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サムスンなどの半導体事業場でベンゼン等の発ガン物質を検出

ベンゼン、ホルムアルデヒド、電離放射線、ヒ素などが副産物として発生

ユン・ジヨン記者 2012.02.06 17:16

政府が半導体事業場の工程で、ベンゼンなどの発ガン性物質が検出されたと 発表したことで、波紋が予想される。

現在、サムスン半導体などで白血病などの希少病で死亡した労働者は約50人、 情報提供された被害事例だけで140件ほどになるなど、被害事例が相次いでいる。 そのため半導体産業全般の安全対策の要求が続き、雇用労働部のイ・チェピル 長官も昨年8月にサムスン半導体器興工場を訪問し、サムスン半導体労働者の 保健管理強化計画を約束した。

特に現在、サムスン職業病被害者の行政訴訟も行なわれており、今回の政府の 発表が今後のサムスン職業病裁判にも影響しそうだ。

[出処:チャムセサン資料写真]

産業安全保健研究院研究結果発表
副産物としてベンゼン、ホルムアルデヒド、電離放射線、ヒ素などが発生

雇用労働部は2月6日、産業安全保健研究院の研究結果を発表し、半導体事業場 の一部の工程でベンゼンなどの発ガン性物質が副産物として発生していると 発表した。

これに先立ち、韓国産業安全保健公団の産業安全保健研究院は、2009年から 2011年までの3年間、『半導体製造事業場精密作業環境評価研究』を実施した。 今回の研究は、最初に白血病が発生した事業場、およびこれと似た工程を保有 する3つの事業場(サムスン電子、ハイニックス、フェアーチャイルドコリア)の ウェハー加工ラインと半導体組み立てライン工場を対象として白血病誘発因子 であるベンゼン、ホルムアルデヒド、電離放射線などの露出特性を評価した。

研究の結果によれば、1級発ガン物質といわれるベンゼンはウェハー加工ライン と半導体組み立てラインの一部の工程で副産物として発生すると確認された。 産業安全保健研究院側は、露出基準の1ppmより低く、人体に直接の影響を及ぼ す水準ではないが、発ガン性物質という点で管理が必要だとした。

ホルムアルデヒドも副産物として発生した。加工ラインでは自然環境水準で、 組み立てラインでは自然環境水準より若干高く検出されたことが確認され、 露出基準の0.5ppmより低い水準であることが明らかになった。

[出処:チャムセサン資料写真]

電離放射線は、ウェハー加工ラインと半導体組み立てラインで測定された。ま た、肺ガン誘発因子といわれるヒ素は、ウェハー加工ラインのイオン注入工程 (インプラント)の副産物として発生し、露出基準の0.01mg/立方Mを超過する例 も確認された。

特に産業安全保健研究院は、イオン注入工程維持補修作業を遂行する協力業者 の勤労者に露出危険が高く、これに対する対策が必要だと明らかにした。

産業安全保健研究院は「今回の研究結果に基づいて、今年の上半期中に半導体 産業の勤労者のための『健康管理ガイド』を製作、配布して、安全保健管理者 などを対象とする説明会を開く計画」と明らかにした。

雇用労働部も「発ガン性物質が作業工程の副産物として発生する可能性がある ことを明らかにしたことの意味は大きい」とし「今回研究対象に含まれる業者 には局所換気装置補完などの施設改善、副産物として発ガン性物質が発生する 有機化合物を安全な物質に交換、作業環境測定と特殊健康診断追加実施および 協力業者勤労者の健康保護対策などを是正するよう措置する」と明らかにした。

また労働部は、後の半導体業者にも今回の研究結果による保健管理対策を中心 に点検を実施して、危険性評価の補完など必要な措置を取る計画だ。

今回の研究結果は、政府が半導体工程で労働者がベンゼン、ホルムアルデヒド などの危険性物質に露出すると発表した初の事例で、以後サムスン半導体など 半導体産業での安全管理対策に影響しそうだ。特に社会的な問題になったサム スン職業病被害者の行政訴訟も有利な影響を受ける展望だ。

人体に無害?...「発ガン物質、極微量の露出でも職業病発生」

一方、労働人権団体などは少量のベンゼン、ホルムアルデヒドなどの有害物質 に露出しても、職業病が発病する可能性が充分あると憂慮している。

『半導体労働者の健康と人権守備パノルリム』のイ・ジョンナン労務士は、 「産業医学では、発ガン物質は毒性の限界値がなく、極微量に露出しても誰か は発病するというのは教科書的な内容」とし「だから露出許容基準は管理基準 でしかなく、政府が人体に影響がないと発表したのは正しくない」と強調した。

[出処:チャムセサン資料写真]

またイ労務士は「サムスン職業病被害について、法院でも使っていたベンゼン と電離放射線などに微量に露出して発病したという因果関係を認めた」とし 「使っていた物質だけでなく、副産物も有害物質が発生することが明らかにな り、微量でも有害物質に継続的、複合的に露出すれば労働者は健康権を大いに 威嚇される」と説明した。

そのためパノルリムは6日に論評を発表し「露出基準より大幅に低くても、作業 環境や露出経路などの特性により、人体に直接の影響を及ぼす恐れがあり、発 ガン物質は露出基準よりいくら低くても人体への直接の影響を排除できない」 と強調した。

また彼らは、雇用労働部が2008年の集団疫学調査結果に言及し『白血病の危険 は一般人と差がない』と発表したことについても、研究結果の意味を縮小、歪 曲させるなと声を高めた。当時の集団疫学調査では、半導体女性労働者の白血病 死亡の危険性は一般人の1.48倍、発生の危険は1.31倍高く、研究院も『白血病 の危険も軽視してはいけない』と強調したが、労働部がこれを縮小報道したと いう指摘だ。

そのためパノルリムは、雇用労働部と産業安全保健公団側に対し△半導体産業 白血病被害者の労災を即刻認めること、△公開の討論会で当事者の参加保障、 討論会2週間前に研究報告書の全文を公開することを要求した。

民主労総も同日、論評を発表して「ベンゼンなどの取り扱いも露出もないとい うこれまでのサムスンの主張をひっくり返したもの」とし、△勤労福祉公団の サムスン職業病控訴に対する即刻取り下げ、△この間の『職業病疫学調査』に ついての全面的な再検討と対策樹立を急ぐこと、△中小零細半導体・電子産業 労働者へのさらに現実的かつ積極的な対策を要求した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-02-07 09:50:52 / Last modified on 2012-02-07 09:50:53 Copyright: Default

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