韓国:労災判定、容易になった | |||||||
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労災判定、容易になったユ・ヒョンソク公益訴訟基金支援訴訟に勝訴
ペ・ソンヨン記者 2015.08.21 14:06
労働者が業務によって病気にかかったり死亡した時、 立証責任を遺族に負わせてきたこれまでと違い、 厳しい作業環境と管理水準などを考慮した判決が出された。 8月12日、ソウル行政法院は現代重工の社内下請業者で、 ペンキやシンナーを回収・廃棄する作業をして死亡したキム某氏の遺族が勤労福祉公団を相手に出した訴訟で原告の主張を認めた。 ▲2012年鍾路普信閣で開かれた4.28世界労災死亡労働者追慕祭[出処:www.flickr.com 参与連帯] カトリック人権委員会は8月19日、この判決は 「故人の業務と発病および死亡の間の因果関係についての立証責任を過度に遺族に負わせてきた他の先例と違い、 劣悪な作業環境と韓国の有害物質管理の水準を総合的に考慮した」と発表した。 この訴訟はカトリック人権委員会のユ・ヒョンソク公益訴訟基金で行われた。 この基金は2009年に人権弁護士だったユ弁護士の遺族が故人の意向を受け継ぎ、 人権を侵害されても法の保護が受けられない人のための公益訴訟の費用を払う。 キム某氏は、1992年から現代重工のいろいろな社内下請業者で船舶のペイント作業に使うベンゼン成分を含むペンキ、シンナーなどを廃棄物収集所に運び、 残っていたペンキなどを廃棄用ドラム缶に入れる作業を行っていたが、 2002年10月に多発性骨髄腫の診断を受けた。 その後も同じような作業環境で働き同じ病気で腎臓を損傷し、 2011年10月に慢性腎不全による心臓まひで死んだ。 カトリック人権委は「作業中にキム氏は残留物が残らないように素手でペンキなどに触ったりもした。 廃棄物収集所は半分しか開放されず、ガスが残っていたが、 専用の保護装具や換気設備はなかった」と明らかにした。 キム氏の遺族は業務上、長期間有害物質に露出して病気にかかり死亡したとし、 勤労福祉公団に遺族給与および葬儀費の支払いを請求したが、 公団はこれを拒否した。 遺族は2013年8月、公団を相手に訴訟を出し、今回勝訴したのだ。 裁判の過程で公団は、2010年下半期と2011年上半期に社内下請業者5か所の作業環境を測定した結果を提示し、 キム氏の工程では基準値を超過する有害物質が出てこなかったと主張した。 しかし裁判所は「わが国は2003年度まで産業現場でのベンゼン濃度の規制を10ppm以下と非常に緩く規制していたので、 故人が当時働いていた事業場でも現在の基準値の1ppmを超える水準のベンゼン濃度が維持されたと見ても無理ではない」と判断した。 また公団はキム氏の最初の診断時点が、入社から1年6か月程度だったという理由で、 業務と発病の関係を否定した。 しかし裁判所は、死亡した当時の事業場だけでなく、前の事業場で行った業務も含めるべきだと指摘した。 キム氏は1992年から現代重工の社内下請労働者として同じ場所で同じ仕事をし、 この間、下請企業は何度も変わった。 40代未満の多発性骨髄種患者は全体の2パーセントに過ぎないが、 キム氏が初めて病気の診断を受けた時は38歳だった。 裁判所はキム氏がベンゼンに長い間露出したことが発病に影響したと判断した。 カトリック人権委は「今回の判決が造船業界、特に現代重工に蔓延する社内下請労働者の死に警鐘を鳴らす契機にならなければならない」と強調した。 人権委は、企業人権ネットワークなどが作った「現代重工の労災発生に関する意見書」を引用し、 現代重工では2014年に13人の社内下請労働者が死亡しており、 これは2000年以来一番多いと明らかにした。 続いて人権委は「現代重工は、労災事故が減ったという理由で2009年から2013年までに1000億ウォン近い労災保険料の割引を受けた」とし 「元請が労災発生の可能性が高い作業を意図的に下請企業に出し、 自分たちの労災発生率を減らす『危険の外注化』が進んでいる」と指摘した。 人権委はまた「社内下請労働者の現場は元請の事業場なので、 零細な下請企業では作業環境を改善する余地も意志も下がる」とし 「社内下請労働者は構造的に死亡事故の可能性が高い環境にいる」と指摘した。 最後に人権委は「労災予防と事故後の責任の法的問題を下請企業に押し付ける社内下請制度と労働者の健康権は両立できない」とし 「本当の社長が責任を取るべきだ」と主張した。(記事提携=チグミョギ) 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2015-08-25 10:38:14 / Last modified on 2015-08-25 10:38:15 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |