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非正規職女性労働者と共に夢見る夢、そして現実

[3・8 100周年] 100周年3・8国際女性デーを女性解放の日に!

ムン・ソルィ(撤廃連帯教育部長)/ 2008年03月05日15時10分

食事もさびしい非正規職女性労働者

保育教師A氏は子供たちが残したおやつでも食べようとすれば院長の表情を伺わ なければならない。区立子供の家の保育教師食事費は一食あたり1千ウォンだと、 耳にたこが出来るほど、院長が話してきたからだ。時には何かを食べるたびに 顔色を伺う自分の姿がさびしくなるほどだ。食事だけだろうか。子供の家には 成人用便器が一つの階に一つずつあるかどうかで、まともにトイレに行くのも 苦役だ。一時も子供たちから目を離せず、我を忘れるほど忙しい労働条件で、 別の階のトイレに行くのは容易でないためだ。急いで乳児用便器で用を足すの が日常になり、保育教師たちはもう成人用便器で用を足すとぎこちないと冗談 ではない冗談をやり取りするのだ。

こんな姿は保育労働者A氏だけの問題ではない。一日24時間の労働で、せいぜい 5万ウォンの境遇では、病院の食堂の食事はとても高く、家で冷凍してきたご飯 を解凍して食事を間に合わせる看病労働者、長く並んでいる顧客に親切奉仕を するおかげでトイレにも行けず、膀胱炎が職業病になってしまったニューコ ア-イーランドのレジ労働者...食事さえ佗びしいのが韓国の非正規職女性労働 者の現実であり、最も基本的な問題さえ顔色を伺って許しを得なければならな いのが非正規職女性労働者の境遇だ。

つらいのになぜ働くのか?

▲チャムセサン資料写真

このように、女性として、非正規職として働くのは大変だが、なぜ彼女たちは 働くのか? ある者は、間違って夫を選んだ不幸な運命のためと言い、ある者は 非正規職は職場と家庭を両立させなければならない女性に適する女性親和的雇 用だが、まだ韓国社会の労働市場が硬直しているので非正規職雇用がきちんと 定着していないからだと言う。

本当にそうだろうか? しかし自分の手で正直に稼いだ金で子供たちを心配する こと亡く育てられることで充実感を感じるというニューコア非正規職労働者B氏、 非正規職でない正規職になって、もっと安定して働けるようになれば良いとい う学校非正規職労働者C氏には、上の理由は該当事項ではないようだ。B氏とC氏 だけでなく、韓国のほとんどの女性労働者にとって、女がいい夫に巡り会えて 楽に暮せればいいという言葉は、王女は王子に会って幸せに暮らしましたとい う童話の中の話のようなものだ。女でも男でも、自分の身ひとつ自分で管理で きなければ、ちゃんと暮せないという事実を、正直に生きてきた彼女たちはみ んな知っているからだ。正規職より非正規職が女性親和的雇用という言葉も、 皆の嘲笑を買うだけの嘘に過ぎない。

結局、問題は彼女たちが働くことにあるのではなく、働いてまちもな生活を生 きがいを感じるよりは、人格的に冒とくされ、労働搾取にあう社会構造にある。 女は家で育児と夫の世話するのが当然、外で働くのはだめだという偏見も、職 場と家庭を両立させなければならないので非正規職形態の雇用が適していると いう固定観念も、夫も稼ぐのだから女たちは賃金が少なくてもいいという通念 などが問題である。そしてこうした偏見と固定観念、誤った通念とともに、女 性の低賃金・不安定労働を拡大・深化させる新自由主義は、寄生虫のように大 きくなりつつある。

非正規職撤廃!女性労働権争奪!
100周年3・8国際女性デーを女性解放の日に!

保育労働者のA氏は、韓国社会で『男は1等国民、女は2等国民、保育教師は3等 国民』だと言う。それだけ韓国の非正規職女性労働者は、女性だという理由で、 非正規職だという理由で、二重三重の差別と抑圧に苦しんでいるということだ。 同じ人間なのに、世の中を動かす労働者なのに、なぜ誰かは2等で誰かは3等な のか? このような矛盾した現実を解決するには、誰も2等国民、3等国民でない こともある、つまりすべての人が人間らしい扱いを受け、すべての労働者が労 働者として堂々と生きていける世の中を作らなければならないだろう。

新しい世の中は、今から100年前、女性も人間だと、殺人的な低賃金と長時間労 働では暮せないと、女性も市民だと、政治的な権利が奪われたまま生きていく ことはできないと叫びながら、勇敢に道路に出た女性労働者が見た夢だ。一人 で夢見る夢は夢でしかないが、多くの人々が一緒に見る夢は現実になる。100年 前に戦った女性労働者たちがいて、彼女たちを記憶しながら、戦いを続けてい く今日の私たちがいるから、女性をはじめとするすべての人間が、労働者が、 堂々と幸せに暮らせる解放の世の中は、単に夢だけであるはずがない。

▲ 新しい世の中は今から100年前、女性も人間だと、殺人的な低賃金と長時間労働では住めないと、女性も市民だと、政治的な権利が奪われたまま生きていくことはできないと叫びながら、勇敢に道路に出た女性労働者たちも見た夢だ。/チャムセサン資料写真

女性非正規職を深める非正規悪法廃棄! 外注委託化阻止、正規職化争奪! 女性 の非正規労働を固定する無期契約制、分離職群制反対! 社会サービス労働者の 労働権確保! 社会サービス公共性争奪! 最低賃金現実化、生活賃金争奪! 移住 女性の労働権、市民権保障! 女性の貧困、不安定労働を拡大するFTA反対! 女性 の暮らしを悪化させる米国の対テロ戦争反対、韓国軍派兵反対!...

非正規職女性労働者をはじめとする闘争する女性たちの声は、今日も韓国社会 のあちこちで、全世界のあちこちで鳴り響き、広がっている。今までの世の中 とは違うもうひとつの世の中のために先頭に立つ彼女たちと連帯することは、 女性であれ男性であれ、非正規職であれ正規職であれ、定住労働者であれ移住 労働者であれ、みんながともにすることだ。共に抵抗して共に連帯しよう! そ して新しい世の中を作ろう! 100年前、私たちと同じ夢を見た女性労働者たちを 記憶しながら!

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-03-08 01:58:34 / Last modified on 2008-03-08 01:58:37 Copyright: Default

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