憲法裁判所、竜山惨事捜査記録公開拒否は『違憲』と判決

竜山真相究明委、「憲法に背く裁判は源泉無効」

憲法裁判所は、竜山惨事で起訴された撤去民の裁判で、『検察の捜査記録公開 拒否は憲法が保障する基本権を侵害する』として提起した憲法訴訟を受け入れ、 違憲を宣告した。

憲法裁判所は6月24日に公開弁論を開き「証拠開始に関する刑事訴訟法規定によ り、法院が捜査書類の閲覧・謄写を認める決定をしたのに検事が弁護人の閲覧・ 謄写申請を拒否した行為は憲法に違反する」という決定を宣告した。この判決 には、裁判官の9人のうち8人が違憲意見を出し、記録がすべて公開されたので 権利保護の利益がなく、却下すべきだという意見が1人があった。

憲法裁判所は判決文で「法院の捜査書類の閲覧謄写許容決定があった場合、検 事は遅滞なくこれに応じなければならず、万一検事がこれを速かに履行しない 場合、該当証人および書類などを証拠に申請できない不利益を受けることに終 わらず、そのような検事の拒否行為は被告人の閲覧謄写権を侵害」すると明ら かにした。さらに「被告人の迅速で公正な裁判を受ける権利および弁護人の助 力を受ける権利まで侵害するもので、検事のこの事件の拒否行為は憲法に違反 すると判断」した。

これに対して『竜山惨事真相究明および再開発制度改善委員会』は声明を出し 「憲法裁判所の決定は竜山裁判がいかに歪曲され偏向的に進められたかを明白 に示した」とし「検察は法院の決定にもかかわらず、捜査記録を隠して被告人 の弁論権を深刻に侵害し、裁判を混乱させた。その結果、撤去民に重刑が宣告 された」と主張した。

また、「たとえ控訴審裁判所が撤去民の裁定申請事件記録にあった捜査記録に 対する弁護人の閲覧と謄写を認めたとしても、控訴審が違憲な条件で進められ た1審裁判の記録を重要な証拠資料に採択して進められたので、控訴審も公正で 正当な裁判だったとは言えない」と強調した。

委員会は「捜査記録公開なく進められた1審裁判は源泉無効で、憲法に反して進 められた1審裁判を基本証拠資料として採択して進められた控訴審判決も、源泉 無効」とし「違憲的裁判で重刑が宣告され、拘束された撤去民を即刻釈放しろ」 と主張した。

竜山惨事は昨年1月ソウル市龍山区ナミルダン・ビル屋上に櫓を設置して生存権 保障と龍山4区域再開発に反対する占拠座り込みをした過程で、警察の公権力が 投入されて火災が発生し、警察1人と撤去民5人が死亡した事件だ。

1審裁判の過程で法院の公開決定にもかかわらず、検察が捜査記録3000余ページ を公開しなかったが1審裁判所が裁判をそのまま続けようとした。撤去民弁護団 は、裁判所忌避申請と憲法訴訟を提起し、裁判は混乱の末、2009年10月1審で 6〜5年の重刑が宣告された。

また、今年2月から始まった控訴審裁判では裁判所が捜査記録3000ページを弁護 団に提示したが、裁判長が変わるなどで混乱し、5月31日、控訴審裁判所は竜山 4商工撤去民対策委イ・チュンヨン委員長など9人に懲役5年から4年を宣告した。

一方、竜山惨事撤去民拘束者が国家に体する損害賠償請求訴訟を2月24日に提起 した。当時彼らは『検察が捜査記録3千ページを公開せず多くの精神的衝撃と苦 痛をあじわった』とし、国家に500万ウォンの損害賠償請求訴訟をソウル中央地 法に出し、検察への損害賠償訴訟も提起する意思を示した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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