に提示されたが、これに ついての収斂や約束の不履行、事件解決の全過程で被害者の権利が保障されな かった点は、積極的に評価に反映されなければならない」と要求した。

また「真相調査委員会を構成し、組織的な議論で処理された事件だが、『治癒』 と被害者中心主義という観点から見れば、正しく処理されなかった」「その核 心的な問題は、加害者、2次加害者の本当の謝罪と反省を引き出せなかった点だ。 民主労総が加害者処理、2次加害をめぐる議論、代議員大会決定事項と執行の過 程で、被害者中心主義に立脚した処理ができなかった。したがって民主労総は 事件の処理と解決に失敗した」と評価した。

ファン・ミソン代理人は主な争点である二次加害と組織的隠蔽の議論の他にも、 民主労総評価報告書(案)の役員総辞職が慣行になったという評価にも「責任逃 れのために慣行のように総辞職を選択したのは問題だが、今回の事件で民主労 総の求心力を回復し、透明な事件解決の意志を示すために総辞職は適切な判断 だったと言える。また今回の性暴力事件は委員長の逃避と深い関連があり、辞 任した執行部に加害者含まれているので総辞職は避けられなかった」と反論した。

ファン代理人は最後に民主労総が評価報告書(案)に貼付した経過報告に被害者 が全教組に問題提起した主な日程と支持する会の主な日程などを追加すること を要請した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。

「民主労総、ストライキ手配は法院を批判し、性暴力は法院を尊重」

[民主労総討論会]性暴力相談所ポッチャン氏、「二次加害と組織保衛論を糾明した特別委の決定は無理ではない」

キム・ヨンウク記者2010.09.19 06:55

韓国性暴力相談所のポッチャン活動家が民主労総討論会で、「普段(機械的)公 平でなく、弱者の側に立って支持することが客観的だと主張している民主労総 が、なぜ被害者中心主義は受け入れず、なぜ被害者側に立たないのか、おかし な現象」と直撃弾を飛ばした。

民主労総は9月17日、「性暴力被害者の傷を治癒し民主労総内部の誤った組織文 化を革新するために努力したが、内外の事情で2年以上決着をつけられなかった。 10月5日の臨時代議員大会を前に、民主労総中央執行部が責任を持ってこの問題 の正しい評価と再発防止、新しい組織文化定着のための討論会を関連当事者と 共に開催する」と民主労総金某性暴力事件評価討論会を開いた。この討論会に 討論者として参加したポッチャン活動家は、『組織保衛論に対する民主労総内 部の合意水準を高めることが必要だ」と民主労総と全教組が組織保衛論と二次 加害の議論を起こす点を強く批判した。

ポッチャン活動家は「民主労総性暴力事件が発生して2年も経って評価する。こ のように評価報告書を採択し、代議員大会が終われば解決単位は事件が終わっ たという気持ちで、楽で気分が良いだろうが、その後、被害者は多くの虚脱感 を訴える。他の人々が終わらる時、一人で始めなければならない部分が生じる」 と討論を始めた。

「社会的弱者側に立った客観性が、性暴力の被害者には持てない民主労総」

ポッチャン活動家は民主労総の中での被害者中心主義をめぐる議論にまず話題 を投じた。ポッチャン活動家は「性暴力事件で被害者中心主義の原則で事件を 解決するのは今や誰にも常識だ」とし「それでも被害者中心主義の議論が終わ らないのは、それぞれの主張が相互に対立する時、第三者の立場で判断すると いう形の(実証主義的)客観性が公平無私だと思われており、性暴力被害者の言 葉だけを聞くのは偏狭ではないかという深く位置しているため」と指摘した。

ポッチャン活動家は「民主労総は誰よりも社会的弱者の党派性を強く主張し、 公平無私ではなく社会的な弱者の立場を支持することが客観的だと主張してき た組織だ。ところが被害者中心主義はなぜ受け入れないのか、おかしな現象だ と思う」と指摘した。続いて「民主労総は党派性を主張するのに、性暴力問題 だけは無事公平な第三者を自任し、なぜ被害者の側に立たないのか」と問いか け、「ストライキで手配されれば国家の判断を絶対に信じず有罪と言われても 間違っていないという組織が民主労総なのに、性暴力問題が発生すれば国家の 判断を信頼する。本当に変だ」と皮肉った。

