韓国:進歩陣営、北朝鮮核実験への憂慮に微妙な差 | |||||||
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進歩陣営、北朝鮮核実験への憂慮に微妙な差根本的な原因が「米国の対北朝鮮圧力」には一致、 だが憂慮の程度や解決策はそれぞれ キムサムグォン記者 quanny@jinbo.net / 2006年10月10日18時16分 10月9日、電撃的に北朝鮮が断行した核実験の余波で国内はもちろん全世界の 耳目が韓半島に集中している。北朝鮮は昨日の核実験から現在まで、公式には 特別な動きを見せておらず、国連安保理では米国を中心に対北朝鮮制裁を骨子 とする決議案採択が議論されている。こうした中で韓国内の反戦・平和などの 進歩陣営に属する社会団体も、今回の事態の推移を鋭意注視している。 北の核実験以後、進歩陣営に属する社会団体の反応も一般とあまり違わなかっ た。北朝鮮問題をめぐる緊張はともかく、韓半島初の北の地下核実験は、それ 自体が衝撃的なニュースだった。北の核実験以後、社会団体は論評などで北の 核実験に憂慮を表明し、平和的な問題解決を促した。 民主労働党、希望社会党といった進歩政党をはじめ、参与連帯平和軍縮セン ター、社会進歩連帯、労働者の力、タハムケなどの進歩陣営の団体は、今回の 事態の平和的解決という大原則への意見は一致する。また、金融制裁などを続 けてきたブッシュ政権の対北朝鮮強硬路線が、今回の事態を呼ぶ原罪であると いう点、また核実験が北朝鮮の「瀬戸際戦術」による対米交渉用のカードだと いう認識に大きな差はなかった。だが、どちらに重心を置くかにより、今回の 事態に対していくぶんかの見解の差を現わした。 北朝鮮核実験に対する進歩陣営の憂慮、程度は各々 すべての社会団体は北の核実験に憂慮を示したが、その水準には違いがある。 民主労働党は9日の緊急対策会議後にブリーフィングで「多くの国民の憂慮に もかかわらず、北朝鮮が核実験を強行したことに強い衝撃と遺憾を表明する」 とし、「民主労働党は自衛的手段としての核をはじめとする核兵器政策に反対 していることもはっきりさせる」と乾いた語調で原則的な水準で「核実験」に 遺憾の意を示した。 これに対して希望社会党は論評で、北朝鮮指導部に言及してまで北の今回の核 実験を強く糾弾した。希望社会党は、「今回の北朝鮮の核実験は、韓半島の平 和体制の定着、世界平和を願う韓国と世界民衆の期待を裏切る重大な事件」と 規定した。 希望社会党は「核とは、1950年の朝鮮戦争の時、戦争狂信徒マッカーサーでさ え使えなかった極悪な戦争手段」とし、「北朝鮮の核実験は農業を無視して食 糧危機を引き起こした政策、つまり金正日国防委員長の先軍政治が引き起こし た必然的な事態であり、北朝鮮体制の悲劇だ」と、金正日国防委員長と北の体 制にまで言及して、今回の核実験を強行した北指導部をさらに強く批判した。 希望社会党はまた「北朝鮮の核実験を口実として韓半島で戦争を起こそうとす るどんな行為にも反対する」と付け加えた。 参与連帯平和軍縮センターもまた声明で「北の核実験は、韓半島の住民を致命 的な核の脅威の担保とするものという点で、韓半島と周辺地域の平和と安定に 真っ向から反するもので、南北が合意した韓半島非核化宣言と6.15共同宣言の 精神を深く傷つける」とし「韓半島住民の安全を担保に百害無益な核武装を実 現し、これを交渉手段に利用しようとする北朝鮮当局の軍事的冒険主義に反対 する」と糾弾、北朝鮮の核兵器即刻廃棄を要求した。 北核実験の背景は、異口同音に「米国の対北朝鮮圧迫政策が招いた」 北の核実験そのものへの反応とは別に、各団体は今回の事態に至った背景とし て、共通して米国の対北朝鮮圧迫政策を主な原因だと指摘した。 民主労働党は今回の事態を引き起こした主な原因を「北の核実験強行の過程で 米国が取ってきた対北朝鮮孤立・圧迫政策」と規定し、「韓半島平和を威嚇す る緊張と対決局面を造成した一次的な責任は米国の敵対政策」と明らかにした。 チョンヨンソプ社会進歩連帯執行委員も「昨年、919共同声明を作ったのに、 米国は北朝鮮への金融制裁などによる孤立・圧迫戦略を捨てなかった」とし、 「これは、北朝鮮の強い反発を呼びさました1次的な原因」と説明した。続い て彼は「北は核実験を瀬戸際戦術と判断しているようだが、これはむしろ核を 現実化することによって元に戻せない極限情勢を作る」と北の核実験敢行の問 題を指摘した。 タハムケのキムグァンイル運営委員も「北朝鮮の核実験は、米国が大国圧迫が 産んだ危険な結果」という点に同意した。 労働者の力のソンジンウ政策局長また北朝鮮が核実験をした根本的な原因が米 国の対北朝鮮政策にあると指摘した。 民主労働党、「米朝間直接対話」を要求 一方、今回の事態解決の方法には、団体ごとに強調点が違っている。 民主労働党は「今の状況は、米国の悪意的な北朝鮮無視政策と北朝鮮の極端な 選択がもたらした極めて憂慮すべき状況」とし「したがって米朝間の直接対話 と同時行動が平和的に事態を解決する最善の方法」と、米朝二か国の直接対話 を要求した。 タハムケ、「国連の対北朝鮮制裁に反対する」 キムグァンイル運営委員は、まず危機感を高めている北朝鮮への米国の軍事攻 撃の憂慮について「現在、米国内の反戦世論、困難に陥っているイラクの状況 とイランの局面を考えると、直接の攻撃は容易ではないだろう」とし、「中国 と韓国も、対北朝鮮制裁には同意するものの、軍事攻撃への合意は難しいだろ う」と見通した。 続いて彼は「南韓の進歩勢力は、米国の軍事対応だけでなく国連を通した制裁 が解決策ではないという点を明らかにし、国連を通した対北朝鮮制裁にもまた 反対すべきだ」と強調した。彼は1991年から10年間続いたイラクの経済制裁を 例にあげて「イラクの民衆が味わった恐ろしい経済制裁の前例を考えると、 国連を通した対北朝鮮制裁もやはり南韓政府は絶対に同調してはいけない」と 国連を通した対北朝鮮制裁に憂慮を表明した。 労働者の力、「北朝鮮体制と今回の事態は分離対応してこそ」 ソンジンウ労働者の力政策局長は「北朝鮮を崖っぷちに押し付けてきたブッシュ 政権と米国の北朝鮮政策の失敗があらわれた」とし「北朝鮮の核実験自体への 批判の世論に注目せずに根本的な原因を提供し、それを主導した米国の意図、 つまり北朝鮮の核問題の平和的な解決ではなく、北朝鮮の国家体制と政権への 攻撃で六カ国協議が無力化されるしかない条件を作った米帝国主義の問題を 指摘しなければならない」と強調した。 続いてソンジンウ政策局長は、朝鮮半島の非核化と反戦についての基本な立場 は同じだと述べたあと、北朝鮮の体制に関する問題は今回の事態と分けて考え るように要求した。また彼は、「盧武鉉政権が開城工業団地など、北朝鮮関連 の協力を中断すると発表したことは、この事態をむしろ悪化させる」として 「戦略的柔軟性の合意の問題や、包括的接近方案で見られたように、盧武鉉政 権は南北関係で主導権を持てず米国の北朝鮮制裁や圧迫を認める態度を取り続 ければ、北を窮地に追い込み、東北アジアの軍事的危険を高める形になる」と 警告した。 社会進歩連帯、「北朝鮮核保有の肯定は、社会運動の助けにならない」 チョンヨンソプ執行委員は今後の韓国政府の動きについて、「韓国政府は派兵 というプレゼントまで米国に贈ったが、結局韓国政府が選択できる方法は米国 が認める範囲で太陽政策を進めることでしかない」とし「韓米同盟の根本的な 問題を指摘せざるをえない」と主張した。 なお、チョンヨンソプ執行委員は「一部で今回の事態が米国の北朝鮮制裁によ り起きたと言われており、北朝鮮の核保有を肯定している」とし、「これは保 守勢力のしゅん動と大衆の反北朝鮮イデオロギーが強まっている状況で、社会 運動にとって何の意味もない」と指摘した。 続いて彼は「必要なことは、すべての争点が吸収されている現状況を警戒し、 北朝鮮の核保有をきちんと批判して、同時に米国の軍事主義的な戦略、そして それに巻きこまれている韓国政府への批判が必要だ」と付け加えた。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2006-10-12 23:22:53 / Last modified on 2006-10-12 23:22:56 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |