韓国:給付の申請をしなかった松坡3母娘が悪い? | |||||||
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給付の申請をしなかった松坡3母娘が悪い?主要メディア、事実上三母娘に責任押し付ける報道
ハ・グムチョル記者 2014.03.05 10:46
福祉部「一斉調査」の対策は「本質歪曲」と指摘も「松坡区3母娘自殺事件」が社会的波紋を呼んでいるが、日刊紙と放送の一部に三人の母娘が受給申請をしなかったことが問題だったといった報道がある。 しかしこうした報道は、多くの死角地帯を量産している現行の福祉制度の問題を無視しているという指摘だ。 ▲SBS 〈ニュース8〉報道画面. (c)SBS MBCニュースデスクは3月1日「三人の母娘の自殺…予算100兆福祉制度を知らせていれば』という題名の記事で 「突然失職したり重病にかかった時は『緊急福祉支援制度』の助けを受けられるが、母娘は申請せず、区庁も彼らの切迫した事情を知らなかった」とし 「助けが必要な場合は福祉コールセンター129に問い合わるか、住民センターに来てほしい」という政府の立場を紹介した。 SBSニュース8も2月28日「亡くなった三人の母娘…福祉給付を申請していれば」という記事で 「制度そのものを知らず、申請しない人も相当いるものと推定される」とし、政府が積極的に政策を広報することを注文した。 つまり、国家の福祉制度は充分だが、貧困層の情報不足が問題だというような指摘だ。 朝鮮日報はここからさらに一歩踏み込んで、 三人の母娘が受けられたはずの福祉恩恵を具体的に数え上げだ。 朝鮮日報は「緊急生計費月88万ウォンを受け取れたのに...』という記事で 「腕に怪我をしたパク氏が今年2月に入って収入がなくなったので、基礎受給者になる資格が生まれた」とし 「3人家庭の現金支援額月108万ウォンのうち勤労能力がある二番目の娘の推定所得60万ウォンを除く48万ウォンを支援を受けることができた」と主張した。 また、朝鮮日報は二番目の娘が政府自活事業に参加すれば、政府支援額59万ウォンと自活所得70万ウォンを合わせて、月129万ウォンの収入が得られたはずで、 失職などの危機に陥った家庭を支援する緊急福祉支援制度により88万ウォンの生計費支援を受けられたと主張した。 しかしマスコミ一部のこうした主張に対して基礎生活保障関連の専門家たちは、 三人の母娘が実際に受給申請をしても給付を受けられた可能性は「殆どない」と指摘する。 三人の母娘の死について「韓国社会保障制度死角地帯代案用意のための緊急座談会・何が三母娘を死に追い込んだか」 が3月3日午後2時、国民基礎生活保障守り連席会議などの主催で参与連帯のヌティナム・ホールで開かれた。 ▲3日に開かれた「韓国社会保障制度死角地帯代案用意のための緊急座談会」 この日の座談会で、順天郷大社会福祉学科のホ・ソン教授は 「緊急福祉支援制度は、実際に主所得者の死亡、または拘禁されたり火災など、大きな事故がおきた時だけに適用されているので、三母娘に適用される可能性はない」と指摘した。 ホ教授はまた 「その上、ソウルではソウル型基礎保障制度が別途運営されているが、 勤労無能力者を中心に支援されているので勤労能力がある三母娘への適用は難しい」と明らかにした。 またわが国で一番核心的な公共扶助制度である国民基礎生活保障制度により、 三母娘が保護されたのかという点についても多くの発表者が「できない」と答えた。 貧困社会連帯のキム・ユニョン事務局長は 「腕に怪我をした母のパク氏が基礎生活受給を受けるには、慢性疾患の判定を受けなければならない」とし 「しかしほとんどは腕に怪我をした程度では慢性疾患とは認められず、判定までに最低2か月以上待たなければならない」と指摘した。 もし慢性疾患と認定されても問題は残る。 扶養義務者である二人の娘が勤労能力があると判定されれば受給を受ける可能性が減るためだ。 キム事務局長は「上の娘は糖尿と高血圧で働けない状況だったが、適時に病院に通えず、カルテがないので『勤労無能力』判定を受けるのは難しい」とし 「そうすると二人の娘は推定所得120万ウォンが設定され、受給は難しくなる」と指摘した。 現在政府が推進している改正案のとおりに基礎生活保障制度が連携型個別給与になればどうだろうか? 金事務局長は「政府改正案のとおりなら、150万ウォンの所得があった三母娘は、ひとまず生計給与と医療給付対象から除外される」と指摘した。 その上、住居給付の対象にはなるが、これも3人世帯基準で最大24万ウォンしか支援されず、 ここから自分負担金の名目で賦課された金額を除くと三母娘はほとんど受け取れないという指摘だ。 こうした批判が提起されているが、福祉部は三母娘の自殺事件の対策として、 既存の福祉制度を広報し、単に連係するという次元の対策しか出していない状況だ。 福祉部は3日報道資料で、3月の一か月間、福祉死角地帯の一斉調査を行い、 保険料滞納者、断電・断水世帯、スラム地域、最近福祉給付を申請した後に脱落した世帯などを集中的に調査すると明らかにした。 これを通じ、緊急支援、基礎生活保障制度、民間後援などの公共・民間の支援を連係させるという。 しかしこうした対応にどの程度実効があるかは未知数だ。 2011年にも公衆トイレで生活する3兄弟姉妹の事件が報道された後、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が一斉調査をして死角地帯を解消するよう指示したが、その成果は微かだった。 当時、一斉調査で支援された件数は合計4005件だったが、このうち基礎生活保障制度を通じた支援は1186件しかなく、あとは緊急福祉、社会サービス、地方自治体支援、民間後援などの一時的な支援しか行われなかった。 むしろ同じ時期に福祉部が扶養義務者の一斉調査を行い、既存の受給者を大挙脱落させた。 これに関して、障害者・貧民団体は現在の朴槿恵政権も、福祉死角地帯の解消に関心を持つより、 「福祉不正申告センター」を設置するなどして不正受給の摘発にすべての行政力を投入していると批判している。 全国障害者差別撤廃連帯のパク・キョンソク常任共同代表は 「一部言論の報道と福祉部の対策は、問題の本質を隠し、歪んだ解決策に導く」とし 「根本的には扶養義務制の廃止により、基礎生活保障制度そのものが福祉という名にふさわしい形に変わらなければならない」と強調した。 付記
ハ・グムチョル記者はビーマイナーの記者です。この記事はビーマイナーにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2014-03-06 08:17:01 / Last modified on 2014-03-06 08:17:02 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |