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トゥリバンの勝利をどう続けるか

トゥリバン大討論会『魅力満点撤去座込場』開催

キム・ドヨン記者 2011.06.28 20:43

「交渉自体は至難でした。録音機のように同じ言葉を繰り返す過程が何か月も 続きました」。退屈だったという話をする表情がかえって楽しそうに見えた。 勝利した闘争、トゥリバンの話だった。

トゥリバンは韓国社会に何を残し、トゥリバンの勝利をいかに第2、第3の勝利 に続けられるのか。今、『小さな竜山』という修飾語がなくなって、他の撤去 闘争の新しい修飾語になるトゥリバンで、6月28日、『魅力満点撤去座込場』の 討論会が開かれた。すべての撤去座込場がもうひとつの『トゥリバン』になる ことを願う人々でトゥリバンの3階は満杯になった。

「施行社と一緒に見て歩き、賠償金を算出」

この日の討論会で『トゥリバン合意書の性格と意義』の問題提起をしたトゥリ バン対策委のキム・ソンソプ氏は、施行社側が「既存の商圏と似た水準の場所 で再開できるように」という言葉を変えるため最後までかなり苦労していたと、 合意の過程を伝えた。

▲左からミリュ人権運動サランバン活動家、イ・ウォノ竜山惨事真相究明委事務局長、キム・ソンソプ トゥリバン対策委、タン・ピョンソン自立音楽生産者組合活動家

賠償金算出の過程も印象的だった。「交渉の過程で金額について施行会社側と 意見の差がありました。向うはここに初めてトゥリバンが入居した時の保証金 の二倍程度で終わらせようとし、2005年に開店した時の費用程度で終えようと しました。施行社は『かかった金を支払うというのに、なぜそれができないと いうのか』と言い、われわれは『あなたは、その金でまた開店できるのか』と。 そのうち交渉を終えて出てくると、なにげなく『店を出すには、いくらかかる のか、一緒に見に行こう』と言うと、2週間ほど後に電話がきました。店を見に 行こうと。それで一緒に弘大の近隣地域の不動産を歩き回り、費用を確認して、 その中間の金額で合意しました」。

続いて彼は、トゥリバン合意書の重要な意義として、△撤去民自身が作成した 合意書で調印した点、△近隣地域で営業を再開できるように明示した点、△恩恵 授与的な『補償』でなく、懲罰的な意味がある『賠償』を受けたという点、 △『背後勢力』のGS建設が当事者と明示されなかったが『関連会社』としてでは あれ、合意書に入った点を選んだ。

「新しいトゥリバン、私的空間を越え、社会的空間になれば」

自立音楽生産者組合で活動するタン・ピョンソン氏は、「多くの人々の連帯に 拡張されたトゥリバン空間が合意を経て、また『私的空間』に縮小されたよう だ」と惜しみを現わした。

彼は「初めトゥリバンは撤去座り込みで始まったが、昨年2月以後、青年、アナー キスト、文化運動家、フェミニスト、生態主義者など、ないところがないほど 多くの運動と接合され、結果としてトゥリバンは韓国の進歩的運動が総体的に 溶け込む空間になった」とし「ところが合意の過程でまた私的な利益に小さく なって終わったようで惜しい」と話した。

具体的に彼は「社会的、撤去座り込み、入居者問題に関心を持たせ、社会的な 話題にすることにはかなり成功したが、規制や法には実質的な打撃を与えられ ず、また、以後のトゥリバンのイメージを主体的に作り出せなかった」として 「初めの小さな私的空間とは違う形態の、はるかに公共的で社会的な空間とし てのトゥリバンのイメージを今から見つけられれば良い」と提案した。

「孤立した撤去闘争、地域問題として対応を」

竜山惨事真相究明委員会のイ・ウォノ事務局長は「トゥリバンという空間は、 今後どんな空間になるのかより、開発に抵抗したトゥリバンの運動がどのよう に拡張され、多様化するかのほうが重要だ」と指摘した。

イ・ウォノ事務局長は「トゥリバンに多様な勢力が連帯し、新しい運動文化を 創り出し、勝利を引き出したことがうれしく幸いだと思う」、しかし「すべて の再開発撤去地域がトゥリバンのようにはなれない」と強調した。弘大という 地域的な背景ともうひとつの特殊な条件を排除してトゥリバンの方式を他の所 にそのまま移植するのは難しいということだ。

そのためイ・ウォノ事務局長は「地域的連帯」を強調した。「開発はその地域 の人、政治構造など地域全般の状況を完全に変え、十年以上の地域運動の成果 も一日で水泡にする」とし「開発が開発地区の撤去民問題に限定され続け、 開発地域が今のように孤立した撤去の闘いではなく、地域的な連帯をまとめ、 地域問題として対応していくべきだ」と主張した。

イ・ウォノ事務局長は、商店入居者の再定着対策用意も急がれると指摘した。 相対的に長い闘争で、賃貸住宅、循環用住宅提供、住居移転費対策などさまざ まな法的対策がある住居入居者と比べ、商店入居者は補償費しかないためだ。 彼は「それも開発の一番最後の段階で通知される」とし「代替商店の部分や、 公共賃貸商店の確保など、商店入居者の対策も選択肢がもっと広がるべきだ」 と話した。

「『生』の問題に触れたトゥリバン...建物はなくなっても人生は処分できない」

人権運動サランバンのミリュ活動家は、トゥリバンの戦いで『財産権』の概念 を越え、私たちが保証されるべきものは何かを考えなければと強調した。彼は 「撤去地域では財産が戦いの動機になることが多いが、それは実際に守ろうと するものが物質的な財産なのかもしれないが、その他に守りたいものがあって も、それを解釈する単語が『財産』しかないため」とし『財産』という言葉が 包括できない、生に関する権利があることを喚起した。

彼は「建物を勝手にすることと、そこで商う人を勝手にするのは別のことだが、 法には区別できない」とし「『1ポンドの小さな肉を持って行っても、一滴の血 も流してはいけない』とシャイロックに下された判決のように、賃貸人が処分 できる財産は『建物』と『土地』だけで、賃借人の人生を勝手に処分すること ができるようにしてはいけない」とシェークスピアの戯曲〈ベニスの商人〉を 引用した。

ミリュ活動家はまた、「商店入居者対策の改善についての議論が権利金を中心 に形成されているのが危険だ」と憂慮した。「お金が人生を保障する手段には なるが、保障すべき目的そのものとは言い難いから」だ。彼は「補償を強化す ることも必要だが、補償だけではいけないことあるということをトゥリバンの 戦いが見せた」とし「トゥリバンがひろげた場所で、私たちが守るべき『生』 が何か、考え続けて共に話そう」と提案した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-06-30 09:32:30 / Last modified on 2011-06-30 09:32:34 Copyright: Default

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