韓国:現代重工下請労働者、怪我をすれば「荷物」 | |||||||
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現代重工下請労働者、怪我をすれば「荷物」「労災申請したくてもできない」...73.2%
ユン・テウ記者 2015.05.13 19:20
▲キム・シハン氏が患者服を着てかろうじて階段を上がっている。[出処:蔚山ジャーナル ユン・テウ記者] 「あらゆる悲しさを味わいます。労災にあえば」。 階段を上がる足取りが不安だ。 階段を登る足がぶるぶる震える。 キム・シハン(40代後半、仮名)氏は一か月前に作業場で工具を使っていた。 その瞬間、キム氏の横にあった鉄柱が倒れて座っていたキム氏に当たった。 キム氏は1か月間、患者服を着ている。 キム氏の背を触ると塊りに触れる。 皮膚が破れてできた傷だ。 キム氏の背中には血が凝固してできたこぶがある。 鉄柱を縛らなかったことで起きた人災だ。 キム氏の妻はその日、食堂で仕事をしていた。 午後になって、夫が電話をかけてきた。 涙が出た。 すぐ食堂を閉めて病院に向かった。 背も高くがっしりした夫が患者服を着て横になっていた。 夫は動くこともできず、ただ痛いと言った。 キム氏はその日、妻が何の話をしたのか覚えていない。 思い出したくない。 妻はずっと涙を流していた。 キム氏は一月、病院でさまざまな「悲しいこと」を体験した。 キム氏が数十日入院しているのに会社からは何の言葉もなかった。 キム氏はすぐ医療費をどうするのか、生計費はどうすればいいのか分からなかった。 「とてもいらいらしました。気が狂いそうです」。 会社の総務は何度もキム氏のところに来て安否だけ尋ねて行った。 総務は誰がキム氏を訪ねてくるのか見守って行くこともあった。 会社はその日の午後、キム氏をA病院に移した。 会社の指定病院だった。 MRI一つない病院だった。 キム氏は肉が裂けるように痛かった。 A病院の医師は「絶対安静にしていろ」という言葉ばかり何日も言い続けた。 「看護師がリンゲルを数えたのかどうかもわからず、右往左往しました」。 キム氏は不安だった。自ら病院を移さなければならなかった。 キム氏は移動した病院で1か月入院した。 2週間は動けなかった。 トイレにも行けなかった。 妻と高等学校に通う息子が小便の世話をした。 それでも小便は横になった状態で尿瓶にすることができた。 大便はする方法はなかった。 キム氏は2週間、大便をしなかった。 「ご飯も食べられなかった。怖くて」。 キム氏は大便が出るかと思って不安で、2週間、ご飯もきちんと食べなかった。 キム氏が怪我をすると、会社はキム氏を捨てるようにした。 キム氏は1か月がすぎて自分で労働災害申請をした。 その時初めて会社が口を開いた。 「労災を申請しないでください。何をして差し上げましょうか」。 1か月たって会社が言い出した労災の話だ。 「労災申請を決めました」。 キム氏が断固として言うと、総務は声が変わった。 キム氏は荷物にでもなったようで佗びしい。 キム氏は現代重工で10年働いてきた下請労働者だ。 現代重工労働組合と民主労総全国金属労働組合現代重工社内下請支会は、 2014年3月に現代重工社内下請労働者を対象として実態調査を行った。 この実態調査の結果によれば、下請労働者1520人のうち19.2%が最近3年間、病院で治療を受けた。 しかし労災処理をしたのは403人のうち3.7%しかなかった。43.7%が公傷処理で、50.4%は個人の費用で処理した。 下請労働者のほとんどは不利益を恐れて労災申請をできない。 現代重工元下請労組が現代重工下請労働者1050人を対象として行った実態調査の結果、 労災処理をしない理由について50.9%が不利益が恐ろしかったためだと答えた。 労災申請をすると解雇されたり業者が偽装廃業され、自分の名前がブラックリストに載り、 再就職が難しくなることを恐れているのだ。22.3%は元請の圧力で業者が公傷処理を強要すると答えた。 何と73.2%がやむを得ず労災申請しなかったと答えたのだ。 蔚山労災追放運動連合のヒョン・ミヒャン事務局長は 「下請企業が労災を隠す理由はいろいろある。 労働部の監査を避けるために労災隠しをしたり、労務管理次元で隠したりもする」と言う。 多数の労災が発生すれば、労働部が該当業者を対象に監査をするが、 安全管理関連法違反事項が摘発されれば過怠金を払わなければならない。 ヒョン・ミヒャン事務局長は「下請労働者の命とからだを軽視する風潮も、 労災を隠すのに影響している」と批判した。 しかし労災が隠蔽されると、経済的にも身体的にも個人の負担は重くなる。 ヒョン・ミヒャン事務長は「労災処理すると、相対的に療養期間が長い。 公傷や個人費用で治療すれば、完全に体調が回復しない状態で働くということだ。 労災処理しなければ、労働者の健康状態はさらに悪化する」と憂慮した。 実際に労災事故発生時の治療期間は、労災処理時は22.8週、公傷処理時と個人費用で処理した時は5.5週と5.1週だった(労働者健康権対策委員会、釜山/蔚山/慶南労災隠し実態報告書、2012)。 ヒョン事務長は労災処理をしなければ、再発や後遺症が出ても労災保護(再療養)が受けられない」と付け加えた。 労災処理をしなければ労災事故は減らない。 問題が改善されず、同じ事故が再発するのだ。 ヒョン事務長は「労災申請の件数は労働部の産業安全政策にも影響する。 そのため労災処理の件数が事実と違うと、現実が政策に反映されない」と憂慮した。 ヒョン事務長は「労災が隠蔽されると、労働部の労災事故への対処に積極的にならない。 それでなくても労働部には労災担当職員が少ないのに、今後も改善されない」と批判した。 現代重工は労災発生の件数が少なく、最近5年間で労災保険料として955億の減免を受けた。 付記
ユン・テウ記者は蔚山ジャーナル記者です。この記事は蔚山ジャーナルにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2015-05-14 22:00:28 / Last modified on 2015-05-14 22:00:30 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |