韓国:特級傭兵『エニンヨ』と無名の『移住労働者』 | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバーフェスタ2024(12/25) ・レイバーネットTV(11/13) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班(11/22) ・ブッククラブ(10/12) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第96回(2024/11/15) ●〔週刊 本の発見〕第368回(2024/11/21) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/11/14) ●川柳「笑い茸」NO.157(2024/9/26) ●フランス発・グローバルニュース第14回(2024/10/20) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第95回(2024/9/10) ●「美術館めぐり」第5回(2024/11/25) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
特級傭兵『エニンヨ』と無名の『移住労働者』[記者コラム]移住労働者の権利保障のための論争が必要な時
チョン・ヨンギル ニュースミン記者 2012.05.11 10:57
韓国サッカーが、ブラジル出身のエニンヨ(全北)の帰化をめぐり騒々しい。 2014年ワールドカップで成績を上げるためにエニンヨの帰化が必要だという 意見と、『韓国的情緒』上、韓国語がうまくないエニンヨの帰化はだめだ という意見が対立している。 議論はサッカー代表チームのチェ・ガンヒ監督がエニンヨの特別帰化を要請し たことから始まった。上級機関の大韓体育会は、「エニンヨの帰化が利益より 問題が大きいと判断した」と特別帰化要請を拒否したが、大韓サッカー協会は 直接特別帰化の手続きに入ることにした。 所属チームの全北でのエニンヨの競技能力だけを見れば、彼の能力は優れている。 側面からスピードを活用した突破と正確なキック力は、サッカー代表チームが うらやましがるだけのことはある。さらに、これまで側面支援だったパク・ チソンの引退とイ・チョンヨンの負傷による競技感覚の低下が、エニンヨの帰化 推進を魅力的にさせる。 これまでも海外派選手の帰化の話はあって、そのたびに試みだけで終わった。 サッカー代表チームは一度も帰化選手を選んだことはなかった。エニンヨの 場合も、サッカー代表チームに入るための帰化について難しい世論の対立で 浮き彫りになった点は、『国家代表チーム』への情緒だ。 これまでより「単一民族」、「純粋血統」の強調はずいぶん薄くなった。バス ケットボールの国家代表には、帰化したムン・テヨン、イ・ドンジュンが入っ た。卓球でも中国から帰化したタン・イェソがいて、華僑出身のフ・インジョ ンがバレーボール代表チームになることもあった。それでもエニンヨの帰化に 反対する世論は、エニンヨが『韓国への愛情がない』からだという。5年以上、 Kリーグで走ってきたが、韓国語がうまくないことが大きな根拠になっている。 「その程度の選手はいないのか?」、「エニンヨがメッシュやホナルドほど優れ ているか?」という実利論も存在する。 エニンヨの特別帰化実施の有無とは別に、帰化の議論でわれわれは重要な点を 発見することができる。まさに肌の色と瞳による異質感だ。また、『外人』が 私たちにどれほど助けになるのかが彼らへの判断の基準になる。 自分の存在根拠よりも『国家全体の利益』を重視するのが韓国社会だとしても、 『外国人労働者が雇用を奪う』という黒色宣伝に、われわれは隠された意味を 読む。外人は私たちにない能力で、自分の競争相手にならいか、でなければ、 内国人の誰もがしたくない仕事をしなければならない。エニンヨの議論でも、 メッシュ級になるか、そうでなければ特別帰化は見込めないというように。 411総選挙の直後に起きた『イ・ジャスミン』の議論と4月に水原で起きた殺人 事件を経て、移住労働者と結婚移住女性一般に対し暴力に近い批判が続出した。 これに力づけられ、出入国管理所は未登録移住労働者の強制的な取り締まりの 強化を始めた。フィリピンに戻ったミッシェル前移住労組委員長は韓国を訪問 したが、空港から出られず、帰らなければならなかった。言論の関心は、結婚 移住女性よりも「セヌリ党」のイ・ジャスミンだったし、水原殺人事件の理由 より、彼が「外国人」であることに注がれた。事件に怒るのではなく「移住民」 という存在に対する怒りだった。 プロサッカー選手も、賃金を受けて競技を走る労働者だ。エニンヨも同じだ。 彼は、自分が働く場所を探して韓国を訪れ、自分の労働には韓国語の熟練度は あまり重要ではなかった。安山家具工場などの場と大邱ソンソ工団零細事業場 で働く移住労働者が、初めての韓国語として接する侮辱語とは違う。大部分の 移住労働者は韓国語を習得しなければ非難されたり殴られなければならなかった。 それでも彼らは黙々と働かなければならなかった。重要なことは移住労働者も 人間らしく働ける労働環境だ。エニンヨもそんな条件に置かれることを望むのか。 傭兵帰化の議論はサッカー代表チームの成績が良くないときに必ず出てくる。 議論の出発点は、国家代表チームの成績を上げることに汲々とする大韓サッカー 協会だ。競争が激しい故国ブラジルでは、出場が難しいワールドカップに出場 したいエニンヨには、代表チーム入りが保障された帰化を拒否する理由はない。 10日付の毎日経済の記事では、エニンヨの帰化の議論について「解かなければ ならないことなら、生産的に悩まなければならない。感情的に接近すれば、道 は遠い。選手として適切な能力があるかを見ることが適当だ」と話している。 感情的な接近ではなく生産的な悩みで、なぜ未登録移住労働者は排除されるのか。 報道機関と世論がエニンヨに送る関心が、少しだけ一般的移住労働者に送られる ように願うのは欲であろうか。(記事提携=ニュースミン) 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2012-05-11 13:42:21 / Last modified on 2012-05-11 13:42:28 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |