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殺人そのもののノクサン工業団地での放射線放出

[寄稿]ノクサン工業団地放射線、漏出ではなく放出

イ・ウンジュ(ノクサン労働者希望探し) 2012.01.04 18:54

ノクサン工業団地、自然状態の40倍の放射線漏出...牛無くして牛小屋正す政府

12月30日、ノクサン工業団地で自然状態の40倍を越える量の放射線漏出が確認 された。原因は、近隣の工場の不良設備と関係機関の管理不良だった。

この事件が伝えられると、当局は「牛無くして牛小屋直す」ようにノクサン工 業団地内で放射線非破壊検査装備を保有する16の現場に調査を実施し、急いで 結果を発表した。韓国原子力安全技術院のソンジョン洞放射線感知調査中間結 果発表によれば、コンクリート遮蔽室の隅の部分が完全に遮蔽されずに放射線 が漏出していた。これに対する措置として、遮蔽を補強するまで該当作業場で の作業を中断するように措置し、予備放射線影響評価は問題ない状態だと発表 した。また6日に総合結果を発表する予定だという。

▲3日午前、反核釜山市民対策委、ノクサン労働者希望探しなど釜山地域労働市民社会団体は、ノクサン工業団地放射能漏出問題についての記者会見を行った。[出処:反核釜山市民対策委]

今までに発電所事故など各種の放射線事故で政府と該当業者は、それが業界の 慣行で、安全には大きな問題はないという対応を続けてきた。今回の調査結果 も事実上、同じだ。政府と該当業者のこのような対応方式は、労働者の健康を 深刻に威嚇するだけでなく、市民の健康も深刻に威嚇する。

釜山だけでも270以上の放射性同位元素を扱っている企業がある。これらの業者 は核発電所に劣らない安全意識と作業規則遵守を適用しなければならない。し かし、今回の事故でもわかったように、該当業者では定期検査期間も同じ問題 が指摘されたのに、問題を全く改善しないまま数か月間、不法な作業が進めら れた。労働者が高線量の放射線で被曝したばかりか、近くを通る通行人にも 無差別な放射能被曝が放置された。

政府当局を全く信じられないため、市民が直接立ち上がった。釜山市民社会で は市民監視団を直接構成し、今回の事件に関する業者はもちろん、釜山全域に ある企業への放射能安全調査を実施することにした。

恐怖はこれから

専門家は、今回漏出した放射線量は健康に致命的だという。発生する可能性が ある症状は、被曝後2〜3週間で現れるが、免疫力低下と貧血、出血などの症状 が現れると、放射線被曝を疑わなければならない。そして免疫力が低下すれば 感染により、神経系や脳に障害が出る可能性がある。

また被曝後数か月から数年で、白血病と甲状腺ガンなどの致命傷が現れる。ま た、妊娠初期の妊婦は、放射線漏出地域を通らないようにしなければならない。 胎児に影響が生じる恐れがあるためだ。

非破壊検査は放射線、超音波などを利用し、目視検査では検出できない亀裂や 内部の欠陥、または微細な表面の欠陥を材料や設備を破壊せず検査する方法だ。 事業場での非破壊検査の種類は多様で、放射線も電磁気波と粒子放射線など、 さまざまで、有害因子が人に露出する経路も多様だ。

非破壊検査を行う時は、まず電磁気波に直接さらされる。二番目は粒子放射線 で、これは空気(雲)中に含まれる放射線物質、あるいは放射能の塵から放出さ れる放射線に直接被曝する外部被曝の経路と、汚染された空気を吸入して肺に 入る場合がある。汚染された飲料水や野菜、これを摂取した動植物食品と乳製 品などが消化器を通じて入る内部被曝の経路がある。

[出処:反核釜山市民対策委]

放射線にさらされた労働者の健康破壊、すでにあらわれている

非破壊検査専門企業のKNDT&I会社蔚山出張所で、放射線透過検査労働者20 余人のうち2人が死亡(白血病)し、2人(骨髄異形成症候群、血液数値以上)の労働者 が闘病生活をしていることが先日、わかった。

労働者たちは「放射線作業では作業者が放射線にどれほど被曝したかが分かる フィルムバッジを付け、被曝量を超過すれば作業を中止しなければならないが、 会社はこれを支給せず一括保管している。また一日2人1組が普通50枚撮影する が、1人が200〜300枚という莫大な作業量により、作業時間を短縮するために わずか2〜3メートルの距離で放射線を浴びながら作業したこともある」と証言 している。

費用を少し削って金を稼ごうとする事業主により労働者が死んで行くのだ。し かし今回のノクサン工業団地の放射線被曝を見ると、私たちの作業場も深刻な 状況であることを語ってくれている。

これは、単に非破壊検査の労働者だけの問題でも、該当事業場だけの問題でも ない。労働現場で働く労働者すべてが危険にさらされているのだ。

資本の殺人行為、労働者の人生を守れ

現場で働いてみた人はみんな知っている。放射能物質はもちろんあらゆる危険 物の安全管理が書類の上で存在するだけで、労働者の安全と健康に対する考慮 は後まわしで、ただ速度を強要されるだけだということだ。しかし一度の災害 は致命的だ。もう労働者の生命を軽視する誤った慣行を変えるべきだ。

ノクサン工業団地は国家産業団地として作られ、約1500の事業場で3万人の労働 者が働く。釜山地域の工団の中で一番労働者が密集するここで、放射能が流出 したということは、これまで労働者がいかに有害な環境で作業してきたのか、 そして該当業者の労働者だけでなく、ノクサン工業団地の多くの労働者の健康 権を深刻に威嚇してきたのかを赤裸々に見せる。

したがって、該当業者への厳重な処罰だけでなく、該当事業場労働者の健康の 実態とノクサン工業団地の労働者への全面的な健康実態調査が徹底して行われ るように、放射線漏出、いや放出に対し最後まで責任を問い、労働者の生命と 健康を守る闘争をしなければならない。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-01-05 00:35:46 / Last modified on 2012-01-05 00:36:05 Copyright: Default

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