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ハンビット原発死亡事故、「不法派遣」のため…死んでも差別

安全施設、教育が不備だった現場...「不法派遣」是正もハ歳月

ユン・ジヨン記者 2014.01.13 17:55

1月6日に発生した全南霊光のハンビット原発放水路死亡事故は、多段階不法下請けと安全施設不備による「人災」だという声が広がっているが、対策が立てられず議論が続いている。

去る1月6日午前、韓電KPS職員のキム某氏(55歳)とD請負業者に所属する非正規職 労働者のムン某氏(35歳)がハンビット原発冷却水放水路での潜水作業で死亡する 事故が発生した。このうちムン氏は潜水員ではなく補助員で、潜水の研修を 受けたことがないのに放水路に入り、被害に遭ったと知らされた。

特にムン氏はゴーグルや潜水服も着用せず、安全靴と作業服を着ただけで酸素 ホースを持って入水したことがわかり、元請の指示があったのかと共に、元請 の安全指針不備議論が問題になっていた。

安全施設、教育が不備だった現場...死んでも非正規職差別か

事故の後、公共非正規職労働組合は、韓水原と韓電KPS側に対して真相究明と 責任者処罰、再発防止対策樹立などを要求しているが問題は解決せず対立が 続いている。死亡したムン氏は、韓電KPSの正規職職員ではないため補償でも 差別される可能性があり、憂慮の声があがっている。

公共非正規職労組のパク・ソンチョル全南支部長は「まだ遺族への補償も確定 していない。特に韓電KPS正規職なら、団体協約に補償問題もあるが、ムン氏は 請負業者のD会社に所属する非正規職なので途方もない差別があると予想される」 とし「労組側ではKPS職員と差別せず補償しろと要求している」と説明した。

事故発生以後、労組側では元請のKPS職員の指示もなくムン氏が入水できる構造 ではないとし、元請の作業指示の疑惑を提起してきた。朴支部長は「潜水経験 もなく補助をしていたムン氏が水に入ったのは、元請が指示をしたとしか思え ない」とし「だが元請や韓水原ははやく遺族と合意して、事件を終わらせよう とするだけで、労組や対策委との対話に出てこない」と批判した。

特に事故当時、元請の安全指針と安全施設が不備で、D業者の安全教育も行なわ れず、ムン氏の救助作業に対する中断措置も取らず元請・下請の安全不注意の 問題が提起された。

また労組は「死亡事故が起きると、韓水原とKPSは死亡者の不注意で溺死したと 主張するだけで、労働部と警察もまだ事実をきちんと把握できずにいる」とし 「早く真相究明をしろ」と要求した。現在、光州地方雇用労働庁はハンビット 原発5号機の整備業務の全面的な中止を指示して調査を続けている。

労組は「安全施設と指針、教育と措置がなかったために発生した事故なので、 責任者を処罰しなければならず、労組は再発防止の対策を要求している」と明 らかにした。

ハンビット原発死亡事故、「多段階不法下請け」のため

今回のハンビット原発死亡事故のさらに根本的な原因は「多段階不法下請け」 にあるという声も高まっている。

現在、韓国水力原子力は発電設備の維持、保守業務は韓電KPSが担当している。 だが韓電KPSは1990年代後半から民営化の対象に指定され、整備業務の外注化を 続けてきた。死亡したムン氏が所属した請負業者D会社も韓電KPSと請負契約を 結んでいる。

だが労組と市民社会団体はムン氏の作業場をはじめ、原子力産業のほとんどで 請負を偽装した不法派遣が横行していると批判してきた。ムン氏が死亡した時 も、彼はD業者ではなく元請から作業指示を受けて働いていたことが分かった。

労組は「韓電KPSがD業者と請負契約を結んだが、まともな請負ではなく、韓電 KPS職員の指示を受けて働いていたため、不法派遣」とし「労働部浦項支庁は、 同じ業務をしている月城原発を不法派遣と認定し、是正命令をした」と説明した。

実際に月城原発内の整備保守業務をする用役労働者たちは韓電KPSを不法派遣で 告訴し、雇用労働部浦項支庁は12月30日に不法派遣を認め、1月23日までに是正 することを命令した。労組は「それでも十数年間派遣法を違反してきた韓電 KPSは、謝罪どころか1月23日までに履行すべき責任ある措置は何も施行していない」 と批判した。

エネルギー労働社会ネットワークも13日に声明書を発表し「2013年基準原子力 整備分野の下請企業の数はほぼ200社に達する。数千人の下請企業労働者は、 きちんとした技術教育、安全教育も受けられないまま、危険な業務に低賃金で 投入されている」とし「今回の冷却水放水路業務でも安全規則遵守は守られず、 水泳もできない労働者を潜水業務に投入したことからみて、今も多くの労働者が 劣悪な作業環境と途方もない危険に露出しているのは明らかだ」と強調した。

続いて「原子力をはじめ発電、ガス、鉄道など国民の人生と直結したそれぞれ の公的空間の効率化やコスト削減が事実上、アウトソーシング、外注化、無分別な 競争を通じ、安全の失踪につながっている」とし「今回の事故を契機に安全問題、 安全の外注化および私有化に対する根本的な対策用意が必要だ」と明らかにした。

一方公共非正規職労組に所属する蔚珍や月城などの原子力労働者は真相究明と 責任者処罰、再発防止対策を要求し、毎日昼食集会を進めている。1月14日には 月城、蔚珍、霊光軽整備用役労働者200余人がソウル韓電前で上京闘争を行う計画だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-01-14 07:37:17 / Last modified on 2014-01-14 07:37:17 Copyright: Default

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