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「このからだを焼きつくせ」

麗水火災惨事で犠牲になった移住労働者49日、「闘争は今始まる」

ビョン・ジョンピル記者 bipana@jinbo.net / 2007年04月02日16時46分

2月11日未明、麗水外国人保護所の火災惨事で命を失った移住労働者の葬式が、 3月30日に行われた。その翌日、麗水外国人保護所火災惨事共同対策委員会 (麗水共対委)は「未登録移住労働者摘発追放中断・外国人保護所閉鎖共同行動- 麗水外国人保護所火災惨事犠牲者49日」を開いた。

「保護はいらない!全面合法化勝ち取ろう」
「労働ビザは曲げない私たちの要求」

集会が始まる前から、長く引き伸ばした白い布には「保護はいらない」、 「労働者は一つだ」、「未登録移住労働者勝ち取って労働ビザ与えろ」など 移住労働者たちの要求と希望が各国の言語で書かれていた。

集会に集まった約400人の移住労働者と市民社会の活動家たちは「葬儀は終わ りはでなく闘争の始まり」とし、闘争の意志を高めた。

ソウル京畿仁川移住労働者労働組合(移住労組)のカジマン委員長は「葬式は終 わったが、私たちの闘争は終わらない」という言葉で集会を始めた。「未登録 移住労働者とレッテルを貼り、2003年から摘発追放をした後、9万人が摘発追 放され、30人ほどが自殺した」と残念な未登録移住労働者の現実をまた一度強 調した。カジマン移住労組委員長は「われわれには人権がない。人権がない人 には闘争しかない。韓国政府は当然、労働の権利、労働ビザを与えなければな らない。われわれはそれらを勝ち取らなければならない」と、未登録移住労働 者の全面合法化、労働ビザ争奪の要求を曲げないと強調した。

オランダ移住労働者保護所でも火災
二人の長官に対する辞任を引き出し、首相弾劾運動につながる

この日の集会で目を引いたのは、オランダから来た活動家の発言だった。2005 年、オランダでも外国人保護所で火災事件が発生し、この過程で11人の未登録 移住労働者が死亡する事件が発生した。この事件を追跡し続け、結局法務部長 官と住宅部長官の二人が辞任するという成果を勝ち取った闘争に参加したジャ ン・ポール・スミトゥ、アムステルダムおよび空港追放者保護所監視団体事務 局長が集会演壇に上がった。

演壇に上がったジャン・ポール・スミトゥ事務局長は「オランダの保護所と麗水 保護所は、1年前に一度火事が起こった点が似ている」とし「最も大きな問題 は、未登録移住労働者の権利に対する言及と、責任を政府が回避していること」 と指摘した。オランダでは2005年以後、教会をはじめ多くの団体が保護所問題 に関心を傾け、独立捜査機構を設置したという。この捜査機構の結果が二人の 長官の辞任だけでなく、首相弾劾運動に進んだと伝えた。ジャン・ポール・ス ミトゥ事務局長は「移住労働者も人間である以上、いかなる所でも人権は絶対 に尊重されるべきであり、監獄に閉じこめるのは人権侵害」と強調した。

責任を回避する法務部への非難あふれる

移住労働者共同体活動家も移住労働者を犯罪人扱いする韓国政府を非難、糾弾 した。フィリピン出身者の移住労働者共同体Kasammakoのマーク活動家は「未 登録移住労働者をあまりに簡単に犯人として、責任を回避」していると韓国政 府を非難した。核心的な問題は「雇用許可制、研修生制も、摘発追放にある」 とし「われわれの要求が受け入れられなければ追慕や記念はない」と断言した。

ミャンマー民主化運動団体のミャンマー行動活動家、ソモットゥ活動家は「韓 国は民主化されていない国だ。韓国人たちは安全かもしれないが、希望を求め て韓国に来た労働者を動物のように連行し、死なせた」とし「最悪の状態になっ ている大韓民国を良くしなければならない」と訴え、集会参加者の共感を引き 出した。

オランダ以外からも多くの所から連帯のメッセージが到着、集会参加者を力づ けた。「当然韓国で尊重されるべき移住労働者たちの権利」を要求して「幽霊 として残る未登録移住労働者の全面的な合法化」を要求するメッセージ、「労 働権保障」を要求するメッセージが米国、日本、香港、ヨーロッパなどから飛 んできたという知らせに移住労働者たちは歓呼した。現在、全世界で約610人 の個人と17の海外団体が抗議書簡および支持署名をしたという知らせが伝えら れた。

法務部がの選別合法化示唆にも冷淡な反応

法務部が去る29日、条件付き選別合法化を示唆したが、移住労働者の反応は 冷淡だった。

集会に参加した安山地域のネパール移住労働者のナレンドは、地域でこの報せ に接したが、移住労働者たちからは何の反応もないと伝えた。事実、2003年に 体験したこととあまり違わないという反応だ。「一度帰れば何千万ウォンもか かる。誰が出て行くか。出て行っても戻れるのかは確実でない」とし、韓国政 府の政策が移住労働者に全く信頼を与えられず、現実性がないと指摘した。

決議文を朗読する前に移住人権連帯のチェ・ヒョンモ代表は「移住労働者を 分裂して抑圧した政策が3年をむかえる今、欺瞞的な術策で移住労働者を分け、 選別合法化する政策」を政府が出したが、「戻ってきた霊魂が冷たい底に横た わっている間、政府は相変らず抑圧的な政策を止めようとしない」とし、 「闘争なしで勝ち取れるものはない」と強調した。

ホ・セウク組合員焚身の知らせにざわめき
「ああ...また1人が」、残念さと怒り

集会が終る頃、ホ・セウク組合員焚身の知らせが伝えられ、集会参加者は再び 残念さと怒りを吐き出した。ホ・セウク組合員の焚身を伝えた司会者は、「盧 武鉉政府がまた1人の命を奪い取ろうとする」と焚身の知らせを伝えた。移住 労働者たちはくやしく保護所で死んでいった移住労働者たちの49日に、また 1人が死をかけた死闘をしているという知らせに、盧武鉉政府に対する非難と 闘争の決意を新たにした。

集会は「このからだを焼きつくして亡者たちが気楽に天国で生きることを祈願」 する儀式を進行した。焚身の報せに接した集会参加隊伍のほとんどは複雑で息 苦しい気持ちでこの後に進められる韓米FTA阻止キャンドル集会に参加するた めに移動した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-05-29 05:08:05 / Last modified on 2007-05-29 05:08:06 Copyright: Default

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