アムネスティ、農業移住労働者の搾取強制労働実態報告書を公開
人身売買水準の搾取...70-80人が1人共同購買不法派遣も
雇用許可制の事業者移動の自由制限が強制労働の原因
キム・ヨンウク記者 2014.10.20 18:34
「私は毎週土曜が休日だったが、
4月から6月は毎日午前3時から午後7時まで、一日も休まず働かなければなりませんでした。
そうでない時は社長が勝手に休日を決めていたのですが、
社長は私が他のカンボジアの人とつきあうことを望まなかったので、
私が土曜に休むのを望まなかったです。
おそらく他の人が私の労働時間が長いことを知ることを恐れていたようです」-カンボジア出身35歳女性
「韓国で働く機会を得ることは難しかったので、仕事を止めるよりいっそ不当な待遇を我慢して働き続け、金を稼いだ方が良いです。
一度は社長に出て行きたいと言いましたが、
社長は事業場変更申込書に署名せず、未登録に身分にすると答えました。
私は韓国で正規の身分で法的にできるだけ可能な時まで働きたいです。
もし事業場を変更する自由があれば、私はすぐここをやめるでしょう」 -カンボジア出身29歳男性
国際アムネスティが農畜産業に従事する移住労働者の搾取と強制労働の実態を含む報告書を公開した。
アムネスティ・インターナショナル韓国支部は10月20日に国会議員会館セミナー室で、
約2年の実態調査結果として
「苦痛を収穫する:韓国農畜産業移住労働者搾取と強制労働報告書」の発表記者会見を行った。
この報告書によれば、アムネスティが調べた農畜産業移住労働者の多くは人身売買状態と強制労働にさらされていた。
これ以外にも移住労働者は過度な労働時間、時間外勤務手当不払い、休日と休憩時間未付与、脅迫、暴行の死角地帯に置かれていた。
こうした人権蹂躙事態は雇用労働部の管理監督の責任が大きいという指摘が多くの声としてあがっていた。
移住労働者が新しい仕事を見つけたくても、
雇い主が雇用許可制により事業場変更申込書で事実上、強制労働をさせており、
雇用労働部が移住労働者を保護する現行法を履行していないからだ。
報告書を発表したアムネスティ・インターナショナルのノーマ・カン・ムイコ(Norma Kang Muico)アジア太平洋移住人権調査官は
「農畜産業移住労働者人身売買体系の出発点は、
ネパール、カンボジアなどの送出国から始まっており、
だまされて、誤った契約書により韓国に入ってきている」とし
「搾取を目的に欺いて採用するのは国際法上の人身売買に該当する」と指摘した。
勤労基準法63条、農業労働例外条項が搾取の根拠
ノーマ・カン・ムイコ調査官によれば、
農畜産業移住労働者の勤労契約による労働時間は毎月226時間から364時間で、
一日10時間以上、月28日以上労働をしているが、
普通は勤労契約に明示されているより最低50時間長く働いていることが明らかになった。
ムイコ調査官は「このような長時間労働は、
農業分野に限り有給休日と休憩時間を除外している韓国の勤労基準法63条が原因」とし
「勤労基準法63条の例外事項は内国人と移住労働者に同一に適用されるが、
長時間低熟練労働のほとんどを移住労働者が担当しているため、事実上の差別にあたる」と指摘した。
またアムネスティが面談した移住労働者の多くは、
農閑期の11月から2月の間に不法に派遣されたことがあると述べた。
農業移住労働者は不法派遣が摘発されれば逮捕されて強制退去を受けるため、
雇い主の不法派遣が移住労働者には致命的な行為になる。
ムイコ調査官は「あるカンボジアの男性は70-80人の雇い主が共同購買したりもしたし、
別のカンボジア男性は毎日6つの他の高麗人参栽培農場を回って仕事をしなければならなかった」とし
「このようにして働いたカンボジア労働者が、雇い主に一日の休暇を要求したが、
雇い主はこれを断って農場から追い出し、
その後勤務地離脱者と申告して未登録労働者に転落させた」と伝えた。
移住労働者が過度な労働時間と賃金未払い、休憩時間問題に抗議すると、
ほとんどの雇い主は暴言と暴行、解雇、申告脅迫で対応するのが日常的であることが明らかになった。
このような証言は、国家人権委報告書と移住労働者支援労組、移住労働者人権団体にも出てきている。
一部の雇い主から1~2千ドルの賄賂を受け取って事業場変更申込書に署名
ムイコ調査官は
「移住労働者の絶対多数が自分たちが同意していない労働条件の下で労働を強要され、
強制労働の条件で働いている」とし
「政府が雇用許可制により事業場移動の自由を深刻に制限しているためであり、
事業場変更の自由の制約は長い間、国連とILOが提起している問題だが、
韓国は無視してきた」と指摘した。
続いて「雇い主は自分の意志により、移住労働者との契約を勝手に解約できる」とし
「一部の雇い主は新しい職場を探そうとする移住労働者から1~2千ドルの賄賂を受け取り、事業場変更申込書に署名したりもする」と伝えた。
このように雇用許可制による移住労働者の搾取が続く根本的な理由は、
労働部が農業分野で特に適切な監視活動をしていないためと指摘される。
アムネスティによれば、各地域の雇用センターは移住労働者の事業場変更問題などの苦情を支援する責任と義務があるが、
安山、木浦、潭陽、平沢、瑞山の雇用センターでは、適切な支援を受けた移住労働者がいなかった。
ムイコ調査官は「その上、一部のセンターでは事業場移動の手続きに雇い主が署名してくれと頼み込めと言うだけのところもあった」と伝えた。
このような実態報告書により、国際アムネスティは韓国政府に、
△雇用許可制労働者の事業場変更回数制限廃止、
△雇い主の事業場変更申込書署名なしで事業場変更許容、
△勤労基準法63条の廃止および時間他勤務手当て、年次休暇条項をすべての労働者に拡大、
△すべての農場に対する積極的で定期的勤労監督により勤労基準法条項遵守などの措置を要求する予定だ。
「雇用労働部、農畜産業移住労働者勤労時間の実体把握もせず」
記者会見に参加した地球人の停留所のキム・イチャン代表は
「この3年余り、農業移住労働者相談をして知った事実は、
韓国の監督機関の雇用労働部の役人には農業移住労働者の労働時間が何時間なのか、
はっきり答えられる人は誰もいないということ」と非難した。
キム・イチャン代表は、自分が相談した移住労働者の勤労契約書を事例として示して
「この労働者の勤務時間は午前6時に始まり18時までで、
休憩時間は1日60分、休日は隔週土曜になっている」とし
「それで私が算数をすれば、一日11時間で1か月に28日働くことになり、
11時間かける28日で月間の勤労時間が出てくる。
ところが(合計)勤務時間の欄に月間勤労時間は226時間になっている。
1か月に二日しか休まず、一日11時間働いても226時間になるのは、
労働部の算数には問題がないということ」と指摘した。
キム・イチャン代表は「ある労働部雇用センターでは、
移住労働者が320時間働いていると言うと、直接証明をしろといった」とし
「どんな証明をすればいいのかを聞いたところ、
毎日のCCTVがなければ証言は認められないと話した」と伝えた。
彼は「韓国政府は勤労契約書の通り、農業移住労働者の勤労時間が途方もないことを推察はしているが、
どれくらい働いているのかのデータが全くなく、知ろうともしない」とし
「基本的な算数ができず、問題を判断することもできないから、
人権を救済することもできない」と皮肉った。
キム代表は「農業移住労働者は雇用許可制で縛りつけておけば強制労働をするほかはない」として雇用許可制廃止を要求した。
記者会見を後援した張(チャン)ハナ新政治連合議員は
「10月7日の国政監査でこれ以上、雇用許可制で農畜産業移住労働者を働かせず、
自らの権利と人権を守れるH2同胞訪問就職ビザを持つ人が農畜産業で働けるようにすることが代案だと話した」とし
「24日の最後の国政監査の日に雇用労働部長官にこの報告書を提案し、
強い対策を要求したい」と明らかにした。
アムネスティ韓国支部はこの報告書を基盤として移住労働者人権を確保する多様なキャンペーンを進める予定だ。
優先報告書の要求事項を韓国政府が履行するように、
韓国農業移住労働者の状況を全世界に知らせていく予定だ。
そのためにアムネスティ国際ホームページに報告書を載せ、
国内の生協団体キャンペーン、国際食品労連と共に5か国語で教育資料を翻訳し、
食料生産過程の全般を消費者に知らせていく予定だ。
また雇用労働部と法務部、外交部とのミーティングで報告書を渡し、
雇用労働部長官には全世界ファックス抗議と嘆願書も渡す予定だ。
国内農業労働に従事者数が多い国際アムネスティ・ネパール支部は、
この日に記者会見を行って報告書を公開した。
アムネスティ韓国支部のキム・ヒジン事務局長は
「移住労働者が涙を流して農産物を栽培しているという事実を知らせるために、
ハンサリム、iCOOP生命、スローフードなどの全国の生協店舗で同時にキャンペーンを進める」とし
「消費者も移住労働者も幸せな人権食卓を作ろうということが今回のキャンペーンの題名」だと説明した。
なお今回の報告書は2013年と14年にかけて、
韓国全域で農業移住労働者28人を対象として深層面談調査を行い作成された。
また、国家人権委が161人を集めた資料により、裏付けられている。
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可( 仮訳 )に従います。
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Created on 2014-10-22 03:57:44 / Last modified on 2014-10-22 03:57:45 Copyright:
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