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麗水産業団地惨事、『企業殺人特別法』制定至急

高危険作業、労災死亡が頻繁な『下請労働者』…元請は『責任回避』

ユン・ジヨン記者 2013.03.15 19:48

3月14日、麗水産業団地のデリム産業工場でのタンク爆発で17人の死傷者が発生 し、『労災死亡処罰強化特別法』への要求がまた強まっている。

韓国労総と民主労総は3月15日、いっせいに『労災死亡処罰強化特別法』を制定 し、企業主の責任を強化しろと声を高めた。企業の安全不感症と無理な作業の 進行が、労災を呼んでいるので、企業の責任者処罰などの責任強化で労災を 減らせという主張だ。

高危険作業で労災死が頻繁な下請労働者
元請は責任回避、下請けは罰金でごまかす

最近問題になった大宇造船海洋とデリム産業現場での労災死亡労働者は、全員 非正規職下請労働者の身分だ。大宇造船海洋は、この3か月で3人の下請労働者 が死亡し、9人の労働者が大怪我をした。デリム産業爆発事故も6人の死亡者が すべて全国プラント建設労組に所属する下請労働者だった。

大宇造船海洋とデリム造船のように、いわゆる大惨事が発生する所はほとんど 製造業や建設現場だ。製造業と建設業現場はほとんどが非正規職で満たされて いるので、下請労働者の労災事故もそれだけ頻繁だ。

特に製造業や建設業などの職種で、下請労働者は高危険業務に集中的に投入さ れる。外注化された現場で労災事故が発生すると、元請は処罰や責任から自由 になれるからだ。

民主労総のチェ・ミョンソン労働安全局長は「建設業は80%以上が、造船業は 65%以上が下請労働者で満たされている」とし「造船業の放射線業務の場合、 90年代初めには正規職が作業をしていたが、高危険業務で多くの事故が発生し、 今は下請労働者で満たされている」と説明した。

続いて「労災死亡事故が発生した時、元請まで処罰する事例はめずらしく、 もし処罰しても下位管理者の処罰に終わっている」と説明した。

一例としてロッテ建設が発注した釜山市北区の建設現場では、崩壊事故で1人が 死亡し、6人が負傷する事故が発生したが、元請のロッテ建設は無嫌疑で責任を 避けた。下請企業と業者所属現場所長だけに罰金刑が求刑された。2011年の1年間 だけで、ロッテ建設が元請の現場で7人の労働者が労災で死亡した。ロッテ建設は 2012年、労働界が選んだ最悪の殺人企業 2位になった。

企業殺人特別法制定、弾みがつくか
処罰の下限線を規定、元請にも責任を付与

それでも労災死亡事故が発生した時、下請企業だけが厳重な罪に問われるので はない。労災死亡事故が発生しても、たいていは事業主の罰金刑だけで事件が 終わる。

2012年の国政監査資料では、2010年から2012年までの重大災害2290件のうち、 罰金刑で終わったケースは57.2%にのぼる。無嫌疑で事件が終わったケースは 13.8%、起訴猶予は11.1%、却下や宣告猶予は1.8%だった。 このうち懲役刑は62件で2.7%に過ぎず、実刑につながる事例は殆どない。

元請や下請がとわれる労災死の責任が軽いほど、安全不感症は広がる。労働界 と市民社会が企業殺人法を制定し、責任者の処罰の強化を要求している理由も このためだ。

現在、民主労総が要求している特別法は、労災事故に対する責任者への処罰の 程度の確立などを骨子としている。死亡のような重大災害が発生した時、事業主 に対して刑法上の処罰や罰金の下限を定め、処罰基準を明確にしようという内容だ。

現在、労災事故が発生すれば、検察は起訴しないケースが多く、裁判所で事業 主の処罰を確定させることは難しい。労働部でさえ処罰を依頼せず、略式起訴 になる場合も多い。特に現行の産業安全保健法は、事業主の予防措置しか扱わ ず、大型の労災が発生しても強い制裁は加えられない。チェ・ミョンソン局長 は、「既存の労災事故処罰の量刑は低くて弱いため、下限を決め、処罰を強制 することが必要だ」と説明した。

また、民主労総は特別法で、労災死亡発生時に企業の最高責任者の処罰を可能 にするという方針だ。下請労働者が労災にあった場合、元請の最高責任者にも 処罰を強制するということだ。また、懲罰的賠償制度を導入し、労災の被害を うけた労働者が被害の補償を受けられるようにし、労働者と認められない特殊 雇用労働者にも、労災発生時に該当事業主は処罰から逃げられないようにする 内容も含めた。

チェ・ミョンソン局長は「英国をはじめ世界の各国で『企業殺人法』を制定し、 わが国でも10年前から特別法への要求が高かった」とし「民主労総は昨年労災 死亡処罰強化特別法制定闘争を宣言して、現在、法草案を作り、立法の準備を 進めている」と明らかにした。

韓国労総も15日、声明を発表して「これまで韓国労総は、労働災害による死亡 事故を防ぎ、災害を減らすには、何よりも事業主の処罰と責任を強化しろと 主張してきた」とし「国会は、労災死亡企業を強く処罰できるように 『企業殺人特別法』の制定をこれ以上遅らせてはいけない」と強調した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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