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労組の生存方式を考えれば、非公開交渉は論議の対象にもならない

[寄稿]サムスン電子サービスの非公開交渉は交渉でも戦術でもない

クォン・スジョン(現代自動車牙山工場社内下請支会教育部長) 2014.06.17 14:07

サムスン電子サービス労使が非公開実務交渉をすることにしたという記事(6月14日付)で、 金属労組だけでなく、関係活動家の間で非公開交渉について、 それぞれが不愉快さを示し、若干の騒乱があったという。

事実、労働組合が非公開交渉をするのは論議の的ではない。 民主労組か御用労組かを区分する一番簡単な方法が、労働組合活動の公開だからだ。 労働組合があっても、誰が交渉をするのか、どこで交渉をするのか、どんな内容でするのかが公開されない交渉は、 徹底的に組合員を排除したまま交渉が進められることを意味する。

[出処:メディア忠清資料写真]

朝鮮戦争以後、長い間韓国労総により強行された御用労組の壁を破り、 民主労組を作った時の主な動力だった要求の核心は、交渉方式、 つまり密室で交渉せず、透明に公開しろということだった。これは偶然ではない。

自分たちの労組の要求を自分たちで決め、自分たちが選出した代表がその要求を持って行って、 使用者側の代表と同等に交渉し、 交渉場から出れば組合員に報告して、 意見をまとめてまた交渉に入ること。 そうして最後に導き出された暫定合意案が、使用者側のどんなばかばかしい声と、私たちのどんな主張を争った末に導き出された内容なのかを知ること、 そして、その案を受け入れるかどうかを最終的に総会で決めること。 これは原則というよりも、民主労組の生存方式だ。

非公開交渉が正しくないとは言ってもサムスンという大企業との戦いなのに加え、 とりあえず力がないのでやむをえないとしても、 一歩進んでまるで労働組合が意図した柔軟な戦術的な選択であるかのように表現したりもする。 本当にそうだろうか?

現代という大企業と戦いながら、とりあえず力がないので 下請けの社長と性に合わない団体協約を結んだりもして、交渉ができなかったこともあった。 牙山工場のクミャン物流セクハラ事件の時は、 元請の現代車ではなく2次協力業者のグロービスと交渉をして、 当の元請会社と交渉ができない限界に自ら腹が立ったりもした。 またパク・チョンシク烈士が死に追いやられた時は 「下請企業と交渉すれば望むことをすべて聞いてやる」と元請の管理者が公然と嘲弄しても力強い闘争で答えられず、 交渉をしないまま力がなくて全国の労働兄弟の募金で葬儀を行ったりもした。 10年かかっても現代自動車非正規職3支会は正当な交渉の相手として認められ、 現代自動車と一度交渉をすることが望みだった。

力がなければ要求が後退することもあり、 私たちの望みをすべて争奪できないこともあり、 交渉ができないこともある。 戦術的な選択とはこういうことだ。 サムスンが望むままに非公開で交渉をするのは、 ただ使用者側の意図のとおりにすることであって、 私たちの戦術ではないということだ。

誰かもわからない使用者側と、いつ、どこかもわからない所で、 何かわからないことを話した末に持ってくる文書が交渉の結果だろうか? 闘争の結果だろうか? これは交渉でもなく、さらに戦術などでは決してない。 労使双方の雰囲気を知ることならともかく!

その上、非公開の交渉に対する問題提起により、 公開して交渉が中断したり合意ができなくなれば、 シーズンになると組合員たちが闘争から離脱したり、 組合を脱退するから労組がさらに苦しくなるという主張もする。 なぜか労組心配を度が過ぎてくれた使用者側の言葉と似ていないか? 彼らはいつも平和を望むと言う。鳩のように。

サムスンが非公開交渉でもしようと言った時、 動力がなくなる前に何も聞かず、問い詰めることせず、非公開で交渉して終わらせようという戦術を主張する活動家がいるのなら、 交渉形式でさえ押されるのに交渉内容はどうだろうか? 韓国の社会でサムスンの態度が制度化されるケースはよく見たてきたので、 これからのことも一緒に考えてみることを薦めたい。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-06-18 21:39:52 / Last modified on 2014-06-18 21:39:55 Copyright: Default

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