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女性差別、排除も性的暴力であることを認識せよ

性平等未来委員会、民主労総反性暴力運動討論会

キム・ヨンウク記者 batblue@jinbo.net / 2009年11月27日0時56分

民主労総の金某全組織強化委員長の性暴力事件が発生してから12月5日には1年 になる。この事件の真相を調べた真相究明特別委員会は、性平等未来委員会の 設置を民主労総に勧告した。そうして作られた民主労総性平等未来委員会が初 の討論会を開いた。性平等未来委員会は11月25日、民主労総1階会議室で『民主 労総内の性暴力、解決不可能な課題か?』という討論会を開き、民主労総内の反 性暴力運動の現住所を探り、課題を議論した。

討論会の前の挨拶で、民主労総のイム・ソンギュ委員長は「性暴力事件を契機 に私たちの性平等認識と性差別問題の深刻性を知った」とし「今日の討論会が 民主労総組合員の基本的な見地の基礎になる契機になることを望む」と述べた。

基調発表をしたソウル大学校女性研究所のオム・ヘジン専任研究員は、100人委 運動の展開と性格を通じ『運動社会反性暴力運動の歴史と意義』を概観した。 オム・ヘジン研究員は「99年民主労総がメーデーの時に男性労働者を家族扶養 者であり闘争の主体として、女性を依存者として構成する家族賃金制の神話を 反映したポスター配布中断の掲示板デモが行われたのに、このうち一部の女性 活動家が『運動社会内の家父長性と権威主義撤廃のための女性活動家の会 (actwo)』を作り、この会が『運動社会内性暴力根絶する100人委(100人委)』の 主軸になった」と述べた。

100人委は、2000年12月に進歩ネットワーク・チャムセサン共同体掲示板に16件 の運動社会性暴力事件と加害者実名を公開し、大きな波紋を呼んだ。オム・ヘ ジン研究員は100人委の事件公開が波紋を呼んだ理由として、△加害者の実名公 開という特有の方式、△被害者中心主義に対する積極的な解釈、△性暴力概念 の拡張にあると明らかにした。

オム・ヘジン研究員は「既存と異なる性暴力概念で同じ活動空間内の密な関係 を利用した性暴力、男性中心的な文化の延長で表れる性暴力、運動の大義と権 力を利用した性暴力、被害者をさらに深刻に傷つける2次加害などに性暴力を分 類し、運動社会で女性たちが経験する行為の政治的な意味を重要な基準とした」 と評価した。

オム・ヘジン研究員は「100人委のこうした性暴力概念は、単に項目を追加した り拡張するためではなく、運動社会という共同体に根深く形成されている男性 中心的な運動構造と文化を説明する言語的資源と見られる」と説明した。

民主労総も当時100人委の批判から自由でなかった。オム研究員は「100人委が 公開した加害者リストに含まれた民主労総のある指導部級の人物が物議をかも したことに対する謝罪を発表した直後、選出職幹部に立候補し、また当選した ことで、民主労総外の女性活動家から激しく批判された」と述べた。

100人委の活動以後、民主労総にも変化はあった。オム・ヘジン研究員は 「2002年に発生したセクハラ事件を民主労総が正しい解決を要求され、加害活 動家に活動停止3年という例のない重懲戒をし、変化の意志を示した」と述べた。

しかしオム・ヘジン研究員は10数年前からあった活動であるにもかかわらず、 性暴力への認識の転換と解釈闘争は足踏み状態だと診断した。100人委の談論に は性暴力事件の多様性と被害女性の経験の差異が空白として残され、この多様 性と差異が十分に解釈されるべき時になったと指摘する。

オム・ヘジン研究員は「『全てが性暴力でありうる』という前提を強固にする のではなく、経験とそれに対する解釈の差異を意味化する政治の場を形成して、 絶えず介入することが必要だ」と強調した。