ポッチャン活動家はまた「性暴力加害者は組織内部の規約を破り、懲戒を受け る者も出ても、法院で無罪になると加害者は寃罪だと言って同情論が出て加害 者の顔色を見ることが多い」とし「法院が無罪にするのは罪がないからではな く、裁判官の観点が問題だったり性暴力事件の特性上、証拠が足りず無罪にな るなのに、法院を認める。民主労総も法万能主義に陥って残念だ。被害者中心 主義に対する私の初めての話題だ」と説明した。

「2次加害と思って性暴力事件を申告しないのは常識的におかしな論理」

続いて今回の事態の核心の議論の一つである『全教組二次加害者たちの行為が 2次加害かどうか』の議論には、「被害者が助けを要請した現場目撃者が性暴力 の事実を口外すること自体が2次加害だと思ったとし、性暴力事件を申告しない のは、一般の社会常識から見ても非常におかしい」と明らかにした。ポッチャ ン活動家は「誰か性暴力に露された状況で助けてくれと言っても被害者の同意 なく警察に申告すれば『被害者が恥かしくないか』というのは被害者の苦痛を 無視し、自分の安全と危機だけを心配する事なかれ主義」と批判した。

この日の討論会で全教組のキム・ヒョンジュ首席副委員長は、2次加害問題をめ ぐり「民主労総2次真相究明特別委は数人の関連者の行為に懲戒勧告をしつつ、 別に2次加害とは規定せずにいる」とし「2次加害の正しい認識を考え直す機会 を組織に与えようとした2次真相調査特別委の意図はきちんと伝わらず、懲戒勧 告を受けた人々だけが2次加害について間違って理解しているという形で誤解さ せる状況を作った」と特別委の決定を問題にした。

これに対してポッチャン活動家は「今回の事件では懲戒対象者になった人は、 他人ではなく被害者と共に委員長手配保衛の責任を持ち、誰より被害者が個人 的に信頼していた人だったという点で衝撃的」とし「この問題は2次加害の概念 とは別に、人間の道理の問題」と非難した。

ポッチャン活動家は民主労総の性平等未来委員会が発刊した民主労総幹部を対 象に2次加害概念行為を調べた結果を細かく分析して、この事件の二次加害につ いて検証した。これは全教組が『民主労総2次性暴力真相調査特別委の報告書で 二次加害とはっきり命名しなかった』と二次加害議論を呼んだ点について組織 保衛論と二次加害の関連性をはっきりさせるという論理を上げた。

ポッチャン活動家は「二次加害について男女(幹部)共に組織保衛論が2次加害に 当たるという認識(87.3%)を持ち、組織保衛論を押し出して、2次加害を根絶す べきだとい合意を導く過程はかなり易しいと見られる」指摘した。

ポッチャン活動家は「今回の金某性暴力事件で2次加害と組織的隠蔽について問 題になった、△組織の状況をあげて、被害者に心理的負担を与える行為、△急 迫した情勢条件を理由に解決を遅らせる行為、△責任ある幹部が性暴力事件を 知っても何の対応もしなかった行為などについて民主労総幹部の過半数以上が 組織保衛論と認識しているのなら、2次真相究明特別委をはじめとする民主労総 の解決過程はそんなに無理な決定だと思わない」と分析した。

また「民主労総は2次加害を罰する確信があり、組織保衛論の問題にも確信があ るのに、何が組織保衛なのか議論がある。2次加害に当たる組織保衛論があれば 罰するのが原則だ。ところがそれが二次加害なのかどうかよくわからないとい うのが民主労総の状況」と診断し「組織保衛論を明確に判断する規約の整備と 真相調査委員会の水準と力量強化が必要だ」と提言した。

「被害者の要求から尋ねずに心から共感しろ」

一方、討論の過程で民主労総に所属する二次加害者たちの教育で1人が中断して いる状態についてポッチャン活動家は「性暴力相談所が民主労総の2次加害者の 1人の教育を断っている」と述べ目を引いた。ポッチャン活動家は「性暴力事件 を反省しない組織の加害者教育をするのは相談所にとっても苦しい」と述べた。 また事件解決の提言で、被害者と組織が信頼を作る過程の重要性を強調した。 ポッチャン活動家は「今回の事件のようにすると解決が長びく。組織がますま す粘るので被害者が強く出て行って被害者だけ苦しくなる」とし「事件の解決 をすると言って被害者の気持も調べず『君の要求は何か』という冷たい事件処 理をしようとするだけだ。被害者の話を聞き、被害者と共感することが重要だ」 と説明した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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