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アノアル前委員長『反韓活動』で調査中

出入国、バングラデシュ大使館「責任はない」

ビョン・ジョンピル記者 bipana@jinbo.net / 2007年08月03日16時59分

移住労働者の労働権と人権のための戦いが『反韓活動』または『国家イメージ 失墜』と規定されるという理解できないことが起きた。7月26日、韓国での活動 を終えて故郷に戻ったアノアル前移住労組委員長は、バングラデシュに帰った ところ本国でまた二日も拘禁されるという事件が発生した。現在は「反韓活動」、 「国家イメージ失墜」などで調査されている。

▲空港に向かうアノアル前移住労組委員長[出処:移住労働者放送局]

乗務員が旅券差し押さえ
経由地では6時間拘禁

合法的な身分で韓国を出国したアノアル前移住労組委員長は、空港で出入国管 理職員が同行し、その後、飛行機に乗った後も再び人権侵害にあった。

アノアル前移住労組委員長と直接電話で話したある活動家は「仁川を出発して シンガポールに到着するとすぐ、警察とシンガポール出入国職員により外国人 保護所につれていかれ、6時間保護所に拘禁されていた」と伝えた。移住労組 もこの事実を確認し、「飛行機に乗った瞬間、スチュワードと見られる人々が アノアル前委員長の旅券を押収した」という話を聞いたと伝えた。

本国では『反韓活動』で調査中
ビドゥ前移住労組闘争局長も似た経験

バングラデシュのダッカ空港に到着した時に、さらに不可解なことが起きた。 ダッカ空港に到着したアノアル前委員長は、バングラデシュに到着するとすぐ 警察につかまって留置場に入れられて二日間拘禁され、解放された。しかし、 解放で終わったのではなかった。アノアル前委員長は、今後も『反韓活動』と バングラデシュの『国家イメージを失墜した』という理由で調査を受けなけれ ばならない。

韓国で移住労働者の労働権と人権のために戦った活動家が本国に帰り、現地で 処罰されたり裁判を受けることになったのは、単に今回だけではない。

4年前、平等労組移住支部のビドゥ前闘争局長も、同様の理由で本国に帰ると すぐ裁判を受けた例がある。当時、ビドゥ前闘争局長は本国で裁判を受けたが、 知人によれば韓国の執行猶予と似た名目で釈放されたという。明洞聖堂で摘発 追放阻止と未登録移住労働者全面合法化のための座り込み闘争を行い、標的摘 発で強制追放されたタパ前平等労組移住支部委員長も、強制出国当時に出入国 職員の同行で出国した。

移住労組、「出入国とバングラデシュ大使館に責任」

こうした情況から推察すると、移住労組では今回のバングラデシュ政府の措置 がバングラデシュ政府の独自の判断で進められたものとは考えていない。移住 労組は声明で、移住労働者の闘争は「被害当事者として、自分自身の生存のた めに当然の抵抗権の領域」と正当性を主張した。

移住労組は声明で、保護一時解除の後も「移住労組活動をしないことを強要し、 毎回延長のたびに移住労組活動を理由に延長を拒否する動きを見せた」とし、 アノアル前委員長に対するバングラデシュ政府の態度に韓国政府が介入した 可能性を主張している。

移住労組は以前、マスコミの報道や面談などで韓国政府が『反韓活動』に言及 してきたとし、移住労組の正当な活動を『反韓活動』と規定してきた韓国政府 の立場と今回の事件は、無関連であるはずがないと主張しているのだ。

出入国、「出国すれば責任ない」
駐韓バングラデシュ大使館「報告を受けていない」

しかし出入国管理事務所はこうした主張に対して韓国政府の関連性は全くない と否定した。出入国管理事務所は「国内で活動をしても、出国すれば国内活動 は終わる」と関連事実の責任を否定した。しかし不法滞留後、本国に入国した 時、「十分にありえること」とし、アノアル前委員長に起きたことはすべて バングラデシュ政府の責任という点を強調した。

出入国管理事務所は旅券が押収された状況についても、出入国事務所は責任が ないという点をまた強調した。「強制退去でもなく、期間内に出国したので」 出入国事務所には権限がないという説明だ。ただし「航空会社が自主的に機内 で問題が起きるかもしれないと考えて管理することはある」と付け加えた。ま た「バングラデシュ政府が要求をしたかのかもしれない」と述べ、アノアル前 委員長に対する部分はすべてバングラデシュ政府の決定あるいは航空会社独自 の判断だと説明した。

しかしバングラデシュ大使館は、アノアル前委員長に関連する情報を集めて本 国に伝えたのか、本国に帰る過程での旅券差し押さえ、現地警察による抑留な どに対してどんな役割をしたのかについては「報告を受けていない。情報を集 め、本国政府に伝えたこともない」という立場を明らかにした。大使館はアノ アル前委員長が「いつ出国したかも知らなかった」と述べた。

残された疑問

あるバングラデシュ出身の移住労組活動家は、昨年バングラデシュ大使館にア ノアル前委員長の旅券発給について問い合わせた時、バングラデシュ移住労働 者たちが「韓国政府に反対する活動をし、移住運動をしたので雇用許可制の了 解覚書が締結できなくなっている」と移住労働者の闘争を問題にしたことがあ り、労組活動と現在の状況には関連があると説明した。

現在アノアル前委員長の状況についての責任について、出入国と駐韓バングラ デシュ大使館とも「責任がない」、「報告を受けていない」と答えている。

しかし韓国社会で移住労働者の労働権と人権のために戦った活動家が本国に戻っ て調査を受けている状況で、誰が、どのように、またどのような立場から、ア ノアル前委員長の活動を報告したのか、その主体が出入国事務所でもなく、 駐韓バングラデシュ大使館でもなければ、誰なのかという疑問は依然残されている。

飛行機の中で旅券を押収され、経由地のシンガポール空港で6時間保護所に抑 留された状況もよくわからない。出国当時アノアル前委員長の身分は『合法』 状態だったためだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


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