性暴力事件解決主体性別化、労働運動離れることも

続いて討論をした全国事務金融労働組合連盟のキム・グムスク女性局長は、 「民主労総内部には100人委の後、性暴力運動に対する蓄積された内容がない」 とし「性暴力が反復・持続する部分に共感が必要で、事件が反復され持続する 原因をどう見るかに焦点を合わせなければならない」と主張した。キム・グム スク局長は「民主労総に反性暴力運動の歴史が蓄積されない理由は、事件を先 頭に立って担当した人々が安定した業務ができずに消えることが一二度ではな いため」とし「性暴力事件の解決過程自体が性別化されており、批判の主体と 批判に対して防御する主体間の性別化問題が発生し、批判の主体が労働運動を 離れなければならない状況が発生してきた」と指摘した。キム・グムスク局長 は「反復的に現れる政派の論理と陰謀説、組織保衛論、被害者中心主義、2次加 害などの争点に関する深い省察と討論が必要だ」と明らかにした。

金属労組のチョン・ユリム女性部長は「性暴力根絶のための多くの努力の帰結 が明文化された規定が、現在運動の爆発性を遮っているという指摘もある」と し「沈黙が正しい方法と見なされる2次加害の議論や、事件発生で、私たちの現 実を点検する方式をやめなければならない」と指摘した。

反性暴力運動関連の事件への基本原則と処理過程をたてよ

第2部の民主労総反性暴力運動の争点と診断では、民主労総ソウル本部のパク・ スンヒ首席副本部長が民主労総の課題を発表した。パク・スンヒ首席副本部長 は、性暴力事件解決過程のジレンマを三つの問題意識に要約した。

まずパク・スンヒ首席副本部長は、△民主労総が過去の事件を通して一定の原 則とマニュアルを積み重ねることができず、技術的な能力の不足、△加害者ま たは加害者が属する組織の本当の解決に努力する姿勢がない、△客観的で合理 的な処理のためにきめ細かい原則と過程への再設計の必要などを上げた。

朴首席副本部長は「反性暴力運動関連事件に対する基本原則と処理過程をたて、 規約の整備以上に性別化された社会、性的差別により利益を得て沈黙してきた 男性が、今後、なぜ女性の権利も尊重されるべきかを振り返り、共同で戦うこ とで、労組での女性運動は女性解放運動として新らしく出発できる」と明らか にした。

女性への差別、排除、抑圧も性的暴力であることを認識せよ

社会進歩連帯のチョン・ジヨン女性委員長は、「民主労総の多くの男性組合員 も、家族と職場、日常生活がすべて性別分業と女性差別的な文化を普遍的に認 識している」と指摘した。チョン・ジヨン女性委員長は「性暴力は女性への抑 圧、差別、排除を続ける文化、慣行、構造、日常に基づいて形成される」とし 「この問題は被害者-加害者だけの問題ではなく、共同体の革新と改造の努力が 同時に達成されるべき問題だと反性暴力運動は指摘してきた」と付け加えた。

チョン・ジヨン委員長は、性暴力事件の規定に関する争点を紹介しながら、非 正規職女性労働者を闘争の過程で『おばさん』と呼んで馬鹿にした事件を性暴 力事件として公式に受け付けた例を紹介した。チョン委員長は「加害者の反応 は、仲間を『おばさん』と呼んで闘争の主導権を剥奪した行為が性暴力事件と して起訴され、自分を強姦犯と同じ破廉恥犯として取り扱ったとして強い拒否 感を示した」とし「こうした反応は、性暴力を単に性的暴力に関する事件だけ に限定して理解していることを示す」と指摘した。

チョン・ジヨン女性委員長は、「『おばさん』事件が性暴力を媒介したのでは ないが、女性の排除と暴力を加害者が性暴力と認めないことが問題」とし「男 性が性暴力概念を狭く受けとめ、女性への暴力を性暴力と認識しないために、 女性たちが事件として提起するほかはない」と述べた。女性たちがこうした文 化を重く制止しても受け入れられないので、性暴力事件として処理される悪循 環が繰り返されるということだ。

チョン委員長は「全てを事件化しようというのではなく、性暴力を広く見よう という話」とし「女性への暴力も大きな問題だという認識が民主労総に集めら れなければならない」と指摘した。

公共運輸連盟公共労組のカン・ヘヒョン教宣室長は「被害者が被害を克服でき る、加害者が被害者に心から謝罪できる、そして組織構成員が被害事実に共感 できる組織なら、どんな状況でも被害者は生き残れる」とし「個人が生きてこ そ組織が生きる」と強調した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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