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「労災死亡」主導する現代一家、悪名高い「死の工場」

現代重工、現代車グループなど労災多発…労災隠しで保険料減免も深刻

ユン・ジヨン記者 2014.04.28 14:46

現代重工業グループの系列会社で立て続けに労災死亡事故が発生し、大企業の安全不感症が再び問題になっている。 現代重工業グループの造船所だけでなく、現代自動車グループの系列会社などでも労災事故が相次いでおり、現代一家が韓国の労災死亡を主導しているのではないかという非難も高まっている。

[出処:チャムセサン資料写真]

70年代に労災死で悪名高かった現代重工
40年経った今も…1か月半で7人の下請労働者が死亡

現代重工ではこの1か月で4人の下請労働者が死亡した。 3月25日には足場が崩壊する事故が発生し、4人が海に落ちて1人が死亡した。 4月21日にはLPG船の火災爆発事故で4名が負傷し、2人が死亡した。 4月26日には下請労働者1人が首にエアホースが巻かれた状態で墜落死した。

現代重工グループ系列の造船所も入れれば労災死亡事故の頻度はさらに高い。 現代三湖重工業では3月7日と20日、二回にわたり下請労働者が各々1人ずつ墜落死する事故が発生した。 現代尾浦造船でも4月7日、安全帯不設置で下請労働者1人が墜落死した。 3月初めから4月26日までの1か月半の間に現代重工グループ系列の造船事業場で合計7人の下請労働者が死亡したわけだ。

現代重工業の労災死亡事故はすでに40余年前から悪名が高かった。 蔚山現代重工業造船所が初めて稼動した1972年から1975年までの3年間、ここだけで2千件以上の労災事故が発生した。 3年間に現代重工で死亡した労働者は何と83人にのぼる。

それでも現代重工業は労働災害を隠して莫大な労災保険減免の特典を得ていた。 金属労組現代重工社内下請支会が昨年3月、周辺の病院を対象として調査を実施した結果、現代重工業で約106件の労災隠しが疑がわれる事例を摘発した。

実際に2012年9月、現代重工社内下請労働者のファン某氏が更衣室で意識を失って倒れたが、救急車ではなく作業用トラックで患者を運び、結局死亡する事件が発生した。 労組と市民社会は救急車を呼ぶと労災で受付られるので、これを隠すためにトラックで患者を運んだとし、「労災隠し」の疑惑を提起した。

現代と現代重工が2012年に減免された労災保険料は何と858億ウォンに達する。 868億ウォンを減免されたサムスンに続いて二番目に規模が大きい。 3位は241億ウォンを減免されたLGで、4位は344億ウォンを減免されたSKだ。 新政治民主連合の殷秀美(ウン・スミ)議員室によれば、20大企業だけで年間3460億ウォンが減免されていることが明らかになった。

労災保険料率特例制度は、労災事故時に保険処理をすれば翌年の保険料が上がり、保険処理をしなければ割引を受ける方式だ。 大企業が労災を隠し、莫大な保険料を減免させやすい構造だ。 労組が現代重工の労災隠し疑惑を摘発した年は、現代重工業の労災保険料は2008年の615億ウォンから半分以上の305億ウォンに減った。

現代自動車グループ系列会社も多数の労災死亡
アスベスト、ベンゼンなどの発ガン物質に露出...職業性ガンで苦しむことも

現代重工だけでなく、 現代自動車グループの系列会社でも多くの労災死亡事故が発生している。

現代製鉄では昨年一年間だけで12人の労働者が労災で死亡した。 ガス漏出だけで6人が死亡しており、一部は墜落死するなど、事故の原因は繰り返されている。 何よりも現代製鉄の事業場では、使用が禁じられている1級発ガン物質のアスベストを使っていることが分かり、鉄鋼業種の労働者たちの健康にも赤信号が灯った。

昨年4月、金属労組が発表した鉄鋼産業発ガン物質調査結果によれば、現代製鉄では発ガン物質のアスベストを使っていて、鋳物作業でとけた鉄を注ぐ時にベンゼンが発生することが明らかになった。 1級発ガン物質の遊離ケイ酸も露出基準を超えて、労働者は過多露出していた。

もうひとつの現代自動車グループ系列会社の現代ハイスコも状況は違わない。 事業場の鋼板製造の過程で六価クロムとニッケル露出が確認され、鋼板塗装コーティング作業の場合も塗装室内の局所排気装置がきちんと作動していないことが明らかになった。 高濃度のホルムアルデヒドに露出し、喉頭癌や食道癌の原因が疑われている切削油が圧延誘導加工機械から広範囲に飛散していた。合計152の発ガン物質製品中、発ガン物質含有の事実が表記されていないケースも56%に達した。

完成車工場の現代、起亜車でも、多くの労働者が職業性ガンと白血病などに苦しんでいる。 昨年8月には現代、起亜車労働者18人が職業性ガン集団労災申請をした。 労災を申請した9人の現代車労働者は、白血病と肺ガン、甲状腺ガン、胆管ガン、直膓ガンなどに苦しんでおり、起亜車労働者8人も血液ガンと胃ガン、白血病、希少病などを抱えている。

労組側は、被害労働者が完成車工場で20〜30年間働き、交代制と夜間勤務による慢性疲労、劣悪な作業環境、各種発癌毒性物質によって職業性ガンにかかったと主張している。 金属労組は2011年から現在まで合計6回にわたり、147人に対して職業性ガン集団労災申請を行い、現在までに23人が労災を承認された。

一方、労災統計が作成されて以来、韓国で労災で死亡した労働者は8万6千人に達する。 2001年〜2011年までの11年間だけで何と2万7370人ほどが労災で死亡し、毎年2488人の労働者が労災で死亡している。 韓国の労働災害率は1970年の初期産業化の時から非常に高く、76年の労働災害率は日本の15倍に達する。 現在も韓国の労災死亡万人率はOECD国家で1位を記録しており、労災隠しの事例まで考慮すると、実質労災統計は政府統計の12〜30倍に迫るものと推定される。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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